『まず写真の掲載がないことをお詫びしたい。カメラを持たず食ってしまったからだ。胃の腑は超満足なんだが後悔しても始まらないミスだと反省しきりだ。』 という書き出しで始めたのは9月5日の事だった。しかし18日に再度食する機会を得て、上手くはないが数枚の写真を撮ったので掲載することにしたい。
『くろくま』については情報と写真は見たことがあったが鹿児島名物白熊にあやかった適当な鍋物だろう、なんて軽く考えてしまっていたことがとんでもない誤算だった。聞くと県の職員の方々も結構食しておられるそうだが私の耳には感激の声が届かなかった。だから私が周囲のプッシュを受けながら今あらためてご紹介したい。
この料理は約1年ほど前に南洲館さんで考案・開発された鍋料理で、直径70cmもの大鍋を真ん中に据え、3人~8人で囲み、昆布とカツオをベースに7種類の野菜を3時間かけて煮込んだ特性スープをたっぷりと入れ、黒豚のシャブシャブを始め盛りだくさんの季節の野菜、豆腐、椎茸など地元採れの素材を食する
もので南洲館の西元料理長の苦心の作だと聞いた。先ずは広間に鎮座する鍋に圧倒される。この上に蓋代わりに大きな竹編みのザルが被せてあった。この姿に客は圧倒される。この鍋は以前別の店で使われていたようだが店を閉める際に南洲館さんともう一カ所でこの大鍋を引き取られ、熊襲鍋と称する料理で使ってこられたらしい。熊襲鍋は海・山の幸いっぱいの豪華鍋だが黒豚は登場しない。だからこの『くろくま』が生まれたんだろう。白菜に代わりこの鍋では新鮮なレタスを使うところも女性に受けるはずだ。
中華料理人の陳建一さんも審査員を務めた第21回国民文化祭の『食の祭典"鍋"コロシアム』で総合優勝、つまり日本一に輝いたこの鍋、まだ食ってない方には是非食して欲しい。
まもなく始まるJR九州さんの佐賀 vs 鹿児島のキャンペーンでも『くろくま』が紹介されているようだ。佐賀の対抗鍋は嬉野温泉の温泉ゆどうふだが私的には昔食った佐賀市内松川屋さんの松川鍋だろうと考える。これは旨い鍋料理だった。しかしどう考えても『くろくま』と互角に戦えるとは思えない。単に料理だけではなく南洲館さんのサービスの細かさも負けず劣らず光るからだ。まるで提灯記事みたいになったが良いことをめったに言わない私だけに周囲も書けと強力にプッシュする始末、たまにはいいだろうと精一杯記憶を辿った。
多くを語ると皆さんのお楽しみを阻害することにもなるのでこれ位にするが『くろくま』はまだ終わらない。一通り食するともう腹がはちきれんばかりなんだが、次にこの大鍋がラーメン用の大鍋に変身する。しかも麺の入れ方が芸術的だ。腰のある乾燥麺だがスープと見事に合っている。目を瞑れば串木野のまぐろラーメン
を思い出した。ここで終わると思ってはいけない。次に『豚飯』というお茶漬け風味のご飯が出てくる。目を瞑れば奄美鶏飯を思い出した。小さいが胃の腑の別の所に綺麗に収まるのが不思議だ。ここで終わると思うとまた失敗する。デザートも準備されている。それも2種類の本場白熊だ。気が利くと言えばそれまでだがこの鍋を食すれば鹿児島がすべて分かる仕掛けになっているところが特許ものだ。最近べた褒めの食にお目にかかれないと思ったら何とこんなお膝元に宝があった。
気になるお値段だが通常は2人に1本の乾杯ビール更に焼酎飲み放題まで付いて一人¥5,000だそうだが鍋とは別にお造り、小鉢類も含めてのお値段だ。感想に述べたとおりこれだけの内容豊富な鍋で満足度も高いし、ビジネス出張で来られる方々もこの鍋を食すれば奄美にも串木野にも、そして天文館のアイスパーラーにも行けた気分になれる、まさに今の鹿児島に相応しい洗練された鍋料理の見本とも言える料理だ。3名様からお受けするという。ご家族で腹を空かせて挑戦して欲しい1品だ。


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