今、日本全国でブームの「歩く」スタイルの観光。これを広く一般的な観光の形として広めたきっかけが、「別府ハットウ・オンパク」の取り組みだと思う。今回は、そのハットウ・オンパクを成功させた、NPO法人ハットウ・オンパク代表理事で、国土交通・観光カリスマにも選ばれている鶴田浩一郎さんの話を伺った。
ハットウ・オンパクは、地域の文化に根ざした町づくりの活動や、温泉を活用した美容、健康増進プログラム開発などが様々なグループにより始まっていた別府の活動を取りまとめ、鶴田氏がその委員長となり体験交流型イベントに仕上げ、2001年に第1回目を開催したのに始まる。「キレイ&ゲンキ」になって欲しいというシンプルな思いをコンセプトに、日本に11あるといわれる泉質のうち、10ある別府の温泉力の体験を中心に、健康・癒し・美の体験、地域文化の体験、自然体験、日常の食文化を組み合わせたプログラムが作られている。
「マーケットを女性に絞る」をキーワードに、観光地の平日の動きを分析ししながらそこの集客を延ばすことを考え、「女性対象」を明確にした頃から客数が伸び、現在、女性マーケットを意識したプログラムが定着している。
ちなみに、男性はニッチ(隙間)マーケットが当ると分析されており、こだわりを持つプログラム(温泉八湯温泉道 名人認定プログラムなど)が受けているそうだ。
現在は、春・秋の年2回各20日間、テストマーケティングの場としてオンパクを開き、そこで商品化が可能かどうかを見極めることもしているが、オンパクの本当の狙いは、体験交流型プログラムの日常化であり、地域づくり運動や交流人口増加に結びつけ別府ブランド力アップを図ること。
地域再生の3つのキーワードとして次の3つを挙げる。
(1) 地域を「語れる」ことへの愛着(自分がよく知ること、歩け語れること)
(2) 「民間」の発案(持続的なまちづくりには、人材が不可欠。「公」はサポート役)
(3) 人材ネットワークと仕組みづくり「ヨソモノと女性」(昔のトップダウンで意思決定するピラミッド型はダメ。横水平型ネットワークで認識共有や意思決定のスムーズ化を図る)
この「オンパク」のシステムを軸に「コミュニティビジネス支援プラットフォーム」と名づけ、イベントシステムを商品化・販売し、全国各地で指導、サポートをしている。近くは、宮崎県都城市から北海道まで、今年だけで全国12ヶ所での開催が計画されている。
イベントの継続的な開催により、効率的、効果的に参加型プログラムを育てるそのスタイルは、地場企業育成のようなものと話される。
2003年から顧客管理(現在五千数百名ほど)として、別府温泉ファンをデータベース化し、リピーターへの情報提供を行っている。この費用にはウン千万がかかっているが、NPOとしてやるべきことや、何が大切でどこにお金をかけるべきか見極めなくてはいけない、としている。そのマーケティングの確かさが、オンパクイベントの継続に繋がっており、それを実行し続けているスタッフのモチベーションの高さなど、勉強になることが多い。
意見交換会では、それぞれの感想や
桜島への思い、自分の地域への思いを語るのにあっという間に時間がすぎてしまった。鶴田氏からは、「30年前に訪れた時はゴツゴツした溶岩の荒々しさが目立った桜島が、たった30年でここまで緑が豊かになったことに驚き、そこから、地球の生命力の豊かさ感じる。その生命力を感じられるエコツーリズムを徹底的にやったほうがいいのではないかと感じた」とのご意見もいただいた。
今回のセミナーの内容は、分かりやすく、すぐ自分の地域や考えている事にも合わせて行動できることがある点で、参考になったようだ。
NPO法人桜島ミュージアムが開くこの「桜島観光まちづくりセミナー」も4回目。今回は40名程度の参加があった。このセミナーにも様々な立場の方が参加しており、そこからのネットワークが広がり、桜島だけでなく+大隅への広がりも期待していきたいと思わせる勉強会になった。
(国内誘致部 平石,原田, 総務部 鹿籠六)
