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No.308 開成所開設から薩摩藩英国留学生へ~明治維新の基礎づくりに人材教育の重要性を知る~

2014年4月21日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

ツツジの花2.jpg

 つい先日まで県民の心をしばし楽しませてくれた桜は、いつの間にか葉桜となりましたが、街かどの花壇にはスイトピーやツツジの花が咲き誇り、道行く人を楽しませてくれます。



 また、新緑が美しくなり、ピンクや赤色の様々な花が鮮やかで、鶴丸城の城壁も池に一段と鮮やかに映り、日本の美しい四季の移ろいを感じられます。温もりが心地良く感じるこの時期は、中学校時代に習った次の詩が浮かびます。

                   春 暁       孟浩然
            春眠不覚暁 【春眠 暁を覚えず】
            処処聞啼鳥 【処処(しょしょ) 啼鳥(ていちょう)を聞く】
            夜来風雨声 【夜来(やらい) 風雨の声】
            花落知多少 【花落つること 知る多少(いくばく)】
【注釈】
春の眠りは心地よく、夜が明けたことを知らずにぐっすり眠り込んでしまった。
気がつけば外では鳥のさえずりが聞こえてくる。天気もよさそうだ。
夜更けから風雨が強かったので、満開の花がたくさん散ったことだろう。

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 ところで2018年(平成30年)は明治維新から150周年の節目を迎えます。明治維新の立役者となった偉人を多く輩出しているのが、薩摩藩の中心地であった鹿児島市です。鹿児島市では、2012年から2018年までの期間に、「明治維新150年カウントダウン事業」として、明治維新までの激動の時代を歩んできた薩摩藩の足跡を振り返るイベントなど様々な取組を推進しています。 


 今年は開成所開設から150年になります。開成所は元治元年(1864)年6月に、科学や軍事に関する人材育成のために設立された洋学校で、島津斉彬が在任中に計画し、蘭学者石河確太郎に設立準備を命じていたものです。

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 場所は琉球館の海岸通りにあったとされ、現在の小川・滑川市場の付近と推定されます。学習科目は陸海軍砲術、兵法、地理学に航海術、測量、医学に至るまで多岐にわたってい ました。当時の様子を残す跡はありませんが、ここで教授をしていた郵便制度の創設者である前島密を評したポストが、桜島海岸通りの交差点に立てられています。



 翌年(1865年)薩摩藩は、国禁を犯して15名の若者と随行者4名を英国に派遣します。「薩摩藩英国留学生」と呼ばれており、優秀な人材が集まる開成所からほとんどが選ばれ、その中にただ一人薩摩藩以外で土佐藩を脱藩した「高見弥一」もいました。

 また、「開成」という名は、歴史的に謂われある名辞であるため、校名に「開成」を冠する中学・高校があります。優秀な学生が集まることで知られる東京の「開成高校」は32連続東京大学合格者がトップとなっています。

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 留学生たちは、帰国後は官界、実業界で活躍し、近代日本の礎を築く活躍をします。畠山義成は、出航からロンドン到着直後の様子をまとめた「畠山義成洋行日記」を遺しています。1866年にはフランスに渡り見聞を広めています。帰国後「岩倉使節団」にも招集されました。その後文部省に出仕し、東京開成学校(現在の東京大学)初代校長として、日本の大学の基礎作りに貢献しています。


 町田久成は、維新改革の流れの中で、多くの美術品の破壊や海外への流出を惜しみ、博物館事業の重要性を認識し、博物館創設事業に携わり、東京帝室博物館(後の東京国立博物館)の初代館長に就任しました。

 森有礼は中国大使や初代文部大臣を務め、教育制度の改革を行います。村橋久成は、戊辰戦争の際砲隊長として活躍し、その後北海道開拓使となり、サッポロビールの生みの親として語り継がれています。

 留学当時13歳と最年少であった長沢鼎は、その後アメリカに渡り生涯を過ごし、広大なぶどう園の経営とぶどう酒製造に尽くし、ワインの帝王と称されました。鹿児島でもナガサワワインとして親しまれています。随行者の五代友厚は、初代大阪商工会議所会頭に就任し、商都大阪の経済発展に寄与します。寺島宗則は外務大臣として活躍します。 

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 今年の7月20日、船出したいちき串木野市羽島に「薩摩藩英国留学生記念館」がオープンします。会館の中には、留学生の足跡をたどる資料も展示される予定です。会館の完成を期に、多くの小・中・高校生が遠足等で訪れて、海外への夢を掻き立てて欲しいと思います。

 各市町村で青少年の翼、青年の船等の海外派遣事業が盛んですが、参加者のその後の成長の軌跡を検証することも必要です。個人情報保護の関係で、個人情報を求めることは難しくなっていますが、学校の選択や社会人生活に役立っていること等海外派遣の重要性を語り繋げていく必要性を感じます。

 日本へのインバウンド数が昨年1千万人を超え、今年に入ってからも昨年以上の伸びとなっています。日本人の国内旅行が増えない中で、各県とも外国人誘致に力を注いでいます。

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 一方、海外に興味を示さない若者が増えているのも事実です。県民が外国の生活や文化を経験することは重要なことであり、視野を広めるべく、若い内に海外に出掛ける仕組みづくりや海外でのカリキュラム取得を可能とする等支援態勢整備の必要性を痛感します。

 海外修学旅行やホームスティの積極的な推進、留学生の受け入れ拡大やその人たちを活用した日本文化の海外への発信等も求められます。また、日本は人口の少子、高齢化時代に入り、地域の活性化には海外との交流人口の拡大が不可欠です。

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 最後に、「旧集成館事業」等5つの構成資産が、2015年度中に「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」として世界文化遺産登録を目指しています。薩摩が日本の近代化に果たした役割を世界にPRする時です。

 その基礎作りに貢献した「開成所」や「薩摩藩英国留学生」の偉業を学ぶことで、人材教育の大切さを知る機会にもしたいものです。

        資料:鹿児島市【明治維新150年カウントダウン事業】付録より

三県連携による教育旅行の誘致~各県の優位性を活かす~

2013年6月24日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

沖縄はすでに梅雨明けとなりましたが、本土では梅雨も中休み、紫陽花の花に雨が恋しいこの頃の暑さです。

紫陽花に 草子干す時 暑さかな  ~飯田蛇忽~

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5月の連休以降鹿児島中央駅は関西・中国地域からの修学旅行生で連日賑わっていましたが、春の集約臨時列車の運行も終わり、今一段落という状況です。

県内への平成24年の修学旅行の入込状況がまとまりました。学校数は674校で、前年の642校と比較すると32校増加し、人数(延宿泊者数)も94,348人で、前年か1,143人の増となっています。

地区別では指宿地区、鹿児島地区、種子・屋久地区が大きく伸びたのに対し、奄美地区、南薩摩地区が減少しています。奄美地区は台風の来襲でヨロン島の受入が大幅に減少したことが影響しています。

