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プロデューサーズコラム

九州新幹線全線開業に向けた観光振興方策についての提言

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2008年06月30日

地域ツーリズムの推進について

2008年6月30日

  観光立国推進基本法が成立し、10月1日には「観光庁」が発足します。
  全国各地で今、着地型ツーリズムの振興を柱に、地域活性化の動きが盛んになってきました。
  「ツーリズム」とは、従来の物見遊山的な駆け足旅行と違って、「体験」「交流」を通して、地域の自然や生活文化とふれあいながら、娯楽より自分の趣味・趣向を大事にし、時間的消費に比重を置いた新しい観光のスタイルです。

  鹿児島には「日本の心のふるさと」と感じるところが、たくさん残っています。
  美しい自然景観、温暖な気候に育まれて生み出される豊富な食材、各地に伝承されている祭りや行事、歴史的遺産、そこに住む人のくらし、今その地域の宝を活かして交流人口を増やし、地域を活性化することが求められています。
 ツーリズムには「エコツーリズム」「ヘルスツーリズム」「ヘリテージツーリズム」「グリーンツーリズム」など目的によってさまざまな形態があります。

 先日、南さつま市で開催された「ツーリズムセミナー」に参加しました。南薩地区では今「グリーンツーリズム」が注目をあびています。NPO法人エコリンクの下津代表によると、今年は関東、関西地区から2500名の学生が訪れ、農業体験を通し地域の人と交流を深めるとのことです。安心院で農家民泊を経営され、今回講師として参加された中山ミャコさんは、「グリーンツーリズムの実践を通して、地域がまとまってきた。何もない地域に来てくれるだけで嬉しいのに、宿泊した子供たちが帰るときに涙を流す姿に感動を覚える」と経験談を語られました。

 ツーリズムを実践することによって、地域社会にさまざまな効果がもたらされます。
 まず体験メニューを造成する際に、地域の文化やくらしを深く見つめ直す機会が増えます。住民はいままで気づかなかった地域の良さを発見し、住んでいるまちに誇りをもつようになり、地域住民同士が交流する機会が増え、活力が生まれてきます。
 また、体験する観光客は長時間滞在するため、地域の産品の消費拡大にもつながり、体験した人がそこの地域の良さを感じれば、リピーターにもなります。体験観光には、知恵と経験が必要となるため、高齢者の生きがい作りにもなります。

 2010年から「こども農山漁村交流プロジェクト」がスタートします。全国の小学校5年生が、1週間校外研修を体験することが決まりました。その中で1日は農家民泊体験が必修となるため、その受け皿となる地域が必要になります。条件整備が今関係部署で進められています。県内全域にグリーンツーリズムの受け入れが、可能となれば、交流人口が増え地域力のアップにつながると確信しています。

2008年06月23日

地域ブランドの流通について

2008年6月23日


  新大隅青年会議所の6月例会に招かれ、「地域ブランドの流通」について、皆様と議論しました。               
 ブランド(BRAND)とは、もともと羊などの家畜に押す「焼印」(BURNED)に由来しており、他人の羊と区別するために使われ、現代では他の類似品との違いを明確にするために使われています。生活者が他との比較において優位性を認める記号であり、かつその記号に象徴される世界観であると定義されています。

ブランドはそれを利用する人たちがその価値を認め、広がりを持つものであり、認証マークやネーミングを作ったからといって、ブランドになるものではありません。
また、地域ブランドとは、地域で作られる産品と地域そのものがお互いの相乗効果で優位性を発揮し、他との差別化が図られたものです。
 九州において黒川温泉や湯布院は、公共空間が創造され、飽きないまちづくりなっており、多くの観光客の支持を得ています。そこで生み出される商品は、地域イメージとの相乗効果でブランド化することが、やりやすくなります。

 そこで大隅地区が選ばれる地域になるためには、地域発の商品やサービスを開発して、他にない独自性や優位性を発信しなければなりません。
 地域産品をブランド化していくため、第一に地域内で商品をどのように流通させるかです。まず足元を固める必要があります。流通経路・販路の開発に「道の駅」や「飲食店」、「ホテル」等など多様なチャネルを使うのも方法です。

