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「九州観光推進機構との連携強化を」 〜観光プロデューサーズコラム〜


                 201010年3月29日

           鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

            

 九州観光201003290040319112.jpg推進機構は、「九州はひとつ」の理念のもと、2005年4月に「観光王国・九州」の実現を目指して官民一体となって設立されたものです。九州各県及び観光連盟の他に、100を超える企業・団体が会員となっています。 

 規約の中で機構の目的として、「九州地域における魅力ある観光地づくりと国内・海外観光客等の九州への誘客を推進し、観光産業の振興と九州経済の発展すること」を掲げています。事業計画では、「旅行先としての九州を磨く戦略」、「国内大都市圏から九州に人を呼び込む戦略」、「東アジアから九州に人を呼び込む戦略」、「九州観光戦略を進める体制づくり」の4つの戦略が柱となっています。 

 官民一体となって九州全体の観光振興に取組む背景には、大都市圏における九州の認知度が低く、北海道、沖縄に大きく差をつけられていることがあげられます。イメージの確立と認知度のアップのためには、九州は一つ201003290039168520.jpgとしてPRすることが、観光客誘致にとって重要な戦略と考えられます。 

 機構は今まで、第1次観光戦略(H17〜19年度)と第2次観光戦略(H20〜22年度)を推進してきました。発足当時は、機構の業務推進について各県の思いに若干の相違があり、微妙な軋轢があったことも事実です。しかし年毎に業務も理解され、これまで機構が九州への観光客誘致に果たしてきた役割は、大きなものがあると思っています。九州に続いて、東北や四国でも同様な組織が設立されましたが、観光振興には広いエリアでの連携が必要であることを示しています。 

 国内旅行P1030819.jpg誘致については、毎年大都市圏で合同の説明会を開催し、プレゼン以外に県別のコーナーを設けて、キャリアやエージェントに対して個別の相談会を実施するなど、より密着したプロモーションを展開しています。エージェントの企画担当者からは、一度に各県の情報が入手でき、又、人脈づくりに役立つと評価の声が寄せられています。個人情報の管理が厳しくなり、エージェントの事務所等への入室が制限され、商談の場所や時間が取りづらくなっており、機構の説明会はこれからもっと充実してほしいものです。
 
又、キャリアやエージェントの商品造成やキャンペーンについても、積極的に支援しており、九州への誘客について効果的な施策と考えています。 

 海外からのP1030823_1.jpg誘致については、九州運輸局と連携したビジットジャパンキャンペーンの取組や各県連携の招聘事業、現地での説明会等を実施し、九州の魅力発信に努めています。外国人の誘致拡大については、今観光庁が最重要課題として取組んでいるテーマです。機構の取組は、韓国、中国、台湾、香港が中心ですが、最近ではタイ、シンガポールからの誘客にも力を入れています。九州の認知度は低いため、九州が一体となってPRし、ゴールデンルートと言われる東名阪のコースから、いかに九州に誘致できるかが大きな課題です。東アジアに近く温泉、火山、世界自然遺産、食など九州特有の観光素材を活かすべきです。特に今後大きな需要が見込める中国については、富裕層をターゲットに、ショッピング、ヘルス、ゴルフなど受入態勢作りが重要であり、九州全体の公共交通事業者間の連携や情報提供が求められています。 

 観光振興にあたっては、人材の育成も大きなテーマです。機構では、九州に関する「シンポジウム」や「観光カリスマ塾」、「観光ボランティア大会」などを開催しています。観光地づくりには、人の存在が欠かせません。機構の実施するセミナーやイベントに参加することで、人材のネットワークも図られます。県内の観光関係者も積極的に、参加していただきたいと思います。 

 鹿児島県から今P1030658.jpgまで3人の職員が機構に派遣され、九州各県及び民間の方々と一緒に九州全体の観光振興に努めてきました。2人の職員は、任期を終え観光交流局に戻り、観光客誘致に関わる業務に携わっており、機構で培われた人脈とノウハウが大いに役立っていると思います。3人目の担当者は、現在海外部門の部長として、外国人の誘致や、現地での説明会、各県の調整等に奮闘しています。皆さんで支援していきたいものです。 