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南薩摩地区は、県内における農家民泊受入のパイオニア的な存在でしたが、県内全域で受入が可能になっていることで、分散化傾向となりつつあることが減少の要因です。大隅、伊佐地区は、従来修学旅行の行先でなかった地域ですが、民泊の受入態勢が整い増加傾向にあります。

子ども達は生物の生態、農産物の植え付け・収穫体験を通して、自然の営みの大切さ・不思議さに感動します。両地域は元来農業生産地帯であり、体験メニューが豊富でありこれからが楽しみな地域です。

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最近の学校現場の修学旅行のニーズは、平和学習、農漁業体験、環境・自然学習、まちあるき等ですが、鹿児島県はそれに対応できる豊富なメニューが揃っており入込増の要因となっています。また、九州新幹線の全線開業による時間短縮効果も関西・中国地域からの誘客を可能にしています。

現在、熊本県、宮崎県、鹿児島県の三県で「南九州修学旅行誘致受入対策会議」を組織して、南九州への修学旅行誘致に努めています。三県全体での修学旅行の受入実績は、平成22年度187,571人となっています。

ちなみに長崎県は、433,710人、沖縄県は、426,163人で圧倒的に差を付けられており、今後三県の連携による誘致促進が求められています。

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ここ10年来首都圏、関西地域からの修学旅行の行先は沖縄が主ですが、九州方面では福岡~長崎~佐世保方面がメインのコースとなっています。長崎に行く理由としては、原爆に関する平和学習、ペーロン競争など海の体験、松浦、島原地区での民泊体験等が充実していることがあげられます。

また、永年に渡り、集約列車の運行や民泊の条件整備、市民を巻き込んだ「まちあるきボランティアガイド」育成等官民あげて修学旅行誘致に取り組んできたことが実績として表れています。

毎年東京、名古屋、大阪等で九州観光推進機構主催による「九州七県修学旅行誘致説明会」が開催されます。東京での説明会の終了後は、三県合同による教育旅行関係支店を訪問しPRと誘致に努めています。

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今後三県へ誘致するにあたっては、下記の点に配慮しながら誘致を強化する必要があります。まず首都圏のターゲットとしては、旅費と日程の関係で高校生が中心となり、輸送手段としては、航空機が主流となります。長崎は福岡空港を利用することで大量輸送が可能です。三県では往路と復路の発着地を変えるなど効率的なルート設定が可能です。

関西・中国地域からは九州新幹線が全線開業し、集約臨時列車の運行による時間短縮効果が顕著となり、高校、中学校とも誘致しやすくなりました。南九州三県ならではの教育ニーズにマッチしたメニュー提供や地域の特徴を活かしたコースを作ることが重要です。

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阿蘇地域でのホーストレッキング、天草での化石採掘、水俣の環境学習、人吉のラフティング、宮崎青島でのマリンスポーツ体験、霧島や桜島での火山・防災学習、垂水での漁業体験、鹿屋・知覧での平和学習、内之浦や種子島での宇宙基地見学、鹿児島市での歴史探訪と多彩なカリキュラムが提供できます。

今後は日修協や全修協の組織を活用して先生方に、三県の新たな魅力を直接見ていただく機会を提供しなければなりません。また、エージェントの新人の営業マンを対象に現地視察を積極的に勧める必要があります。

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ところで、経費や日程に制限のない学校に対しては、離島の屋久島や種子島、甑島等をお勧めします。世界自然遺産の屋久島は環境学習に、種子島にはロケット発射基地がありSSH校を、甑島は地形・地質など特徴があり地学の学習に最適です。 最近では、海の体験を望む学校が増えており、農業体験の後、砂浜での貝殻採集、砂像作り、海に沈む夕陽の見学などが都会の子ども達は喜びます。

先日開かれた「南九州修学旅行誘致受入会議」では、バスとガイドさん不足が指摘されました。単県での解決は難しく、運輸局、教育委員会、学校、エージェント等に対し、実施時期の平準化、JR輸送の拡大などの要望が出されました。三県で関係機関への陳情も必要です。

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特に県内の春の学生の修学旅行は、関西・中国地域からの入込時期と重なり、バス不足に拍車がかかっています。課題解決の一つが、JRの運賃、料金が半額となる鹿児島中央発の集約臨時列車を活用できる仕組みをつくりあげることです。このことが行先の選択肢を広げ、バス問題解決の糸口にもなります。

新幹線を活用した修学旅行の実施に向けて、教育委員会の理解を得るための粘り強いアプローチが重要です。各県にとっては、実施時期の平準化と安定的入りこみが最も求められています。

最後に教育旅行の利点は、一度に多くの生徒が動く団体旅行であり、又、好、不況に関係なく実施され、しかも2年前に決定することから経営的にも経済的効果も大きいと言えます。

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教育旅行の際に取り入れられる農業体験などのグリーンツーリズムの推進は、地域活性化にも繫がります。 宿泊、運輸、食事等の機関にとって、修学旅行の受入は経営の見通しが立てられるなど 安定した顧客といえます。今の時代に修学旅行に変わる大型団体は見つかりません。それほど重要な顧客です。

修学旅行は1887年(明治20年)に始まり、教育課程の中でずっと続いてきた伝統行事で日本独特の文化の一つです。これからも子供達の思い出づくりの場として、大切にされる時間であり、「温かいおもてなしの心」で迎える環境づくりが必要です。 各県の優位性を尊重し、また、不足するメニューは補完し合い、新しいメニューの開発、共同セールスの実施等で三県への修学旅行の誘致に努めたいものです。

修学旅行の専用列車の運行開始~かごしま流のおもてなしで仕向地としての定着を~

2013年4月22日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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新学期に入り、修学旅行のシーズン到来です。
鹿児島中央駅に、学生服に真新しい旅行バッグを抱えた集団が見られるようになりました。JR西日本とJR九州の協力のもと、関西地域からの新幹線の修学旅行専用列車の運行が間もなく始まります。


平成25年度は、25校、5,200名の中学生が初めて関西地域から集約臨時列車を利用して鹿児島を訪れます。集約臨時列車とは、学生団体専用の貸切新幹線のことで、時間も特別に設定した列車です。(一部定期列車の利用あり)

普通学生団体の場合、運賃は半額になりますが、特急料金の割引はありません。この列車の特徴は料金が半額になることです。九州新幹線が全線開通したことにより、時間短縮効果が図られ、関西からの行く先として鹿児島の魅力が増したと言えます。

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関西地域からの修学旅行の行先は、飛行機利用の沖縄や、博多までの新幹線を活用した西九州地域が主流です。時間短縮効果や集約臨時列車運行による料金軽減、体験メニューの豊富さ等が、行先の変更先として鹿児島への選択肢が増えたといえます。

最近の教育旅行のニーズは、名勝旧跡等の見学中心の旅行から農業・漁業などの自然体験、ものづくり、街を歩きながらの歴史の勉強、戦跡や史料館を通しての平和学習、ゴミ問題や水質汚染についての環境学習、地震・火山など災害への対応等さまざまであり、複数のカリキュラムを取り入れる学校が増えています。

