農家民泊」を考えるセミナーを開催
-ディスカッションの概要
観光かごしま大キャンペーン推進協議会(事務局:鹿児島県観光連盟)は3月27日、鹿児島市の鹿児島商工会議所ビルで「鹿児島の農家民泊を考える!」と題したセミナーを開きました。鹿児島の観光の新たな可能性を探ろうと、「農」のプログラムづくりを意図しました。其田秀樹・県観光プロデューサーの基調報告と県内外の専門家らによるパネルディスカッションなどがあり、200人近くが聴講しました。なぜ観光関連の組織が「農」なのでしょうか?
詳しくは以下のセミナーの概要記録をごらんください。この概要は、セミナーに参加された鹿児島県離島振興課離島振興係主幹の有村智明さんによるものです。ご協力を感謝いたします。
日 時:平成19年3月27日(火) 13:15~16:15
場 所:鹿児島商工会議所ビル4階大ホール
作 成:鹿児島県離島振興課離島振興係主幹 有村 智明
1 基調報告(其田県観光プロデューサー)
・ 「ツーリズム」の動きが県内でも盛んになってきた。
・ 国の1つの大きな柱として,観光振興は大切ということで,1月1日に従来の観光基本法(1963年から43年間)にかわり,観光立国推進基本法が施行された。そう言いながら,まだ国には観光省,観光庁もなく,国土交通省で担当している。国においても,新たな省庁を設置するような動きが出てくるべきだと思う。
・ 今回の法には,地域ツーリズム(地域ブランド戦略)の導入について触れているところがあり、私なりの解釈では、特に地域ブランドの考え方は鹿児島の各地域にとって必要だと考えている。 これは,行政と同じレベルに住民の意識を高めていこうとする考えである。 このことにより,たとえば,東京に鹿児島のポスターを貼って鹿児島に来てよというような,従来の「発地型の観光」から,今後は,鹿児島に着いてから,情報を入手し,鹿児島のどこどこに行こうと決める「着地型の観光」に移行していくと思われる。
・ 4月から北海道大学に観光創造論専攻課程が設置される。
・ 5月には旅行業法が改正される予定だが,この改正により,従来は,自分たちで旅行商品をつくって売ることは一種・二種のみに認められていたが,第三種の旅行業の業務範疇が拡大され、地域限定の旅行の企画、募集、実施が出来るように変わる。 このことにより,一種・二種は,大都会にしか無く,地域密着が困難であったが,地域に密着した旅行商品の作成・販売が可能になった。 たとえば,長野県飯山市の観光協会が第三種のライセンスを取ることを計画している。
・ 最近は,様々なニーズに応え,様々なツーリズムが誕生してきており,行政はグリーンツーリズムは農政部,ヘルスツーリズムは保健福祉部で担当というように,従来の県の縦割りの中では収まらなくなってきた。 ・ なぜ,今,地域ブランドかというと,三位一体の改革等で地域にはお金がないが,一方では,団塊の世代の大量退職等により,地方回帰の考え方が生じている。 こうしたことをバネにして,どうやって地域を守っていくかを考えるべき時期に来ているということである。
・ 「ブランド」とは,隣とは違うよという意味で,もともとは牛に押す焼き印のことである。
・ 地域ブランドには次の3つがある。
① 暮らしブランド 住んでいる人が自分たちの暮らしているところは結構いいなと考えること (空気がおいしい,野菜がおいしい等)。
② 特産品ブランド そこに行って,おいしいものを買いたい,食べたいと考えること。 たとえば,加治木のキビナゴ寿司は,アミュ等他の所でも食べられるが,本店に行けば,きれいに皿に並べて出てくるし,うどんもついてくる。 やっぱりそこに行って食べないと,本当の味を味わえない。
③ 観光地ブランド そこに行ってみたい,さらに,住みたいと考えること。
①については,住んでみたいと思ったときに土があることが大切であり,②については,昔食べたものへのあこがれから,農家で食べる昔ながらの味が好まれ,また,③については,素朴ですてきな景観が求められることから,田舎に大きなチャンスがあると考えている。