 ところで日本経済は、リーマンショックによる景気低迷や新型インフルエンザによる旅行の手控えなどで観光関連産業は、厳しい環境にさらされていますが、訪日客が急速に回復するなど、明るい兆しも見えています。鹿児島県では来年3月に、九州新幹線が全線開業し、博多から鹿児島中央が1時間20分で結ばれます。九州が縦の大動脈で結ばれますが、横への移動も容易となります。鹿児島へ観光客を誘致するためには、九州各県と連携することが不可欠です。九州各県と競争しながら魅力P1010840.jpgアップを図り、一方では協調してPR効果を高めることが、観光客の誘致につながると思います。 

 
九州観光推進機構の機能を活用して、各県の成功事例を観光施策に活かし、また、鹿児島県内の情報を他県に提供することで、相互の誘客に寄与することこそ今求められているのではないでしょうか。秋には、「第3次九州観光戦略(案)」が策定される予定になっています。 
 
これからも九州観光推進機構との連携を強化し、鹿児島県の観光振興に努力していきたいと考えています。

「中国人観光客の中心市街地でのショッピングツアーに配慮を」 〜観光プロデューサーズコラム〜


                    2010年3月22日            

           鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

 平成22年2010032123253527829.jpg度は鹿児島への海外観光船の寄港が、すでに39隻決定しています。25日にバハマ船籍のレジェンド・オブ・ザ・シーズ(総トン数:69,130t)が入港しますが、今回の寄港は中国大手の電機自転車販売店のインセンティブツアーです。 

 今回の旅行の特徴は、初めて鹿児島市内の中心市街地でのショッピングが行程に組み込まれていることです。従来の中国観光客の団体は、郊外の大型ショッピングセンターでの買い物がほとんどでした。その理由としては団員の管理のしやすさ、マリンポートに近い場所にあること、外国人に対応できる店員がいることなどがあげられます。 

 今回のツアーを担当し2010032123322328357.jpgている南薩観光によると、中国の直轄市や省、自治区など26の地域から1524名の参加者があり、その内約1200名が中心市街地でのショッピングを予定しています。WeLove天文館協議会、山形屋、鹿児島海外観光客受入協議会が中心となって、受入の準備を進めてきました。今回は、山形屋、いづろ、中町、納屋通、照国表参道、金生町商店街でのショッピングがおこなわれます。何しろ初めてのケースで、言葉や外国語表記、支払いなど課題が多く、何度も打ち合わせが行われています。3時間という短い時間の限られた範囲の中で、最大のサービスの提供と快適なショッピングが可能となることを望んでいます。 

 中国人にとって今の最大の楽しみは、ショッピングです。特に化粧品、薬、デジカメ、粉ミルクなどです。今回の参加者は、海外旅行が初めての方が圧倒的に多く、80%以上を占めており、また年間所得が平均100万〜300万円の新・富裕層がほとんどであり、大量のショッピングをするのではないかと思われます。中国人は現金の持ち出しが制限されており、カードでの買い物が主となっており、銀聯カード取り扱いの有無が、販売高に影響すると思います。今回の事例を参考に取扱店が拡大することを期待します。
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ところで今年度は、39隻の海外クルーズ船が寄港しますが、クルーズ船の利点は、一度に多くの観光客が鹿児島を訪れることであり、しかも観光とショッピングが組み入れられていることです。東南アジアからの観光客はバスで、アメリカ、ヨーロッパからの観光客は、市内を個人で自由に観光し、ショッピングをする姿がよく見られます。市中における観光看板、商品の表示、停留所などについては、外国語表記をきちんと整備することが求められています。同じ船が何回も寄港しており、寄港地の対応に不備があれば今後ルートから外されることが考えられます。海外観光客受入協議会では、港での歓迎行事を実施していますが、マリンポートでの外国通貨の両替、案内所での対応等には、まだまだ課題が多いと思います。 