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通常鹿児島中央駅に着くと、桜島での火山学習をして鹿児島市内や指宿温泉に宿泊し、翌日は昼から南さつま地域でのグリーンツーリズムと民泊の体験、翌日は知覧での平和学習と鹿児島市内でのまち歩き歴史探訪等複数のプログラムを組み入れた旅行が多くなっています。

桜島の自然の凄さ、初めて触れる土の感触、新鮮な食べ物、親に勝る心で接してくれた民泊先の人々の温かさに感激し、また来たいと涙を流す生徒もいると聞きます。

鹿児島を修学旅行先として選ぶ学校が増えているため、体験民泊地は南さつま地域から大隅、種子島地域へと広がりをみせています。九州新幹線の全線開業で、時間短縮効果と、集約臨時列車の運行で、27年以降も鹿児島方面へ行先を変える学校が増加するのではないかと期待されます。

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体験型教育旅行においては、大分県の安心院、長崎県の松浦や島原、小値賀、佐賀県の唐津が人気を博しています。鹿児島の優れた自然環境、歴史等を活かして他の地域との差別化を図り、新規需要の開拓が求められます。


そのためには、鹿児島ならではの体験メニューの提供、おもてなしの向上、また、受入側の安全面に対する意識を向上させ、体験学習における安全性を確保することが何よりも重要です。

昨年、旅行出発3日前に受入家庭が数軒変更になるという事態が発生し大きなクレームになりました。変更理由は、主人に業務が入って受入ができないということでした。 業務が入ることが想定されれば、最初から受入をしないことが相手に迷惑をかけないことになります。

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学校側は修学旅行の出発前から十分な時間をとり、受入地域の研究、民泊に対する準備や指導を行っており、受入地域や家庭が変わることは、事前研究の見直し、父兄への連絡、プリントの印刷変更と大変な業務を伴います。学生の受入に当たっては慎重な対応が求められます。

また、生徒の宿泊先は登録許可をもつ簡易宿所ではなく、一般の農家・漁家がほとんどです。料理はみんなで作るというのが絶対的なルールであり、保健所の指導により、手洗いの励行、生ものを出さない、火を通すなど保健衛生面での格段の配慮が必要です。

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また農業体験では、農機具などでの怪我や事故にあわないような格段の注意が必要です。都会の生徒の多くは、家での家族との会話が少なく、民泊先での温かい心のふれあいに 涙する生徒が多く、家族同様のおもてなしに感動します。


鹿児島県は、教育旅行のニーズに対応できる環境が九州のどの地域よりも揃っていると思います。そのためには、地域での人材の確保、学校現場が安心して生徒を宿泊できる環境にある簡易宿泊所の登録推進が求められます。

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長崎県の松浦地区は年間3万人の学生を受け入れていますが、90%以上が「簡易宿所営業の許可」を取得していますが、鹿児島では、約1000件の受入農家のうち10%程度です。ぜひ許可を取得して、学校側の信頼を確保して欲しいと思います。


25年度は、24,800人の民泊が予定されていますが、もう1泊は、温泉地や市内でのホテル宿泊がほとんどです。連携し新しい需要開拓で相乗効果をもたらす努力が必要です。

新幹線による集約臨時列車の運行は、永続的に顧客を確保する一番の安定策であり、鹿児島への教育旅行が増加することは、経済的効果も大きく大変ありがたいことです。 一方では鹿児島の学校と実施時期が重なります。貸切バスやガイドさんの確保が厳しくなっています。昨年の高速バス事故等でより安全なバスの運行態勢がもとめられています。

また、ガイドさんへの就職希望者が少なく、各社ともガイドさんの絶対数が足りません。 県内の学校は、2泊3日の行程で九州管内をバスで利用する修学旅行のため、シーズンのガイドさん不足は切実な問題となっています。

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県教育旅行受入対策協議会、鹿児島県観光連盟、鹿児島県バス協会で関係団体に、実施時期変更等の要請も行っています。学校行事を考えると大幅な変更は難しいのが現状です。 県外の学校は集約臨時列車の関係で2年前に実施時期が決定するのに対し、県内はほほ1年前に決定するのが通例となっており、計画の段階でバス不足が懸念されます。 このような状況が続くと教育的価値の高い修学旅行の実施が危ぶまれるため、何らかの打開策が必要です。

関西地区と同様に鹿児島中央駅発の集約臨時列車の設定を行い、現地で他県のバスを利用する方法も考えられます。また、オフ時期のバス、宿泊代等の軽減化で実施時期の変更も考えられます。関係する団体で協議会をつくり、諸問題の解決を図ることが求められています。

一度鹿児島を訪れた子供達は、成人したらまた来てくれるリピーターにもなります。温かいおもてなしで、子供達に大きな夢をもって帰ってもらいたいものです。 生徒さんたちに学生時代のよき思い出として残る修学旅行を提供できる場を提供していきたいものです。

グリーンツーリズムの受入で教育旅行のメッカに~屋久島との連携でオンリーワンの体験メニューを~

2013年4月1日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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平成25年度が今日からスタートとします。4月1日が月曜日ということでなにかと良い年の巡り合わせを感じます。 自治体や学校では新年度が始まりますが、新しい組織や新たなポストでのスタートの人にとっては、気の引き締まる年度始めではないかと思います。

         石ばしる
            たるみの上のさわらびの
                  萌えいづる春になりにけるかも
                         志貴 皇子~万葉集~

新学期になると、まもなく修学旅行も始まります。鹿児島県において民泊型教育旅行の受入は平成16年からであり、関東からの高校生が最初でした。

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特定非営利活動法人エコ・リンク・アソシエーションの調査によると、2校360名の受入が、25年度は67校、19,224人の取り扱いとなります。出水地域と与論島は独自の組織で受入を行っており、その数を合わせると93校、人員で24,800人になります。 受入農家は約1030軒(平成24年10月末現在)となり、一部の離島を除いて県下全域に広がっているのが他県との違いであり、今年から種子島での受入も始まります。

先日種子島で「グリーン・ツーリズムフォーラム」が開催され、熊毛支庁、西之表市、中種子町、南種子町、観光協会、受入農家等が参加して研修会を実施しました。南さつま市で「陽なたぼっこのよしおちゃん家」という民宿を経営している宮崎トミ枝さんから、受入の実情についての具体的説明がありました。受入前と帰るときの生徒さんの生活態度が大きく変わることについて、驚きや受入体制の責任の重さを感じました。

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種子島の本格的な受入は、26年度から始まりますが、1市2町の農家・漁家では定期的な研修会や先進地視察等を行って受入体制づくりの強化をはかっています。 26年には東京の著名な女子高校を受入する予定であり、これが試金石になると思います。

これからの課題としては、簡易宿所営業の許可を取得する農家・漁家を増やすことであり、それが他地域との差別化になります。取得には25,000円程度の経費がかかりますが、自治体の支援を含めて後押しが必要です。

