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教育旅行誘致の重要性 〜プロデューサーズコラム〜

                     2009年8月31日  

 東京で開催された九州観光推進機構の「九州7県修学旅行誘致説明会」のシンポジウムに2009083101201628928.jpg参加した後、都内の教育旅行関係支店を訪問しました。鹿児島県には、20年度は首都圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)から79校、18,000人の学生が訪れています。80%近くが私立高校であり、ほとんどが往復とも航空機を利用しています。
 
現在首都圏からの修学旅行の行先は沖縄が主ですが、九州方面では福岡〜長崎〜佐世保方面がメインのコースとなっています。長崎に行く理由としては、市内での平和学習、ハウステンボスでの観光、松浦地区での農漁業体験があげられます。学習、遊び、体験をうまく組み合わせられることが、行先選択の要因となっています。 

 今後鹿児島へ誘致するにあたっては、下記の点に配慮しながら活動を強化する必要があり2009083101214428923.jpgます。まずターゲットとしては、中学生は日程と旅費の制限があり難しいので、高校生が中心となります。千葉、埼玉、神奈川県は、公立・私立とも可能ですが、東京都は旅費の上限が厳しく私立高校が対象となります。 輸送手段としては、航空機が主流となります。新幹線が23年春に東京とつながりますが、7時間かかることを考えると輸送の手段としては適さないと思います。鹿児島〜東京はジャンボ機が運行されており、2つの航空会社で400人程度は同時間帯で輸送が可能です。しかも沖縄より近く、行程も楽になるメリットを強調すべきです。 

 コースについては、現在誘致を進めている南九州3県の周遊コースが一つです。熊本2009083101224630429.jpg〜宮崎〜鹿児島と地域の特徴を活かしたコースを作ることが重要です。人吉のラフティング、宮崎のシーガイア、知覧での平和学習、鹿児島市での歴史探訪と多彩なカリキュラムを組み入れることが必要です。教育旅行の担当者は、長崎県に鹿児島県を入れたコースは、バスの移動が長く学校には不評とのことであり、なるべく同じ地域を通らない3角ルートになる行程が望ましいとのことでした。また、鹿児島県内で旅行を完結させるためには、屋久島をコースに入れることがベストであるとのことでした。世界遺産の屋久島は、環境学習に最適の条件が揃った島です。霧島〜屋久島〜指宿〜鹿児島といったコースが設定でき、鹿児島の多くの魅力を堪能できます。屋久島への船便も増強されており、輸送は問題ないと思います。 

 ところで教育旅行を誘致するためには、エージェントだけではなく担当の先生方に、鹿児島が最適地であることを認識していただくことが必要です。「百聞は一見に如かず」で直接見ていただくことが、大事です。日修協や全修協の組織を活用して学校に呼びかけ、先生方と一緒に見て回ることで、必ずや鹿児島を修学旅行の目的地として選択してくれると思います。 

 一方教2009083101252030119.jpg育旅行の誘致には、学校のニーズに応えるべくメニューづくりが欠かせません。その意味では平和学習は知覧の特攻平和記念館で対応でき、グリーンツーリズムの体験は南さつま市周辺を中心に受入態勢が整ってきました。今年は約5000名の民泊予約が、すでに入っています。県内全域で受け皿づくりが進んでいます。また、垂水漁港では、いけすでの漁業体験が人気を博しています。 

 教育旅行の良い点は、一度に多くの生徒が動くことです。不況時でも実施され、しかも2年前には決定し、取り消しが少なく、経営の見通しが立てられるなど、安定した顧客といえます。今年は新型インフルエンザの影響で、行く先を変更した学校がありましたが、日を改めて実施されています。 修学旅行は1887年(明治20年)に始まり、日本の教育課程の中でずっと続いてきた一つの文化です。これからも子供達の思い出づくりの場として、大切にされる行事であり、温かく迎える環境づくりも必要です。新幹線の全線開業まで1年半となりました。関西から以西の地域では、行く先を変更するところが増えるのではないでしょうか。鹿児島が目的地になるようセールスを強化していきたいと思います。  

2008年鹿児島の観光統計から【2】 〜これからの鹿児島には何が必要か〜


 大河ド2009082323233426000.jpgラマ「翔ぶが如く」が放映された平成2年は、今まで最高の930万人の観光客が訪れました。そして翌年から観光客数が下降線をたどった経緯があり、大河ドラマ「篤姫」放映後の観光は厳しくなると考え、早めの取組を展開してきました。しかし今年の1月から6月までの観光客は、経済不況や円高等による外国人の落ち込みもありますが、想定以上の厳しい数字となっています。 