 円高が一段落し、韓国や中国からの観光客が急激に戻りつつあります。国内旅行は成熟し、また人口の減少を考慮すると国内旅行の大きな伸びは期待できません。外国人の2010032123354328107.jpg受入拡大が大きな課題ですが、地域間の誘致競争は、激しくなっています。 

 来年の3月には九州新幹線が全線開業します。鹿児島市の中心市街地商店街の衰退が懸念されており、外国人を中心地域に誘致することは、大きな課題となっていました。今回の市中におけるショッピングが、スムーズに対応できれば今後の誘致に弾みがつくと思います。ぜひ皆さんで協力し、良い印象を持って帰られるよう努力したいものです。

「肥薩おれんじ鉄道」の利用促進を 〜観光プロデューサーズコラム〜


                          2010年3月15日

           鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

 肥薩おれんじ鉄道は、九州新幹線新八代〜鹿児島中央間の開業P1030776.jpgに伴い、九州旅客鉄道から経営移管された元の鹿児島本線八代〜川内間の運営を行っており、熊本県や鹿児島県などの沿線自治体および日本貨物鉄道(JR貨物)が出資する第三セクター方式の鉄道会社です。開業日は、九州新幹線が部分開業した平成16年3月13日で、営業キロは116.kmで、本社は熊本県八代市に置かれています。 

社名は、今も故郷への愛着を込めて呼ばれている旧国名肥後と薩摩の頭文字、風向明媚な海岸線が連なる甘夏みかんなど柑橘類の産地を走るイメージして名付けられました。 
 熊本県と鹿児島県両地域の人々の生活・文化をつなぎ、安全で安定した輸送手段として、また、地域に密着した観光や産業の活性化の役割を担い続ける鉄道としての大きな役割が期待されています。
 

 年間の利用者数でみると、開業年度が約188万人、19年度が約170万人となっていますが、19年度の鉄道収入は開業以来はじめて前年度を上回り、要因としては定期券P1030778.jpg以外のお客様が増加したことがあげられています。 利用者の70%が通学定期であり、収入増対策としては、通勤・通学定期以外の地域の人々の利用をあげています。平成19年度の赤字額は1億1600万円ですが、沿線住民30万人が1年に1回、今より多くお乗りいただくと2200万円の黒字になると試算しており、さらなる利用促進を呼びかけています。 

 会社では今、利用者拡大に向けてさまざまな取組を展開しています。並行在来線から転換された第三セクター鉄道では唯一県庁所在地(熊本市・鹿児島市)に直通しない鉄道でしたが、2008年のダイヤ改正から土曜日・日曜日などの休日のみ出水駅から熊本駅を結ぶ快速列車「スーパーおれんじ」と鹿児島中央駅を結ぶ快速列車「オーシャンライナーさつま」が新設され、県庁所在地駅の熊本駅と鹿児島中央駅に乗り入れて、利便性を広げています。 
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3月6日には、「オーシャンライナーさつま2号」を利用した「篤姫のひなまつり」女性限定!北薩グルメの旅が実施されました。この企画は「出水のツル」、「箱崎八幡宮の日本一の大鈴」、「牛車による出水の武家屋敷」の見学に加えて、最近オープンした農園レストラン「三蔵」での昼食、直売所での買物、帰りは新幹線乗車と盛りだくさんであり、発売と同時に完売となる人気商品でした。女性好みのツアー内容が、支持を得たと思います。 

 2代目の社長P1030844.jpgに就任されている古木圭介氏は、鹿児島の出身で、旅行エージェント経営に携わり、世界各地をお客様と旅したり、ホテルの経営、また、ニュースキャスターをされるなど経験実績とも豊富なキャリアの持ち主です。就任以来、営業部門を強化し、天竜浜名湖鉄道と業務提携するなど顧客拡大に尽力されており、沿線の観光素材を掘り起こし、鉄道を利用した企画を積極的に展開されています。駅をスタートする「ウオーキング大会」や、「歴史ツアー」、「グルメツアー」、「島旅」などユニークなツアーが実施されています。
 
