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「かごっまふるさと屋台村」に期待する

2012年5月1日 
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

ゴールデンウィークが始まり、県内各地は観光客で賑わっていますが、今年は昨年の東日本大震災や原発事故の影響も薄らぎ、全国的に観光地は好調な出足です。

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3月のダイヤ改正により、新大阪から鹿児島中央への直通便が増発されたことや、格安航空会社ピーチの就航、中華航空台北線の新設などにより一段と鹿児島への観光客の伸びが期待されます。

ところで鹿児島市は、目の前に桜島を仰ぎ、自然、温泉、歴史、文化、食、アクセス、宿泊施設の充実等観光客誘致には大変恵まれた環境にあります。

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この度、鹿児島中央駅東口から5分の場所に「かごっまふるさと屋台村」がオープンしました。オープンセレモニーには、就任したばかりの井手観光庁長官も出席されて盛大なお披露目となりました。

屋台の定義ははっきりしませんが、物を売る台に屋根を付けたもので、組み立てや収納が容易であり、移動が簡単な店のことです。江戸時代の享保年間に生まれ、第二次世界大戦後の闇市などで、戦争引揚者や戦災で店を失った人たちが生活のために始めたものが広まったものです。

しかし、その後食品衛生法や道路交通法、消防法等の制定により規制が強化され、公共空間での営業形態の屋台は、東京オリンピックの開催を機に減少していきました。現在では移動式の屋台は、博多では、約180軒が営業していますが、営業者の高齢化が進み減少しているのが現状です。

最近の屋台は敷地が公共空間ではなく、私有地の中に固定・常設され、街の活性化を目的に地域づくりの一つとして進められています。
現在は、固定式の屋台村が全国にできていますが、小樽市・おたる屋台村、青森市・青森さんぶり横丁、八戸市・屋台村みろく横丁等は人気があります。最近では、震災で大きな被害を受けた気仙沼市に復興屋台村・「気仙沼横丁」がオープンし話題となっています。

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「かごっまふるさと屋台村」は、25軒の個性あふれる屋台と1軒の焼酎専門店が軒を並べます。それぞれの店は小規模で8席しかなく、家族的な雰囲気が味わえるのではないかと思います。鹿児島の旬の食材を活かしたこだわりの料理と焼酎をリーズナブルな価格で提供するなど、鹿児島の食文化を堪能できる場所としての魅力が売りの一つです。

これからの屋台村の展望と課題等について述べてみたいと思います。

屋台村の設置は、市街地の活性化や地産地消を中心とした地元食材の提供、情報発信基地として県内のイベントや観光地の紹介、若手起業家の育成等に繋げなければなりません。

屋台村は、鹿児島市内としては初めて平地にできた食の集合体の施設です。従来ラーメンやお好み焼きの専門店等が並ぶ場所では、人気店舗とそれ以外の店舗との優劣が付き、不人気の店は客が入らなくなり、店舗同志のコミュニケーションが減り、一方の店が退去するなどの弊害も起こっています。

スタンプラリーを実施し、25店舗を巡ると記念品を贈るなど、屋台村全体の発展を目指す取組も不可欠です。それぞれの店が切磋琢磨しながら、競争と協調の心をもって一体感を維持していくことがまず大切です。

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屋台村は鹿児島の地産地消を徹底し、あくまでも鹿児島らしさにこだわる必要があり、鹿児島の魅力を発信する場所にしなければなりません。また従業員は鹿児島弁を積極的に使い、観光客に鹿児島の魅力を語ることが求められます。


季節を通してイベントを開催し、市民も訪れる場所にする必要があります。新年の振る舞い酒、餅つき大会、節分、ひな祭り、七夕、月見の宴、クリスマス会などの開催が誘客に繫がります。テレビや映画の舞台として提供するのもPR効果を高めます。

