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田舎に泊まろう!「古里庵 昔ばなしの宿」①お宿を楽しむ編/曽於市財部町

「古里庵 昔ばなしの宿」 ①お宿を楽しむ編

  財部駅から徒 昔ながらの宿 歩3分。昔ながらの路地裏が残る一角に地鶏の炭火焼きが美味しい「食事処 古里庵」がある。築約100年の「昔ばなしの宿」はその同じ敷地内に建つ。古里庵の久長博行・京美さんご夫妻が「おばあちゃんのところに帰ったようにくつろげるところ」をという思いで今年4月に新たに始めたばかり。
  その古里庵の敷地は約1200坪。庭には梅、栗、柿、八朔、山葡萄、紅葉など小さな森を思わせるほど緑が豊かで、四季折々の季節らしさを味わえるのはもちろん、その季節に合った生活が楽しめるようにと、その時にあわせた体験ができるのが魅力。
 たとえば、春はセリやフキノトウを摘んで天ぷらに、また春・秋は庭の隅にあるきのこ原木から取ったキノコ、秋は栗や柿とり、こんにゃく芋をつぶしてこんにゃくを、など普通に田舎の暮らしを知ってもらい、自然にあるままの姿を楽しんでもらおうというコンセンプトである。何も特別なことをするのではなく「あるがまま」というのが古里庵のスタイル。生活のすべてがそのまま遊びにもなる。
  
  ここではご夫婦だけでなく、そのご両親、双子の弟さんも一緒に私たちを家族として迎えてくれる。今回はご主人指導のそば打ちや、おばあさんが教えてくれるしんこだんごつくり、おじいさんと 古里庵体験 世間話をしながらの風呂のまき炊きなどを体験させていただいた。こちらのお蕎麦は地元のそば粉と使った十割そばのため、水の量とそば粉にまぜるタイミングが命。水も陶器の水差しで寝かして柔らかくしたものを使うこだわりようである。どうにかそばの形態に仕上がった後は、ざると山菜そばにしていただいた。めんつゆももちろん古里庵自家製。
  しんこだんごは庭先の緑の中に腰掛ながら竹で串を作ることから始まったが、あまりの楽しさについつい熱中してしまい一心不乱に削り続け、気付いたときに大笑いしてしまった。こねた団子粉をお湯に通して、七輪で醤油を塗りながらゆっくり焼き上げただんごは、味も素朴でとても美味しかった。時間が足りずにトコロテン作りは出来なかったが、こちらも出水の天草を使いすべて手作りで体験できる。味のほうだけは、しっかり体験させていただき、程よい口当たりで出汁のきいたツユが美味しく、すべてが手作りの素朴さと美味しさをたっぷり堪能できた。
 お風呂の薪焚きは、おじいさん達の住む母屋で体験。昔の田舎がそうだったようにお風呂は外、そして今も井戸から水を引いている。薪をくべる間、ずっとおじいさんが昔の財部の話をしてくださり、苦労も感じないままあっという間にお風呂は沸いてしまった。こうして、普通の生活にあるものを一緒に体験し、笑い、話し、また希望があれば周辺の観光スポットも案内してくれるのでのんびりと過ごすことが出来る。

 民泊できるお宿は6畳2間でトイレ・お風呂は家族と共用で一日1家族(最大6~8名)が受け入れ可能。希望があればご両親夫婦が住まれる母屋のお風呂で薪焚き体験や囲炉裏の部屋での時間を過ごすこともできる。その母屋はなんと築150年、今なお現役である。この古里庵のおじいさん、生まれた時に提灯行列が行われた程の大地主で、ご自身も息子の古里庵ご主人も農大を出られ、ただ農作を糧としているのではなく農業を活用して商売につなげているという自負がおありだ。その先代も東京農大を出られ、地域の人々の為にその知識と技術を使われていたそうである。おじいさん達の話は内容が豊かで楽しく、これだけでもゆっくり時間が過ごせる。今回伺った話で印象深かったのは、財部町の城山公園には第二次世界大戦時第57団司令部本部があり、この古里庵がその軍の官舎として使われていたということ。リアルタイムでその当時を知るおじいさんから戦時中、戦後の様子を聞くことが出来たのは戦争を知らない世代には 古里庵 母屋 貴重な体験である。いつも笑顔を絶やさないおばあさんは芯の通った薩摩おごじょでとてもやさしく、「今度はただ遊びにおいで」と自家製味噌だれやどくだみ焼酎漬けなどお土産に持たせて下さった。

  お宿での食事だが、ここでは同敷地内の「食事処 古里庵」でいただく。ここは米蔵を改築した風情ある古民家風。広い庭に茂る緑を眺めながら炭火の囲炉裏で地鶏をいただく贅沢さである。食事は地鶏の炭火焼がメインでそれを自家製味噌だれ 古里庵食事 でいただく。地元の地鶏だけありもちろん新鮮そのもので、驚くほどまろやかなレバーの刺身など素材の良さが光る。生姜と酢醤油でいただく古里庵のレバー、是非皆さんにも食べていただきたい。自分の田畑で作る米や野菜、自家製味噌、自家製そばやトコロテンなど、地産地消をモットーに地元や周辺地域の食材にこだわるスローフードを実践している。それをさらに盛り上げる器や盛り付けに、さりげない奥さんのセンスが伺える。とにかくホ~ッとした気持ちになれる。
  古里庵には、実はもう1件の築100年の古民家「昔ながらの宿」がある。一足早く農家民泊にと始めた宿だったが、今年の台風4,5号の影響で傷みがひどくなり、現在メンテナンス中。堂々とした風格をもつこの古民家にゆっくり手を入れ、いずれはショートスティを軸に、より田舎暮らしを味わってもらいたいとご主人は考えている。白鹿岳を望む眺望に、囲炉裏も五右衛門風呂もあるこの本物の古民家。ゆっくり過ごしてみたいと思わせる味わい深い古民家であった。
 ご主人達の思いは、「ゆっくり田舎の空気に身をおけばいい」。どっぷり農家民泊というのが苦手な方もい 古里庵食事処 るはず。でもスローな旅を楽しみたいという人にも対応した宿にして行きたいと夢をお持ちだ。まさにそれをそのまま体験できる「古里庵 昔ながらの宿」である。
 (総務部 鹿籠六 貴子) 
※パート②で続きをご覧下さい。

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