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プロデューサーズコラム

九州新幹線全線開業に向けた観光振興方策についての提言

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2008年08月25日

出水の観光を考える

2008年8月25日

  鹿児島の一番北にある出水市で、関係団体による今後の観光振興を検討する「出水の観光を考える会」が開かれ、オブザーバーとして出席しました。渋谷市長も出席され、活発な意見交換がなされました。
  出水の鶴 出水を訪れる観光客は、ここ15年間の推移をみると九州新幹線の部分開業した平成16年度に80万人を超えたものの、75万人前後でほとんど増えていません。出水の最大の観光スポットであるツル観察センターの入館者数は、平成4年度の10万8千人をピークに減り続け、19年度は4万4千人にまで落ち込んでいます。新幹線が開業した年も、ピーク時の半分です。武家屋敷の「竹添・武宮邸」の入館者数は、牛車がスタートした16年度は3万7千人でしたが、昨年は3万人あまりと低迷しています。
 
 新幹線の部分開業で停車駅ができたにもかかわらず、観光客が伸びない理由として次のことがあげられます。ひとつには、世界一の渡来数を誇るツルの見学者に頼りすぎた感があります。ツルは、めでたい事の象徴となる動物であり、一回は訪ねてみたいという衝動にかられます。かつては九州各地から団体のバスツアーなどで、日帰り観光客が多く訪れました。しかしリピーターになるまでには、至りませんでした。
 二つ目は旅行形態の変化があります。バブル期までは団体旅行が主流でしたが、その後マイカーやレンタカーを使った個人旅行への流れが加速され、一度に大量の誘客が難しくなっています。また消費者の求める旅行の趣向も変化しています。従来の物見遊山的観光から、行く先での体験や交流、地域の文化施設の展示品をじっくり見たり、まち歩きを楽しむなど滞在型観光が増えています。出水の観光のあり方が、時代の流れに必ずしも十分に対応できなかった事が要因と考えます。

 九州新幹線の全線開業まで3年を切りました。部分開業後に露見された問題点を検証し、全線開業に備えなければなりません。誘客の範囲も九州から関西以西と広範囲となります。出水最大の売りであるツルについては、見せ方の工夫が必要です。ツルは朝と夕方の雄姿が観光客に印象に残ります。その時間に見せることが宿泊を誘引します。クレインパークやツル監視員のトークを定時 出水の武家屋敷 に実施したり、えさを与えるシーンを観光客に見せることで新たな需要開拓になります。
 
 武家屋敷は規模が大きく、牛車が走るなど知覧をしのぐものがあります。春、秋に野点を開催したり、雛人形を飾り、通りを灯りで照らすなどのイベントで、観光客を誘客することが歴史的遺産の魅力を広く知らしめることになります。
 
 また、グリーンツーリズムが注目されており、いま食の魅力が観光客の誘致には欠かせません。道の駅や物産館に出水の安心・安全のブランドを展示し、観光客が購入することで、流通や販売拡大を図ることができ農業の振興にも繋がります。一方観光客は遠方から来るほど広域にまわるため、地域間の連携が必要です。水俣の「湯の児温泉」や「肥薩おれんじ鉄道」、「薩摩金山蔵」、「曽木の滝」「霧島温泉」などと連携した広域観光ルートをつくることで、出水への観光客誘致を可能にします。

 近年の旅行市場は「旅行の目的化、個人化」が進んでいます。また、観光は観光関連業者の業務と見られていましたが、今は地域全体の魅力を通して他の地域の人と交流し、それによって地域そのものを活性化しようという「観光まちづくり」の時代となっています。今まで開業した長野新幹線、上越新幹線、東北新幹線を見ると、終着駅の手前の駅は開業後苦戦を強いられています。魅力ある地域になることが、新幹線効果を引き寄せます。全線開業まで3年足らず、残された時間は限られています。出水の観光にとって、九州新幹線全線開業とツルが幸運をもたらすことを祈っています。

2008年08月18日

「観光客の心をつかむ」天文館の文化

2008年8月18日

 8月8日~9日の2日間「第15回天文館まつり」が天文館公園で開催され、子供たちの創作ダンスの発表、カラオケ大会、篤姫コンテスト、神輿の巡回など多種のプログラムがあり、多くの市民で賑わいました。この祭りは、平成5年の大水害で未曾有の被害を受けた天文館の関係者たちが、街の活力を取り戻そうと始めた祭りです。飲食店の経営者、ホステスさん、防犯団体、町内会など多くの人がこの祭りを支えていると感じました。

