• 「西郷どん」ゆかりの地めぐり&うまかもん探し

「西郷どん」ゆかりの地めぐり&うまかもん探し

明治維新150周年に、西郷どん。ディープな歴史にふれ、のんびり湯ったり鹿児島をめぐる旅へ。
鹿児島と言えば桜島、温泉、グルメ、そして明治維新を支えた偉人たち。特に西郷隆盛は兎狩りや療養のため、県内の津々浦々を訪れていた。だから南薩から北薩まで、西郷どんの伝説が残されている温泉は数多くあり、そのどれもが名湯である。まずは薩摩川内を訪れる。
北薩を代表する温泉郷・川内高城温泉。目抜き通りの両脇に佇む湯治場や温泉、土産物屋は昭和の佇まいをそのまま残している。
高城(たき)温泉
高城(たき)温泉
西郷隆盛が入ったとされる共同湯。高城温泉は、ほとんどの店舗が共同の源泉を引いているので泉質は同じだが、お湯の温
度は店によって異なる。共同湯は熱め。

川内高城(たき)温泉
薩摩川内市湯田町6763
TEL:0996-25-4700
(株式会社薩摩川内市観光物産協会)
八木商店
八木商店
ド派手な装飾に誰もが驚く「八木商店」。店主のおばあちゃんとのコミュニケーションを楽しみつつ、焼酎を選んでみよう。
 
2017年に和牛日本一の称号を獲得した鹿児島県産黒毛和牛にも、めがけて食べたい逸品がある。薩摩川内市で精肉店と焼肉店を展開する「かんだ」の牛肉だ。きめ細かい小ザシが入った美しい肉は驚くほど軟らかく、繁殖から肥育、精肉、販売まで全てを自社で手がける、手づくり牛肉の真骨頂。そこにしかない宝物と出会う。それは足を使った旅の醍醐味でもある。
肉料理 かんだ
肉料理 かんだ
「こんなに小ザシが入ってるのに脂っぽくない!」と絶賛される和牛ハラミ焼肉セット(ランチ)は、自社農場で和牛を肥育しているからこそ、希少部位をおしげもなく堪能できる。

肉料理 かんだ
薩摩川内市東向田町1-16
TEL:0996-23-6696
営業時間:11時~14時30分(ラストオーダー14時)、17時~23時30分(22時)
定休日:水曜日
 
名産鹿児島和牛かんだ
名産鹿児島和牛かんだ
圧巻のショーケースには様々な部位の肉がズラリ。さながら肉の美術館。

名産鹿児島和牛かんだ
薩摩川内市東向田町5-22
TEL:0996-25-2914
営業時間:10時~19時
定休日:水曜日、1月1日・2日
 
食べ歩きにもってこい!メンチカツ
食べ歩きにもってこい!メンチカツ
名産鹿児島和牛かんだの揚げたてのメンチカツ。肉汁でのやけどにご注意を!
 
西洋風の外観とは裏腹に、大きな梁と柱で支える和風の構造が特徴の尚古集成館。オランダの書物だけを頼りに造ったという反射炉。目に入るものすべてが、薩摩藩の高い技術力と諸外国の影響を受けて育まれた独自の芸術性を感じさせるものばかりだ。歴史にうとくてもこれらの古い建築物をきっかけに、薩摩の歴史に興味が湧く。西郷隆盛銅像、西郷洞窟、南洲墓地…と西郷隆盛ゆかりの地を巡れば、気分は完全にタイムスリップ。全国から集った若者が、城山を駆け下りていく様が脳裏に浮かび、胸が熱くなる。仙巌園や南洲墓地からは桜島が見える。薩摩の歴史を見つめ続けてきた桜島が今も変わらずにそこにあるということの尊さを感じずにはいられない。
明治10(1877)年9月24日未明、立て篭もっていた城山を政府軍に包囲され、砲撃を受けた薩軍は岩崎谷を駆け下り、最後の抵抗を示したが、西郷隆盛は腰と太ももに銃弾を受けたため、別府晋介の介錯により自決したと言われている。
西郷隆盛を祀った南洲神社と隣接する南洲墓地には西南戦争で命を落とした人々が埋葬されている。戦没者の多くは全国から集まった10代~20代の若者であり、その数は2023名とされている。尊い命に手を合わせたら、桜島を望む絶景もぜひ堪能して。
仙巌園は、万治元(1658)年に島津家19代・光久によって築かれた島津家の別邸。東京ドームとほぼ同じ広さ(約1万5000坪)の敷地には、桜島を築山に、錦江湾を池に見立てた借景庭園が広がり、四季折々の花々が見る者の目を楽しませてくれる。庭園から望む桜島の雄大な姿も圧巻で、格好の撮影スポットとなっている。また、鹿児島の県木・クスノキを使った正門は明治時代に築かれたもので、NHK大河ドラマ「篤姫」や「西郷どん」のロケで使用されたことでも有名。

両棒(ぢゃんぼ)餅

両棒(ぢゃんぼ)餅

鹿児島の郷土菓子「両棒(ぢゃんぼ)餅」

2本の竹串を刺した鹿児島の郷土菓子「両棒(ぢゃんぼ)餅」。ほんのり甘い醤油風味と味噌風味の2種類の味を楽しめる。仙巌園のある磯地区の名物で、仙巌園の売店でも購入可能。

