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「がんばろう日本~当面の観光に対する取組について~」 ~観光プロデューサーズコラム~

2011年4月25日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

  3月11日に発生した東日本大震災により、全国で様々な分野に多大な影響が生じていますが、観光に関しても直接被害があった地域だけでなく、それ以外の観光地においても観光客が著しく減少しており、鹿児島も例外ではありません。

harumaturi4.jpg  こうした状況を踏まえ、観光庁から当面の観光に関する取組についての文書が発出されました。

その骨子は下記の通りです。

1.被災を免れた各地域から、観光により「日本の元気」を積極的に発信していくことは、被災地への応援に資する。

2.積極的に観光に関する取組を行うことは、経済を萎縮させずに、我が国の置かれている困難の状況を乗り越え、世界に日本の元気な姿を示していくためにも重要である。

3.今後の被災地への対応については、地域のそれぞれの実情に応じ、地元の要望を踏まえつつ、観光庁としても最大限の支援をしていく

等です。

  地震と原発事故が発生以来、日本全体が自粛ムードとなり、各種のイベントの中止、アミューズメント施設の休園、宿泊施設の休業、宴会の中止・縮小等が相次ぎ、国内だけでなく海外からの観光客も激減しており、経済的にも大きな影響が出ています。このような状況が続くとさらなる危機が訪れるのではと懸念されています。

ぱらポスター用(小データ).jpg   こういう状況を踏まえて観光庁から、日本全体の観光産業をもり立て、「観光で日本を元気に」「復興する日本の姿を世界の人々に見ていただく」という気概を持って、日々の業務に邁進すべきであると強いメッセージが発せられました。

  これらを受けて各県、各観光団体、エージェント等は、従来にも増して国内外に対してより積極的にプロモートしていくものと思います。特に西日本地域への宣伝、商品企画が多くなってきており、大震災の影響を懸念した学校現場では、修学旅行の行先変更がすでに始まっています。また、メディア系エージェント募集活動は、日々活発になっています。

  鹿児島では新幹線開業という好材料もあり、GWを中心に個人旅行の予約が順調に伸びています。最近の旅行の予約は間際化しており、これから月末にかけて地元客の予約が増えるものと想定しています。

  一方インバウンドについては、各国が日本からの退避勧告や渡航自粛等を出しており、大幅な減少が続いており、その影響は日本全土に及んでいます。

  鹿児島県においては、従来インバウンドの7割を占める韓国人が激減しています。本県は、空港の近くにゴルフ場が多いことや、自然環境に恵まれたトレッキングコース、温泉が豊富であることなど韓国人のニーズにマッチしており、一日も早い需要回復を祈るばかりです。

P1050110.JPG   インバウンドの誘致にあたっては、各県単位での誘客は厳しい面もありますが、ここ1週間の間に、釜山の旅行社、ランド社の招待事業、九州観光推進機構と連携した台湾のメディア及びエージェントの招聘事業を実施し、南九州地域の安全面の認識を深めてもらいました。最終的には国、JNTO、推進機構の外国に対する日本全体の安全宣言が必要かと思いますが、県レベルでも積極的な取組が求められます。

  私は従来からイベント等については、中止することなく被災地に配慮した形で実施すべく訴えてきました。いくつかのイベントは延期になりましたが、運営に工夫しながら実施したイベントがほとんであり、これからも開催の方向で進めてもらいたいと思います。

CAI6H6YP.jpg   余震の発生と原発の事故処理等を考えると、今後も関西から以西の観光地に人が集まることは間違いありません。各自治体、観光協会、観光施設等は、長年積み上げてきた人脈を活用し、誘客のためのPRや、エージェントとの商品企画をどんどん進めてもらいたい。

  GW期間中の各地の賑わいが伝えられると、日本人の心に蓄積された旅への欲望が大きな流れとなり、一気に回復基調に向かうことも予想されます。

  また、今年の夏は電力の節減対策として、計画停電も予想されます。涼を感じる夏の商品企画も急がねばなりません。特にファミリー対策が必要です。

  観光庁の関連組織への働きかけを追い風に、県、連盟も今まで以上に情報発信の充実と、鹿児島への誘客につながる施策を実施して、新幹線開業のメリットを最大限に活かし、その効果を全域に波及させる取組を強化したいものです。

