新年第一回目の実踏として佐多方面を走った。本土最南端の佐多岬は誰でも知ってはいるが、それだけではなくもっと新たな発見を求めての実踏だ。先ずは南大隅町の役場を目指す。この隣には何と九州で最初の、日本でも4番目に設立された根占図書館がある。ここは明治16年(1883年)当地小根占の出身で日本初の測量会社『東京測量社』を起こした磯長得三が私設根占書籍館としてスタートした、今年で125年を迎える由緒ある図書館だ。現在の建物は百周年事業の一環として1982年に磯長翁の屋敷跡に建てられた新館だが結構広いスペースを持ち、資料費も財政厳しき中ではあるが確保されている。都市部の図書館では人気の新刊の購読を申し込んでも数ヶ月待ちの状況だが地域の図書館ではそんなに待たなくてもよさそうだ。
2階には資料館があるというので見せて貰ったがここにはあの中央駅前にある『若き薩摩の群像』の中の一人中村博愛の写真もあった。恥ずかしながら彼がここの出とは知らなかった。彼は1865年串木野羽島浦から他の18名とともに香港経由ロンドンに向かい、翌年渡仏して医学、語学を学んだという。彼は明治元年帰国後、藩の開成所で仏語の教授を務め、その後外交官として欧州の在外公館に勤務しオランダ、デンマークの公使も務めた。 またこの資料館には道の駅根占手前
の大浜に明治29年、軍の電信局が開局され大浜~台湾間に日本初の海底ケーブルも日本の技術だけで敷設され、海外列強を驚かせたとの話も紹介されている。勿論その当時のケーブルの現物もちゃんと展示されていた。また平成9年には近くの遺跡から撃墜された零戦の20mm機関砲も掘り出され、その折れ曲がった姿もそのまま展示されていた。ここは宝の山だと思った。この南大隅町には『よかとこ100選』にも選ばれた雄川渓谷・滝もある。役場から遠くない地点にかくも素晴らしい自然が残っている。いいところだ。
さて佐多岬の本当の最南端にたどり着く道があると聞いて水中展望船さたでい号の案内所で聞くと潮の加減もあって片道2時間はかかるとのこと。やはり地元の方の先導無くしては危険だと思い断念した。いつもの道で佐多岬展望公園に向かうが途中入場券¥300(大人)と表示された看板が立っていた。終点の駐車場から歩いて抜けるトンネルの直前に料金所がありここで¥300を払う。トンネルから先の遊歩道は確かに以前
より木々の下枝が刈られ太陽も当たるようになっていたがレストランは廃墟のままだし、その先の展望台も別途¥200 払う価値があるかと問われれば疑問だ。でもここは日本の東西南北最端の地の一つでもある。他の3地区の整備と比べれば確かに見劣りすることは間違いない。また他の3カ所のいずれも記念撮影の場所までの入場料はかからない。唯一東端の納沙布岬にある民間の平和の塔(高さ97m)だけは土産品、食事の施設もあって大人¥900、子供¥500が必要だがエレベーター完備で根室半島や北方領土が良く見える施設になっている。佐多岬が今のままでいいとは思わない。ねんりんピックには自転車も種目にある。この機会に最南端を訪ねたいと思う方々も多いはずだ。3年後に迫った新幹線全通に向け、訪問者の期待に応えられる整備について国、地域行政、民間の速やかなアクションを促したい。


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