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口コミの効果とは  ★プロデユーサーズコラム★

                     2009年7月27日   

 日本観光協会では、一般消費者が宿泊観光旅行の目的地を決定する際に参考にするものとして、何を活用しているかを毎年調査しています。その5年間のデータで見ると、多いのが「家族友人の話」、「ガイドブック」、「パンフレット」、「旅行専門雑誌」、「インターネット」の活用です。特に家族友人の話は常にトップとなっていますが、5年間で急激に増加しているのがインターネットの利用です。各種媒体やインターネットで旬の情報を収集し、最後の一押しとして「口コミ」による信頼性を決め手としている傾向が、消費行動に表れていると思われます。意外と少ないのが、「駅・車内のポスター」や「テレビ・ラジオのCM」です。この二つは観光地の一瞬のイメージであり、じっくり検討することができません。やはり消費者は旅行先の決定に当たっては、いろいろな媒体を活用して、じっくりと目的地を決定していることが伺えます。

 ところで、キャビンアテンダント間の口コミで広がり、人気となっている商品やお店があshirokoi_img.jpgります。旅の終わりに、空港でショッピングする観光客を多く見かけますが、フライトの前のキャビンアテンダントの同じような行動を見かけることがあります。人気商品となっているものとして千歳空港の「白い恋人」や「マルセイバターサンド」、羽田空港の「東京バナ奈」、「黒べエ」、「六本木プリン」など、福岡空港の「塩豆大福」、「スイートポテト」、那覇空港の「紅芋タルト」、そして鹿児島空港では「唐芋レアケーキ」などがあります。最近では北海道の田中牧場で生産される「手作りの生キャラメル」が有名ですが、テレビ番組の放映やツアーの行程に工場見学が組み込まれることで一躍有名になりました。しかし最近では全国の空港で商品が販売されているため、希少価値がなくなるのではと危惧しています。やはりそこの空港でしか買えないものが、人気となっていくと思います。

 
機内誌にキャビンアテンダントのおすすめのお店がよく掲載されます。自分の出身地やフライトの合間に尋ねた店の中で、印象に残ったお店を紹介しています。最近では掲載のお店を訪ねる観光客が多いと聞きます。

 
鹿児島空港の近くにキャビンアテンダントが良く訪れるお店があります。イングリッシュimg01.jpgガーデンとカフェを楽しむ「ル・フェーヴル」です。ご主人は永い間大阪で広告代理店に勤められ「デザインと商業ポスター」を担当され、その間ヨーロッパに何回も出かけられ、パリ通でいらっしゃいます。退職を機に、ふるさとの鹿児島にUターンして、カフェレストランと舶来雑貨の店を奥様と二人で経営されています。 しゃれた白い建物のエントランスには、花が咲き乱れて落ち着いた雰囲気を醸し出しています。中に入るとヨーロッパ中から集めたお皿、置物、カップ、絵画などが所狭しと飾られています。奥様は常にインターネットを活用して、ヨーロッパから珍しいものを取り寄せているとのことで、海外のお店にいる気持ちになり、まさに女性好みの店と呼べるにふさわしい雰囲気です、飾っているものは販売もしてくれます。店内にある調度品が醸し出す雰囲気に浸りながら、ご夫婦が作った料理をいただくのは格別です。ご主人がガーデニング、インテリア、ヨーロッパの芸術、ダンスなどの話を聞かせてくれます。また長年の経験を生かしたデザインへの造詣は深く、その技量を地域の人々にも教える講座も開設しており、好評を博しています。

フライトの合間に訪れるキャビンアテンダントは季節ごとに変わる料理はもとより、店の調度品、雰囲気を楽しみにしているとのことです。インターネット以外の特別の宣伝は行わず、一度来店した人の評判やキャビンアテンダントの口コミ等で人気が高まっており、一度は尋ねてみたいお店です。空港に行く機会があったら是非一度お尋ねになったらいかがですか。 

資料:宿泊観光旅行の目的地を決定する際に参考とするもの
   
   日本観光協会「観光の実態と志向(第26回)」
   ‘08(平成20)年1月

新航空路線の開設について ★プロデューサーズコラム★

                       2009年7月21日

            

 23日に富士山静岡空港へ新航空路線が開設され、フジドリームエアラインズの76名乗りのジェット機が1日1往復します。静岡県の持つ経済的ポテンシャルの高さが、鹿児島noflash.jpgへの観光客誘致につながると期待が高まっています。

  
静岡県の特徴について述べたいと思います。産業分野において日本一の産品が127品目もあります。代表的なものが、かつお生産額、冷凍まぐろ上場水揚額、お茶の生葉と荒茶、温州みかん、温室メロン、メキャベツ、しらす、さくらえびの生産額などです。工業製品では、ピアノ、和・洋楽器、運動用品などです。又、観光地の周辺部に温泉地が多くあるため、政府登録と日観連加盟の宿泊旅館の数が日本一であり、海外からも多くの観光客が訪れます。また、多彩な産業が各地に立地しており、15才以上の労働人口のデータとなる「労働力率」と「就業率」は日本一の高さです。このように産業の豊富さと労働力人口の高さに裏打ちされて、県民所得は、東京、愛知に続いて第3位となっており、裕福な県民が多いと言われています。(平成18年の統計) 