東日本大震災被災地復興支援活動~がんばろう日本、元気な鹿児島をPR~ 観光プロデューサーズコラム

2011年4月18日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

04.jpg   3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらし、いまだに13万人を超える住民が避難生活を強いられています。また、福島原発は、放射能漏れが起き、日本国内はもとより海外にまで大きな影響を与えており、その終息については予測が付かない状況です。

  一方九州新幹線全線開業から1カ月経過し、鳥インフルエンザの発生や新燃岳の噴火の風評被害で低迷した鹿児島の観光には、少し明るい兆しが出てきたのではないでしょうか。

  (社)鹿児島県特産品協会と(社)鹿児島県観光連盟では、「東日本大震災被災地復興支援チャリティ物産展・募金活動」を4月9日、10日に鹿児島中央駅アミュ広場で実施しました。114の協力企業・団体が参加し、特産品を割安価格で販売し、チャリティオークションや県内の観光親善大使等による募金活動を行いました。

02.jpg   チャリティステージとして、島唄の唄者などの演奏等も行い、募金の協力も呼びかけました。両日とも快晴に恵まれ、物産の販売が伸び1日目で売り切れた商品も多くありました。新幹線全線開業という好材料もあり、関西方面からの観光客が鹿児島を訪れており、募金に協力してくれた観光客が多く見受けられました。家族連れも陽気に誘われて街に出てきており、特産品コーナーにも足を運び帰りに募金をしてくれる方がありました。学生さんも積極的に募金に協力してくれました。観光親善大使の呼びかけは、集客効果が大きかったと思っています。

  お陰様で、多くの方々にご賛同をいただき、売上金、募金の合計金額は、2,589,662円となりました。心から感謝を致します。これらは全額、日本赤十字社鹿児島県支部を通じて、義援金として被災地に届けられます。

  贈呈式が15日にあり、鹿児島県知事(日本赤十字社鹿児島県支部 支部長)に贈呈しました。知事から今回の活動に対して、両団体に感謝の言葉がありました。

  鹿児島県は南北600Kmに及び、地理的関係などから台風、大雨、地震などの発生が多く常襲の「災害県」です。その度に多くの地域、皆様から義援金等の支援をいただいてきました。その意味でも今回の活動は、当然のことです。鹿児島県民としては、支援の輪をもっと広げていかなければならないと思います。

02.jpg   ところで東日本大震災や原発事故の影響により、日本全域で観光客が減少し、地域は厳しい経済環境に遭遇しています。特に原発の影響で、外国人観光客の減少が顕著となっており、回復には時間がかかると思います。

  鹿児島県においては、昨年の口蹄疫発生から今年の新燃岳噴火にいたるまで、観光にとっては厳しい状況が続いていました。九州新幹線を反転攻勢の起爆剤と考えていただけに、大震災と原発事故は鹿児島にとっても大きな影を落としています。しかしながら3月の連休の頃から観光客の動きが活発となり、GW、5月以降の予約状況は、個人旅行を中心に前年をかなり上回ってきています。原発問題が終息すれば一気に需要は回復基調になると思います。

04.jpg   関東から東北地域にかけては厳しい状況が続くと思いますが、鹿児島は元気であるという姿を発信することも重要ではないかと思います。全国各地でイベントの中止や延期が続き、観光客の動きが止まっていることを懸念し、観光庁では「イベントの自粛に対する自粛」を訴えています。

  イベントについて、私はいろんな場で是非開催して欲しいと訴えています。形を変えて開催することで理解を得られると考えています。

  今年の夏は電力不足で、計画停電が拡大されるのではないかと思います。夏休みの旅行のキーワードは「涼」だと思います。冷房のいらない涼しい場所を求めて、観光客は動くのではと考えており、山、高原、海等に近い場所を活用した商品企画が売れると思います。

  新燃岳が沈静化し周辺への登山が解禁になれば、霧島にも多くの登山者と観光客が訪れます。夏に向けて元気な鹿児島を発信し、落ち込んでいる鹿児島への観光客の拡大を図りたいものです。

観光関連産業に入社された皆様へ贈る~若さを武器に常に前向きに生きよう~観光プロデューサーズコラム~

2011年4月11日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

IMG_2879.jpg   桜の満開の便りが届き始めました。これから5月の北海道まで桜前線は北上します。

  桜は昔から和歌の題材として多くの歌人に詠われるなど、日本人に一番愛されている花です。また、入学式や入社式の頃に満開になるところが多く、人生の思い出としていつまでも記憶に残ります。