・ JTBに在職中も従来型の観光でいいのかなあとずっと考えてきたが,「ツーリズム」も大きな意味では「観光」であるが,新しい意味での観光であり,次のような違いがある。 【 ツ ー リ ズ ム 】 【 従 来 の 観 光】
・ 県外だろうと,県内だろうと人が ・ 主に県外の人が対象
来てくれればいい
・ 着地型観光 ・ 発地型観光
・ 同じ所に何度も来る ・ 同じ所に何度もは来ない
・ 行く人が主体性を持っている ・ 旅行業者が主体性を持っている
・ 個人型 ・ 団体
・ 明るいもの,暗いもの,両方を見る ・ 明るいものを見る
・ 案内人はインタープリザー(通訳) ・ 案内人はガイド
・ 交流あり ・ 交流は基本的になし
・ 宿泊場所は農家等 ・ 宿泊場所はホテル・旅館
・ 先進地はより小さいところ ・ 先進地はより大きいところ
・ 鹿児島でも様々なグリーンツーリズムの取組が行われているが,農家数,耕地 面積,農業生産額が九州一と,グリーンなフィールドがたくさんあるのに生かし切っていない。
・ 農泊の5つの条件は次のとおり。
① 家に病人がいないこと。
② 人生をアグレッシブにとらえること(金儲けよりも人儲け)。
③ 心臓が強いこと。
④ 料理を作り,人をもてなすことが好きな人であること。
⑤ 奥さん中心で仕切ることができること。
・ グリーンツーリズムにも次の2つがあるので,しっかりと整理すべきである。
① 学校教育の一環としての農家の宿泊体験
② 生業として,年中,人を泊める農家民泊
・ 鹿児島県は熊本よりも10年,グリーンツーリズムの取り組みが遅れている。
グリーンツーリズムの大学の卒業生は,鹿児島県は10年で2人くらいしかいない。
2 宮崎県からの報告(宮崎県五ヶ瀬町 夕日の里づくり推進会議 後藤会長)
・ 五ヶ瀬町は宮崎県の最北端にあり,人口5,000人くらい。
35人を選定し,平成7年度に地域の宝探しから始め,夕日が目の高さよりも低いところに沈むということで,「夕日の里づくり推進会議」を立ち上げた。
・ 最初にやったのが手づくりのイベントであるフェスタ開催。
また,地域の「習わしの味」を2年半かけて12食再現した。
地域への啓蒙を行うとともに,農家レストランの立ち上げも準備中である。
・ 今,力を入れているのは,ふるさと体験交流ツアー(昨年で第10回)であり,福岡県などの北部九州をターゲットとして取り組んでいる。
このツアーの参加者は,豆腐づくりや五右衛門風呂などを非常に喜び,人間性を取り戻すリフレッシュの場として参加していることがわかった。
地域住民も来てくれた人から地域の良さを教えてもらい,地域の自信を取り戻すことができた。
・ ハードは何もつくる必要はない。
体験については,農家や鍛冶屋など,それぞれの暮らしを体験してもらえばいい。
宿泊については,農家民泊でやればいい。
ありのままでよく,開発しない開発が大切である。
・ 福岡に住んでいるツアー参加者が集まって,五ヶ瀬の町人会をつくってくれた。
メンバーは約200人おり,イベントの際のボランティア等をやってくれるが,彼らは親戚のような関係を望んでいる。
・ あの人に会いたい,あのおばちゃんのご飯を食べたい,そういう交流を進めていくのがグリーンツーリズムだと思う。
・ 次の3つをしっかりとやれば,他にも細々したことはあるが,法律上も認められるようだ。
① 必ず農業体験をする。(農業そのものの体験だけでなく、農村文化についての講話や田園風景の中での散策など広い解釈。今、生業としての民泊で農業体験を前提としないほうが繁盛しているようである。但し、教育旅行体験学習農泊は別。)
② 食事はいっしょにつくる。
③ 宿帳はしっかりと整理する。
・ 行政のやることは,規制をうまく緩和して,うまくやれるようにしてくれることだけ。
補助金を使う必要もない。
3 鹿児島県からの報告(県農村振興課 伊藤技術主幹兼農村企画係長)
