トップページプロデューサーズコラム ≫ 10の提言

プロデューサーズコラム

「10の提言」

其田秀樹・鹿児島県観光プロデューサーが平成17年12月27日、「観光かごしま」に対する「10の提言」をまとめ、伊藤祐一郎県知事に提言書を提出しました。同年9月の就任以来、3ヶ月余りにわたって県内各地を回った感想などをもとにした最初の"リポート〟です。「提言以外のコメント」もあわせて全文を掲載、紹介いたします。  

1.観光地の魅力は「人」の面白さ。まず自分を売り込め
観光(サービス)は人。リピートするか否かはそこに住む人の魅力に尽きる。「他県に勝る観光資源」の甘い言葉に安寧していないか。一過性の観光地とならない為には鹿児島県人が持っているはずの豊かな包容力をもっと現場で活かす必要がある。
今のサービスに心が篭もっているか、マニュアル型サービスではいずこも同じ。これに鹿児島の土地柄、人柄の魅力=アナログ型サービスを加味することが必要。サービス前線に立つ人は物を売る前に自分をどう上手に売り込むかの意識が必要。
 

2.「今日の1泊、この一食」に全力投球。一期一重を大切に
今日は一泊、この一食に真剣勝負で臨んでいるか。現場に緊張感が足りない。CSマネジメント(顧客満足)とこれに連動した現場指導(OJT)の強化が必要。お客様との御縁は一期一会、御満足を頂けない宿は地域全体のイメージダウン。
 

3.固有の資源は西郷・桜島のみ。違いを生み出す意識と努力を!
温泉、焼酎は鹿児島固有の観光資源と勘違いしていないか。常時他県との競合下にあるという認識が足りない。固有の焼酎は西郷さん、桜島のみ。それ以外は他県でも持っている。プレミア焼酎ブームは焼酎のバブル現象、長くは続かない。団塊世代は量より質重視。遠いを生み出す意識と努力が必要。
 

鹿児島らしい「地産『智』消」の推進を!

食事は素材と加工のコラボレーション。今の鹿児島の食はいい素材を活かしきれていない。値段だけが一流となっているのは不思議な現象。また南北600kmの鹿児島での『地産地消』は鹿児島県での採れた産物を鹿児島で食するという概念では広すぎる。採れた場所で、最も新鮮なものを、一番美味い形で食べさせるという概念の方が鹿児島には適している。
今の料理はいい食材を使いながらも鹿児島らしい食べ方(昔からの知恵に学ぶ)になっていない。『地産地消』は『地産智消』でなくてはいけない。これからはディスカバリー
ジャパンからノスタルジックジャパンに変わる。どこでも見られる食べ方より鹿児島ではこう食べるというものがあっていい。それが鹿児島の特性であり鹿児島型スローフードでもある。

 

5.鹿児島型「農泊型民泊」を模索しよう!

一部他県でも実施の農泊型民泊を模索する。グリーンツーリズムに名を借りた安直な
農泊ではいけない。従来のホスト、ゲストの明確な区分に基づいた施設ではなく、1日
1組を原則に、親戚の帰省のように気取らす、温かく迎え、一緒に食事し、寝転がって
語らい、ノスタルジックジャパンの世界に身を置き、楽しめる民泊を確立することは
真に鹿児島ファン、リピーターを創ることになる。農家、商家、漁家いずれもこの
タイプの簡易宿泊は可能。必ずしも農作業、漁業を体験する必要は無い。地域の特性を十分に共有し、地域としての農泊のミニマムスタンダードをつくり、関係諸法(旅館業法、食品衛生法、消防法、建築基準法)の鹿児島型規制緩和と連動した動きとすることが望ましい。鹿児島では吾平での試みもなされているが自立するには至っていない。個々の施設が個性を発揮することでマーケットでの存在感、認知度をアップし、口コミにより会員を確保する点が他の宿泊施設とは大きく異なる。先行する安心院、小国をベースに鹿児島バージョンを模索する。

 

well-being」を知事のトップセールスで!

11月13日~16日の大韓航空就航15周年韓国訪問の際の現地旅行各社との意見交換会を通じて韓国マーケットへの売り込みをwell-being(健康)という切り口が効果的と判断。
現状のゴルフ誘客も包括でき、天然砂風呂、温泉、山歩き、ビーチとマリンスポーツ、
焼酎、タラソ施設なども含めて訴えることが可能。
更に以前実施のソウルでのライトアップパネルより知事のハングルでの直接的なテレビラジオでの訴えが最も効果的であると感じる。鹿児島は鹿児島単独としてアピールしなければ誰も売ってくれない。これに加え推進機構の九州全域の観光誘致活動がある。従来にはない手法で、他県に先んじ、2011年を見据えて是非知事のテレビCMでの直接アピールで訴えたい。特に夏対策が重要なことから春~夏バージョンと秋~冬バージョンの2本を作成することとし、18年度に予算処置をお願いしたい。15秒程度が適当か。

 

7.2-WAYチャーター助成で中国訪日団体像を目指せ!