  ところで今年も観光関連産業に多くの若者が入社しました。今年は、3月11日に東日本大震災が発生しその後福島での原発事故も起こり、大変厳しい環境のもとでの人生のスタートとなったとのではないかと思います。日本は今未曾有の危機状態ですが、若い皆様の力で新しい息吹を吹き込んで欲しいと望んでいます。

  社会に船出した皆様に、これから社会人としての心構えを述べたいと思います。

img-408092656-0001.jpg   まず社会人として常に勉強する姿勢を持ち、どん欲に知識を身に付け仕事に役立ててもらいたい。「皆さん1日に4回の飯を食べなさい。朝食、昼食、夕食、そしてあとの一度は、活字のメシを食べなさい。つまり読書の習慣を身に付けることです」。これは小生が社会人になるにあたって先輩から教えられたことです。
  インターネットや携帯のめざましい普及により、情報は簡単に入手できるようになりました。日頃から勉強していないと逆に情報に流されてしまいます。若い頃から読書の習慣があると情報を部品として使いこなし、判断力が養われます。1日30分でもいいですから活字に目を通し、いろいろなジャンルの本を読み社会への造詣を深くして欲しいと思います。その積み重ねが、仕事をする上での貴重な財産として役に立つと思います。下記の言葉を大切にしてください。

  「少年老いやすく 学成り難し 一寸の光陰 軽んず可からず」

                    朱喜の「偶成」より

img-408092726-0001.jpg   次に地域のことを知り、地域を愛する人になることに情熱を注いで欲しいと思います。最近の観光は、物見遊山から体験・交流・滞在というスタイルに変化しています。また、観光客は、様々な手段で情報を入手しており、訪問先の事は事前にかなりの知識をもっています。

  観光従事者として地元の人しか知り得ないオンリーワンの情報を提供することが、顧客満足度のアップにつながり滞在を可能とします。また、自然・環境・風土・文化を大切にする心を育て、特に地域の生活や文化を語ることが今求められています。休日には自分の足で地域を見て回り、自分の言葉で伝えることに説得力があります。   また、他の観光地を知ることも大切なことです。鹿児島県は南北600Kmに及ぶ広い県であり、多彩な観光資源に恵まれており、お客様がこれらの情報を得て、様々な体験をすることによりリピーターとなり、持続可能な観光地となります。是非かごしまの魅力を語れる人になって欲しいと思います。

restaurant1.jpg   次に「郷土愛とおもてなしの心」をもって常にお客様に接してもらいたい。観光客に対しては、挨拶と笑顔が基本です。鹿児島県の観光客に対する好感度は、沖縄県に次いで第二位となっていますが、一位を目指さなければなりません(リクルート 平成21年調査)。

  新入社員時代はわからないことが多く、お客様から相談されても返事に困ると思いますが、まず親切心やマナーを身に付ける努力が必要です。苦しい事、悲しい事、嬉しい事等多くの体験が人間を成長させます。お客様から素直に学ぶ姿勢も必要です。観光の仕事の基本は「サービス イズ アワビジネス」です。一生懸命努力する姿に人は感動します。経験不足は、働くその姿で解消されると信じています。

  次に正しい生き方を貫く事が重要です。

  「天網恢々 粗にして 漏らさず」 ~老子~

  天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが悪人を網の目から漏らすことはない。
  悪事を行えば、必ず捕らえられ、天罰を被るという意味です。

  社会人生活の中ではいろいろな場面に遭遇し、自分を見失いがちになります。「酒」、「賭け事」など度を過ぎると取り返しの付かないことになります。

  他人の家は良く見えるものです。地に足をしっかりつけて人生を歩むことが大事です。
  自ら汗をかくことの大切さを、自らの体で悟ることが必要です。着実な人生を歩んでいただきたい。皆様の人生は多くの人が支えています。親であり、会社の同僚です。

  最後に

  「筍に日に新たに、日々に新たに、また日々新たなり」~大学~

  「今日の行いは昨日より新しくなり、明日の行いは今日よりも新しくなるように修養に心がけねばならない」と言うことです。

  若さを武器に常に前向きに生きて欲しいと思います。皆様が、将来、鹿児島の観光振興・まちづくりに貢献できる人材に育つことを期待します。

九州新幹線全線開業~「観タクン」と「無料レンタカー」の活用を~ 観光プロデューサーズコラム

2011年4月4日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

img-401125659-0001.jpg   九州新幹線全線開業から3週間が経過し、鹿児島中央駅の乗降客が一段と目につくようになり、日曜日の夕方は、駅のおみやげ物売り場は観光客であふれています。