ところで、鹿児島市は北海道の札幌と並んで、都市としての魅力が集約された街です。公共空間の整備が進み、滞在して飽きない街になりつつあります。

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「かごっまふるさと屋台村」の周辺も、西郷隆盛、大久保利通など近代日本の礎を築いた偉人を輩出した地域であり、リニューアルされた「維新ふるさと館」は観光客に大変人気な施設です。夜は甲突川がライトアップされ一段と魅力的な一帯となります。


観光客が夜の街を楽しむことで、天文館も活性化し、地域の経済が循環することになります。市民が鹿児島市の魅力を語ることを心がけて欲しいと望んでいます。

一方では、新幹線の時間短縮効果は、ビジネスマンの日帰出張を加速しています。600キロに及ぶ鹿児島の魅力を語ることで、遠方まで足を伸ばすきっかけをつくり、滞在に変える取組が求められます。

また、現在海外便が、ソウル、上海、台北へ就航しており、その国の人々は、屋台で食事することが定着しており、今後東アジアの観光客が増加すると思います。簡単な言葉を覚え海外観光客と市民の交流の場所になればと思います。

屋台村ができたことで既存の店との競合も発生します。特に中央駅西口との競争は激化しますが、「おもてなしの心」を持ってサービスの向上に努め、相乗効果で来店客を増やして欲しいと思います。また、近隣のホテルの方々も積極的に屋台村をPRすることで、連泊につなげて欲しいと思います。

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「本物。鹿児島県」の魅力が観光客に定着しつつあります。「ふるさとかごっま屋台村」に行けば「鹿児島に会える」、と観光客の合言葉になるよう積極的にPRしていきたいと思っています。

佐多岬が持つ観光地としての魅力

2012年4月23日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

        「黒潮の海に昇りし天津日は 佐多乃岬を日ねもす照らす」

この歌は、佐佐木信綱門下の歌人であり、「新古今集」の研究家として知られる川田順の歌で、佐多岬の展望所近くに歌碑が建立されています。川田順が昭和11年に長崎鼻を訪れた際、対岸に見える佐多岬を見て詠んだ歌と言われており、当日は快晴ではなかったかと想像されます。

佐多岬灯台は、1871年(明治4年)に完成しましたが、戦争で被害を受け、1950年に建て替えられ現在の白亜の灯台として生まれ変わりました。太平洋に突き出した半島の先端にあり、九州本土最南端にある灯台で、「日本の灯台50選」にも選ばれています。

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太平洋の黒潮が押し寄せる突端に立つ灯台は、錦江湾や南の島へ行き交う船舶の目印として重要な役割を果たしています。対岸に薩摩半島の開聞岳を望み、東シナ海に沈む夕日は格別です。晴れた日には、種子島、屋久島を望むことができます。



佐多岬の入口に位置する大泊には、北緯31度線(エジプトのカイロと同じ位置)の表示塔が立っており、車を止めて写真に収める観光客が見受けられます。

ところで佐多岬への観光客は、昭和40年代の前半から50年代の前半までがピークでした。新婚客のゴールデンルートとして、宮崎~日南海岸~鹿屋~佐多岬~根占~山川~指宿が賑わいました。その後新婚旅行が海外に移り、バブルが終焉し団体旅行も激減し、薩摩半島との架け橋であったフェリーが休航した期間もあり、いつのまにか佐多岬も忘れられた存在でした。

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佐多岬への観光客が減少したことにより、広範囲に影響がでてきました。かつての宮崎からのゴールデンルートを通る観光客はほとんどいません。「かのやばら園」まで来た客は、引き返して鹿児島に戻っていきます。一方対岸の指宿方面からの観光客の流れも減少しました。

しかし、団塊の世代の退職や国内旅行の個人化・多様化が進み、今では交通の便が悪く秘境と呼ばれる地域が脚光を浴びています。佐多岬も、例外ではありません。

しかしながら、現在の佐多岬の周辺は休憩施設もなく、展望台は修復工事の傷跡が深く観光客が楽しめる雰囲気が感じられません。灯台が望める最先端まで行く途中には、かつて住んでいた「古い灯台守の館」が藪の中にひっそりと佇んおり、整備すれば産業遺産として活かせると思います。

