奄美大島~加計呂麻島・請島・与路島~

東洋のガラパゴスといわれる、その秘密を訪ねてみる。
鹿児島県の離島で一番大きな奄美大島。エメラルドグリーンのサンゴ礁の海が輝き、亜熱帯植物の原始の森が広がる。はるか昔、この島を発見したヨーロッパ人が「サンタ・マリア島」と名付けたと伝えられる美しい景観です。旅の魅力はそれだけではない。沖縄とは違う、どこか哀愁漂う旋律が心に響く島唄、スローフードの先駆といえる郷土料理、大切に継がれた祭りや紬工芸、特有の方言…。ここに在る、あらゆるものが秘めた不思議なチカラを持ち、訪れる人々を癒し元気にしてくれる。大島南西部の沖合には3つの島が浮かび、古仁屋港から町営フェリーで約25分の加計呂麻島は、デイゴの花の並木や国民的人気映画「男はつらいよ」のロケ地としても有名。サンゴを積み重ねた石垣が連なる与路島や、珍しい昆虫や花が見られる請島では、民宿に泊まって釣りやダイビングが楽しめる。さらに足を延ばして周辺の無人島でサバイバルキャンプ体験もいい。

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■問い合わせ先
一般社団法人奄美群島観光物産協会 TEL:0997-58-4888
幻想的な森の癒しと感動のサンセット
差し込む陽光と辺り一面の緑が美しい「金作原(きんさくばる)原生林」(奄美市)。天然の亜熱帯広葉樹が多く残る貴重な森で、生きた化石といわれる巨大なヒカゲヘゴの群生に圧倒される。天然記念物のルリカケスやアマミノクロウサギなど固有種の動物も多く生息している。また、見事な夕景が見られる場所に加計呂麻島の西阿室(にしあむろ)集落がある。赤々とした太陽が東シナ海にゆっくり沈む荘厳な瞬間に、心が動かされずにはいられない。 
金作原原生林
金作原原生林
奄美大島の山々の中でも、天然の亜熱帯広葉樹が多数残っている金作原(きんさくばる)原生林。
西阿室の夕日(加計呂麻島)
西阿室の夕日(加計呂麻島)
夕日がきれいな加計呂麻島の中でも、特に美しい眺めを楽しめるスポット。
五穀豊穣を祈願する祭り
旧暦8月の初丙の日はアラセツ(新節)と呼ばれていて、龍郷町の秋名集落では伝統の稲作儀礼「秋名アラセツ行事」が行われている。山の中腹に築いたわらぶきの片屋根に男衆が乗り、唄いながら揺らし倒して豊作祈願する「ショチョガマ」と、秋名湾西岸にある“神平瀬”“女童(めらべ)平瀬”と呼ばれる2つの岩の上で儀式を行う「平瀬マンカイ」がある。どちらも国の重要無形民俗文化財指定で、「ショチョガマ」は男性のみ一般参加できる。
ショチョガマ
ショチョガマ
奄美大島龍郷町に400年以上前から伝わる集落行事で、国指定重要無形民俗文化財になっています。
平瀬マンカイ
平瀬マンカイ
 
ユーモラスな伝統芸能
加計呂麻島に伝わる「諸鈍(しょどん)シバヤ」は、日本各地に伝わる平家伝説に由来する民俗芸能の一つ。源平の戦いに敗れ落ちた平資盛が、土地の人々と交流を深めるために伝えたのが始まりといわれている。出演者は男性のみで、手づくりの紙のお面と陣笠風の笠をかぶり、囃子(はやし)や三線などの伴奏にのって狂言や人形劇を演じる。独特のユニークな踊りに笑いが起きることも。旧暦9月9日に平資盛を祀る大屯神社境内で催される。国の重要無形民俗文化財で、2009年8月にユネスコ無形文化遺産リストの登録候補になっている。

■お問い合わせ先
瀬戸内町教育委員会 TEL:0997-72-2905
奄美の自然に魅了された不遇の天才画家の世界
奄美パークの敷地内に併設された、3棟の高床式建物が印象的な「田中一村記念美術館」。常設展では幼少時代から奄美時代までの代表作約70点を常時展示している。

■田中一村記念美術館 TEL:0997-55-2635
元気の源はシマヌジュウリにあり
シマヌジュウリとは方言で、島の料理のこと。先人たちの知恵と食への深い敬意から生まれた奄美の伝統料理は、健康食として注目を集めている。シイタケや錦糸卵、島みかんなどいろいろな具で彩られたご飯に鶏のスープをかけて食べる「鶏飯(けいはん)」や、ゆでたソーメンとニラを炒めて醤油と塩で味付けしたシンプルな「油そうめん」などが代表的な郷土料理。各家庭で代々の味が継がれ、島の人たちの元気な毎日を支えている。
鶏飯
鶏飯
 
油そうめん
油そうめん
 
南国ならではの素材が体にいい
ミキ
ミキ
米、砂糖、サツマイモなどの原料を発酵させた奄美の伝統的な飲み物「ミキ」。栄養価が高く消化もいいので、食欲不振や夏バテ防止にぴったり。甘酒のような味で冷やして飲むとさらにおいしい。
 
くび木のお茶
くび木のお茶
健康維持のために、奄美で古くから飲まれているクビ木(正式名称はツルグミ)を煎じたお茶は、カリウムや鉄分、ビタミンB1・B2などを含み、咳止めや関節痛などにも効果があるといわれている。
 

島に親しむ「島ある記」

島に親しむ「島ある記」

島の人の生活は島唄・三線とともにある

伝統的な民謡音楽・島唄。人が集えば誰かが唄いだし、輪になって踊りだすのがこの島の日常だ。その伴奏に欠かせないのが三線。沖縄のものとは違い、裏声を多用する奄美の島唄は音域が高めなことから細い弦が張られている。また、細い竹ひごでつまびき、弾き下ろした後に弾き上げる返し撥(ばち)という奏法で演奏するのも特徴。三線の販売店では弾き方のレッスンを受けられるところもあり、島人になるべく体験も悪くない。

■奄美三味線サンシンヤ
TEL:0997-53-7401

マングローブ原生林
マングローブ原生林
奄美市住用町の河口域には、亜熱帯地特有の植物群・マングローブ原生林が71ヘクタール以上も広がっている。その規模は沖縄の西表島に次いで国内2番目。生い茂る樹木や珍しい生物を間近で見て回れるカヌー体験もできる。

photo ©別府 亮
八月踊り
八月踊り
奄美では旧暦の8月を新年と捉える暦があり、数々の行事が行われる際に「八月踊り」が披露される。チジン(太鼓)の軽快なリズムに合わせて唄い、額に汗して笑顔で踊る姿にシマンチュ(島人)パワーを感じる。

画像提供:(一社)あまみ大島観光物産連盟
 
ウケユリ
ウケユリ
請島では5月下旬から6月初旬に山の中腹でウケユリの開花が見られる。大輪で高貴な香りを放つササユリの変種で、絶滅が危惧されることから幻の花といわれている。奄美地方の固有種で、請島が最大の自生地。

※ウケユリの見学(大山入山)は瀬戸内町教育委員会への申請・「みのり会」の許可・同行が必要です。
TEL:0997-72-2905
画像提供:瀬戸内町