尚古集成館は、幕末に薩摩藩が建設した「機械工場」を利用した博物館。28代当主・斉彬が推し進めた日本近代化への軌跡や島津家の歴史を学ぶことができる。館内には反射炉のレプリカが展示され、当時の技術の高さをうかがえる。西南戦争や第二次世界大戦の戦火を免れ、当時のままの姿を残す外観にも注目してみよう。仙巌園と尚古集成館は「明治日本の産業革命遺産」の一つとして、世界文化遺産に登録されている。
絶対に外せない!地元で人気の店
グルメは旅の大きな目的の一つだ。味にこだわるのは当然として、店の雰囲気や立地も店選びの重要な要素である。店主や地元客との距離が近い店ならなお良し。会話は料理をより一層おいしくする最高のスパイスだからである。それだけではない。お店のおすすめ料理やそれに合う焼酎を教えてもらえるのはもちろんのこと、地元の人におすすめの観光スポットなど旅に役立つ情報を聞くことだってできるのだ。鹿児島県民は地元愛が強い。観光客と地元客が半々の割合でひしめき合う屋台をハシゴすれば、地元のおいしい料理やお酒以上の収穫があるはずだ。
かごっまふるさと屋台村 奄美料理店「愛加那」
かごっまふるさと屋台村 奄美料理店「愛加那」
地元客と観光客が楽しそうに話す光景をたびたび目にする「かごっまふるさと屋台村」。奄美料理店「愛加那」で飲みやすい黒糖焼酎をオーダーしてみる。

かごっまふるさと屋台村
鹿児島市中央町6-4
TEL:099-255-1588
営業時間:店舗によって異なる
定休日:第1・3月曜日(祝日の場合、翌日)
 
名山堀 中華そば店「チュウカソバキミイロ」
名山堀 中華そば店「チュウカソバキミイロ」
近年新しい飲食店が増え、昭和レトロな雰囲気も相まって若者にも人気のスポットとなっている名山堀。そこにある「チュウカソバキミイロ」は、2017年8月のオープン以来、行列の絶えない人気店。ネーミングも遊び心いっぱいの「これでダメなら申し訳ない(中華そば)」は、鹿児島では珍しい琥珀色のあっさりした上品な味わいの鶏がらスープ。その上には低温でじっくり煮たしっとり軟らかな食感の豚の肩ロース肉が。普段はうどん派でも、「これはうまい!」と絶賛する一品だ。サイドメニューやトッピングにも店主のこだわりが詰まっているのでぜひ。

チュウカソバキミイロ
鹿児島市名山町8-6
TEL:090-4777-1290
営業時間:10時~15時
定休日:不定休
 
インターネットで大抵のモノが手に入る時代だからこそ、旅ならではの特別感が欲しい。指宿市の山手にある鰻温泉は、西郷どんも訪れたという名湯である。キラキラ輝く湖面が美しい鰻池と指宿では珍しい硫黄泉の温泉、何より地元ボランティアガイドの素朴で温かなおもてなしが心身を癒やしてくれる。

いぶすき西郷どんガイド
指宿市湊2-5-33
TEL:0993-22-3257(公益社団法人指宿市観光協会)
営業時間:8時30分~16時30分(16時最終受付)
※料金ほか詳細内容はお問い合わせください。
区営鰻温泉
区営鰻温泉
砂むし温泉で有名な指宿温泉エリアのなかで、唯一の単純硫黄泉。かつては西郷隆盛が湯治していたこともあるのだそう。木造の建物にこぢんまりした浴槽、地元の人たちとの飾らない会話。ひなびた温泉ならではの趣が楽しめる。
スメ
スメ
鰻温泉では、「スメ」と呼ばれる温泉の蒸気を利用した天然の竈で蒸した指宿産の野菜や玉子を味わうこともできる。「スメ」は鰻地区の各家庭にあり、集落のあちこちで噴気が上がっている。
 

コラム:旅のキッカケに西郷どん

コラム:旅のキッカケに西郷どん

やさしい表現だと、優れた体格、悪く言うとメタボ体型なのが、鹿児島で一番有名な偉人の西郷隆盛。そんな西郷隆盛だが、飛行機や車などの高速に移動できる手段がない江戸時代にも関わらず鹿児島中に出没している。とにかく随所に足跡のあることが、鹿児島の人々から今でも愛され親しまれ、事実と虚構の中間のような逸話が数多く語られる理由ではなかろうか。西郷さんは温泉入浴が大好きだった。どこの温泉に入ろうかなと思ったときに、じゃあ西郷さんゆかりの温泉はどうかなと考えてみる。霧島市の日当山温泉や湧水町の栗野岳温泉、薩摩川内市の高城温泉に指宿市の鰻温泉と県内各地の主要な温泉地が出てくる出てくる。続いて、若き西郷さんのお仕事場所で考えてみる。藩主島津斉彬のもとで政治的な活躍をする以前の話で、農政に関する仕事に従事していた。いちき串木野市の羽島には、若き西郷さんが工事に関わったとされる溜池が残されている。さらに溜池工事で余った予算で建造したという堤防が港に現存している。日置市には、西郷さんが欄干に橋名を刻んだとされる橋がふたつもある。ただどれも正確な史料はなく、溜池の水神碑や欄干本体にも他の人物の名前はあれども西郷さんの名前はない。それでも地域の人々は大切に保存して、西郷さんが関わったことを信じている。安政の大獄から逃れるために潜居していた奄美大島にも、魚釣りをした場所や使ったかもしれない井戸など様々な話が伝えられている。とにかく、西郷さんは狩りや魚釣りや農作業や湯治や流罪などのために鹿児島中を移動しまくった。それは西郷さんにとって、ある時は趣味の旅でもあり、ある時は人生の旅であった。そんな西郷さんの旅をなぞることで、今までとは違った鹿児島が楽しめるかもしれない。

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