 これから鹿児島への観光客を安定的に確保していくためには、何が必要か考えてみたいと思います。まずリピーター対策を推進していかねばなりません。今の観光は個人旅行が70%を超えており、アクセスの確保や滞在・交流といったニーズに対応できる仕組みなど受入態勢を整備していかねばなりません。温泉や歴史的な魅力に加えて、地域の生活・文化を組み込むことが必要です。宿泊施設でのR0010798.jpg囲い込みを少なくして、観光客が気軽に地域の食や伝統文化に触れる機会を増やすことです。観光客に「感動体験」を提供することがリピート率向上につながります。また、エージェントやキャンペーンだけに頼るのではなく、地域が自ら情報を発信し、「地産地奨の自律的観光」を推進して行かねばなりません。 

 また、観光振興は、観光関連産業だけでは成り立ちません。グリーンツーリズムやエコツーリズム、まち歩き、産業遺産、地域学、食、健康など観光に関わる分野は多岐に渡っており、あらゆる地域の素材を活用して、地域全体の魅力アップを図ることが誘客に繋がります。そして地域をコーディネートする人材の発掘と育成が県内各地で必要です。 

 ところで鹿児島2009082323274926145.jpg県は南北600キロにも及びますが、特に離島の魅力を知る県民は少ないと思います。まず県民の多くの方に離島へ足を運ぶことをお勧めします。美しい自然や島ならではの文化が残っています。また、日頃対岸から桜島を見ている鹿児島市民は、錦江湾を渡り島を一周して桜島の本当の魅力を体験することが大切であり、そのことが観光客へのPRにも繋がります。また、地域には多くの伝統的祭りや行事があります。地域ぐるみで受け継いでいくことが大切です。やはり県民が自分の地域の魅力を感じて、それを誇りに思い、宣伝していただくことが一番の効果があります。そのためにも域内観光の重要性を感じます。 tsubame800_1.jpg

 新幹線開業効果を県内全域に広げるため、各地でさまざまな取組が計画されています。小さな取組でも着実に進めることが大切です。まち歩き、食の祭り、歴史探訪、スポーツ大会、農業祭、村祭りなどに、地域の住民ができるだけ多く参画することが住民の意識の高まり、地域の輝きにつながります。都会の人は田舎の良さ(素朴さ)を求めて旅に出ます。新幹線全線開業まで1年半となりました。地域に人を呼べるかどうかはこれからが正念場です。 

「道の駅」に学ぶ ★プロデューサーズコラム★

                     2009年8月17日

 今消費者の厚い支持を得ている場所として、道の駅があります。全国的には917箇所が登録されていますが、九州には100箇所、県内には17箇所の道の駅があります。(参考:国土交通省道路局資料 81日現在)
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 県内では「きりしま」、「いぶすき」、「たるみず」、「樋脇」、「末吉」、「かわなべやすらぎの里」、「あすぱる大崎」などの道の駅が有名です。長距離ドライブが増え、女性や高齢者のドライバーが増加する中で交通の円滑な流れを支えるため、一般道路にも安心して利用できる休憩施設の整備が求められてきました。また休憩施設では、地域の文化・特産品などを活用して多様なサービスを提供することが可能となり、道を介して地域連携が促進されることが期待されます。このような背景で出来たのが「道の駅」です。
 

 「道の駅」の機能としては、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域住民のための「情報発信機能」、道の駅を基点に町と町が連携して活力ある地域づくりを行うための「地域の連携機能」の3つがあります。今3つの機能を併せ持つ道の駅が「たまり場」としての重要な役割を果たしています。
 道の駅が消費者の支持を得ているのには、次のような理由があると思います。一つには、展示即売されている商品が顔の見えるものが多く、「安全」、「安心」のブランドとして確立していることです。生産物には生産履歴と生産者の顔写真が張ってあるものが多く、安心して買うことができます。また、地域産品を活用して菓子や飲み物、調味料などを製造するところも増えています。薬物混入や生産地偽装が続いた中で、消費者が直接確認できることが、人気となり購買に繋がっています。 

