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夕刊に見たブータンの話

先日の夕刊に主婦の方がブータンについて書かれていました。もっと詳しく紹介して欲しかった思いもあって少しだけ私の経験を書いてみます。

 

ブータンは九州ほどの面積を持つ国で人口は約93万人と言われます。でも誰も正しい人口は把握できません。それはチベットなどからの越境者、難民がこの豊かな国に流れ込み、定住人口の把握が困難な事情によります。だから資料によっては人口210万人なんていう数字も出るほどです。以前聞いたところでは国連加盟にあたって条件の一つに概ね人口100万程度とあり、この条件に沿って人口を想定したらしいのですがあながち嘘ではないようです。空港のある街、パロに足を踏み入れる前、つまり飛行機が下降を始める際の機長のアナウンス『この国を初めて訪問されるお客様は驚かないで下さい。これがデュルックエアー(ブータン国営航空会社)の通常のアプローチです。』に慌て、同時に機体の急降下に驚き、窓の外に思わず救いを求めたい心境にかられるのですが、見える景色は山ばかり、その山肌をまだ急降下するんです。だから山の中腹以上に住んでる人間が何人いるのか誰も分からないんです。やっと川べりの小さな小さな滑走路に降り立つと正直『助かった!』と思います。この空港は後日JALの国際線パイロットの方にも確認したのですが世界の空港としては登録が無く、ブータン国営航空だけが有視界で降りる空港です。だから往路は天候回復まで最寄のカルカッタかダッカで待つことになります。

この国のことをどう表現したらいいのか実に難しいのですが90年代後半に現地を訪れ、その後この国の関係者と交流してきた私の経験から以下の10の項目に纏めました。

 

 風の音と鳥の鳴き声だけの静寂な世界。モーニングコールは屋根を歩く鳩の足音です。

 国道とは言え絶壁の砂利道(最近は少し舗装されたようですが)。一歩間違うと谷底です。多分5~6月位なら山側の土手が一面赤く染まっているのではないかと思います。それは野いちごです。車を停めて両手にいっぱいに野イチゴを集めて口に入れると天国にいるようです。

 首都ティンプーの国会議事堂のすぐ隣はゴルフ場です。キャディーさんは民族服『ゴ』を来た男性が多いんです。標高の関係か、下手でも良く飛びます。

 国は君主制で昨年までハンサムな第4代ワンチュック国王が治められていました。私は2人のお姫様にお会いしたことがありますがケゾン姫は英国で教育を受けられユーモアに富んだお話のできる素敵な方でした。

 ティンプーやパロはそうでもありませんが風が強い国です。帽子がアッと言う間に飛んでいく位の風が谷間を吹き抜けます。

 ハエも多いです。食事中は手で払いのけながら食べることもあります。また食事は辛いです。インド、チベット系の料理も豊富です。

 最近はお化粧した洋装の女性も増えましたがやはり伝統の『ゴ』と『キラ』姿が一番美しいのではないでしょうか。

 日本人はブータン人から見てお手本です。農業振興や伝統産業の保護に日本人の功績が大きく、ブータンの人々は特に親日派です。

 乾燥していることもあって土地の方々はお風呂にはあまり入りません。川べりに火を起こし、囲い込んだ水の中に焼けた石を投げ込む、即席風呂を利用する人もいます。

 国の図書館はありますが経典、しかも巻物が多く、チベット仏教との関わりの強さを感じます。まだ外国人が訪ねて情報を得るようにはなっていません。

 

国民総福祉などの独特の価値観で存在を示すブータンです。皆様もトラブルにめげず、これを楽しむ位の

気持ちでお出かけ下さい。

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