その意味でも佐多岬の魅力づくりが、鹿児島市、指宿、宮崎からの観光ルート定着になり双方にメリットが出てくると思います。今年度は県の予算で調査費が付いており、佐多岬の課題が改善されることを期待しています。

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佐多岬周辺の魅力をあげると、大泊港から出ている半潜水艦の水中展望船があります。「さたでい号」と名付けられ、ビロウ島、佐多岬沖など佐多岬海中公園内を30分かけて周遊し、黒潮の中を泳ぐ熱帯魚を目のあたりに鑑賞できます。


また、岬では、ハイビスカス、ブーゲンビリアなど数多くの亜熱帯植物が生い茂り、熱帯のジャングルにいるような気分に浸ることができます。ソテツの自生地も圧巻です。
自力歩行で最南端を目指すトレッキングツアーもあります。いくつかの山越、崖越え、しかもロープを頼りに一人ずつしか登り降りできないというスリリングな箇所もあり、それゆえに最南端への到達したときの達成感は大きいものがあります。体験型観光の醍醐味を味わうことができます。

九州新幹線が全線開通したことにより、時間短縮効果で大隅地域への誘客もより可能となりました。

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佐多岬のある南大隅町までの沿線には、かのやばら園、吾平山上陵、内之浦宇宙空間観測所、花瀬公園、神川の大滝、雄川の滝、並列鳥居のある諏訪神社等特色のある観光地や、農・漁家の直売所、錦江湾に沈む幻想的な夕陽が望めるレストランなど旅情を感じさせる店もあります。

これらの観光地を線で結び、地域全体に波及効果をもたらす取組が重要であり、そのためには、まず県民に訪ねてもらうことが大切ではないかと思います。そして県外の方々に南大隅地域の魅力を語って欲しいと思います。

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最南端の神社として有名な御崎神社は、最近パワースポットとして人気があり記念写真に納まるカップルの姿が多く見受けられます。吾平山上陵と諏訪神社、御崎神社の3箇所をパワースポットとして売りだすのも効果が期待できます。


北海道の最北端宗谷岬はこれからの季節、本州方面から多くの観光客が訪れます。その後日本海に浮かぶ利尻島、礼文島まで足をのばします。最北端と最南端を結ぶツアーもおもしろいと思います。

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根占~山川フェリーの再開で薩摩半島との往来もできるようになりました。かつて「岬めぐり」というツアーがヒットしました。都井岬、佐多岬、長崎鼻を巡るツアーの復活も楽しみです。


根占港の隣には、新たに南大隅町の農産物や採れたての魚等を取り揃えた「なんたん市場」もオープンしました。フェリーの待ち時間に是非立ち寄って欲しい場所です。
最南端にある大泊郵便局を訪ね、記念スタンプを押し九州本土最南端の地に来たことを実感し、喜んでくださるお客さんを多く呼びたいものです。

            参考:南大隅町観光ガイドマップ:南大隅町役場企画振興課

出水ブランド「薩摩出水のいずみさん」の定着に向けて ~ツルも出水に、恋をした。~

2012年4月16日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

夜来の激しい風雨にさらされて、満開の桜もいつのまにか散り葉桜となり、これから新緑が一段と映える時期になります。
みかんの一大産地である出水地方では、5月の初め頃になると、みかんの木が花を咲かせ、丘陵全体が白い花で覆われ、その美しさを新幹線の車内からも臨むことができます。

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出水市は、毎年1万羽を超えるツルが越冬し、規模の大きい武家屋敷群や野間之関、鎮国山感応禅寺、日本一の大鈴のある箱崎神社、日本一のお地蔵さんのある八坂神社、上場高原のコスモス等恵まれた観光地があります。