 二つ目は交流P1020514.jpgの場としてのたまり場になっていることです。「都市住民」、「観光客」、「地域住民」を結びつける人、食、イベントが集い交流と安らぎの場としての雰囲気をつくりだしていることです。また小イベントを開催しふるさと意識を高揚し、地域住民の交流の場となっています。近くの観光地に出かけ帰りに立ち寄る人が目だっていますが、箇所によっては足湯などがあり、また温泉水を自由に持って帰ることもできます。ツアー等で訪れた観光客が、リピーターとなり日常的に購入する人も多くなってファンづくりも出来てきています。
 

 一方生産者にとって、いままで出荷できなかった規格外商品が販売できたり、需給のバランスで自由に価格がつけられるなど農業の生産意欲にもつながります。地方に行くと荒廃している田畑が目に付き、また高齢化が進み、後継者も少なく農業の将来は危ぶまれています。近くの道の駅が繁盛すれば、農業への関心も高まると思いP1020503.jpgます。
 

 ところでこれからも「道の駅」が消費者の信頼を確保していくためには、常に安全・安心の旬の産物を提供していくことです。季節感を出し、訪問者が飽きない商品の品揃えが必要と思います。最近では農協や漁協なども直売店を出しており、競争は激化しています。食の偽装が問題となり存亡の危機を迎えた企業は、申し上げるまでもありませんが消費者の信頼を一気に裏切ったからです。

 
その意味で「道の駅」がいつまでも消費者の支持を受け、地域活性化の拠点としてさらなる発展をつづけることを期待します。 

お盆を故郷で  ★プロデューサーズコラム★

                                                           2009年8月10日 

 お盆を故郷で過ごす人が多く、今年も国民の大移動が始まりました。高速道路の1000円の利用期間が広がったた200908100908313384.jpgめ、例年に比べて早めの混雑が発生しています。鹿児島では遠方からの車のナンバーが目に付きます。

  
ところでお盆は、太陰太陽暦である和暦(天保暦など旧暦という。)の7月15日を中心に日本で行われる祖先の霊を祀る一連の行事です。現在では、多数派である8月中旬(新暦8月15日、月遅れの盆)を「お盆」と称するため、「お盆」というと月遅れのお盆を指すことが全国的になっています。また、人が亡くなり49日法要が終わって最初に迎えるお盆は初盆と呼ばれて、厚く供養する風習があり多くの人が集まります。 

 お盆には全国的にはさまざまな風習がありますが、比較的どこの家庭でも行われているのは、daimo_p1.jpg12日の夕刻に行う「迎え火」と15日・16日の「送り火」です。京都では「五山の送り火」が、奈良では「高円山大文字送り火」が行われます。長崎では「精霊流し」が行われ、多くの観光客が訪れます。

月遅れのお盆の時期とはずれますが、お盆に関連する行事としては、「富山県八尾町の越中おわら風の盆」、「岐阜県の郡上おどり」、「徳島県の阿波踊り」、「沖縄県のエイサー」などが有名ですが、団地や町内会単位での盆踊り大会も各地で定着しています。 

 ところでお盆の時期は夏休みと重なり、子供たちを始め兄弟、親戚が集まりやすく祖先のお墓参2009081009095231726.jpgりをする良い機会となります。先祖の名前が刻まれた墓前に静かに手を合わせ、お祈りすることで、家系のルーツを確認する場となります。子供たちにとっても、自分の命は一人だけではなく先祖から長く引き継がれているものであり、大切にしなければならないと気づく機会となります。最近親子による悲しい殺人事件や簡単に人を傷つけるニュースを聞くたびに、命の大切さを教える場がほしいと願っています。
  

 鹿児島県は一人あたりの生花の消費量が、日本一です。その要因は定期的にお墓参りに行き、その度に新しいお花を購入しお供えする習慣があるからです。嫁ぎ先では姑さんが、先祖とお墓参りの大切さをお嫁さんに教えており、そのことが日々の生活の中で習慣として定着しています。観光バスが南薩地域を通ると、バスガイドさんが沿線のお墓を指差して日々の手入れの習慣を説明すると、観光客はお墓の生花の豪華さに驚きの声をあげます。 

 指宿市
のあるホテルの経営者は、友人が訪ねてきたら市の高台にある墓地を案内し、地域の文化を語ると言っていました。また、先日友人を桜島に案内した折、屋根付のお墓が多いのに感激していました。降灰から先祖の霊を守る大切さが示されていると言っていました。 