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種子島は、本土最南端の佐多岬から南東約40Kmの位置にあり、鹿児島港から高速船で1時間45分と比較的本土に近い島です。日本で初めて鉄砲が伝わった地で、また、世界で一番美しいといわれるロケット基地があり、小中学校の社会の教科書には必ず掲載される島です。しかし県外の方には、どこにあるのか、どのような魅力があるのか、正確に答えられる人は少ないと思います。今後のPRが必要です。

行先として種子島という離島を選択していただいたからには、島ならではのオンリーワンの体験メニューとおもてなしを提供する必要があります。日本でいちばん早く収穫されるお米、糖度の高い安納芋、サトウキビ、レザーリーフファンなど豊富にあり、平坦な土地を活用し、グリーンツーリズムによる体験型教育旅行の誘致は最適と思います。

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島の東南端の海に囲まれたまばゆい景勝の地に、「種子島宇宙センター」があります。同敷地内にある「宇宙科学技術館」には、実物大のモデルやゲームなどを通して、宇宙開発におけるさまざまな分野を楽しみながら理解することができ、子供たちが宇宙に興味を持つことができる貴重な施設です。また発射場の近くまで行ける無料の見学バスがあり、大人も一緒に楽しめる場所です。子ども達に、いつか本番の打ち上げと、その迫力を体験させたいものです。特にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の誘致には最適な施設です。

また、島は遠浅のビーチが数多くあり、太平洋の荒波が打ち寄せる鉄浜海岸などは、絶好のポイントとなり、全国から多くのサーファーが集まり1年中楽しんでいます。農業体験の終了後、砂浜を素足で歩き、打ち上げられた漂流物や、貝殻を集めるなど海の体験は都会の子どもたちにとっては、貴重な体験です。

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千座(ちくら)の岩屋は、太平洋の荒波で削られてできた洞窟であり、千人が座れる広さがあることからその名前が付いています。白砂を踏みしめながら、近づくと潮の満ち引きで変化する洞窟が現れます。洞窟から太平洋に沈む夕日を見ると、生徒たちは感動に震えるのではないかと思います。生徒達にぜひ体験させたいメニューです。

西之表市内には赤尾木城址、日本初の火縄銃製造に成功した「種子島時堯公」の像、鉄砲の歴史が一目でわかる鉄砲館などがあります。また「月窓亭」は、大日本池坊総会頭職を務めた羽生道則などを輩出し、名だたる名家である羽生家の屋敷であり、明治以降においては、歴代種子島当主が居住するなどたいへん由緒ある建物であり、歴史の勉強に役立つのではないでしょうか。特に女子生徒には、生け花や茶道の体験場所としては最適です。

また、西之表港は種子島の玄関口であり、鹿児島、指宿、屋久島との高速船の発着港として恵まれた場所です。

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種子島への誘客には、「世界遺産の島・屋久島」との連携が不可欠です。それぞれの違った島の魅力を提供し、両島に宿泊させる取組が重要です。 佐世保市から定期船で3時間かかる小値賀島は、人口2700人の小さな島ですが、民泊を中心に年間修学旅行を10校受け入れており、島の活性化に大きく貢献しています。

24年度からスタートした錦江湾・離島航路修学旅行利用促進事業補助金制度もあります。九州新幹線全線開業による時間短縮効果が図られ近くなった種子島へ、グリーンツーリズムの魅力を活かし、教育旅行を誘致したいものです。

子供たちに故郷の良さを感じさせるために~南北600キロの魅力をいかに伝えるか~

2012年10月9日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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学校を卒業し県外に就職すると、なにかにつけて想い出されるのは故郷の懐かしい光景ではないでしょうか。日本各地で、山の風景はどこでも見られることですが、故郷の山となれば格別です。校歌に故郷の山河を取り入れた歌詞が多く見られますが、日本の四季の美しさは、歌人にも歌われています。

    ふるさとの 山に向かいて 言う事なし
                   ふるさとの山は ありがたき哉
                                 ~石川啄木~

    はてもなく 菜の花つづく 宵月夜
                   母が生まれし  国美しき
                                 ~与謝野晶子~

9月28日、霧島市の霧島、日当山中学校の生徒約250人が鹿児島大学の井村准教授や霧島ジオパークのガイドさんの案内で、昨年1月に大噴火した霧島連山・新燃岳の火口にたまった溶岩や変化した火口の様子を、韓国岳の山頂から見学しました。生徒さんたちは、今しか経験できない貴重な体験をしたと思います。きっと霧島市を離れても、今回の登山で確認した霧島連山の美しさ、新燃岳の変化、遠くに望む錦江湾や桜島の姿が脳裏に刻まれたことと思います。

昭和生まれの世代の方々は、小・中学校の遠足や修学旅行で高千穂峰登山の経験がある方が多いのではないでしょうか。子供の頃から地域のシンボル的な山に登ることは貴重な経験になると思います。

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また、垂水中央中学校の生徒さんが、県外の修学旅行で人気沸騰中の垂水漁港での給餌や加工を経験しましたが、地域の一大産業である水産業への理解を深める機会となり、県外の方々にも自らPRできる体験となりました。 地元にいると地元の良さが理解できず、子供のころから地域を知る機会を増やすことが大切と感じます。

ところで、観光による交流人口の拡大は、地域活性化の重要な方策の一つですが、鹿児島県は、南北600キロに及び、自然、温泉、歴史、食、離島の多さ等全国的に類のない魅力に富んだ県です。子ども達は、就職や大学入学等で県外へ出て行く人が多いため、それまでに郷土の魅力を知る機会を増やすことが重要となっています。

子ども達に体験させたい鹿児島の魅力を述べたいと思います。

まず自然の素晴らしさに触れる機会が大切です。
新幹線が到着しまず目に入るのが、爆発を繰り返す活火山桜島の雄姿です。観光客は時折噴煙を上げ、錦江湾に雄々しく鎮座する山に感嘆の声をあげます。対岸から見る鹿児島市街地も素晴らしく、ぜひ「よりみちクルーズ」に乗船し、下船後桜島を一周し島の魅力を体感して欲しいと思います。噴火している霧島新燃岳、硫黄島、口永良部島も同じく生きた教材です。

薩摩川内市の西にある甑島には、砂州が形成した美しい「なまこ池」や「トンボロ」の景観が見られ、その地形の成り立ちは地理の勉強にも最適です。島では中学校を卒業すると「旅立ち」の行事で見送り、成人式には一時島に戻り、中学時代に造った焼酎を飲むという楽しい盛大な伝統行事が残っています。故郷意識が高揚する行事です。

次に歴史の魅力です。鹿児島は多くの偉人を輩出し、日本の近代化実現に大きな役割を果たしました。早くから西洋の技術を導入し、集成館事業の偉業を成し遂げ、「殖産興業」の土台を築きました。