 富士山静岡空港は、名前の由来にあるように富士山の望める風光明媚な場所にありますが、世界文化遺産の登録をめざす富士山と周辺の観光の魅力に併せて、物流の利用価thumbnailCADILIGI.jpg値も高まると思います。
 

 鹿児島県にとっては、観光と物流の両方の拡大を図ることで経済交流を促進し、路線の維持発展につなげていくことが重要と思います。「お茶」、「うなぎ」、「かつおやマグロ」は両県とも全国屈指の生産量を誇り、大きな経済効果をもたらしています。また、それに関連する業界の人の交流が今以上に活発になり、新たな産業創出への期待がかかります。
 

 観光客誘致にあたっては、温泉や港、湖、山、食など共通点が多くあり、それぞれの県の特徴を出し差別化を図ることが大切です。静岡県への誘致には、富士山を核として、周辺の観光の魅力や、伊豆半島など鹿児島県の人がほとんど行っていない場所を商品化することが重要です。また、片道は羽田空港を利用することで周遊型の観光が可能となり、利便性を確保できると思いまp01.jpgす。他の航空会社とも連携し、周遊運賃の低廉化が商品企画に繋がります。現状では航空運賃がネックになると思っています。
 

 鹿児島県サイドでも、静岡県にないものをいかに前面に出して商品企画を進めるかです。温泉や山、港は似たところが多くあり、物見遊山的な企画では誘客は厳しいと思います。静岡県は前述のように富裕層が多く、マラソンやウォーキング大会など参加型イベントや、歴史的遺産が残る地域の「まち歩き」など体験を組み込む必要があります。温泉では指宿や山川の「天然砂むし温泉」や、屋久島や硫黄島の「天然の海の露天風呂」が珍しいと感じると思います。又食では、「黒牛」、「黒豚」、「くろず」「焼酎」など「本物。かごしま」の産品が効果的です。世界遺産の屋久島、ロケット基地のある種子島、手つかずの自然が残る奄美大島など離島の魅力も欠かせません。同時に就航する熊本との連携も欠かせません。南九州を周遊するコースが可能になり周遊運賃の適用で搭乗率もアップすると思います。
  

 とこthumbnailCABCOA4U.jpgろで静岡県はサッカーが盛んであり、
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1リーガーの出身地別選手数は58人で第1位となっています。(20年7月現在)。また、磐田市を本拠地とする「ジュビロ磐田」と静岡市を拠点(旧清水市)とする「清水エスパルス」は、毎年鹿児島市でキャンプを張っています。今後サッカーを通しての交流も盛んになると思います。
新航空路線の開設が、双方の県にとって新たな経済発展と地域の活性化につながることを期待します。 

 <参考> 労働力率・・15才以上人口に占める労働力人口の割合
      就業率・・・15才以上人口に占める就業者の割合

これからの観光地に求められるものとは ★プロデューサーズコラム★

                                          2009年7月13日

 ここ2週間の間に、2つの女性団体の研修会に参加する機会に恵まれました。1つは「鹿児島P1020863_1.jpg県法人会女性部」、2つめは「九州ブロックの商工会女性部」です。

 2つの団体のメンバーは、地域で事業を展開しているオーナーもしくは役員の方々です。地域資源を生かして新しい事業展開をすべく活発な議論が展開され、特にこれからは女
性が活躍する地域づくりがいかに大切かを認識した研修会でした。 ところで今、観光による地域活性化を目指す動きが、活発になってきました。これからの観光地に求められるものは何か、考えてみたいと思います。
 
 一つには、「良好な景観の保持」が地域の魅力を創出することです。再開発事業では、「小川」、「樹木」、「砂浜」、「古い建物」などの自然景観を残すことを第一に考えねばなりません。大切な自然は地域の宝です。箱物づくりから地域の自然、歴史、文化、生活を経済活動と結びつけ、「地域特性」を生かした町づくりへ変革することです。「黒川温泉」は、ホテル所在地の案
内看板を一つにまとめて表示するなど景観の保護に努めており、女性のリピーターがその人気を支えています。
 

 2つめは、農・商・工連携による地域全体の連携の必要性です。地域の「食」、「祭り」、「花」、「灯り」などを有機的につなぐことで、地域の魅付けが図られますR0013763.jpg。地域資源をブランド化するには、地域の皆さんに評価されることに加え、「差別化」、「優位性」、「品質保証」、「稀少価値」の確立が不可欠です。今消費の主役は女性であり、その女性を呼び込む仕掛けが必要です。誘客を図るためには、「踊りの発表会」、「お茶会」、「生け花展」、など美的感覚をくすぐるイベントの開催も方策の一つです。女性は満足度が高ければリピーターになりやすく、持続的に経済効果をもたらすことにもなります。
 