しかし今まで観光客が来ても、土産物としての特産品や地域を感じる食事のメニューが少なく、出水ブランドとしての商品の開発が待たれていました。

出水商工会議所では、中小企業庁の「平成23年度地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」に応募し、自然に恵まれた出水市の農・畜・水・のそれぞれの食材を使った新たな特産品を農商工連携で開発し、「出水ブランド」として全国に発信し、出水市地域の活性化を図る事業に取り組んできました。私も今回プロジェクトメンバーの一人として参加しました。

この度の事業で、鶏肉を中心としたグルメ3品、柑橘類とさつま芋を使用したスイーツ3品が誕生し、出水ブランド「薩摩出水のいずみさん」として売りだすことになりました。「薩摩出水のいずみさん」とは、出水市の自然や文化を継承し、自然に恵まれた出水市の特産品である鶏肉や柑橘類等の食材を活用した商品や出水市内で製造された商品等で、地域活性化に繫がる商品のブランドネームです。

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ロゴマークは女性の顔にツルをイメージして、キャッチフレーズは、「ツルも出水に、恋をした。」が選ばれました。出水市は永年1万羽を超えるツルが訪れている土地であり、それにあやかった良いロゴマークとキャッチフレーズと思います。

今回選ばれたグルメとスイーツの商品概要は次の通りです。 グルメは、出水市の2大ブランドである鶏肉「南国元気鶏」と「赤さつま」を中心に、出水市の歴史的逸話をもとに開発した鍋物や鹿児島の特産品であるさつま揚げをアレンジした一品等、旬の野菜や地場産の食材にこだわり、「出水らしさ」「鹿児島らしさ」がある料理です。 スイーツは、1年中獲れる柑橘類の中でも、旬の柑橘類だけを使用した和菓子やさつま芋を使う鹿児島の郷土菓子をアレンジした洋菓子等、旬の食材や地場産の食材にこだわり「出水らしさ」「鹿児島らしさ」がある菓子です。

3つのグルメとは、

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しょうがん炊き・・戦国時代に島津家縁の武家屋敷に住む、ぼっけもん(快男児)昌巌 (出水3代地頭)さんの逸話と大正時代の国有林田畑開拓時に詠まれた詩を元に 出水のおいしい鶏肉(全国生産2位)と、季節の新鮮な野菜を地元産の麦味噌 で仕立てたコラーゲン・ビタミンたっぷりな出水のおもてなし料理です。

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出水んまか巻・・地場産の鶏肉と、あえてシンプルなごぼうと人参を使用した八幡巻ですが、そこへ出水産の蜜柑を加えることで、さっぱりした酸味と爽やかな余韻を楽しめ、中の野菜は出水で採れる旬の野菜を使用することで、季節の味が楽しめます。

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出水んまか棒三姉妹・・出水市の特産品である鶏肉や焼き海老、鹿児島県の特産品である黒豚を活かしたさつま揚げで、中に入っている具も地場産や鹿児島産の食材にこだわった一品です。また、海老姫、鶏姫、黒豚姫のキャラクターも魅力の一つです。

3つのスイーツとは、

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まるごと出水(みかん)・・優秀な農家の方々が一つ一つ丁寧に大切に生産されたみかんを最大限に使ったお菓子です。ほど良い甘さの求肥(ぎゅうひ)と飴がみかんの味を引き立てます。夏から冬の期間限定の商品です。

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チョコっとねったぼ・・・昔から地域のおやつとして親しまれてきた"ねったぼ(芋もち)"を若い世代にも伝えたいと思い、出水市の特産品である紅甘夏の皮をシロップ漬けにして中に生チョコと混ぜ、アレンジした新感覚のお菓子です。

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いもクロ(IMOCLO)・・鹿児島県の特産品であるさつま芋と出水市の特産品である紅甘夏の皮を使用した餡子を、出水産米粉が入ったクロワッサン生地で包み込み、安心安全の食材にこだわった一品です。

資料提供:出水商工会議所 平成23年度地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト

出水商工会議所では、8月頃をめどにグルメ、スイーツとも取扱店舗の募集を行い、また現在ある特産品の中でも一定の基準を満たした商品だけ、「薩摩出水のいずみさん」の認定を行う予定です。