海外、なかでも中国は日本への渡航ビザの解禁もあり団体型旅行需要は今後とも高まる。他県による海外誘致策の中で特に中国については2-WAYチャーターなどへの支援策(中国からの訪日団体の航空機を日本側が使うことで航空運賃を安くし、相互にメリッター運航先として敬遠されている。これを18年度から他県並みの支援制度を設けることにより訪日団体の受注を高め、併せて鹿児島県民の中国方面渡航の利便性を高めたい。1機当たり50万円程度、年間10本程度を想定。

 

8.「鹿児島新観光百選十四の秋」で魅力再発見!

霧島、指宿、鹿児島市を中心とした観光拠点は当面変わらないもののいまだ一般観光客の目に触れない隠れた素材が鹿児島にはたくさんある。たとえば海峡アジという素晴らしい素材のある長島の石で固めた棚田と浮かぶ帆船の海峡越しに見える牛深の町、またいまだ観光化されていない徳之島のカジュアルの大樹林などは今後必ず脚光を浴びるものと確信。
これからの素材を含めた新観光百選を選択し個人型旅行の素材提供は大いに意味あると考える。同じ素材でも季節により異なる。従来の通年型百選ではなくどの季節に見れば一番見ごたえあるかという視点でも選択すべきかと考える。鹿児島新観光百選一四季の旅では何処か。

 

9.「スポーツランド・かごしま」の確立を!

スポーツランドとしての鹿児島のイメージアップは今後重要。特にロッテのキャンプ地と
して必ず注目が集まるのは間違いない。現状の歓迎式典をもっと拡大し、代表選手とのふれあいを活発化し、県民の意識向上を図ることは野球だけでなく他のプロスポーツに繋がる。
鹿児島市内の関連施設の充実に加え奄美、徳之島などスポーツキャンプ受け入れ先として先行する値域に■いても環境整備に県としての支援は必要。

 

10.観光連盟、県の体制の整備

●すでに9月29日の商工観光労働委員会の席上でも申し上げたが鹿児島県観光連盟について観光案内をその業務の一部とするものの、所在が分りにくく、3階という場所は入り口が暗く、県外からの観光客への情報発信基地としては不適切。所内も狭く、更衣キャビネットは、まだしも、パンフレット棚を暗いエレベーター前に設置している状況はお粗末の一言。またお客さまや業者の方々との打合せスペースも不十分。平成18年度できるだけすみやかに移転すべき。場所はアクセスの点からも1階とし、交流センター現産業会館、より天文館に近い物件の中から選択すべき。

●観光という幅広い分野を対象とする部門は政策立案箇所としての行政組織と実働部隊である観光連盟は同じ場所にあるべきだと考える。シンガポール政府観光局、タイ政府官公庁を見ても兼務するトップの大臣を除き政策・実働部隊は一体で動いている。国と県での違いもあるが九州内でも佐賀県、長崎県は合体型。あるべき姿は観光課、交流課、PR課に農林、水産のスタッフも加えた形の観光・交流局であり、これに実働部隊である連盟が合体(同じ場所で働くということ)したもの。県全域を対象とした誘致を考えた場合コンベンションビューローについても合体が好ましい。人の移動がツーリズムという観点からすれば、表面の形態の違いだけをもって別組織にすることは無駄ではないか。

●現在、組織については広報部が国内誘致、企画部が海外及び教育旅行誘致を業務としている。外の人間からは極めて分かりにくい名称となっていることから業務内容と組織名称をもっと近づける必要性。総務部に加え、国内は国内誘致部、海外は海外誘致部としこれにプロデューサーの提言を具体化したり、県及び観光連盟のHPの改善をも範疇とした商品開発部を併設する形が好ましいのではないか。要員は部長プラス2名。教育旅行は国内、海外で分担することで支障なし。

●業務の大半が県からの委託事業という性格から、県を向いて業務になりがち。本来組織会員からの会費にて運営されていることに鑑み、従来の紙情報に加え、メーリングリストなどを活用した会員への情報発信を早急に強化したい。

 



今回の提言については鹿児島赴任3ヶ月でのものであり、実踏経験もまだ少ないことから、
極めて限定された範囲でのコメントとなることをお許し頂きたい。

copyright © 2007 鹿児島県観光連盟. All Righte Reserved