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また、郷中教育の精神から学ぶことが多くあります。出水兵児の教え、日新公のいろは歌など、今でも子供の精神修養になる教材です。薩摩藩英国留学生の残した資料を集めた史料館が、25年度に、英国に船出した「いちき串木野市」の羽島にオープンします。子ども達にぜひ見学させたい資料館です。

関ヶ原合戦での"島津の退き口"で知られる薩摩武士の心意気は、今では20kmを歩いて参拝する「妙円寺詣り」として、その敵中突破の伝統が引き継がれています。小・中学生時代に遠行にぜひ参加させたいものです。

文化面では、「吉井淳二」、「海老原喜之助」など郷土の有名な画家の作品が展示されている「鹿児島市立美術館」や、「霧島アートの森」、「上野原縄文の森」は、ゆっくり見学させたい施設です。また、みやまコンセールでは、毎年夏には「霧島国際音楽祭」が開催されており、国内外で有名な奏者の演奏を聴く機会を提供しなければなりません。

日本で初めて世界自然遺産に登録された屋久島は、貴重な植物の垂直分布が見られ、登山家の憧れの山です。島の子ども達は、在学中に宮之浦岳登山や自転車で屋久島一周のサイクリングをするなど島を知る体験を行っています。

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奄美大島は、手つかずの自然や貴重な生態系が見られることから、東洋のガラパゴスとして称されています。科学的分野では、「はやぶさ」が帰還した内之浦宇宙空間観測所や、世界で一番美しいロケット基地のある種子島宇宙センターは、宇宙科学に興味を持たせる絶好の施設です。

離島は大人になっても行く機会が少なく、「少年の船」や「スポーツ合宿」等の場所としても最適であり、小・中学生時代に行かせたい所です。

また、県内には先祖崇拝の精神が脈々と受け継がれており、奄美群島などは特にその心が色濃く今でも残っています。本土でもお墓に毎日生花を飾る習慣があり、南薩地域のお墓は観光客が訪ねるほどの名所となっています。命の大切さを教える意味でも、子供の頃から、墓参りをさせることは大切なことと思います。

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九州新幹線が全線開業し、県外観光客が増加していますが、観光客に手を振ったり、駅でお茶のサービスをするなど地域ぐるみの温かいおもてなしが話題となっています。おもてなしの心を小さい頃から身につけることは、人にやさしい心豊かな人材を育てます。子どもの頃から故郷の自然や歴史に接し、地域を知ることは郷土愛の構築にも役立ちます。

これからの鹿児島のためには、「郷土愛」を育む取組が必要と感じます。
①地域の自然、歴史、伝統文化を学ぶ機会をつくる。
②農業や漁業体験に親しみ、食糧の大切さや生物の真の姿を教える。
③南方文化、先祖崇拝、海の大切さを知り、離島の魅力を語る。
④近代産業の歴史、郷土料理、特産品など地元の産業・企業から学ぶ機会を増やす。
⑤郷土が生んだ偉人の足跡を学ぶ。
⑥おもてなしの心を小さい頃から身につける機会を提供する。
ことではないかと思います。

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最近の修学旅行は、県外のアミュズメント施設が主流となり、地元の良さを知る機会は、少なくなっています。せめて遠足や課外活動で故郷の良さを知る機会を子ども達に提供し、郷土を愛する心を育む取組が大切です。
世界情勢も緊迫しており、郷土愛の構築や日本を愛する心を育てることが今求められているのではないでしょうか。

筑紫地区連合中学校の修学旅行始まる~鹿児島が誇る学習素材で新しいターゲットの開拓を~

2012年9月18日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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鹿児島中央駅のコンコースに中学生の明るい声が響き、今年も秋の修学旅行シーズン到来です。5日には筑紫地区の先陣を切って、「春日野中学校」と「筑山中学校」の2校460名の生徒さんたちが到着しました。

鹿児島県教育旅行受入対策協議会では、鹿児島市の中央公園と宿泊先のホテルで歓迎セレモニーを今年も実施しました。11月まで全校の出迎えを実施します。

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筑紫地区は、昨年まで18校が鹿児島を旅行先に選んでいましたが、今年から5年ぶりに23校全校が来ることになり、生徒数は、4,600名にもなります。しかも県内に2泊することから、宿泊代、交通費、昼食、入場料、おみやげ代を含めると、一人当たり25,000円程度の消費額が想定され、経済効果も1億円を超します。

今後も継続的に鹿児島を行先として選定してもらうよう、今以上の努力が必要です。修学旅行の誘致は熾烈を極めており、常に新しい情報の提供、他県にまさるおもてなしの心を提供しなければなりません。

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また、集約列車活用による修学旅行は、学校側に経費的に大きなメリットがあり、今後もJRさんに積極的に輸送体系の充実を求めていかねばなりません。来年年5月から、関西地域からの連合体の輸送が始まります。

誘致の重点地域として、姫路市、岡山市、広島市、山口市、福岡市、久留米市や鳥栖市など新幹線沿線地域の中学校連合をターゲットに営業展開していく必要があります。

ところで、25年10月に奈良県からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校が、屋久島、種子島を訪れます。文部科学省では、将来の国際的な科学技術人材を育成することを目指し、理数教育に重点を置いた研究開発を行うSSH事業を、平成14年から実施しています。これまでの既存校を含め、平成24年度のSSHの学校数は計178校となります。

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SSHの指定を受けた学校は、科学技術振興機構が活動に必要な支援を実施しています。 修学旅行のカリキュラムは、屋久島での縄文杉登山や白谷雲水峡見学による自然環境学習、種子島ではJAXA種子島宇宙センターの施設見学が入っています。

特に種子島の宇宙センターの見学は、ロケットの発射予定日等が明確でないため、どこまで見学できるか現在の時点では解りませんが、県、熊毛支庁、種子島観光協会、JAXAと連携しながら、学校の要望に応えていきたいと思います。

ロケット施設が見学できるのは、本県の内之浦と種子島だけで他県にはありません。 これらのロケット施設は、SSH誘致には最高の売りとなる地域資源です。今後の試金石となる修学旅行と捉えています。

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離島では、甑島も教育旅行の誘致先としてはおもしろいと思います。特に上甑島の砂州や陸繫島、下甑島の断崖などは地学や地理の勉強には最適です。離島は交通費が高く誘致のハンディがありますが、最高の教材を提供することで、その目的を達成する手助けになると考えます。

日本独特の学校行事の一つである修学旅行は、春と秋の2シーズンに集中していますが、昨年3月の九州新幹線全線開業により、今年は例年になく年間を通して修学旅行の予約が入っています。今まで九州の他の地域に行っていた学校が、時間短縮効果で鹿児島に行先を変えています。

学校は定期的に行先を変える傾向があり、それはマンネリを防ぎ、新しいデスティネーションを求めていることや、教育課程の変更等が大きな要因です。その際、目新しい施設のオープンやアクセスが整備されると行先変更がし易くなります。