3月20日と27日には、ブルートレインで楽しむ「肥薩おれんじ鉄道」の旅(鹿児島中央駅行き)が、門司港駅・小倉駅・博多駅・熊本駅から計画されています。 P1030842.jpg

 美しい田園地帯と東シナ海を望みながら走る列車は、日本の原風景を提供してくれます。八代平野のい草、みかんの花咲く丘、東シナ海に沈む夕日などは、ローカル列車の旅情をかきたててくれます。遠方に浮かぶ天草、獅子島、甑島へは、沿線の駅の近くの港から船が出て、気軽に行くことができます。 

 また、鉄道にみんなで乗って盛り上げようと、「肥薩おれんじ鉄道友の会カード」の会員拡大の取組があります。1年会員が1000円、3年会員が3000円で、おれんじ鉄道に半額で乗れる「御乗車優待券」のプレゼントや「駅長おすすめの店」での割引やドリンクサービスなどがあります。ぜひ皆様も会員になってください。 

 「肥薩おれんじ鉄道」沿線は、人口の減少、市町村の統廃合による事務所の移転、学校の統廃合や生徒数の減少、南九州自動車道の整備、新幹線全線開業などにより、今後も利用者数の減少が想定され、経営環境は厳しいものがあります。多くの県民が利用することで、PR効果が図られ経営収支は改善します。ぜひ「肥薩おれんじ鉄道」を利用した沿線の旅にでかけませんか!!              

               参考:フリー百科辞典『ウィキペheader1.jpgディア』

「あまみシマ博覧会」の成果 〜観光プロデューサーズコラム〜


                                      2010年3月8日 

      鹿児島県観光プロデューサーズコラム 奈良迫 英光 

 「かごしまよかとCIMG0190.jpgこ博覧会」の最後を飾る、「あまみシマ博覧会」が2月14日〜28日まで、奄美大島地区で開催されました。
 あまみの魅力満載の39のプログラムを提供し、その内34のコースが実施され、508名の参加がありました。参加者は島内が429名、島外者が79名であり、その内県外者が71名になりました。告知期間が短かった中で県外参加者が15%を超えたことは、情報伝達を早めにすれば、県外参加者がもっと多かったのではないかと思います。また、催行率は75%を超えており、プログラムをつくった地域の人は、大きな自信になったと思います。
 

 小生は、「考古学博士と歩く赤木名歴史めぐり」と、「八月踊りと島料理体験」の2つのプロ2010030722385228274.jpgグラムに参加しました。最初のコースは、地元の歴史博物館の館長の案内で、古代へのロマンを駆り立てる2時間のまち歩きツアーで、12世紀から17世紀ごろまでに営まれた城(グスク)の見学が主でした。赤木名城は交易を中心とした力を持った「アジ」たちの拠点として、大和や琉球に大きな影響を与えていた奄美を代表する城です。歴史物語を聞く楽しみは、そこに長く伝わる生活・文化を知ることです。地域に住む人の語りは説得力があります。案内された城跡の高台から見ると、遠い昔に返り、村人がなぜこの地に住み、なぜ城が築かれたのか、周りの湾の地形から城の必要性が理解できたように思います。

  一緒に参加した横浜市のAさん夫婦と、話す機会がありました。会社を定年退職しキャンピングカーで日本各地を旅しているとのことで、奄美にはすでに一か月滞在し、シマ博も三つめのプログラム参加ということでした。島の人の優しさと温暖な気候が気に入り、あまみを「終の棲家」にと決めたと、語っておられました。まさに博覧会が生んだ大きな成果です。これからももっと早めに、ターゲットを絞って県外の人々にPRすべきと感じました。 

