古き伝統を受け継ぎ、「かごしまの人」の魂の酒を仕込む杜氏。最新の醸造法から、新しい時代の焼酎を生み出す蔵子。
その熱い想いを秘めて静かに発酵を見守る、渾身の仕事ぶりを訪ねて、蔵元へ行こう!

前屋敷 鮎美さん / 酒匠工房GEN
白麹の生みの親である先代、黒麹を改良した2代目に続き、独自の麹で造る焼酎や麹菌の開発にも力を注ぐ蔵元。ここで働く前屋敷さんは、菌や酵母の培養を学んだ知識を活かしながら、熟練した杜氏たちに混じり、原料の運搬など力仕事までこなす。サツマイモ農家の作付けに赴く精力的な姿勢、元気印の笑顔も印象的な女杜氏だ。

黒瀬 宏樹さん / 杜氏の里 笠沙
最盛期には360人に達し、九州各地から四国まで焼酎造りの技術者として迎えられた黒瀬杜氏。その流れを汲み、19歳から焼酎造りに携わる黒瀬さんはキャリア40年のベテランだが、「生きものの麹を扱う限り緊張の連続」と話す真摯な杜氏。笠沙の美しい自然の中で、地元の水で造った焼酎のおいしさと黒瀬杜氏の歴史を伝え続けている。

池田 徳子さん / 薩摩 金山蔵
かつて金鉱発掘に使われた坑道で焼酎を仕込み、貯蔵熟成する世界初の蔵元。明治以前、味噌や醤油と同じく家庭で造られていた焼酎を再現しようと、ドンブリ仕込みといわれる一段仕込みで、女性杜氏が醸造を行なう。古くから酒造りの担い手であった女性らしい感性を活かし、杜氏の池田さんが奮闘している。

原田 修治さん / 若潮酒造木樽蒸留所 千刻蔵
多くの蔵元が原料に使う芋・コガネセンガンの一大産地にあり、平安時代から伝わる名水を使った焼酎造りが魅力。手造りの麹、甕仕込み、木樽蒸留にこだわるこの蔵で、伝統を守りつつ醸造学の知識を活かした新しい試みに挑むのが杜氏の原田さんだ。機械ですべてを管理する工場と違い、五感を研ぎ澄まして焼酎のよさを最大限に引き出す。