・ 今まで30年間,農村振興運動に取り組んできた。(以下略)
4 パネルディスカッション ○ テーマ:「鹿児島の“農家民泊”をどう育てるか」
○ コーディネーター
鹿児島県観光プロデューサー 其田秀樹 氏
○ パネリスト
宮崎県五ヶ瀬町 夕日の里づくり推進会議会長
後藤福光 氏
九州ツーリズム大学学長代理 江藤訓重 氏
九州のムラ編集長 養父信夫 氏
南さつま市 NPOエコ・リンク・アソシエーション代表理事
下津公一郎 氏
鹿児島県農村振興課 主幹兼農村企画係長 伊藤真吾 氏
(其 田)
自己紹介をお願いしたい。
(江 藤)
現在は,町の行政経営局の局長を務めている。
ツーリズム大学を立ち上げて10年になるが,都市と農村をつなぐ,農村を理解 し,交流をビジネスとしていく人づくりが基本ということではじめた。
第一次産業が基盤にあって,人とのネットワークがあるということで,小国にツーリズム大学を設置した。
お金をどう集めるかが課題だったが,今や入学式,卒業式には国の農政局長も来る。
積み重ねることが大切で,卒業生が1,500人以上いる。
これが人のネットワークをつくっている。
福岡や熊本を中心にいろいろな人がいる。
養父さんは2期生。
これからの農村のことを考えていく研究者もいる。
(養 父)
「九州のムラ」という本を99年2月から出している。
実家は神官であるが,神社は村がないと成り立たない。
自然の恵みを神といっしょに祝う。
「村の命を町の暮らしへ,町の力を村の生業へ」ということで,ツーリズムという考えが生まれた。
次号から「九州のムラへ行こう」に本の名前を変える。
もう少し,町の人を村に誘う色を強めていきたい。
その2つを結ぶものとして「食」を考えている。
(下 津)
教育旅行を主体とした農家民泊に取り組んでいる。
修学旅行の受入体制をつくって3年目。
6年くらい前から活動を始め,今年も1,000人くらいの子供が来る。
地域資源の見直しをしたときに,こういう資源が眠っていたんだということに気づいた。
平成20年度の修学旅行も既にどんどん決まってきているところである。
第一次生産者が元気でないと地域が沈むので,この人たちが報われる取組ができないかということで始めた。
全国的には先進地がいくつもあって,長野県の飯田市の農家の話を聞きに行った。その結果,地域が元気になる,子供たちとの交流も進んでいるということで始め た。
修学旅行は,飯田市も1校から始まって,今や150校くらい来るようになっており 8億円くらいの産業になっている。
これだと思って取り組み始めた。
(其 田)
私も南さつま市に行って受入農家の人の話を聞いたが,鹿児島の地域の味を子供たちも喜んでいるようだ。
やはり従来の旅行は,若干「装置産業」という考えがあって,大量販売,大量受入ということでないと成り立たないということであった。
しかし,それぞれが自分の目的を持って少人数で旅行する時代になると,誰がそ ういう仕掛けをするのかが問題である。
グリーンツーリズム等を運営していく「人」をどう養成し,どう理解しているかをパネラーにも聞きたい。
そこに住んでいる人が核になるのは否めないと思うが,今後の行政の関わり方についても聞きたい。
(後 藤)
地域住民が基本である。
地域の人が目線を地域に合わせていく必要がある。
我々の今の歩みは10のうちの2か3。
次のリーダーを育てないといけない。
事務局長の役割は2,3年前に若い世代に譲った。
子供を育てるためには,地域では地域の背中を見せること。
地域ががんばれば,子供たちも地域に目を向ける。
今までは行政主導型が多かったが,これからはサポート役に徹するべきである。
情報の収集・発信は住民は苦手であるので,行政ができること,地域ができることをわけてやっていく必要がある。
(江 藤)
湯布院のようなまちづくり型観光地とかあるが,従来の観光地は「金使い型観光地」だったが,今後は「人使い型観光地」がメインとなる。
