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瀬戸内町の発展を願って

2009年2月16日


  瀬戸内1 瀬戸内町で開かれた「全国に売り込め!瀬戸内町の特産品と観光!」のシンポジウムに参加しました。
瀬戸内町は、鹿児島から南へ約380kmの洋上に浮かぶ奄美大島本島の南部に位置し、大島海峡をはさんで加計呂麻島、請島、与路島の有人三島を含む、総面積239平方キロに及ぶ広大な行政区を有しています。人口は約1万人で、昨年は75人が出生し150人が亡くなるなど減少を続けており、1万人を割り込むのも時間の問題です。

 房町長はこのままでは町は寂れ、どんどん過疎化が進むと捉え、交流人口の増大による町の活性化に取り組んでいます。今回のシンポジウムは、中小企業庁の「平成20年度地域資源∽全国展開プロジェクト調査研究事業」の公募案件であり、町の特産品の販売促進と観光振興が主なテーマでした。

 瀬戸内町は、奄美大島の空の玄関である奄美空港から1時間40分、海の玄関名瀬港から1時間10分かかり、アクセスはけっして恵まれているとはいえません。鹿児島から瀬戸内町の玄関古仁屋港に入る定期船は週5便ありますが、途中に寄港するため入港は10時過ぎとなります。昨年大型クルーズ船が入港できるバースが完成し、今後の大型船誘致に大きな期待がかかります。島の自然と良好な港をセールスポイントに、積極的な働きかけを行いたいものです。

 今後の瀬戸内町の観光振興について考えてみたいと 瀬戸内2 思います。町は四囲を温かい黒潮に恵まれ、海岸線は典型的なリアス式海岸となり、水深の深い入江が水産業に適した場所となっています。その入江を活用したクロマグロの養殖は日本一であり、成長したマグロを冷凍にして出荷していますが、その生態に注目し、東京の六つの大学がその研究に取り組んでいます。ゼミの研究テーマとすることで多くの学生や研究家が来島し、町が活性化することを期待しています。
 マグロにえさをやる体験やマグロの料理メニューを開発するなど、島に来ていることを体感することこそ観光客が求めているものであり、誘客にもつながります。
 また、解体で不要となった内臓を、醤油に利用する研究も行われており、それの実用化ができれば島の特産品として売り出すことが可能になり、経済効果も大きいと思います。

 島の主要農業生産物として、サトウキビがあげられます。そのサトウキビを加工して作られる「黒糖」と「きび酢」が今注目されています。製糖に回される前の黒糖は、100%自然のものであり、甘みが濃くまさに瀬戸内の自然が与えてくれた恵みの一品と思います。
 また絞り汁を四年間発酵して作られるきび酢も、味が良くて稀少価値もあり、東京の一流デパートで注目を浴びている製品です。シンポジウムにパネラーとして参加された奄美長寿研究家の武昭一氏(県議会議員)から、黒糖ときび酢に含まれる成分が健康に大変良いとのデータが示されました。これからメディア等を通してもっとPRすることが、需要拡大につながると思います。

 加計呂麻島の佐知克にある「西田製糖工場」では、サトウキビからの黒糖、きび酢作りが昔からの手作りの製法で行われており、工程を観光客も見学できます。工場の目の前には、美しい海と砂浜が広がっており、ガジュマルの木陰で、できたての黒砂糖をかじりながらお茶を飲むのも旅の至福の時間です。
 
 瀬戸内町の有名人として、「わだつみの木」の空前の大ヒットで一躍島を、そして神秘的な裏声を使った歌唱法で奄美島唄を印象づけた歌姫、元ちとせがいます。彼女は、美しい山と海に囲まれた嘉徳という集落の出身です。
 彼女の出身である島で「島唄ウィーク」と名付けたイベントを1週間程度開催するのも、観光客の滞在につながると思います。島内外から参加者を募り、コンテストや野外ライブを開くことで多くの若者が来島し、また島の知名度も上がると思います。
 
 房町長は、町を変えるためには役場の職員がまず変わらなければならないと、檄をとばしています。職員が早朝に町中のゴミ拾いをしたり、挨拶の励行が定着するなど、町が少しずつ動き出していると語っていました。
 今、地域間競争は、熾烈を極めています。まさに地域総力戦の様相を呈しています。その意味で町長自らが動き、職員をひっぱっているところに展望は明るいと感じました。瀬戸内町が必ずや活性化していくことを信じてやみません。

観光タクシーの利用客を増やすために

2009年2月9日 

    
 鹿児島個人タクシー事業協働組合の研修会に講師として参加しました。研修会の目的は、乗務員のマナーの向上と顧客管理の手法、新幹線全線開業に向けた新しい観光コースの勉強会でした。

砂むし  タクシー利用による観光は、昭和47年頃から53年頃までがピークで、それを支えていたのがハネムーン客でした。南九州がその中心であり大安の翌日は、鹿児島空港にはタクシーが列を成し、観光タクシーが足りないほどでした。また、霧島や指宿のホテルでは全室がハネムーン客という日もありました。

