古い町屋に似合う志布志の祭り
古い町屋が並ぶ商店街がひときわ輝いて見えた。志布志の伝統行事「お釈迦祭り」のハイライト、シャンシャン馬パレード。文金高島田の花嫁を馬に乗せ、花婿が馬の手綱を引く。5組のカップルが約1時間をかけて商店街などを練り歩いた。ふだんひっそりとした通りのどこかけだるい雰囲気はこの日は一変し、祭りの参加者や見物客であふれていた。歴史を感じさせる町並みが借景となって格別に映えた。沿道で見守るお年寄りからは「きれいね!」「おめでとう!」の声が次々にかかる。かつてを知る知人は「昔はもっと人出があった」と言うものの、初めて見た祭りは想像以上に楽しく、好もしく思えた。新しい〝伝統〟も目を引いた。大音声を響かせながら激しく踊る「志布志はんやよさこい」の一団。全員が地元の若者たちと聞くと、なぜか嬉しい。今年は新しいプログラムも加重された。域内の特産品を集めた「志布志ふるさと市場」や寺の本堂を会場にした「昭和映画祭」などだ。出場する人はもちろん、見物客の幸せそうな表情も素敵だった。で、宝満寺近くの献血会場で思わず400ミリリットルを提供してきた。気になったこともある。パレードが終わった午後2時。露天商が集積して買い物客のにぎわいがなお続く宝満寺かいわいと裏腹に、支所以西の商店街はすでに閑散としていた。落差にちょっともったいなさを感じた。
鹿児島市の鴨池港からフェリーと路線バスを乗り継いで志布志まで3時間近く。錦江湾の風景と大隅の車窓を道連れに、決して退屈はしない。通しの運賃も1560円とフェリーの航送料より安いから、なおさらだった。(国内誘致部 知覧哲郎)