 2つめのプログラムは、海岸で貝殻を拾い、その貝殻でフォトフレーム飾りづくりをした後、島料理と八月踊りの体験でした。佐仁地区の橋口家で体験した島料理は、魚の味噌漬け、シマにんじんやゴボウの2010030722425928535.jpg漬け物、アザミの茎のお煮染め、最後に、具たくさんの鶏飯と、多彩な島の素材を使った料理です。もちろん黒糖焼酎を飲み、三味線を聞きながら宴は盛り上がっていきます。食事が済んだ後は、近くで八月踊りが始まります。今回は佐仁集落の近くの集会所での開催でした。合宿で、東京から来た明治大学のサークルの仲間男女40人余りも、参加しました。広場で輪になり、太鼓と三味線の音に合わせて踊りのテンポも速くなります。学生たちもいつの間にか、踊りのテンポが揃い、お囃子に合わせて楽しく踊っていました。途中から小雨が降り出しましたが、夜が更けるまで楽しく踊っていました。八月踊りは後継者が少なくなり、子供の幼い頃から出番をつくり興味を持たせる努力をしているとのことでした。奄美には、島唄、三味線、八月踊り、六調、指笛、に太2010030722441228543.jpg鼓と独特の芸能があり、時を越えて伝承されてきています。伝統行事をいつまでも続けてほしいと、願わずにはおられません。
 佐仁地区には、今島唄の魅力に惹かれた若い女性が一人東京から勉強に来ており、三味線を軽やかに弾き、響きのある声を我々に披露してくれました。これからの訓練の成果が楽しみと師匠の方は話していました。
 

 今回の「シマ博覧会」の開催については、奄美市役所の紬観光課が中心となり、本島地域の各自治体の参画が得られました。プログラムづくりには、NPO法人ハットウ・オンパクの末田加良子さんのご助言をいただきました。心より感謝申し上げます。これまで観光の素材として注目されなかった多くのものが、着地型商品としてプログラム化できたことが、大きな財産です。また、それぞれのプログラムづくりに地域の人が関与し、汗をかき努力していることが、重要なことと思います。これからは1年を通して、プログラムのCIMG0197.jpg展開が必要であり、キャリア、エージェント、ホテル等などに情報を提供して浸透を図り、参加者を増やすことで地域の活性化に結びつけなければなりません。奄美は、手つかずの自然と伝統的な文化が残り、また、人情あふれる人々が暮らしており、人を呼ぶには最適な地域です。
 今回の「あまみシマ博覧会」が、地域づくりのきっかけになればと思います。 

 最後に、翌日奄美空港に行くときに乗った「島の道交通」のバスの中に、会社の社是が書いてありました。運転手がとても親切で印象的でした。社の発展を祈ります。         

          朝は、希望に起き  
           昼は、努力に生き   
            夜は、感謝に眠る 

 

「外国人観光客受入体制の整備を」 〜観光プロデューサーズコラム〜

                     2010年3月1日

 
          鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光 

 鹿児島P1030677_1.jpg県観光連盟では、外国人観光客の受入体制の整備充実を図るため、平成21年度から受入体制づくり推進事業を進めています。当該事業において、先進地における事例調査のほか、県内の観光案内所、宿泊施設、観光施設、ゴルフ場、飲食店、土産品店、空港、駅、港などの交通拠点、その他施設における外国人観光客受入体制の調査をするとともに、必要な助言や提言を行っています。去る2月17日に「外国人観光客受入体制推進講習会」を開催したところ、約150人が参加し、訪日旅行への関心が高まっていることを感じました。 

 最初に、JNTO(日本政府観光局)の宇山浩司海外プロモーション部アジアグループ次長P1030684.jpgに、講演をしていただきました。その中で平成21年の訪日外国人旅行者は、679万人で18.7%減少したというショッキングな報告がありました。全体的に市場規模が減少する中、主要国では中国のみが前年実績を上回りましたが、人員的には韓国、台湾、中国、米国、香港の順ということでした。
 
