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『俺・君』は本当か?

私は所用で見てませんが先日東映が5月公開予定の『俺は、君のためにこそ死ににいく』、通称『俺・君』の試写会が開催されました。復元した一式戦闘機『隼』が知覧特攻平和会館に”帰還”したことも話題になっています。
 
私は知覧はもとより本土最南端鹿児島の陸海軍の航空基地から飛び立った若人の心は本当に『俺・君』だったのか疑問に思っています。陸軍にしても海軍にしてももはや如何ともしがたい戦況の中、大和魂を唱えて若者を煽り、志願の形を保ちながらも実質、上官の命令で死地に赴いた彼らの本心は『俺・君』のような綺麗なものじゃなかったのではないかと思います。
ある海軍のエースと言われた人の本にも『特攻に出た若者のほとんどは実戦経験も無く、技量未熟で、とても砲火をかいくぐっての体当たりなんかできるレベルじゃなかった。しかし仮に特攻に行かなくても100%空中で敵に撃墜されたと思う。』と書いています。特攻を志願させられた若人達は効果が期待できない事を知りつつ、軍という特殊な世界の矛盾に憤りを覚えながら飛び立ったのではないかと思います。検閲の厳しい中で両親、特に生みの母への想いを最後の拠り所にするしか自己の死を正当化できなかったと思います。
 
最近自らも特攻隊員として沖縄に向う途中、故障で種子島に不時着、生還した桑原敬一氏の『語られざる特攻基地・串良』を読んで更にそう感じました。現実は『俺・君』ではなく『君・俺』でしかなかったことを理解することは大切ではないでしょうか。私は5月公開の映画が『君・俺』の実態と矛盾を描いた作品であることを期待しています。

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