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シニア向けの生涯教育学習プログラムの展開について 〜観光プロデューサーズコラム〜

2009年9月21日           

 今年も11月4日か2009092023062826833.jpgら13日間の予定で、「鹿児島大学シニア短期留学」が始まります。4回目となる今年のテーマは、「鹿児島の食と農業から見えるものとは」です。この講座は国立大学法人鹿児島大学が、地方自治体などの協力を得て実施する生涯学習プログラムであり、同様なプログラムを展開している大学としては、実施時期は異なりますが、北海道大学、弘前大学、岩手大学、信州大学、岐阜大学、滋賀大学、山口大学などがあります。  

  このような2009092100082328099.jpgシニア向けの生涯学習のカリキュラムを全国の大学が開催している背景には、次の理由が挙げられます。日本は今、急速な高齢化社会が進んでいますが、シニアの学びに対するモチベーションは高く、よりアカデミックな場で勉強したいというニーズがあります。また地域では人口が減少し、新しい取組で交流人口を増大させ、地域活性化をめざそうという動きが求められています。一方国立大学も法人化され、よりいっそうの経営感覚が求められており、大学のキャンパスを一般に開放することで、大学のイメージアップと地域社会への貢献が可能となり、大学を身近なものとしてPRすることができます。このような背景があり、シニア向けの知的好奇心を刺激するカリキュラムを用意する大学が増えてきています。 

 今年の講座2009092023142427236.jpgの内容は、?鹿児島の伝統産業や食文化のルーツを廻る。?歴史・文化を学ぶ。?鹿児島の自然と人間の共生を理解する。?アクティビティとして知覧茶、焼酎蔵、姶良牛の競売風景の視察、吹上浜の漂流物の観察など多彩なプログラムとなっています。
 
 鹿児島県は日本有数の農業県です。南北600キロに及ぶ自然の地理的特性から生み出される農産物は豊富にあり、生活のなかから創り出された食の魅力は、観光鹿児島を支えています。講座は教室での座学だけでなく、週末には受講者が自ら県内を回り、地域の方々との交流もでき、広く鹿児島の観光も楽しむこともできます。滞在しながら学ぶことで鹿児島の新たな魅力に触れる機会にもなり、リピーターになる可能性を秘めています。

  ところでいままで国内旅行の需要を支えてきたのは、60代のシルバー層でした。しかし近年その需要が急速に落ち込んでいます。やはり年金問題や医療費に対する不安が、財布のひもを堅くしているのではと思います。しかし地域の自然・歴史・生活・文化を探求するために、出かけて行って勉強したいという従来と違った旅行のスタイルが、シルバー層の需要開拓になります。日本の各地で郷土の歴史や民話、祭り、食、偉人の足跡などを学ぶ「地域学」が盛んになっています。大学も新規の講座開設や「地域学」を導入することで、開かれた大学として市民にも愛されることになると思います。 

 一方受講者をいnariakira_dozo_w240.jpgかに増やすかが課題でもあります。募集人員は25名ですが、全国からの申込者が増えることが波及効果が大きいと思います。カルチャーセンターと提携し講座への組み入れや、大学の広報体制を再検討してコアの層にPRしていくことが重要と考えます。 

 今年は「島津斉彬生誕200年」にあたり、関連するイベントが予定されています。集成館事業を中心に、日本の近代化を進めた斉彬の偉業を学ぶ良い機会にもなると思います。高い向学心を持つシニアに是非鹿児島大学のキャンパスに来ていただき、青春時代に還り交流を深めていただければと思います。 
  
 

プロフィール

奈良迫プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
奈良迫 英光
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