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これからの鹿児島の売りとしては、農業県鹿児島を全面に出し、県内全域での「農業体験と民泊」、ブリ、カンパチ、クロマグロ養殖生産量日本一を誇る漁業の「えさやり体験」、明治維新の舞台を巡る鹿児島市での「歴史学習」、知覧や鹿屋での「平和学習」、桜島や霧島での火山・防災に関する「自然学習」、世界自然遺産屋久島での「環境学習」、種子島や内之浦での先端技術を知る「科学学習」、亜熱帯の島で、5感を使って生命の息吹を感じ、地球環境を大切にする心を育てる「生態系学習」などどれをとっても、他県に負けないカリキュラムになっています。

最近では、クラスごとの選択メニューや複数のカリキュラムを取り入れる学校が増えています。学校のニーズに合うユニークな体験メニューの提供、また、受入側の安全面に対する意識を向上させ、体験学習における安全性を確保することも求められています。

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農家民泊が増加していますが、都会の生徒さんの多くは、家庭での両親との会話が少なく、民泊先での農家の方々との温かい心のふれあいに涙する生徒が多く、子供達の情操教育にも役立っているのではと感じます。

鹿児島でのもう1泊は、市内や温泉地でのホテル宿泊がほとんどです。農家民泊と既存の宿泊施設との摩擦が懸念されますが、新しい需要開拓という視点に立ち、「競争」と「協調」の姿勢が相乗効果をもたらすと思います。

最後に、受入施設も大変苦労を重ねていることを理解していただきたい。到着すると、非常口の説明や貴重品を預かり、夜の見回りと息付くが暇がないほど24時間安全面に配慮しています。また、翌朝には生徒が持参した水筒にお茶を入れる作業が待っています。水筒を洗い、中に入れる作業は早朝から始まり大変な重労働です。人数が多い学校は300名近くになり、しかも無料になっているのが実情です。

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生徒さんは宿泊施設でほとんど買い物もする機会が少なく、宿泊施設としても、せめて飲み物1本でも買っていただければというのが本音ではないでしょうか。旅行エージェントの方も何とかご協力を願えればと思います。


修学旅行は学生にとって、一生の思い出になる行事です。1963年にヒットした「修学旅行」という歌をご存知の方は多いと思います。皆様も修学旅行に想いを廻らせてください。

                   「修学旅行」
            作詞:丘 灯至夫 作曲:遠藤 実

      二度とかえらぬ  思い出乗せて クラス友達 肩よせあえば
      ベルが鳴る鳴る  プラットホーム ラララ・・・・・・・・
      汽車は行く    汽車は行く はるばると はるばると
      若い僕らの修学旅行

      地図を広げて   夢見た町を 僕のカメラで 撮した君を
      想い出すだろ   いつまでも ラララ・・・・・・・・
      汽車は行く    汽車は行くひとすじに ひとすじに
      若い僕らの修学旅行
                      以下3番に続く

            *1963年8月 舟木一夫の2番目の曲として発売

九州農業白書から見る ~鹿児島の農・水産業を活かす取組~

2011年7月17日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

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2011年度九州食料・農業・農村情勢報告書(九州農業白書)が、公表されました。 白書によると、九州7県で農家民宿を営む経営体(許可を取得している施設)は、2010年時点で309を数え、5年前から約2.7倍に増加し、農産物の直売所は約1.3倍、農家レストランは約1.5倍にそれぞれ増加しています。そして、受入対象は従来の一般の個人客から、学生を中心とした教育旅行の団体客に移りつつあります。


一般消費者と農家民宿実践者へのアンケートも実施しており、「余暇(休日)を過ごす場所(訪れる場所)としての農山漁村の魅力」については、9割の人が魅力を感じていますが、「余暇を過ごす目的での農山漁村訪問の経験」は6割にとどまっており、行きたいけれども意外と行く機会に恵まれていない人が多いことがあげられます。

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また、「農山漁村を訪れる主な目的」では、「直売所での買物」と「自然や美しい景観を楽しむ」が8割近くになっていますが、「農家民宿などでの宿泊」、「農林漁業の体験」は、1割にとどまっており、実際の体験者が少ないことも指摘しています。


農山漁村を訪れた時に困ったことは、「交通機関が充実していなくて不便」や「予約するのが大変」、「予想とイメージが違う」ことなどをあげており、情報発信の在り方が問われています。機会があれば農山漁村に行き、直売所での買い物もしたいという潜在的需要が高くなっているのは事実です。一方では、情報発信や都市と農村との交流を仲立ちするコーディネーターの確保が求められています。

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初めて農業体験する人の中には、植え付けをした後の日々の管理は農家に委託し、収穫作業を楽しみにするなどレジャー感覚で取り組んでいる人もいます。 また、地域によっては、宿泊施設と連携し宿泊した翌日に農業体験のメニューを設け、採れたての食材で昼食を提供したり、地元産品を購入できる機会をつくるなどの取組を行っている地域もあります。

若い頃農業を経験した県民が多く、あらためて農家に泊まる需要は限られると判断しており、県内の人に対しては、日帰体験が得策と考えます。都市圏の人に対しては農家民泊がお勧めです。それを可能にするため地域の自然、歴史、温泉、食、特産品、伝統文化等'地域力'のアップが不可欠であり、滞在して飽きない場所になることが求められます。

今、農業に関心を持つ人が増え、産地直売の安全・安心の食材を求める背景には、次のような点があげられます。BSE問題、牛肉偽装事件、中国産の食品に農薬の混入、鳥インフルエンザ、口蹄疫、東日本大震災が発生し福島原発による放射能汚染など食にかかわる事件が頻発していることが、食の安全性に対する意識の高さに表れています。

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今、旅の途中に気軽に立ち寄れる「道の駅」が注目されていますが、道の駅の食材は、生産者の顔が見えることが購買者の心を捉えており、作り手の熱意が感じられ一層親近感を覚えるのではと感じます。顧客は、最初はツアー等で店の存在を知り、その後日常の顧客になっている場合が多くなっています。

一方、スーパーでは、規格外の食材は販売されず、今までほとんど廃棄処分でしたが、道の駅では売られており、農家の生産意欲向上にもつながっています。

「道の駅」の中でも、レストランと農産物直売所の両方を兼ね備えている店舗が人気で、店舗周辺の川や田畑を活用することで景観に配慮し、観光客が立ち寄りたくなる雰囲気づくりに努めています。特産品を加工した調味料なども販売することで、地域色を出し販売に繋げている店舗や、定期的なメニューの入れ替えに、農家の意見を反映させるなど、地域全体に波及効果をもたらす取組を展開している店もあります。

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現在、県内には農産物直売所が170店舗あり、地域、店舗の競争も激しくなっています。(24年2月1日現在)顧客に選ばれる店舗になるためには、地域を感じるこだわり商品の開発、旬な情報の発信、一番採りでオンリーワンの農産物の提供などが人を惹きつけます。「地域のブランド力構築」、「コンセプトの認知度」を高めることが重要であり、そのことがリピート客の拡大に繫がります。

