2008年8月11日
今年もお盆の季節が来ました。お盆は、太陰太陽暦である和暦(天保暦など旧暦という)の7月15日を中心に日本で行われる祖先の霊を祀る一連の行事です。一般に仏教の行事と認識されていますが、仏教の教義で説明できない部分も多く、日本在来の神道的行事に仏教行事の「盂蘭盆」(うらぼん)が習合して現在の形ができたと考えられています。
鹿児島では新暦の8月15日にお盆を行うところが、多く見られます。会社を休んで故郷に帰る人も多く、国民的な民族移動が毎年あり、交通機関も混雑します。
県内では昔から先祖を敬う風習が根強く残っています。帰省した家族全員が墓の前でしばし手を合わせている光景がよく見られます。墓石に刻まれた先祖の名前を見て、子供たちが、自分の命が遠い時代から引き継がれていることを悟り、命の尊さを知る機会になるのではないでしょうか。今世の中では人を簡単に殺したり、親子同士の殺人事件が後を絶ちません。お盆を通して、親子の対話を増やすきっかけにしたいものです。
鹿児島では、お墓にいつも新鮮な花を飾り先祖を大事にする風習があります。お嫁さんが嫁いで来たときに、姑さんがお墓の管理のしきたりを説いているということで、伝統的にいつもきれいな花が飾られていることが理解できます。1月の「いぶすき菜の花マーチ」では指宿の墓の中を歩くコースが組まれており、参加者は墓の花にびっくりします。またガイドさんは、沿線の墓を見つけて、観光客にバスの中から説明してくれます。
一方全国的にはお盆に関連する行事が、大きな観光資源と
なっているところがあります。九州においては長崎県内で実施される「精霊流し」が有名です。他の地域では「灯篭流し」といわれるものです。初盆を迎えた故人の家族が、盆提灯や造花などで飾られた精霊船と呼ばれる船に故人の霊を乗せて、流し場と呼ばれる終着点まで運ぶ行事です。この行事が行われる時間帯は、長崎市内は各所で交通規制が行われます。さだまさしの曲「精霊流し」がヒットし、一段と観光客が増えるきっかけとなりました。
もうひとつは、富山市の八尾町で毎年9月1日~3日に開催される「おわら風の盆」も有名なお盆の行事です。おわらの歴史は古く、元禄の頃始まったもので、かつては8月の中旬に行われていたものが、町の人口が希薄になるその時期をさけて9月に移したものです。涼しげな揃いの浴衣に、編笠の間から少し顔を覗かせたその姿は幻想的であり優美です。それぞれの町で踊りが行われ、山々が赤くもえる夕暮れを過ぎると、家並みに沿って並ぶぼんぼりに淡い灯りがともると、祭りは最高潮に達します。3日間で十数万の観光客が訪れ、必見の価値があります。
鹿児島でもお盆明の16日に、神社の境内に老若男女が集まって、盆踊りをする光景がかつては多くありました。現在では町内会の祭りとして、公園やまちの広場で開催され、露店が軒を並べにぎやかなイベントに変わりつつあります。地域コミ二ティが薄れつつある中で、祭りのスタイルまでこだわる理由は無いように感じます。お盆の過ごし方も時代と共に変わって来たと感ずるこの頃です。
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