これから「薩摩出水のいずみさん」のブランド力をいかに高めていくかが課題です。 「ブランド」とは、元々はヨーロッパの山中での牛や羊の放し飼いで、他者の家畜との区別をするため押した「焼印」に由来しています。現在ではブランドとは、商品が「差別化されている」、「品質が保証されている」、「地域での広がりがある」ことなどがあげられます。

商品開発は多くの地域で行われていますが、知名度アップと販売拡大策が課題です。まず地域住民にどのように浸透を図るかです。

家庭での広がりには、レシピを作成することで統一感が生まれます。また、各種宴席では、「しょうがん炊き」や「出水んまか巻」、「出水んまか棒」を推奨するようにし、お客様にストーリを語ることが定着への一歩になると思います。
また、県外でのPR効果を発揮するには、行政や地域団体等の職員の皆様は、「薩摩出水のいずみさん」のロゴマークを印刷した名刺を渡して欲しいと思います。

スイーツは、市外の人への贈り物の定番とならなければなりません。その際包装紙は、ツルや、ミカンがたわわになっているデザインを使うのもPR効果を高めると思います。出水地域では、グリーンツーリズムが人気となり県外からの学生さんの民泊体験が増加しています。メディアへの発信を強め、口コミ効果を高めることで、帰りに人気のおみやげとして、誰もが購入するようになるのではないかと思います。

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ダイヤ改正で新大阪への直行の新幹線も大幅に増え、観光客の誘致もより可能になりました。先にデビューした新ご当地グルメ「いずみ親子ステーキごはん」は浸透してきました。  地域一体となった取組が経済効果をもたらし、「薩摩出水のいずみさん」の定着に繫がると思います。

 「おおすみ観光100選」の発行にあたり ~県民のみんなが知ろう大隅地域の魅力を~ 

2012年4月9日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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観光交流局では、この度九州新幹線の全線開業効果を大隅半島に波及させる取組の一つとして、「おおすみ観光100選」を発行しました。隠れた観光資源や体験型観光メニュー、飲食店等が掲載されており、大隅地域の魅力満載の情報誌となっています。


九州新幹線全線開業で、鹿児島市内、指宿、霧島地域は昨年の5月以降観光客の伸びが顕著となっていますが、大隅地域は十分な効果が見られません。要因として大隅地域の魅力が県民にも十分浸透していないことなどがあげられます。

しかし、大隅地域の4市5町の市長・町長は観光振興に力を注いでおり、今後が楽しみな地域ばかりです。情報誌は地域の観光素材の掘り起こしの一助になればと思いますが、具体的な行動を起こさなければ誘客はできません。各市町村の職員の方々もまず観光地に足を運び、自らその魅力を体感すべきであり、オンリーワンの観光素材にストーリーをつけてPRすることが今求められています。

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鹿児島県旅行業協同組合では、「かごしまふた旅 魅旅」として、地域の人しか知らない情報をもとに商品造成をしており、ぜひ参画して欲しいと思います。
地域の祭りやイベントについては前広にメディアに情報を発信し、隣町からの集客につなげねばなりません。町外から人が集まることが、飲食店の利用が増え、農・水産物の販売など地域経済の発展に貢献します。特に鹿児島市民をターゲットに大隅半島に足を運んでもらう努力が必要と思います。

昨年から始まった「大隅地域レンタカー無料プラン」の継続も決まりました。大隅地域の2箇所を周り1泊すれば、使用料は無料となります。昨年度は約1千台の利用がありました。今年も多くの県民に利用をお願いしたいと思います。

大隅地域で大きな動きとしては、グリーンツーリズムとブルーツーリズムの受入が進んできました。修学旅行での農業や漁業体験、農家・漁家民泊が人気です。今年度は新幹線を利用し、大隅地域に宿泊する小・中・高校生の修学旅行に対して、錦江湾航路のバス輸送運賃・旅客運賃を助成する制度が始まります。大隅地域への誘客を促進し、修学旅行先として定着させることを目指しています。鹿屋航空基地史料館の平和学習等も併せて販促を強化していきます。