民泊とかやっている人でもたくさん人が来るところもあれば,来ないところもある。
その差はその人のキャラクターの違いである。
規制が緩和されたりして,誰でもやれるように見えるが,民泊は24時間なので,いちばん難しい。
だから,「金儲けよりも人儲け」であり,人儲けができる人でないと難しい。
大分は民泊も100軒あるが,人が来ないところもある。
それぞれ仕掛人,仕事人,仕置人が必要である。
あと,農村は国内全体から見ると立場が弱い。
そういう中で農村側につく,都市側の戦士を育てる必要がある。
そういう意味で養父さんの存在は重要。
また,全体を知る人が必要。
教育旅行,民泊は日本全国でやっている。
そういう中で鹿児島型をどうつくっていくか考えることが必要である。
今日のこういうセミナーも全国で行われている。
鹿児島はどうするかをいつも考えながら取り組んでいく必要がある。
ツーリズム大学を通じて,都市の優秀な人をいかに農村側につけるかということが大切だと思って取り組んできた。
(其 田)
南北600kmにわたる県であるので,他にない鹿児島らしい民泊を見出せないかと思っている。
ツーリズム大学は大工さんもいれば,いろんな人がいる。
そこで自由に語り合うことで新たなものが見えてくる。
伊藤さんには,行政の中にいて,平成19年度の取組の中で行政の人づくりというか,グリーンツーリズム,民泊に対する取組等について聞かせてほしい。
(伊 藤)
農村振興という考え方は変わらない。
主役は農村に住んでいる人で,行政は誘導役。
伝統料理,伝統芸能をひもとくのが行政の役割で,それを伝えていくのは農村の人の役割。
伝統芸能が行政がやる産業祭に移行し,予算が無くなったら廃止されるという動きもある。
30年近く農村振興運動という形で関わってきているが,今回,観光行政という立場で其田プロデューサーに乗り込んできていただいて取り組むのであれば,形も変えるべきかもしれない。
(其 田)
県に頼みたいのは,民間の人のフィールドづくりにもっと努めてほしいということ。
会社の中でマネージメントがうまい人が,農村で人を束ねるのがうまいとは限らないと思うがどうか。
(養 父)
熊本大学に通っているが,先生が言うには,日本のメーカーのやり方は農村の「結い」制度を取り入れたという意見もあるとのことだ。
よく地域づくりの3つの「者」は,馬鹿者,よそ者,若者というが,そう言うことは確かにある。
安心院であると,宮田さんという馬鹿者,よそ者がいて,ぶどうづくりにやってきたが,悶々としている中で県の職員にも江川という馬鹿者がいて,ヨーロッパの ある村に視察に連れて行った。
小石を投げた宮田,それをサポートした江川,そのうち若者が入ってくる。
グリーンツーリズムは観光なのか,教育なのか,縦割り行政の中ではなかなか動いていかない。
行政がNPOを支援する仕組みを持っていて,人を配置するための支援を行ったり,竹田市のようにやる気のある人で組織をつくり,事務局長だけ行政から派遣するというようなやり方もある。
(其 田)
次世代への引き継ぎを含め,人についてどう考えているか。
(下 津)
各町に何とかしないといけないと考えている人はいる。
しかし,共通のテーマ等がなかなか見つからない。
次の時代の若者たちに入ってきてもらうために,「東シナ海自然塾」といって,森,海,川,里の活動,すべての市町村に通じるものだが,それらを通じ,若者に入ってきてもらう取組を昨年からやっている。
(其 田)
そろそろ具体的な話に入りたい。
教育旅行型と生業としての農家型民泊があると話をした。
まず,教育旅行型について,今後拡充していくためにどういう取組をするのか,また,行政に対するお願い等があれば聞かせてほしい。
中国からも農村民泊の教育旅行を受けてくれないかという話も来ている。
(下 津)
「南薩自然学校」という名前の組織で,230軒くらい受入先ができてきた。
