2008年9月8日
10月に国土交通省の外局として「観光庁」が新設されます。平成15年に当時の小泉総理が国会演説で「観光立国宣言」を発表し、同年の4月官民あげての訪日旅行を推進するため、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」がスタートしました。庁の発足はその延長線にあるもので、ようやく日本も観光立国への体制が整いました。外国では早くから観光の重要性が政策として示されており、日本は遅すぎた感がありますが、省庁再編が進められる中で新設は歓迎すべきことです。
庁発足よりも一足早く19年1月に「観光立国推進基本法」が施行されましたがその概要は次のとおりです。
1 テーマ型広域観光モデルルートの開発や、地域の人材発掘と活用の推進を図り、 国際競争力の高い魅力ある観光地づくりを行うことです。
2 着地型旅行商品の創出・流通の取組支援や学校での教育の充実を図ることで、観光産業の国際競争力の強化と観光の振興に寄与する人材の育成を目指すものです。
3 外国人が個人での旅行がしやすい環境整備と、空港での入国のスムーズ化、地方空港からの国際チャーター便の活性化支援を行い、国際観光を推進するものです。
4 有給休暇の取得促進や秋休みの普及による学校休業の多様化と柔軟化を促進し、国民が旅行に出やすい環境整備を推進するものです。
分野ごとに数値目標をたて、さまざまな施策を展開することで観光振興を図り観光立国の実現を目指すものです。
平成17年のわが国の国内旅行消費額は、24兆4千億円で、雇用創出効果は229万人と推計されます。この消費額がもたらす生産波及効果は55兆3千億円、雇用創出効果は469万人と推計され(平成19年観光白書)、観光がもたらす経済的効果は多くの分野に及んでいます。
観光庁の発足に呼応するかのように本年4月に部への昇格や人員増で観光部門の強化を図ったところが、15の県に及んでいます。それまでにも部の充実を図った県も多く、観光客誘致について、総力戦の様相を呈してきました。しかしここ10年間に国内の宿泊人員は3割減少しており、今後とも地域間競争は熾烈を極めると思います。各地域で誘客キャンペーンや旅行商談会、現地研修とあの手この手の誘致合戦が行われています。
しかし新たな需要開拓には地域の取組だけではなく、九州観光推進機構や隣県との広域連携が功を奏すると考えています。キャリアやエージェントの連携も大事になってきます。
またニューツーリズムへの関心の高まりや着地型観光のニーズに応えるため、商品作りやボランティアガイドの組織化が進められています。商品造成やまちあるきガイドの養成と併せて、地域住民と観光客が互いに交流し会える環境づくりが「訪れて良し、住んで良し」の町になると思います。鍵は地域にどれだけ人を呼び込むことができるかが重要なことです。そのためには、地域と観光客との間で商品開発や組織をコーディネートできる「担い手」が必要になってきています。観光は「観光客」と「住民」と「地域の文化・自然」が共生することで経済的効果が生み出され、持続的観光が成り立つものと考えます。観光は総合産業であり、地域全体でまちづくりに取組むことが重要です。
観光庁の新設が、地域再生に大きく繋がることを期待します。