日本の各地には、そこを代表する歓楽街があります。札幌の「すすきの」、仙台の「国分町」、東京の「歌舞伎町」「銀座」、横浜の「伊勢佐木町」、金沢の「香林坊」、岐阜の「柳ヶ瀬」、大阪の「みなみ」「北新地」、博多の「中洲」、長崎の「思案橋」など歌謡曲の中にもよく出てくる地名です。天文館もその名が全国に知られています。

 旅の魅力は、訪れた地の料理屋で、郷土料理を味わいながら地元の人とのふれあいがあることです。また芋焼酎を片手にホステスさん達としばし語らい、それが鹿児島の文化にふれる機会となり思い出づくりとなります。
 
 6月に天文館の接客マナーの向上に取り組んでいるグループの研修会に、参加する機会がありました。会では、従業員の接遇のアップを図るため鹿児島の歴史、文化、食などを積極的に学ぶ機会を増やしているとのことでした。ホステスさんたちは、研修で真剣にメモを取り、お客様をいかにして満足させようかと努力している姿勢が強く感じられました。

  自らを磨き、お客様を魅了するためには、次のことが求められます。まず、自分の足で歩いて街の魅力を肌で感じ、住む町に誇りを持っていただきたい。中央駅 歴史の道 から偉人誕生地周辺、天文館、照国神社、黎明館、城山、南州神社までの歴史ロードを歩くことで、来店客に自分の言葉で鹿児島の観光の魅力を語ることができ、リピーターにつながります。
  二つ目は、文学作品や絵に親しみ、鹿児島の文化度の高さを知り、お客様にぜひPRしてもらいたい。鹿児島にゆかりのある作家の資料を展示してある「かごしま近代文学館」、吉井淳二や海老原喜之助など郷土が生んだ画家の作品がある「鹿児島市立美術館」、県内の歴史が一目でわかる「黎明館」など魅力ある施設です。展示作品に観光客が知的興奮を感ずることで、滞在時間が増えると思います。
  来店者に焼酎の割り方の極意を教えたり、おつまみに地元の旬の一品を付ければ、お客様が鹿児島の良さを一段と理解してくれるのではないかと思います。鹿児島流の飲み方で懇親が深まり、去りがたい雰囲気に観光客は旅情を感じます。天文館で働く人々は、観光客に鹿児島の魅力を語る伝道者の役割を持っていると考えています。

 3年後に九州新幹線が全線開業し、博多と鹿児島中央間は1時間20分で結ばれます。多くの地域から観光客が訪れることが予想されますが、一方では日帰り観光客が増加し、宿泊客の減少につながるのではと懸念する声もあります。そのためには鹿児島市が宿泊したくなる街としての魅力づけが重要です。観光客の琴線にふれる街とは、知的興奮を伴う街であり、おもてなしの心が醸成された温かい街です。天文館がいつも元気であることが、活気ある鹿児島の経済のシンボルであり、その意味でも「高いステータスを持つ天文館の文化」を作り上げてほしいと思っています。

2008年08月11日

お盆に思う

2008年8月11日

  鹿児島の六月灯 今年もお盆の季節が来ました。お盆は、太陰太陽暦である和暦(天保暦など旧暦という)の7月15日を中心に日本で行われる祖先の霊を祀る一連の行事です。一般に仏教の行事と認識されていますが、仏教の教義で説明できない部分も多く、日本在来の神道的行事に仏教行事の「盂蘭盆」(うらぼん)が習合して現在の形ができたと考えられています。
 鹿児島では新暦の8月15日にお盆を行うところが、多く見られます。会社を休んで故郷に帰る人も多く、国民的な民族移動が毎年あり、交通機関も混雑します。

 県内では昔から先祖を敬う風習が根強く残っています。帰省した家族全員が墓の前でしばし手を合わせている光景がよく見られます。墓石に刻まれた先祖の名前を見て、子供たちが、自分の命が遠い時代から引き継がれていることを悟り、命の尊さを知る機会になるのではないでしょうか。今世の中では人を簡単に殺したり、親子同士の殺人事件が後を絶ちません。お盆を通して、親子の対話を増やすきっかけにしたいものです。

 鹿児島では、お墓にいつも新鮮な花を飾り先祖を大事にする風習があります。お嫁さんが嫁いで来たときに、姑さんがお墓の管理のしきたりを説いているということで、伝統的にいつもきれいな花が飾られていることが理解できます。1月の「いぶすき菜の花マーチ」では指宿の墓の中を歩くコースが組まれており、参加者は墓の花にびっくりします。またガイドさんは、沿線の墓を見つけて、観光客にバスの中から説明してくれます。