訪問目的では、全体の半数以上が観光目的であり、その傾向は高まっており、香港、台湾からの旅行者は、70%を超えています。一方、米国や英、独、仏からの旅行者は商用客が5割近くになり、対照的な数字となっています。訪日経験で見ると、韓国、台湾、香港からはリピーターが多いのに比べ、中国からは86%が初訪日であり、今後可能性の高い国であることを示していると思います。  

 鹿児島県の状況をみると、国・地域別宿泊者数は、20年に過去最高の13万1千人を記録しましたが、21年のホテル・旅館64施設の抽出調査結果では、前年比56.5%となっています。要因として景気低迷、新型インフルエンザ、ウォンの下落などがあげられます。人員は韓国、台湾、香港、中国の順で、韓国からの訪日者数が全体の40%強であり、定期便が就航していることや、冬場のゴルフ客が多いことなどがあげられます。 

 昨年鹿児島県DSCF3599.jpg観光連盟には、外国人観光客受入推進員が3名置かれ、その推進員が県内の宿泊施設、観光施設、交通機関について整備状況を調査しました。宿泊施設については、団体客は受け入れるが、個人客受け入れに消極的な施設が3割程度ありました。
 
観光施設については、英語版パンフがあるのは43%で半分にも満たず、他の言語パンフがあるのは10%程度でこれからというのが現状です。交通機関については、時刻表や行き先などが多言語で表示されている機関は少なく、特に車内にある路線図、駅やバス停の表記はばらばらで、外国人にはわかりにくいとの指摘が多くありました。全体として県内の各機関の対応、案内表示等は、外国人が個人旅行をするには、多くの課題があると感じました。

 今後外国人の増加に備えて、HPの充実やピクトグラムを用いての表示などが必要と思いますDSCF3674_1.jpg 今後鹿児島への外国人観光客を増やすために、下記の点に力を入れていきたいと考えています。今後も東アジアからの誘客が中心となりますが、韓国、台湾、香港、中国については、旅行社への現地セールスや招聘事業を強化していきます。定期的に宿泊施設、観光施設、運輸機関、行政などと一緒に現地でのプロモーションを展開し、招聘事業では、鹿児島ならではの天然砂蒸し温泉、武家屋敷、世界自然遺産の屋久島、トレッキングなどプライオリティの高い箇所をPRすることに重点を置きます。鹿児島の食のPRも欠かせません。特に増加が期待できる中国については、個人ビザが解禁となり富裕層対策が重要であり、特にショッピングに対する対応強化が必要です。外国語表記や銀聯カード取扱店を増やすこと、コンシェルジュ機能充実などが急がれます。 

 ところで鹿児島県は、長崎県、大分県、熊本県に比べると、外国人宿泊客は3分の1程度でありますが、行程上時間がかかるため、福岡県に来た外国人を鹿児島まで誘致することが厳しいことが大きな要因です。1年後に全線開業する九州新幹線は、その課題を解決してくれる糸口になると思います。 

 観光庁は観光立国P1010057.jpgに向けて、東アジアからの一層の訪日旅行強化や、制度面の改善、受入体制の整備に取り組んで行く計画を発表しました。観光連盟でも、県や九州観光推進機構、関係機関と連携しながら、クルーズ船やインセンティブツアーなど外国人誘客に引き続き努めていきたいと考えています。これから日本は人口が減少していき、しかも国内市場は成熟しており、国内旅行の大きな伸びは期待できません。
 外国人を誘客することに大きな期待がかかります。
外国人への対応にあたっては、まず相手国の生活文化を理解し、簡単な挨拶を習得することは最低限必要なことです。また、満足度を高めるためには、交通アクセスの整備、案内板の設置、通訳ガイドの養成、ガイドブックの配布などの取組が考えられます。全国的には昨年11月から訪日客が急速に回復しており、1月は10.3%の伸びとなり3カ月連続増加しています。鹿児島でも、韓国からの訪日客が11月以降前年を超えており、回復基調になってきました。外国人が増えることで、地域は明るく元気になります。これからも誘致に努力したいと思います。