 また商品を必要としている層に、情報をどのように伝えるかが肝心です。コアの人にコアの情報を伝えることが販売誘引効果をもたらします。専門誌でPRするのもひとつです。

 今消費を引っ張っているのは女性です。女性を第一に考えたマーケット戦略も必要です。
 女性は常に本物を求めており、納得すれば口コミで評価は伝わります。
 売り方では販売のセミナーを開催し、商品の良さを直接説明し、応援団を確保することが固定客につながります。
 大隅地区の「お茶」「マンゴー」「うなぎ」「ハモ」「ちりめん」は、品質に優れ全国ブランドになりうる産品です。まず地元で愛される商品として育て、さまざまなルートで販路を拡大していくことが、ブランド化につながると考えます。生活者の心の中にフィットすることが、肝心な点です。           
                                                         参考資料 地域ブランドづくり事始 (KNT発行) 

2008年06月16日

祭りから興す「まちづくり」

2008年6月16日

  いちき串木野市で開催された「いちき串木野元気祭り」に参加しました。
  この祭りは、いちき串木野商工会議所青年部が中心に、地域興しの一環として始めた若者の祭りです。3回目の開催ですが、今年は鹿児島商工会議所青年部の大会と合わせての祭りとなり、県下一円から若者が参加しました。
 前段の青年部総会で「観光まちづくり」について講話する機会があり、多くの青年実業家が熱心に耳を傾けていただき感激しました。

串木野元気まつり  祭には若者だけでなく子ども、お年寄りなど2000名あまりが参加し、さまざまなスタイルのショーや踊りに拍手を送り、提供された地域の食材を使った料理に満足そうでした。いちき串木野市は今「まぐろラーメン」でまち興しを展開しています。「さのさ祭り」に続く祭として「元気祭り」が成長することを期待しています。

 ところで日本国内の祭りには、いろいろな形があります。伝統を引き継ぐ歴史的な祭りとして、「京都時代祭り」や「博多祇園山笠」、「鹿児島神宮初午祭」などがあります。東北4代祭りのように、4県の祭りを一定の期間に集中させ、観光客を呼び込んでいるものもあります。また「よさこいソーラン祭り」や「かごしま春祭大ハンヤ」などは市民参加型祭りです。イベント参加型の祭りが最近増えています。

 イベント参加型祭りが多くなっている背景には、祭りによる地域おこしが主眼になっていることがあげられます。
 祭りの開催について、地元マスコミを通じて前広に告知をして、PRしなければなりません。協賛の企業を求めることも、祭りの価値が高まり運営上役に立ちます。どの地域から誘客するかターゲットを絞ることも重要です。参加者を増やすため、子供、若者特に女性が参加しやすいイベントに配慮すべきです。また、服装に制限を加えず自由なスタイルで参加できるようにすることが、祭りを賑わいのあるものにします。

  経済的効果をもたらすことが、地域のまち興しには重要です。旬の地元食材を使った料理のお店や、地域産物の即売ができるスペースを確保し、物販とPRを強化すべきです。祭りのほとんどがいままでは縁日の型にこだわってきましたが、時代も変化しており消費スタイルも多様になってきています。
地域に愛される祭りになることが、交流人口を増やすためには、欠かせません。
観光は地域総力戦であり、地域を巻き込んだ祭りの開催が、まちづくりに役立つと確信します。

2008年06月09日

指宿の観光発展を願って

2008年6月9日

  指宿は、観光経済新聞社が毎年行う観光地人気ランキングで、常にトップテンに入る温泉地であります。 天然の砂蒸し温泉や、全国的に有名になったマラソン、ウォーキンク大会の開催による知名度の高さ、また温かいおもてなしが、観光客の支持を得ていると考えられます。

 今年は大河ドラマ「篤姫」効果もあり観光入込客は伸びていますが、来年以降を考えると厳しい状況になると思います。個人旅行が主流になってきた現在、アクセスの整備、地域連携など多くの課題があります。また3年後には九州新幹線が全線開業し、指宿にとって新たな展開が求められています。
 