産業として考えるなら,年間100校くらい来てもらう必要がある。
今取り組んでいるのは500軒くらいの体制づくり。
それとNPOだけでやってきたが,広域市町村でやっているので,協議会なら入れる保険もあるので,そういう組織が生まれることによって各地域の連絡役を置くこと連絡調整がまめにできるようになる。
是非協議会を早くつくりたい。必要性を感じている。
1つのモデルができて,県内各地で受け入れられるようになるといい。
(其 田)
教育旅行が増えると,行政から言うと食中毒等を心配するが,その当たりはどう か。
(伊 藤)
それぞれの農家の資質向上は図るべきである。
どこが所管するかは別として,やっていかないといけない。
教育旅行の場合には,教育的な資質,行儀作法とかも配慮する必要がある。
そういう意味でも協議会等,組織化が必要である。
(其 田)
協議会で年1回の講習会を受けてもらうとかも必要であろう。
私が言いたいのは,教育旅行の受入は増えてくるだろうということで,ガイドラインも無しに増えていくのは問題という行政の考えもわかるが,マーケットがあるのであるから,今までやってきてもらったことに感謝し,行政としてどう取り組ん でいくかを考えてほしい。
グリーンツーリズムに携わる部署ができるのがもっともいいと思う。
今後,教育旅行は増やしていこうということか。
(後 藤)
9軒しかないので,方向としては教育旅行はあまり増やさないで,生業としての農家民泊にシフトしていきたい。
差別化が必要であり,いろいろなタイプがあることが必要である。
たとえば,言葉も違うし,夜神楽も少しずつ違う。
あまり堅く考えずにやっていきたい。
うちの基本コンセプトは「おかえりなさい」で,家族が帰ってきたというコンセプトで取り組んでいる。
1つだけ問題は,行政が認めてくれるかどうかであり,行政との連携がしっかりとできないとダメだと思う。
(其 田)
教育旅行的な農家民泊を小国として拡大していくつもりか。
(江 藤)
九州ツーリズム大学は,「九州」という冠がついているが,全国のオピニオンリーダーとしてやっていきたい。
教育旅行型は合併した市町村向きだと思う。
広域で取り組むことによって,合併した地域同士が結びついていく。
農村交流型は独自性を貫いていくことが求められるので,単独市町村向きである。 また,専門性を持つことが必要である。林家民泊とか,商家民泊も考えられる。
動物の世話をする動物型も考えられる。
高齢者型,障害者型,食にこだわりを持っている農家の人は食農型,何もしない型,これは睡眠型とも言うがけっこう受けている。
こういうのも重要である。
非日常型というのもあり,都会の人がびっくりするような技を見せるとか,そういうことをさせるいじめ型といってもいいような型や国際型もある。
それぞれの農家の個性を活かした民泊が受けてくる。
専門性を持った民泊に取り組むべきである。
ヨーロッパでは,子供民泊が受けている。
クリーン,清潔にする,規制をしっかりクリアする,シーツ・布団はクリーン, このようにグリーンツーリズムは「クリーンツーリズム」である必要がある。
また,1つ基準をつくろうという動きもある。
ヨーロッパの3つ星のようなもの。
日本型の基準,たとえば,家族の調和,風景との調和などであり,飯山市が先行しているが,こうした基準を考えていく必要がある。
また,北へという方向性を持ちがちだが,鹿児島のグリーンツーリズムは南へという方向性を持ってほしい。
(其 田)
九州でコンソーシアムをつくるときに鹿児島がポイントだと言われた。
鹿児島がしっかりと意識を持っていかないとダメだということであった。
安心院で旅行会社とかが教育型に介在することで問題が出たという話があったが・・・。
(養 父)
修学旅行は,ある意味,両刃の剣である。
ほとんどのところは民泊がうまくいかず,修学旅行に移行という動きになりがちであるが,旅行会社に任せると,グリーンツーリズムの本質は何だろうかというこ とになる。