 一方全国的にはお盆に関連する行事が、大きな観光資源と 長崎 精霊ながし なっているところがあります。九州においては長崎県内で実施される「精霊流し」が有名です。他の地域では「灯篭流し」といわれるものです。初盆を迎えた故人の家族が、盆提灯や造花などで飾られた精霊船と呼ばれる船に故人の霊を乗せて、流し場と呼ばれる終着点まで運ぶ行事です。この行事が行われる時間帯は、長崎市内は各所で交通規制が行われます。さだまさしの曲「精霊流し」がヒットし、一段と観光客が増えるきっかけとなりました。
 
 もうひとつは、富山市の八尾町で毎年9月1日~3日に開催される「おわら風の盆」も有名なお盆の行事です。おわらの歴史は古く、元禄の頃始まったもので、かつては8月の中旬に行われていたものが、町の人口が希薄になるその時期をさけて9月に移したものです。涼しげな揃いの浴衣に、編笠の間から少し顔を覗かせたその姿は幻想的であり優美です。それぞれの町で踊りが行われ、山々が赤くもえる夕暮れを過ぎると、家並みに沿って並ぶぼんぼりに淡い灯りがともると、祭りは最高潮に達します。3日間で十数万の観光客が訪れ、必見の価値があります。

 鹿児島でもお盆明の16日に、神社の境内に老若男女が集まって、盆踊りをする光景がかつては多くありました。現在では町内会の祭りとして、公園やまちの広場で開催され、露店が軒を並べにぎやかなイベントに変わりつつあります。地域コミ二ティが薄れつつある中で、祭りのスタイルまでこだわる理由は無いように感じます。お盆の過ごし方も時代と共に変わって来たと感ずるこの頃です。
                                                                      参考「フリー百科事典{ウィキぺディア}」

2008年08月04日

アジアからの観光客受入態勢づくりを進めよう

2008年8月4日


  町並み 平成19年に鹿児島を訪れた外国人観光客数は129,549人で、前年と比較すると16,908人(15,0%)増加し、県観光統計上最高の数値となりました。国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)」の積極的活用や、民間と一体になって展開した誘致活動等の効果拡大、査証の緩和措置、円安傾向などがプラス効果と分析しています。
 国籍別外国人観光客数は、韓国が58,368人(19,7%増)で、次に台湾が25,703人(13,5%減)、香港が18,185人(106,3%増)、以下米国、中国と続いています。県内の宿泊先としては、鹿児島市内が52,005人、霧島地区が43,857人、指宿地区18,976人であり、3地区で90%を占めています。
 日本全体としても、昨年の訪日外国人は835万人で前年より14%の伸びであり、今後も顕著に推移するものと思われます。

 先日「アジアからの観光客受入態勢づくり」の講習会を100名近い関係者の参加で実施しました。今までどちらかというと、県内の外国人誘致については、限られた人の努力で関係づくりが進められてきたのが実情です。また外国人は、部屋を汚す、夜遅くまで騒ぐ、夕食を宿泊先で取らないなど、デメリットを理由に受入れに消極的な施設が多かったのではないかと思います。

  しかし日本人の国内旅行が伸び悩む中で、外国人特にアジアからの誘客を図ることが必要かつ重要なテーマになってきました。経済成長が著しいアジアからの観光客は、今後有望な市場になることが予想されます。特に中国は13億の人口があり、北京オリンピックに続く2年後の上海万博終了後には、大規模な海外旅行ブームがおきると想定されます。九州・沖縄では上海など中国6都市との定期航空便が週50便あります。中国からの観光客は今後も増える見込みです。

  現在東京の秋葉原や銀座で大量のショッピングをしているの 中華料理 は、中国の富裕層の旅行団です。彼らが使っているのは「銀聯カード」と言うキャッシュカードで、デビットカードと同じ仕組みのものです。このカードが使えると、中国の銀行口座にある預金の範囲でショッピングが可能です。逆にこのカードが使える店がないと、観光客は鹿児島ではショッピングをしないことになります。5月から山形屋が取扱いを始めており、長崎では中央商店街300店舗が導入し中国人誘致に動いています。

 外国人の個人旅行化が進む中で、気軽に観光したりショッピングを可能にするためには、市中での外貨交換や外国語表示を増やすなどの環境整備が必要です。先日の説明会では、財務局や鹿児島銀行の担当者から外貨両替についての現在の状況が説明され、今後受入態勢を整える企業が増えるのではと期待しています。

 観光立国基本法が成立し、10月には「観光庁」が発足して、外国人を2010年には、1000万人にする計画が推進されています。鹿児島県はアジアに近い国であり、是非その一翼を担うことが求められていると思います。

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