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徳野貞雄教授の講話(蒲生町)を聞く

前後したが14日の金曜日、部内の女性から今日蒲生町に徳野貞雄先生がやってくると聞いた。開演は夜7時ということもあって連盟の仕事を終えて車で駆けつけた。 ちょっと時間があったので旨いと聞く蕎麦屋『にいな』に行くと灯りは点いていたがすでに店仕舞いで食べられなかったのが残念。

先生はツー大でもお馴染みの熊大教授で、最近NHKにもよく登場している。先生がNHKに出ると聞いた時先ず私が心配したのが頭だった。聞くと局側からも頭髪の見てくれを良くするようご指示があったそうだ。でも何度か先生の話を聞いていると本物の研究ってこんなもんなんだとちょっと尊敬の念も出てくる、なかなかのフィールドタイプ。野生動物的で時に荒々しいが最後は優しさがないとこんな研究はできないと思ってしまう。

さて本日の講話のタイトルは最近の著書のタイトル通り『農村(ムラ)の幸せ、都会(マチ)の幸せ』と題するもので数年に渡り蒲生町の漆集落や四国の中山間地域に入り込んでの研究活動をベースに、最近メディアで頻繁に取り上げられている所謂限界集落についてのフィールドワークだ。あんまり前に座ると熱が籠る話の最中、時に唾も飛ぶことを承知しているので中程に座った。

先生は自称文学部の農学者。一般的に農学者が農のインフラ、生産、流通を語るのに対し、先生の場合は徹底的に人に重点を置く。農村に住む人々が何を考え、何に生き甲斐を覚え、次世代へのバトンタッチ、つまり担い手作りの面で何に苦労し、何が問題と考えるか、徹底的な戸別ヒアリング作業を通して地域の問題を洗い出す。そしてその集落が真性の限界集落か仮性なのかを見極める。再生の可能性があればどうすれば負担が少なく、地域住民が核となって進められるか、これらを導き出す地域再生の伝道師でもある。ちょっと神懸かり的な紹介になったが私にはそういう印象が強い。大の愛妻家としても世間に通じているが自分が留守することを考えて自宅の立地も奥様の実家や姉妹の家に近いところに確保している位だから身内にも優しい人だ。

大隅半島の方でも集落の戸別ヒヤリングに入ったとの新聞報道を先日目にしたが、先生が絡んでの調査であることを私は直感的に感じた。コンピューターで自動的にはじき出した65歳以上が50%を超える集落=限界集落のレッテルを心底嫌う先生だ。コンピューターには分からないそこに住んでる人のものの考えを理解せずに限界集落などのレッテルを張ることは許さないという姿勢は感動的でもある。

しかし先生7時に始めて何と延々2時間半の長丁場。9時半に終わった講話の後は彼の著作を求める長蛇の列で、あっという間に売り切れた。講話の要所要所にこの本に詳しく書いてあると示される。そういう意味ではなかなかのセールス教授でもある。私は写真機も持たずただひたすら聞いておりました。最初は悲観的に聞こえる話も、最後は何となく勇気と元気を貰ったように感じる。やはり農村の伝道師なんだろう。蒲生町の皆様、長時間お疲れ様でした。感謝!

 

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