「都会の連中に村の物を高く売るためのシステム」ではいけない。
村に町の人を呼んで,パンをつくって,ワインを売る。
総合力で村の活性化を図っていくというのがグリーンツーリズムであった。
修学旅行に使われるのか,使うのかという話になる。
「消費される村」という言い方があるが,村側も旅行会社を使うくらいの意識でいかないと,おんぶに抱っこの任せっきりでは今まであった旅館のように,旅行会社に任せていたのでどこにアプローチしていいかわからないというようなことが農村の中でも起きる可能性がある。
修学旅行を受け入れながらも自分たちなりのグリーンツーリズムを守っていくことが大切である。
(其 田)
9軒許可を取るまでに4年かかったとのことであるが,その辺の苦労話を聞きたい。
(後 藤)
保健所も最終的には親身になって話を聞いてもらった。
保健所はグリーンツーリズムを理解していなかったので,それを理解してもらうのに時間がかかった。
仏間に人を寝かしたらいけないとか,レジオネラ対策をしっかりやれとかいろいろあったが,今はサポートしてもらっている。
法的規制は今後の課題の1つとして残っていくと思う。
また,どんな形にせよ,泊まった方の心を測る3つの物差しが必要だと思う。
それは,①経済の物差し,②心の物差し,③価値の物差しである。
(其 田)
保健所の問題がいちばん大きいか。
(後 藤)
特区でやったおかげで,消防法は早くクリアした。
しかし,食品衛生法の点で苦労した。
竈は組み込まないといけないとか・・・。
それで,先ほどの3つの約束が重要だと感じた。
(其 田)
現実に年に1回くらいの民泊でもライセンスを取らないといけないというのが県の解釈か。
(伊 藤)
そこははっきりしていない。
県に要望が正式に出てきているわけでもない。
実際には受け入れている人も多いと思うので,今後整理する必要があろう。
(其 田)
生業としての民泊に取り組む人もいるのか。
(下 津)
教育旅行に限らず,団塊の世代のロングステイも受け入れていこうという考えもある。
(其 田)
1年間のうちにこういう教育をしているということを公表することが受入側にも必要である。
鹿児島は離島もあるので,島でも民泊をやりたいという人はいる。
鹿児島ならではの特徴づけもやれるのではないかと思う。
最後に一言ずつないか。
(養 父)
トヨタが村の応援をしようということで「ガズー」という取組をしている。
心の問題をどこでどういうふうにやるのかということでトヨタも実験的にやろうとしている。
今,3カ所でやっているが,今後もっと広げるぞということである。
カーナビと連動していけば,ツーリズムを理解している人が来てくれるということになると期待しているので見てみてほしい。
(江 藤)
ツーリズム大学に入学してネットワークに参加してほしい。
農家民泊1泊2日で,なぜ5,000円なのかと思う。
個人的には究極の5万円くらいの農家民泊をつくりたい。
日本一高い農家民泊を皆さんもつくってほしい。
都会では,グリーンツーリズムで講習会をやっても人が全然集まらなかったのに, 「食」をテーマにしたらたくさん集まった。
入口の問題だけで,中はいっしょである。
鹿児島は是非「食」という切り口で取り組んでほしい。
(下 津)
1つのきっかけとして,農家民泊も1つの方向である。
とにかく何か実践してみることが大切である。
考えているだけではダメである。
県内のブロック別に農家民泊に取り組むところが出てくればいいと思う。
(伊 藤)
農家民泊は地域振興の1つの方法である。
それぞれの考えで取り組んでほしい。
(後 藤)
あまり難しく考えるとやれない。
まずは動いてみることが大切である。
(其 田)
SNAも東京~鹿児島を結ぶようになった。
羽田の滑走路の拡張,新幹線,マリンポート等,鹿児島に足を運ぶ環境づくりはんでいる。
農家民泊を1つの切り口とした交流人口の増を図ってほしい。
自分たちの地域はどうやっていくかを考えてほしい。