 博多から鹿児島中央駅までは80分で、市内は日帰り圏内になりますが、指宿までは特急列車の運行が予定されており、2時間程度で結ばれます。指宿が滞在の拠点としての機能を強化することが、観光客誘致に繋がると考えています。
  指宿 砂蒸し
 戦略の1つ目は、砂蒸し温泉を活用し、医療機関とタイアップした予防医学の最適地として指宿のPRをもっとすべきです。今国民の関心事は健康です。温泉保養都市としてのブランド化が必要です。
 2つ目は、指宿駅周辺の再開発です。空き店舗を活用した「道の駅」の設置や、休日の歩行者天国の導入を図り、観光客が待ち時間に滞留する公共空間の整備が必要です。
 3つ目は、JR最南端の駅「西大山駅」を基点に、開聞周辺を観光できるアクセスの整備です。レンタサイクルなどを配置し、ヘルシーランド、フラワーパーク、長崎鼻、開聞山麓、池田湖周辺を回遊できるシステムの確立が求められます。
 4つ目は、対岸の大隅半島や種子島、屋久島との連携です。山川から根占のフェリーを利用し佐多岬、鹿屋バラ園、吾平山上稜などへの見学が魅力的です。また離島へは日帰りも可能であり、新幹線開業時は、周遊切符を導入し、より使いやすい形にすることが、誘客を可能にします。
 5つ目は、食の活用です。指宿地域は温暖で、野菜、魚介類などが豊富であり、またお茶、花卉栽培、焼酎など県内有数の産地です。地産地消をはかり、観光客にも体験などを通して魅力を堪能してもらい、商品流通を促進すべきです。

 観光はいまや地域総力戦の時代です。観光は、運輸業者、宿泊飲食業者だけでなく農林水産関連、工業、商業など多くの分野に波及効果があります。指宿地区はその要素を十分に持ったところです。
 観光客は地域の魅力に引かれて旅に出ます。新幹線開業後は、指宿地区が滞在型観光の中心になることが可能であり、それが実現することを願ってやみません。

2008年06月02日

教育旅行誘致の重要性

 2008年6月2日

 平成19年度に鹿児島県を訪れた教育旅行の実態がまとまりました。
 それによると、鹿児島を訪れた学校は515校、人数(延宿泊者数)は64,052人であり、校数で25校増えましたが、人員は2、581人減少しています。
 地域別では、神奈川県からの高校が増えて、福岡からの中学校が減少しています。
特徴的なこととして、鹿児島市が伸びており、また体験を他地域で実施し宿泊を市内でという傾向が視られます。

 生徒数の減少に伴い、1学校あたりの参加人員は年々減少傾向にあり、多くの学校に行先として鹿児島を選定してもらえるよう、努力することが大事です。
 教育旅行は景気に左右されず、取り消しが無く、しかも安定的に毎年実施されており地域にとってはありがたい団体であります。シーズンを避けて、閑散期に実施されることが多く、受入れ機関にとってはありがたい団体です。また、1回実施されると3年間は続くことが多く、学校が行先として最適と判断すれば長きに渡って来てもらえるお客様であります。
 また、宿泊施設、運輸機関にとっては年間の稼動が予測でき、安定した経営戦略が立てられます。

 現在行先としては、中学校では関西が、高校では沖縄、北海道が主流となっていますが、最近では行先も分散傾向にあり、九州に来る中学校、高校も増加しています。
 九州観光推進機構のほか、南九州修学旅行誘致受入協議会も修学旅行誘致に力をいれており、誘致活動の結果先日横浜の公立中学校が、初めて鹿児島を訪れるという結果に繋がりました。

 3年後には九州新幹線が全線開通します。新大阪と鹿児島中央を結ぶ直通列車の運行も予定されており、新大阪まで4時間足らずの時間となります。関西・中国地方からは最適の所要時間であり、新たな行先の選択肢の一つとなるためには、鹿児島としての魅力を発信していかなければなりません。
 また、新幹線の連合体輸送を定着させ、学生団体割引運賃を導入することが、教育旅行誘致には欠かせません。JRへの働きかけが重要です。

 最近の教育旅行の実施には、環境学習、体験メニュー、宿泊施設、おもてなし、農家民泊などの充実が欠かせない要素となっています。
 都会の子供たちに取って、「民泊と農業や漁業体験」のニーズが高まりつつあり、南
さつま地区には、来年度2500人の民泊の予約が入っています。「子ども農山漁村体験プロジェクト」が22年からスタートしますが、これから農家民泊の需要がさらに高まることが予想されます。

 先日の教育旅行誘致促進協議会総会で、新幹線開業に合わせて、新たな教育旅行誘致の方針が採択されました。今後鹿児島への教育旅行が、増加することを期待してやみません。

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