2011年1月16日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光
海外旅行は、円高という追い風を受けて回復基調にあり、年末年始を海外で過す方が今年も多く見られました。
上海市から1時間の距離にある蘇州の寒山寺では、そこの除夜の鐘を聴くと10歳若返ると言われ、その鐘を聞くことを目的に訪れる観光客で毎年賑わいます。
高校の国語の教科書にも出てくる寒山寺の旅情を詠った下記の漢詩は有名です。
楓 橋 夜 泊 ~張継~
月落烏啼霜満天 月が西に落ち闇の中に烏が啼いて、霜が降りそうな空模様だ。
江楓漁火對愁眠 運河沿いに繁る楓と漁火が、旅愁を深め眠りにつけない。
姑蘇城外寒山寺 そのとき姑蘇の町はずれの寒山寺から
夜半鐘声到客船 夜半を告げる鐘の音が私の乗る船にまで聞こえてきた。
[楓橋] 蘇州の寒山寺近くの石橋の名前、現在は寒山寺の北100mの場所
にかけられている
[姑蘇城]江蘇省蘇州府 [寒山寺]寺の名前
ところで、昨年の夏から上海便が4便となり、搭乗率アップが課題となっています。上海周辺には、歴史的遺産を始め多くの観光地がありますが、その魅力についてご紹介します。
寒山寺のある蘇州は、江蘇省の東南部に位置し、絹織物の一大産地でシルクの工場が多いことで知られています。また、日本人が好きな上海蟹が獲れることでも有名であり、この蟹を食べるために、蘇州を訪ねる方もいます。
また、蘇州は運河による水運が生活に溶け込んでいることから、旧市街地及び周辺の水郷地帯を含めて運河が多く、「東洋のヴェニス」とも呼ばれます。
小生も10年ほど前、ある企業の周年旅行に同行し、寒山寺の境内で記念植樹を行いました。寒山寺の周りはかつて農村地帯でした。今では多くの家並みが立ち並び運河が昔の面影を留めています。
世界遺産の拙政園は池や堀が多くあり、四季の草花が池に映え、その景観を参考にする日本の造園業者の視察が絶えません。虎丘は、8角7層の虎丘塔からなり、現在少し傾いているため「イタリアのピサの斜塔」と比べられます。
江蘇省の省都である南京市の郊外には、広大な敷地に中山陵がありますが、近代中国建国の祖孫文の墓陵です。初代中華民国の臨時大統領で、1911年から1912年にかけて辛亥革命を起こし、今年で101年目にあたります。
孫文は日本に通算約9年間滞在していたこともあり、日本での生活を支えていた人は千人をこえていると言われており、彼の人物像が日本でも語り継がれています。街は長江が東西に貫いており、また、多くの中洲や湖が散在する美しい街です。南京大橋の展望台に登ると、長江のスケールの偉大さに驚かされます。
尾形大作が歌ってヒットした「無錫旅情」で有名な無錫は、太湖に接し典型的な中国の古い城壁に囲まれた都市で、日本からの進出企業が多いことでも知られています。
杭州は、かつてマルコポーロが東洋一美しい街と賞賛した中国八大古都の一つです。市の西側には世界遺産の西湖があり、湖上遊覧をしながら美しい景観が望め、訪れる人々を魅了します。
上海は、中華人民共和国最大の経済の中心地であり、その発展はすさまじいものがあります。上海の中心部にある外灘(ワイタン、バンドとも呼ぶ。)は、中心部の黄浦区にあり上海随一の観光エリアで、黄浦江西を走る中山東一路沿い、全長1.1kmほどの地域をさしています。外灘の「観光地下トンネル」の演出には驚かされます。
また、上海は、租界時代の行政と経済の中心であったことから、現在でも金融関係や官庁が多くありますが、大型のブランドショップや洋装店、レトロな雰囲気を活かした飲食店が多く、おしゃれな街に変貌をとげています。
なかでも豫園は上海一の商店街であり、お土産品店やレストランが並び、ここで食べる小ロン包の味は格別です。上海での楽しみは、食にあるかも知れません。
空港から市内までリニアモーターカーで結ばれており、ぜひその速さと快適さを堪能して欲しいものです。
また、高さ492m、101階を誇る上海ヒルズからの眺望は必見の価値があります。 小生は、中国には40数回渡航していますが、上海を起点に魅力的な観光地が数多くあります。春から秋にかけては、シルクロードや西安、黄山、北の北京、大連、旅順等が人気です。NHKでの「坂の上の雲」の放映もあり、203高地のある旅順は今年、観光客が増加するのでは思います。
鹿児島とほぼ同じ緯度に位置する上海は、東京より近く、週4便となってより行きやすくなり、また、上海を経由して北京やヨ-ロッパ、東南アジアに行くにも便利です。
県交通政策課にある鹿児島空港国際化促進協議会(099-286-2459)では、鹿児島空港国際線ご利用の6人以上の団体・グループに、渡航経費の一部を助成しています。ぜひ活用して、NOビザで行くことができる上海へでかけませんか。
参考:フリー百科事典ウィキペディア