 お盆は人の命の尊さを確認する良い機会です。今年もお盆に里帰りし、祖先の墓に線香とお花を供えて、元気で生かされている自分の感謝の気持ちを伝えたいと思います。

   参考資料 出典:フリー百科事典『ウィキぺディア』 
  

2008年の観光統計から  ★プロデューサーズコラム★

                                        2009年8月3日 

            

 200tokei.jpg8年の鹿児島県の観光統計がまとまりました。それによると県外から鹿児島県に宿泊した観光客数は、前年比3.3%増の815万人で、県内宿泊者を合わせた合計は6年ぶりに1000万人を上回る1018万人となりました。 

 県外宿泊者が800万人を超えたのは、11年ぶりのことです。また日帰り観光客数を入れると、5206万人となり、観光消費額は前年比3
.6%増の4794億円となりました。伸びた理由として大河ドラマ「篤姫」が放映されたことがあげられます。また、「ねんりんピック」や「全国商工会議所観光振興大会」、「九州地区PTA大会」など大型のイベントやコンベンションの開催が後押ししたと考えられます。地域別では奄美地区以外は伸びており、指宿・佐多地域が110%と大きな伸びでした。指宿の今和泉地区のボランティアガイドさんの活躍が、話題になりました。
 全国的には、不況が続く中で観光客は伸び悩んでおり、その意味では鹿児島は善戦したのではないかと思います。 

 発地別の宿泊構成比でみると、関東地区23
.8%、関西地区20.4%、中部地区6.0%でこの3地区で50.2%を占めています。また、北部九州地区が24.2%、南部九州地区が17.2%であり、「九州全体で」41.4%となっています。東名阪と九州地域で91.6%であり、この地域からの観光客構成比はここ10年ほとんど変化がなく、これからのキャンペーンもこの地域への強化を図るべきだと考えています。また、新幹線全線開業に向けて、大阪から以西に力を注ぐべきと思っています。 

 次に2009080310204631939.jpg交通機関別の県外延べ宿泊観光客数で見ると、自動車が41
.8%、航空機が29.7%、鉄道が17.7%となっています。毎年自動車の利用が増えており、個人旅行の傾向が顕著となっています。今後とも高速道路の通行料の軽減が予定されており、車による観光客は増加すると考えられます。マイカー旅行の皆さんが安心して旅行ができるように、案内板の整備、トイレの充実、駐車場の整備が急がれます。 

 一方外国人の観光客は、後半は円高や世界的不況で低迷しましたが、前半の貯金もあり13万人を超え過去最高となりました。今年は円高やインフルエンザの影響、香港線が運休となるなど厳しい現状ですが、南に開かれた鹿児島は、東南アジアからは近く、誘客しやすい環境にあります。上海、ソウルとの2拠点を結ぶ観光だけでなく、静岡空港や福岡空港などを経由した新たな商品展開も必要と考えます。また、富裕層をターゲットとした企画を充実させ、旅行社の招聘事業やインセンティブを提案し誘客に努めたいと考えています。
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ところで今年は「篤姫」の養父に当たる「島津斉彬の生誕200年」に当たり、秋にかけてそれを前面に出したイベントが予定されています。また、「肥薩線開業100周年」に当たり、沿線の湧水町でもさまざまなイベントが予定されています。日本3大車窓や「嘉例川駅」、「大隅横川駅」など築100年を超える駅舎は、鉄道ファンには魅力的です。熊本から人吉までのSLの運行は人気を博しています。 

 「大河ドラマ」の放映があると関連する地域は一時的に観光客が増加しますが、終わると観光客が減少していくのが今までの通例です。やはり地域が魅力的になり、リピーターを増やさない限り安定した誘客は難しいと思2009080310464931955.jpgいます。観光客が鹿児島に来ているんだと言う実感を味わうことが大事であり、生活・文化を取り込み、四季折々の変化する鹿児島の話題を提供し、いつも感動の出会いを演出しなければなりません。
 

 今年は観光客が減少し、苦戦をしいられています。鹿児島を訪ねた方には、おもてなしの心を常に持って接し、いい思い出を持って帰っていただくことが一番大切です。一方では県民が地域の良さを知り、自ら訪れてPRすることも大切なことです。「よかとこ博覧会」が今年から来年にかけて県内5箇所で開催されます。新しい鹿児島の情報を提供し再度来ていただける仕掛けも必要です。来年の大河ドラマは「龍馬伝」です。新婚旅行で訪れた鹿児島をPRして誘客に努めたいと思います。