随分前に鹿児島で生牡蠣は食べられない?とフリーメールで問うと志布志にあると教えて頂き食べに行ったことがあった。今年はなかなか機会に恵まれず夜な夜な市内で牡蠣フライを食している。昨夜も一人牡蠣フライを食ってると桜島の畑でつい先日4トンもの桜島ダイコンを収穫したばかりの顔見知りの女性が来られテーブルを囲んで牡蠣の話になった。
実は先月の話だが土日を利用して思い切って北海道まで足を伸ばし、この時期一度は食べたいと思っていた厚岸(あっけし)の生牡蠣を食した。昔の同僚にこの町の出身者がいて、よく牡蠣の話を聞いていたこともあるし、今まで食した中で最北の三陸の牡蠣から更に北上して北海道、なかでも本場厚岸の牡蠣を何としても食したいという衝動もあった。限られた時間でもあるし札幌市内で牡蠣の店を探し、産地が厚岸であることを確認させて頂いて食ったが文字通り新鮮で旨かった。丁度隣に座った東京からのビジネスマンとしばし語らいながらの牡蠣とワインと酒の夜だった。残念ながら写真は撮っていない。
さてこの厚岸の牡蠣は先住民族のアイヌの人々も食していたらしい。厚岸(あっけし)という名称そのものがアイヌ語で牡蠣の多いところという意味だそうだ。しかしこの貴重な牡蠣も乱獲と森林の消滅でこれまで2回絶滅の危機に見舞われたそうだ。最近頂いた昭文社発行のPROSTという本にこのことが載っていた。最初は昭和初期でしばらくは宮城産の稚貝を養殖して繋いでいたらしい。その後昭和32年林野庁の事業として10年間でディズニーランド140個分の広さの土地に矯正施設の模範収容者の力も得て約1725万本ものカラマツを植え、一旦牡蠣の生育が戻ったところ再度昭和58年頃稚貝のほとんどが死んでしまうという危機に見舞われた。危機感を強く抱いた町民は自ら植林運動を再開し、併せて合成洗剤の使用を止めて石鹼に切り替えようという運動まで起き、97年には日本で初めての石鹼製品の助成制度も設けられた。生活排水にまで配慮して初めて牡蠣の生育環境が整うようになったということだ。だから札幌で食べると1個¥450の値段になるんだろう。でも東京のオイスターバーでもシアトルや豪州の牡蠣はほぼ同じ値段だから美味さで勝る厚岸の牡蠣は安いというべきか。
厚岸の牡蠣には2種類あって『厚岸牡蠣』と『カキえもん』だが純正厚岸産は『かきエモン』だろう。私も食してみたが軍配は小振りな『カキえもん』にあがる。次回は厚岸まで必ず足を伸ばそうと思う。札幌よりかなり安いはずだ。


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