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今年度の予算で佐多岬の調査費が計上されました。佐多岬は九州本土最南端であり、昭和40年代から50年代の後半まで多くの新婚旅行客で賑わった場所です。古い建物の撤去や突端の近くまでの道の整備が進むと昔の賑わいを取り戻せるのではないかと期待がかかります。

北海道の最北端宗谷岬を訪ねるツアーは人気があり、最南端まで来る観光客が増えることは、大隅地域だけではなく根占~山川フェリーの利用促進、宿泊施設の多い指宿地域の活性化にもつながります。南大隅町の森田町長は、佐多岬の整備がこれからの地域振興の最大のポイントと考えており、私も同様な意見です。

また、内之浦宇宙空間観測所は映画「はやぶさ」の放映で話題となっており、修学旅行の新しいルートとして脚光を浴びています。

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大隅地域の最大の観光施設である「かのやばら園」がリニューアルされ、今回新しく「イングリッシュローズガーデン」が造られました。本場イギリスからの苗木を植栽し、4月の下旬から5月の初めには美しい花が見られるのではないかと思います。


鹿屋航空基地の「2012エアーメモリアルinかのや」が4月29日~30日に開催されることもあり、両方を見学し、大隅半島に宿泊していただければゆっくりした旅が過ごせると信じます。

ところで、大隅地域に行くには曽於市と志布志市は陸路が、その他の地域へは錦江湾を渡るのが便利です。鹿屋までは直通バスが運行され利用度が高くなっています。やはり乗り換えずに行けることが、利用度アップにつながっています。その意味でも新幹線の終着駅の鹿児島中央駅からの2次交通の整備は今後も不可欠と考えています。

今回発行された「おおすみ観光100選」の「あとがき」に大隅地域の魅力を下記の通り記述しました。

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『 魅力ある美しい自然の残る大隅地域は、四季折々の美しい草花が咲き乱れる田畑、森林、小鮒が泳ぐ清流が多く、太平洋の黒潮が押し寄せる荒々しい岬や白砂青松の美しい海岸等日本の原風景がいたる所に残っている。


最南端の「佐多岬」は、太平洋の荒い波が打ち寄せ、突端に立つ灯台は、錦江湾や南の島へ行き交う船舶の目印とし重要な役割を果たしている。対岸に薩摩半島の開聞岳を望み、東シナ海に沈む夕日は格別である。

照葉樹の森から稲尾岳のトレッキングは、景観や植生に見応えがあり、「花瀬自然公園」は、川の中に見渡すかぎり石の絨毯を敷き詰めたような景観が珍しい。
ドライブの途中、老夫婦が仕事を休めにっこりと手を振ってくれた。田舎の良さは自然の美しさだけでなく、人の魅力をも残していることである。

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国産ロケットの発射は「内之浦宇宙空間観測所」から始まり、2003年5月に打ち上げられた「はやぶさ」は、7年ぶりに約60億Kmの旅を経て無事帰還した。
日本最大級の「かのやばら園」は、「恋人の聖地」として人気があり、北の曽於市には、「悠久の森」、「溝の口洞穴」など話題のパワースポットがある。

志布志市は、室町時代に創建された大慈寺や江戸時代に造られた庭園が残るなど往時を偲ばせる。串間市との境に、家族で楽しめる「イルカランド」がオープンした。

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大隅地域は、「うなぎ」、「黒牛・黒豚」、「ちりめん」、「さつまいも」、「ピ-マン」、「お茶」等の一大産地で美味しい食材が豊富にあり、漁港、農協の直営レストランも人気が高い。未知との旅での多くの人との出会いが、きっとあなたの旅情を高めてくれるはずである。』

今年は大隅地域の活性化に向けて様々な施策が展開されます。県民のみなさんもぜひ錦江湾を渡り大隅地域の魅力にふれてください。