ところで、旅行形態が団体旅行から個人旅行に加速する中で、学校現場のニーズは、「ふれあい・本物体験」であり、農漁業体験と民泊が教育旅行の主流となってきています。 県内では民泊を受け入れる家庭が900軒を超え九州一であり、しかも県内全域に広がっているのが特徴です。

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垂水漁港での「漁業体験」は、他県に同様な環境施設が少なく、鹿児島への誘客の大きな柱となっています。教育旅行は、「一度に多くの生徒が動く」、「予約が遅くても1年前」、「平日に動く」、「取消が少なく継続する」ことなど、前広な計画が立てやすく、受け入れ家庭のメリットも大きいことです。

鹿児島県は全国第4位の農業県で、気候が温暖で1年中どこかで農産物が収穫され、体験メニューの豊富さ、受入家庭のおもてなし等他県に負けない環境が揃っています。

九州新幹線全線開業で時間短縮効果もあり、関西・中国地域からの誘客がより可能となっています。平成23年度には、県外から1万1千人を超える学生の民泊の実績があり、24年度は1万3千人で、25年度はさらに予約者が増加しています。農業・漁業の生産現場での様々な体験学習が、鹿児島への教育旅行の定着につながります。

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最後に、鹿児島市の喜入町に今年の秋農業公園が開設され、レストランが併設されます。教育旅行も大いに誘致して欲しいと思います。鹿児島市民60万人も応援団となり、産品の定期購入者となることで持続的な運営が可能となります。
観光と農業が連携することで、農村と都市の交流の機会が活発となり、活力ある地域づくりの一翼を担うことができるのではないでしょうか。

参考:九州農業白書:かごしまの農産物直売所ガイドブック

2011年を振り返る

2011年12月26日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫英光

今年も残り1週間となりました。話題の多かった2011年を振り返ってみたいと思います。

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今年鹿児島の最大の話題は、九州新幹線の全線開業でした。
九州新幹線の整備計画決定から38年、3月12日6時58分、N700系の新型車両「みずほ600号」は、満員の乗客を乗せ、新大阪に向けて出発しました。

鹿児島県は九州の最南端に位置し何かにつけて不利性をかこっていましたが、「鹿児島中央駅」が新幹線最南の終着駅になることから、開業前から大きな話題となっていました。

しかし、開業日前日に東日本大震災が発生し、スタートは厳しい状況でしたが、県内の観光地では4月の後半から動きが活発となり、11月まで前年を大きく上回る観光客が訪れています。 関西や中国地域からの伸びが顕著であり、鹿児島が初めての方が多いのではないかと思います。

地区別では、離島や大隅地域は十分ではありませんが、特に指宿地域は、「指宿のたまて箱」効果もあり、大河ドラマ「篤姫」が放映された平成20年を超える数字となっています。 新燃岳噴火や東日本大震災の影響から完全に回復基調にあると言えます。今後も誘客のため官民一体となった取組が求められます。

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1月に新燃岳が噴火し、霧島温泉地区は、夏頃まで大きな影響が残りました。メディアがトップニュースで連日放映し、風評被害を打ち消すため、県や観光連盟では大都市圏のエージェントや、福岡、鹿児島のメディア等を訪問し、霧島温泉地域の正常な姿も報道していただくよう要請を行いました。

今後の噴火に備えて、県、関係自治体、連盟等連携を密にし、迅速な報道等への対応が必要と感じています。

九州新幹線全線開業の最大のイベントである第28回全国都市緑化かごしまフェア「花かごしま2011」は、66日間の会期中に、目標の80万人を上回る約96万人が訪れました。

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今回の「花かごしま2011」では、多くの県民がこのイベントに参画し、特に各エリアの会場や街角にさまざまな花壇が設置され、観光客だけでなく地域住民も花に対する興味をいっそう抱いたと思います。今後花作りに興味を持つ人が増え、花壇や垣根に花が咲き誇る場所が増えることが期待されており、そのことで地域は魅力が確実にアップします。 


学生を中心とした農家民泊も順調に伸びています。民泊は、2004年が360名でしたが、今年は約10,000人の受入となり、修学旅行の仕向地として鹿児島の人気が高まっています。県内では受入可能な家庭は、現在2町12市におよび、782家庭にもなっており、県全体に広がっていることがあげられます。

ところで、民泊について提起されているのがコンプライアンスです。現在の受入家庭のほとんどが、旅館業法で定められた「簡易宿泊所営業の許可」を取っていないということです。一旦問題が起こると厳しい対応が求められます。法的な対応を着実に進めていくことがこれから一番重要な事です。

教育旅行の誘致にとって、鹿児島には大きな朗報がありました。JR西日本とJR九州による修学旅行専用列車の設定がなされることとなり、25年度関西地域から25校5,200名の新たな需要開拓ができました。これからも学校のニーズに応えるべく体験メニューづくりが欠かせません。

修学旅行は、行先を決定すると数年続くのが普通であり、地域全体の学校が同調することもあり、安定的顧客にもなります。修学旅行は、一度に多くの生徒が動き、不況時でも実施され、取消しがなく、受入機関にとっては経営の見通しが立てられるなど安定した顧客といえます。これからも誘致に力を注ぎたいと思います。

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毎年着実に伸びているスポーツキャンプ・合宿を誘致すべく、10月には大阪、京都で誘致のためのセミナーを開催しました。県内の14の自治体が参加し、2日間で関西地区の20大学から52団体119名の参加がありました。


学生のスポーツ合宿は、プロに比べて宿泊施設や運動施設の条件が厳しくなく、十分に運動ができる環境が整っていることが大切であり、大隅地域などはもっと伸ばせる条件がそろっていると思います。

熊本・宮崎・鹿児島の3県とJRグループ6社では10月1日から12月末まで、デスティネーションキャンペーン(DC)を展開しています。3県が誇る「温泉」、「自然」、「観光列車」、「伝統」、「美味」等の観光素材が前面に出て、PR効果も高まり、新幹線を利用して全国から多くの観光客が訪れています。

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また、JR九州は来年3月末日まで、DCと連動して「列車でめぐる極情の旅 南九州キャンペーン」も展開しており、温かい南九州に途切れることなく多くの観光客が訪れるものと思われます。

新幹線の開業に合わせて、各自治体がバスを走らせるなど2次交通の整備が進み、開業効果を広げる取組が進んでいます。「あいらびゅー号」、「新幹線リレーバス」、「ちらんシャトルライナー」、「鹿児島市内まち巡りバス」、「ディスカバリーIBUSUKI号」、「霧島連山周遊バス」等です。

桜島にも新しいバス路線が誕生しました。「サクラジマ アイランドビュー」です。桜島に渡ってからの2次交通が課題となっていただけに、観光客にとっては、「よりみちクルーズ」を組み合わせることで、海からと陸上から見る桜島の景観が違った印象として残ると思います。