 3つめは、地域の住民の理解を得てまちづくりを進めることです。観光は地域の人が我が町に誇りを持つことから始まります。飲食店では「地産地消」を推進することで、多くの分野で経済効果が生まれます。又宿泊施設などでは囲い込みをやめて、観光客を積極的に外に出すことで、商店街が潤います。ボランティアガイドやイベントでは、高齢者にも活躍してもらうことが重要です。「住んで良し、訪れて良し」のまちづくりが基本であり、そのことが持続的な観光地になります。
 

 4つめは、環境に優しい観光地を目指さなければなりません。上高地や屋久島ではマイカーの乗り入れの規制が始まりました。又ウミガメの産卵地では、砂浜への立ち入りを規制するなど卵の保護に力を注いでいます。大分県の「日田市」、「佐伯市」、「竹田市」、鹿児島の「さつま町の宮之城地域」では、地元産の竹を使った「灯りのイベント」を開催して好評を博しています。使われた竹は、観光客に無料でプレゼントされており一石二鳥の効果があります。これからは「観光振興200907112256103468.jpg」と「環境保全」の両立を図ることが、魅力ある観光地になると思います。
 

 最後に地域をまとめるコーディネーターの存在が重要です。地域の様々な課題を整理し、ネットワーク化を進め、事業を展開することが求められています。今地域活性化のために、多くの省庁が支援策を発表していますが、その多くは地域の団体をまとめて事業実施主体を組織し、事業を進めることが条件になっています。その中心になるのが、コーディネーターです。人材の発掘や公募などで適任者を配置することで、組織は機能すると思います。是非新たな視点で地域を見つめ直し、地域が元気になることを期待します。
 

 大型の箱物をつくり、マスメディアを使って大量に集客する観光から、地域主導で個人のニーズを大切にする観光に変化しています。十人十色から一人十色に、個人の趣向も複雑になっており、個性ある地域がこれから脚光をあびます。観光素材に磨きをかけ、誘客に努め地域の活性化に努めたいものです。

 

「かごしまよかとこ博覧会」の開催について   ★プロデューサーズ゙コラム★

平成21年7月6日
 

今全国で、地域の素材を生かした着地型観光メニューを作り、観光客を誘致して地域活性化に繋げていこう言う取組が盛んになっています。


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  県でも本年度から、自然や・文化・まち歩き、農林漁業体験など、鹿児島らしい地域資源を生かした着地型観光メニューの充実と情報の一元化を図り、観光客の多様なニーズに応える鹿児島の魅力満載の旅を提供する仕組みを構築するとともに、着地型観光メニューの旅行商品化を促進するため、地域の観光協会やNPO法人等に対して補助金を交付することになりました。

 

今回「かごしま着地型観光メニューモデル開発事業」を募集したところ、4地域振興局管内から7件の応募があり、4つの事業が採択されました。9月から「かごしまよかとこ博覧会」として各地で事業が展開されます。大島支庁管内では、「あまみ長寿・子宝プロジェクト」の事業の一環として「シマ博覧会」が開催されます。

 

事業展開上のポイントをいくつか上げてみたいと思います。一つはプログラムづくりの重要性です。通常の旅行商品との区別をはかるため、地域ならではの商品に創り上げることです。そこの地域しかない素材でそこでしか体験できないこと、また限られた期間しか見られないもの、地域限定の食など希少価値を組み入れることです。また事業の推進に当たっては、できるだけ地域の人を活用することで参画意識を高める必要があります。老人会、婦人会、ボランティアガイド、シルバー人材センターなどの地域に精通した人の知恵を活用したメニューが、地域ならではの商品になると思います。

 

又、設定したプランの集客には必死にならなければなりません。パンフを作成しただけでは人は集まりません。情報をどこにどのように伝達するかです。市町村の会報、ミニコミ誌でのPR、道の駅やスーパーなど人の集まる場所においてもらうことや、カルチャーセンター、公民館など講座の一環として取り上げてもらうことで集客効果があがります。集客に当たっては、遠方の方を対象とするのではなく、まず地元の方をどれだけ集めるかに心血を注ぐことが大切です。

 

参加者にもメリットをもたらすことも大切です。20090706100840728.jpgものづくり体験に参加した人には、証として完成品を持って帰ってもらうことや、農業体験などの場合は、参加者自らが植えたものを、収穫時に産物を届けることでリピーターになると思います。またプログラムの展開に当たっては、1回きりで終わるのではなく、新しい事業への展開につなげることが本来の目的です。

 

人が集まることで住民の地域を見る目も変わり、住民が価値がないと思ってみなかったものが、観光素材になることに気づきます。住民がわが町に誇りを持つようになることが大きな成果です。

 

個人旅行が主流になった今、観光客誘致には、食、歴史、景観などの魅力が欠かせませんが、住民の生活・文化をどのようにプランに組み入れるかが大きな課題の一つです。地域の観光関連産業だけでなく、農業、工業、商業、教育など地域住民の参加を得て、総力戦でのぞむ必要があります。その意味で今回の「かごしまよかとこ博覧会」の開催は、地域活性化につなげていかなければなりません。各地域の実行委員会でつくられたメニューが、できるだけ多く催行されることが重要であり、そのために県民もぜひこの博覧会に参加してほしいものです。