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夏休み対策は十分ですか

2012年6月11日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

磯海水浴場.jpg

鹿児島地方は梅雨入りとなり、しばらくは長雨との戦いが続きます。梅雨期間中の自然災害の発生に注意しながら、入道雲がみられる本格的な夏の到来を待ちたいと思います。
7月中旬から学校は夏休みに入ります。子供の頃よく歌い、日本の夏の美しい風景を想い出させる爽やかな歌があります。

それは「われは海の子」です。

「我は海の子 白浪の さわぐいそべの松原に
                   煙たなびくとまやこそ 我がなつかしき住家なれ。
生まれてしほに浴して 浪を子守の歌と聞き
                   千里寄せくる海の気を 吸ひてわらべとなりにけり。
高く鼻つくいその香に 不断の花のかをりあり
                   なぎさの松に吹く風を  いみじき楽と我は聞く。」

この歌、われは海の子(我は海の子)は、1910年(明治43年)に『尋常小学読本唱歌』で発表された日本の童謡・唱歌です。文部省の懸賞募集に応募した鹿児島市加治屋町出身の児童文学者、宮原晃一郎(1882-1945)の詩が採用されたとされています。その「海は」錦江湾ということになります。鹿児島市の祇園之洲公園には、この歌の歌碑が建てられています。ぜひ訪ねてください。
(参考:http://yamamomo02.web.fc2.com/)

かつての日本の海岸は、いたるところに美しい砂浜が続き、夏になると家族連れの海水浴客で賑わっていました。

浦田海水浴場.jpg

しかしその後高度成長期における海岸の埋め立てや工場排水などの汚染で泳げる浜辺も少なくなり、もっぱら室内プールが子ども達の遊び場となっています。それでも県内には水質基準に合格した海水浴場が、離島を中心にいくつも見られます。


ところで夏は旅行の最大の需要が発生する時期であり、しかも対象は、ファミリー層と若者です。観光施設では、この需要を取り込むため早めの仕掛けが必要です。子供が求める学習環境の提供や、親子が一緒になって楽しめる体験を商品化することが重要と感じます。

宿泊機関においては、滞在時間を楽しく過ごすことができるよう、子供の学習に役立つ情報提供が求められます。

大川原峡.jpg

ロビーに昆虫等を展示するなどして興味を惹きつけ、翌日セミやカブトムシを捕獲できる森林や、フナやメダカなど水遊びのできる河川、貝堀りなどができるビーチ、渓谷のトレッキングなど、日頃体験することができない自然の姿に触れる機会を増やし、感動する場を提供することが必要と思います。

また、夜は宿泊施設では夜店の開設や、大人も一緒になり子供向けの映画を共に鑑賞する場を提供すれば、喜ばれると思います。各部屋に風鈴を吊り下げ、玄関先での花火大会や朝のラジオ体操なども、思いで作りには欠かせません。また、子供達に宇宙への興味をいだかせる良い機会でもあります。鹿児島にはきれいな星空を見ることのできるスポットが多くあり、親子での星空観察も有意義な体験になります。

二十数年前までは、子供達にとって地域ぐるみでキャンプに出かけたり、「少年の船」など集団研修の場がありましたが、今ではそのような行事も減少し、社会的規律を学ぶことも少なくなりつつあります。また、親子のふれあいが少なくなった今、夏休みの体験を通してその機会を増やすことが大事と思います。

おんぶの親子.jpg

子どもに対する接し方について、興味あるデータがあります。子どもが小学生までの時期に、子どもと一緒にいる時間がもっと欲しいと思ったのは、母親が26.2%に対し、父親は57.2%となっています。40代も傾向は同じです。20代~40代の父親は、その上の世代と比べて子供と一緒に過ごす時間をより強く求めているのに対し、母親は若い世代ほど子供と一緒でない時間を求める傾向が見られます。
若い母親ほど子育ての最中でも、おしゃれや友人との付き合いに時間をかける傾向があり、自分の行動に少し制約になると感じているのではないかと思います。

また、子供の頃の「自然体験」と現在の「意欲・関心」との関係は、子供の頃に海や山での体験、自然観察の経験が多いほど、学習意欲や知らないことへのチャレンジ精神、外国へのあこがれなど意欲・関心度が高くなっています。子供が小さいころから親子のスキンシップを高め、夏休みなどは自然体験など親子で楽しむ「旅育」の必要性を感じます。 資料「日本経済新聞社」2006年11月「キッズ市場」調査(3才~19才の子を持つ父母対象) 

ところで、GWを過ぎても鹿児島の観光は好調を維持しています。その背景には、新幹線直通便の増便、修学旅行の増加、台湾便の就航によるインバウンドの回復などがあげられます。今年の夏の旅行はどうなるでしょうか。今年も猛暑が予測されますが、一方では昨年以上に節電の取組が求められており、帰省の早期化や長期の夏休みを取る人が増えるのではないかと思います。7月になり休暇計画が決定すれば、家族旅行の予約が急激に増えることが予想されます。また、涼しさを考慮すると海より山の宿泊地が混むと想定しています。

風鈴.jpg

一方では、ファミリー層が主体の夏休みは、経費軽減の意味では近場の旅行が増えることも考えられます。最近のお客様のニーズは、物見遊山ではなく、時間を過ごす時(こと)の充実を求めています。山や海、渓谷の魅力や地域の生活・文化の発信、体験メニューの充実等で連泊促進を図るべきです。

今年の夏のキーワードは"涼"です。滞在してゆっくり時を過ごし、涼しさと癒しのできる場所としての魅力を発信していきたいものです。  

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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