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また、2010年3月から休止していた山川~根占航路が1年5か月ぶりに再開しました。大隅半島への観光が便利となりました。誘客対策として、大隅地域レンタカー無料プランの事業もスタートしました。

アクセスに恵まれない大隅半島にとってもっとPRして、地域の活性化に繋げて欲しいと思います。

ところで、今年一番苦戦したのが外国人の誘客です。年初は順調に伸びていましたが、東日本大震災と原発事故で状況は一変し、日本全体としてインバウンドの回復は見られません。
10月に、香港、広州、深セン地域でエージェントへの営業活動を展開しましたが、各社は、円高で日本のランドフィーが上がっており、九州新幹線のインバウンド料金の適用拡大や、「かごしま水族館」など中国人が関心の高い入場施設料金を特別に割り引いて欲しいという要望がありました。また、ショッピングができる場所の紹介や案内業務の充実も挙げていました。
ほとんどの旅行商品の1日当たりの滞在費は、かなり厳しい条件が課せられており、現状の旅行商品は、安値志向がかなり強いのが事実です。

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魅力ある鹿児島の観光への期待は高く、中国の富裕層をはじめとして東名阪などゴールデンルートに向かっている人たちを誘客するためには、各旅行社との信頼関係づくりがまず重要だと感じています。今後国内旅行の伸びが期待できない中で、外国人特にアジアからの誘客は重要になってきます。

JNTOの調査によると、外国人観光客の訪日動機は、自然景観、ショッピング、温泉となっており、鹿児島はそれに十分対応できます。

3月25日から中華航空が、週3便就航することになりました。ソウル、上海、台北と定期便が3路線となり、東アジアに向けた新たな展開が可能となりました。鹿児島は、南に開かれた国際空港として、福岡空港や九州新幹線と結び大きな飛躍が期待されます。県民も大いに利用し、物流の促進も図られるものと思います。

ところで、宿泊施設、運輸機関、入場施設、お土産品店、飲食店は、新幹線の開業特需で潤っていますが、観光客からは多くのクレームが寄せられているのも事実です。 「接遇が事務的で笑顔がない」、「電話で問い合わせたが冷たく断られた」、「質問しても答えがない」、「近くまで乗ろうとしたら断られた」、「中央駅西口の混雑がひどい」等です。
これではリピーターになるどころか、鹿児島の悪評が口コミで広がっていきます。各企業のトップの方々も、自らのこととして改善して欲しいものです。

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「おもてなしセミナー」を県内各地で開催していますが、研修に参加するだけに終わらせるのではなく、現場で「おもてなしの心」を定着させなければ意味がありません。観光施設の評価は、最終的には人(従業員)の評価だと思います。


新幹線の開業効果は、来年のGW頃までは続くものと想定しており、その後が正念場です。離島や北薩、南薩、大隅地域への新たな商品企画と首都圏や瀬戸内海沿線での販売促進が重要であり、「篤姫」放映後の二の舞にならないよう努力したいものです。

県民の方々が、霧島、鹿児島市、指宿、屋久島等のメインな観光地だけでなく、それぞれの地域の魅力を語ることで開業効果を広め、持続的に観光客が訪れる「観光立県鹿児島」になるものと思います。地域を想う人をいかに増やすかが大切です。

最後に今年も毎週コラムを配信できました。ありがとうございました。
来年は1月4日からスタートします。良いお年をお迎えください。

グリーンツーリズムの体験が子供たちを変える

                            

2009年3月23日  

 

農家民泊の受入をコーディネートしている「エコリンク」代表の下津公一郎氏の調査によると、21年度で南さつま地域には、5000人を超える民泊の予約が入っています。

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  ここ数年鹿児島でもグリーンツーリズムの受入の機運が高まってきました。現在関東、関西地区からの高校生、中学生が主体で、日程は1泊2日の滞在となっています。到着日の午後から農業体験を行い、夕食を全員で作り、翌日は午前中別メニューの農業体験を行い、昼食後農家に別れを告げて近隣の観光地に移動します。

 

受入家庭は初対面時には、大人顔負けのお化粧や学生に似つかわぬ髪の色や髪型に驚きを隠せないそうです。不安がよぎる中で受け入れますが、芋ほりや野菜の収穫作業などを体験するうちに、生徒たちは打ち解け、土の中から掘り起こす農産物の自然の姿に感動し、時間を忘れて農家の方と一緒に過ごします。  生まれて初めて畑の土に触れたり、落花生が木になっていると思っていた子もいたり、驚きの連続だそうです。夜の食事時間になると、自分たちが収穫した農産物を共同で料理し、食卓を囲みながら農家の皆さんと団欒し、時間が立つのも忘れて語り明かすことも多いとのことです。  

 
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 都会の生徒にとって農家での生活は生まれて初めての体験でもあり、自然の恵みの偉大さに触れる機会となります。また農家の人々との語らいに親近感を覚え、都会の生活では味わえない温かい人の心と人間性に触れることで、子供がもつ本来の純朴さが表に出てきます。

 わずか1泊2日の体験ですが、別れる時生徒たちは涙を流し抱き合って別れを惜しむと言います。24時間の農家での滞在がこれほどまでに生徒の心を動かすことに、受入農家の方々も共感を覚え最初の心配事を忘れて、また次の生徒たちを受け入れようという気持ちが高ぶってくると言っておられるそうです。生徒たちが農業に関心を持つ機会になるだけでなく、農家の人にとっても励みになります。グリーンツーリズムの体験は比較的農家の閑散期に実施されており、しかも経済的効果もあり、農業の置かれている状況を考えると、地域活性化の一つになると思います。

 

今農村は、後継者不足と高齢化が進み農業を断念する家が増加しています。限界集落が増え空き家が目立ち、田畑の荒廃も進んでいます。しかしここにきて農業の見直しの機運が高まってきました。外国産の食糧への農薬の混入、食の偽装など食への安全・安心が問われています。
 
 また、世界的に食料危機が叫ばれる中で、日本の食糧の自給率は40%を割り込んでおり、食糧確保の議論も高まってきました。農業を続けていくためには、農家の安定的な食糧の供給と収入確保が無ければなりません。しかし生産農家は高齢化しており、若者が農業に従事するためには、魅力ある農業にしていかねばなりません。

 
 
今県ではグリーンツーリズムにおける民泊のガイドラインを作成しました。農家民泊の受入の手法や保健衛生上の問題点を指導することで、定着に向けた環境づくりに役立つと思います。今年から「こども農山漁村交流プロジェクト」がスタートします。全国の小学校5年生が、農山漁村で1週間程度の体験をすることになっています。農林水産省と総務省、文部科学省の3省が進める事業ですが、各地域での受入態勢の整備が急がれます。グリーンツーリズムの実践を通して子供たちの情操教育に役立ち、また、少しでも農家の活性化につながる事業になることを期待します。

プロフィール

奈良迫プロデューサー
鹿児島県
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奈良迫 英光
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