先週は秋田の竿燈祭りの報告をした。秋田の少し殺風景な港を深夜出港して一路ねぶた祭りの青森に向かう。1日レンタカーで動き回り、祭りも最後まで見学すればもう体はクタクタに疲れていたが快適なベッドに横になり、次に目覚めればもう青森の港だ。台風も去って天気も良さそうだ。
今日はバスで八甲田山、奥入瀬を見た。もはや昨今のガイドさんの、テープを聞くような、教本に沿った語りに満足できないと講話の席でも話する私だが今日のガイドさんは違った。一見して超ベテラン、少なくとも年季30年は下らないと見た。通常の教本に沿った説明は標準語、生活者としての本音は青森弁と巧みに使い分ける。しかも方言の方が多い。つまり本音の語りだ。この話術、船の上で聞くプロの落語家より格段に上だ。こんなプロ中のプロのガイドさんがまだ第一線で活躍する青森はいい。休憩の際にガイド歴何年?って聞いたら笑って教えてくれなかったのもいい。毎年の功労者表彰でも鹿児島のガイドさん達が登場するが彼女達の技はどのレベルなんだろうかって考えた。以前鹿児島で観光バスに乗ったが標準語での案内だった。やはり方言の持つ価値は大きい。県の関係者には機会を捉えて是非青森観光バスのプロの話術を聞いてほしいと思った。
奥入瀬は確かに綺麗だが車が多過ぎる。十和田湖の水を水門を開閉して流す人工渓流だ。だから夜間から早朝は川は流れない。今後どこまで今の環境が守れるか心配だ。大分の宇佐院内にある岳切(たっきり)渓谷ってご存じろうか、奥入瀬は渓流を外から見て楽しむが岳切は幼児が足を踏み入れても安心な岩盤渓流の中を歩きながら清涼感に浸って自然を楽しむ。近場の自然の素晴らしさを再認識した。
さて肝心のねぶたは青森の港からでも歩いて10分程度のところ、街を囲む長方形の街路に沿って22台の大型ねぶたが太鼓、ねぶた、跳人(はねと)の順で登場する。企業スポンサーの冠がついたものが多い。これは1台の制作・運行経費が2,000万もするからだそうだ。確かに写真写りはいい。同時期同じ青森の五所川原でもねぶた祭りをやるが青森が横に広がるねぶたに対し、五所川原は高さ22mにも及ぶ縦に長いねぶたが特徴だ。弘前は台数が60台を超えるねぷた祭りで賑わう。しかし前日の秋田の感動がどうも今日の青森では感じられない。この理由は何だろうか?それは跳人にある。山車はダントツ立派なんだがどうも跳人が思うほど跳ねないのが原因だ。ここに手を入れないとこれからの客は満足しない。
ねぶたは七夕祭りの変形との事で、その起源については諸説あるが、短い東北の夏の眠たさを吹き飛ばす『ねむた流し』の説が私には心地よい。
以上1週間前の話で恐縮だがご報告まで。


「かごしま旅情報」にて、好評連載中のプロデューサズコラム「