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平成24年度の観光振興策について

平成24年1月23日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

2012年がスタートしてまもなく1カ月となります。観光関連の各部署では、24年度に向けての取組が議論されていますが、観光プロデューサーとしての考え方をまとめました。

桜島(空撮).jpg

24年度は新幹線開業2年目に入り、開業効果も薄れてくるのではと懸念されますが、積極的な営業展開で県内全域に波及効果をもたらすことを念頭に取組を進めたいと思います。


まず現況については
 ①新幹線開業効果により宿泊者数は平成23年5月から11月まで7ヶ月連続で
   前年を超えています。

 ②鹿児島、指宿、霧島といった従来からの観光地は好調ですが、出水、川内、
   大隅地域及び離島は苦戦しています。

 ③海外は上海線が週4便体制となりましたが、搭乗率は厳しい状況にあります。

 ④指宿等は、観光客が急激に増加しサービスの低下が顕著となり、クレームが
   発生しています。

24年度の基本戦略として、過去にとらわれない積極的な営業施策の展開が必要です。

 ①九州新幹線対策として、
   関西、中国、北九州と併せて、名古屋、岐阜、高松、松山をターゲットに積極
   的な営業展開をします。また、エージェントと連携した大隅、北薩、離島地域
   への商品造成を促進します。

 ②首都圏対策としては、
   観光庁は東北対策に全力を上げるも、消費者の選択肢を広げるため、回復
   基調にある首都圏をターゲットに、航空機利用の商品企画を支援します。

 ③今まで力を入れてこなかった隣県を対象とした誘客促進が必要になっていま
   す。本県宿泊者の半数を占める九州のうち、特に宮崎、熊本両県からの誘
   客を促進します。

 ④近年急激に伸びているWEB販売対策として、オフ時期に個人旅行のキャン
   ペーンを展開します。

個別重点戦略として

教育旅行.jpg

 ①安定的市場である教育旅行の誘致が必要
   不可欠であり、修学旅行専用列車のPRと、
   鹿児島ならではの体験メニュー(自然、平
   和、環境、農業、漁業、歴史等)を提案して
   いきます。


 ②グリーンツーリズム、ブルーツーリズムの推進のため、受入施設のコンプライ
   アンスの徹底と、「簡易宿所許可」の取得を推進します。

 ③スポーツ合宿への取組は、「フェリーさんふらわあ」利用のメリット等を前面に、
   関西、北部九州地域で定期的なセミナーを開催します。また、学校の統廃合
   による空きグラウンドをスポーツ施設として整備することを促進していきます。

 ④着地型観光やニューツーリズムの積極的推進のために、県旅行業協同組合
   と提携し、着地型商品「魅旅」の販売強化を図っていきます。

 ⑤3月に就航する台北線は、福岡、宮崎と連携し、新幹線の活用など多様なコー
   スを提案することで搭乗率アップにつなげていきます。日中国交正常化40周
   年を迎え相互交流が不可欠です。上海線は、インが厳しく、鹿児島サイドの搭
   乗率を高めることが最優先であり、特別施策を求めていきます。

 ⑥国内の航空会社対策では、FDAのチャーター企画で本州から屋久島、奄美大
   島等への誘客を促進し、また、LCCを活用し、大阪南部や和歌山地域での商
   品企画の支援を行います。

 ⑦地域をコーディネートする人材の育成のため「第5回かごしま観光人材育成塾」
   を開催します。

 ⑧おもてなしの心の醸成がリピーターの確保につながります。重点地域として霧
   島、指宿での「おもてなしセミナー」を、鹿児島市内で「タクシー乗務員研修」を
   実施し、県民あげて温かく観光客を迎える体制づくりを推進します。

地域別戦略としては、特に大隅、北薩、離島地域の対策が必要と考えています。

大隅地域は、
 ①「おおすみ新観光100選」(仮称)を活用した新しいルート開発とPR、エージェ
   ントの商品造成の支援を行います。
 ②曽於地域の教育旅行グリーンツーリズムを推進するため、曽於地域ならでは
   の体験メニューの開発と受入農家の研修、「簡易宿所許可」の取得を推進し
   ます。

かのやのバラと空.jpg

 ③リニューアルされる「かのやバラ園」やトレッ
   キング、食の魅力の情報発信を推進します。

 ④「フェリーさんふらわあ」を活用した熟年の船
   旅の支援や、スポーツ合宿の誘致、鹿屋体
   育大学の人脈を活用したスポーツ大会の誘
   致を推進します。

北薩地域は、
 ①出水は、ツル見学や武家屋敷観光に加え農家民泊が増加しており、「簡易宿
   所許可」の取得推進などにより新たな客層の定着を促進します。

曽木の滝(夏).jpg

 ②伊佐地域は、「新曽木大橋」が完成し、新た
   なルート確立が必要であり、春の桜、秋の
   紅葉等シーズンごとの魅力を発信し誘客
   を促進します。

 ③甑島は、旅行エージェントの企画が増加し
   ており、民間へのバス事業委託により大
   きく伸びる体制ができます。砂州、トンボロ等地理学的魅力の積極的なPRを推進します。

離島地域は

種子島ロケット11月.jpg

 ①種子島は、クルーズ船や屋久島のハブ空港
   としての誘客を推進します。屋久島は、自然
   を守る取組が世界自然遺産の価値を高める
   こととなります。オフ時期のPRと里の魅力を
   情報発信します。

 ②奄美は、関西・九州内からは船旅を、関東地
   域からは飛行機の旅を売り込んでいきます。

 ③奄美の豊かな自然を、大学のゼミやスポーツキャンプの基地としてPRしてい
   きます。

 ④加計呂麻島や島唄など、奄美独特の観光資源を前面に出したPRを推進しま
   す。

最後に24年度以降に向けては
 ①26年度の教育旅行の誘致に向け、専用列車の利用拡大と霧島・桜島・屋久
   島等の自然、知覧の平和学習のPR、漁業、農業等の体験メニューの充実に
   努めます。

 ②鹿児島を舞台とするNHK大河ドラマの実現に向け、官民一体となった運動を
   引き続き展開します。

以上の取組を中心に、24年度の鹿児島への誘客を進めていきたいと考えています。新幹線開業2年目のジンクスを打ち破るべく、皆さんと連携して施策の展開を図りたいと思います。

プロフィール

奈良迫プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
奈良迫 英光
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