  これから大学生や社会人となる人たちが、新幹線を利用して県外に旅立つ姿が目立ってくるのではないでしょうか。桜も満開となり行楽にはベストの季節となりました。

  九州新幹線全線開業に合わせて誕生した「駅から観タクン鹿児島」と、「無料レンタカーで おおすみへ行こう!」の2つのプランを紹介します。

P1050078.JPG   まず「駅から観タクン鹿児島」はJR九州と鹿児島県、鹿児島市の両タクシー協会が協力して企画した手軽で、おトクなタクシー観光プランです。出水、川内、伊集院、鹿児島中央、喜入、指宿、隼人、霧島神宮、霧島温泉の各駅を発着するものです。所要時間と料金は、2時間で5,000円、2時間30分で6,500円、3時間で7,500円のコースなっており、各駅ごとに3つのプランの中から14コースが設定されています。

  このプランの特徴は、定額制であるため観光客が安心して乗ることができ、しかも予約不要で、駅前から好きな時間にすぐ乗れるのも便利です。 タクシー券の購入にあたっては、出発駅までのJR券との同時購入、または帰りのJR券を提示することが発売の条件となっています。

  プランの導入にあたっては、タクシー協会のご協力があって発売にこぎつけることができたのではないかと思います。県と観光連盟ではタクシー乗務員の接遇研修などを実施し、「おもてなしの心」の醸成に努めてきました。ドライバーが帽子を取って名前を名のり、お客様に挨拶をするなどマナーアップに努めている会社も増えてきました。

  タクシーは、観光客が降りたって時初めて利用する交通機関であり、乗務員の態度がその地の印象となります。観光地巡りをするうえで、料金が確定していれば、利用者にもわかりやすく、使う頻度も高まると思います。通常よりかなり割安の料金が設定されており、観光客にPRするとともに大いに利用してもらいたいと思います。

img-401125723-0001.jpg   次に新しく設定されたのが、「無料レンタカーで おおすみへ行こう!」のプランです。このプランは新幹線開業効果を県内全域へもたらすことを目的に、鹿児島中央駅から離れている大隅地域への観光客誘致を図るものです。

  利用手続きの方法は、指定のレンタカー会社で借受手続・料金支払の上、利用申込書を受け取ります。そして大隅地域の3つのブロックのうち2つのブロックのチェックポイントでスタンプを押してもらい、指定宿泊施設で宿泊の翌日に証明欄に記入してもらいます。

  レンタカー会社へ車を返却する際に利用申込書を提出すると、レンタカー料金がキャッシュバックされる仕組みになっており、最初の24時間までが無料となります。

misaki03 (1).jpg   大隅地域は、昭和40年代の始めから50年代の後半まで、青島、都井岬、志布志、鹿屋、佐多岬、指宿と新婚旅行のルート上にあり大変賑わいました。しかし九州自動車道の宮崎~鹿児島ルートの開通や新婚旅行の海外へのシフトが顕著となり、観光客の減少が続き、今では日帰り観光客が主流となっています。
  そこで今回大隅地域に泊まっていただくことを目的に、レンタカープランの設定となりました。伊藤知事は、新幹線開業効果を県内全域にいかにもたらすかという事を力説されており、特に大隅地域と離島の活性化をあげられています。今年度予算の大隅地域の観光振興策の一つがこのプランです。

  県民の方々も大隅地域を観光し宿泊された方は少ないと思います。大隅地域には、隠れた多くの手つかずの自然が残り農水産物の宝庫であり、食の魅力も欠かせません。また、グリーンツーリズムやブルーツーリズムなど体験型観光が脚光を浴びています。

  根占港と山川港の航路には、今年の夏を目途に大型バスが乗船できる船の運行も予定されており、大隅半島と薩摩半島を回遊できる観光ルートの復活も期待されます。

  九州新幹線全線開業で、県外からも短時間で来ることができ大いにPRしてもらいたいと思います。

  県民の皆様レンタカープランを活用し、ぜひ大隅半島に足を運ばれてはいかがですか。