 しかしその後タクシーによる観光は年毎に減り続け、今ではハネムーンの客はほとんど見られなくなりました。タクシー観光が激減した背景には2つの理由があると考えています。1つには利用客の大半を占めていたハネムーン客が、現在では行先が海外にシフトしていることです。2つ目はレンタカーの利用が増えタクシーが敬遠されていることです。レンタカーは、空港だけでなく駅、ホテル、市中にも拠点が増えいつでも利用で 龍馬 き、しかも乗り捨てが自由にでき、利便性があります。

 2年後に九州新幹線が全線開業し、観光客の増加が期待されています。鹿児島中央駅を基点に、観光客が県内各地を巡ることが予想され、また博多から1時間20分となり日帰り観光客が増加すると思います。昭和50年代前後に南九州を訪れたハネムーン客は200万組ほどあり、その世代は定年退職の時期にもなり、思い出旅行として再度南九州を訪れてほしいという期待もあります。一方来年のNHK大河ドラマは「龍馬伝」と決まっています。坂本龍馬とおりょうは、新婚旅行の地として霧島温泉を訪れており、それが日本最初のハネムーンと言われています。坂本龍馬役を演じる福山雅治の人気にあやかり、鹿児島へ新婚客が来ることが期待されます。このような状況を考えてぜひもう一度、ハネムーンの地として売り出していく必要があります。

 タクシー利用による観光客を増やすためには、まず乗務員のマナー向上が上げられます。 挨拶の励行、身だしなみ、ドアの開け閉めなど最低限のマナー徹底と地域の歴史、文化、食など地域情報を知ることも大切です。タクシーという狭い空間の中で、お客様を退屈させないことが求められます。個人タクシー業界では、乗務員のレベルアップ対策として、三つ星運動が進められています。一定のレベルに達したドライバーの車には、三つ星のマークが外に付いています。東京のホテルでは、三つ星のマークが付いた車が、優先的に玄関に横付けできるところもあります。優良運転手の称号である三つ星の個人タクシーの存在を、業界内部だけの価値にとどまらず、ぜひ一般市民にもPRすることで利用頻度を高めることができると思います。
また、個人タクシーのステイタスを上げることが、他のタクシーにも波及し業界の発展にももつながると考えます。

 高齢化社会を迎え今後タクシーの利用価値も変わると考えます。一人暮らしの高齢者が多くなり、病院への送り迎えや、日用品の買出しなど利便性を前面に出し、顔の見える関係づくりが必要になってきました。観光客だけでなく日常生活の中で個人タクシーが支持され、利用増につながることを期待したいと思います。

元気な女性、がんばろう男性―人生80年代を生きる―

2009年2月2日

                                                       
 日曜日の8時に県民をテレビの前に釘付けにした、NHKの大河ドラマ「篤姫」が終了しました。年間視聴率は、24.5%で、30.5%を獲得した96年の「秀吉」以来の人気を集め、鹿児島地区では最終回は、43.1%となり、地元での関心の高さがうかがえました。またドラマの影響で歴史に対して興味を持ち、郷土を誇りに思う人が増え、県民を元気にしてくれた番組でもありました。
 
 なぜこれほどまでに支持を得たのかを考えてみると、「篤姫」のひたむきな生き方が、多くの女性の支持を得たことがあげられます。また日本人が忘れかけていた「家族の愛」が描かれており、ホームドラマ風の演出とあわせて、解りやすいストーリーが、フアンを増やしたと思います。テレビの前で母と娘が談笑していた家庭が多かったと思います。やはり女性がブームをつくったといっても過言ではありません。

 ところで仕事がら研修会に講師として呼ばれる機会が多いので、中高年の方が参加している席で必ず質問することがあります。「退職後に誰(妻または夫、子供、友人)と旅行したいですか」と。
 男性の8割は妻と行きたいと手を挙げ、女性は子供(娘)、友人と続き、ご主人との旅行を希望するのは30%にも達しません。男性が妻への依存度が高いのに、女性の方が意外と夫との旅行を敬遠する傾向があります。理由を聞くと「夫と旅行に行っても楽しくない。朝は早く起きるし、昼間のショッピングの時間も退屈そうで家にいるときと何も変わらない」という答えが返ってきます。やはり非日常性を求める妻との認識のずれが、男性にはあるように感じます。
 
 観光業界で定期的に消費者の意識調査をしていますが、55歳を過ぎると男性は妻と、女性は友人達との旅を楽しむ傾向がでています。旅行先の決定にあたっても女性が主導権を握っています。
 ある女性情報誌の調査によると、妻が夫の定年後に困ることとして、自分の生活のリズムが壊れること、趣味やショッピングができなくなること、友人との交流が減ることなどをあげています。夫に望むことは、自炊ができるようになること、打ち込める趣味を持つこと、社会参加すること(仕事・ボランティアなど)などをあげています。現職時代同様家庭にいる時間を少なくすることを望んでいます。昔CMにありました。「亭主元気で留守がいい」と。
  
 男性は長年にわたって企業戦士として粉骨砕身働き、退職後はゆっくりしたいと思っている方が多いと思いますが、厳しい現実が待っています。年を重ねると男性は家にこもりがちになり、妻を頼りがちになりますが、女性は子育ても終わり、自己実現のための積極的な行動が多くなり、自分の趣味や友人との交流に楽しみを求めていきます。妻が出かけると「どこに行くのか、俺の昼飯はどうなっているのか」と愚痴をこぼす夫が多いと聞きます。

 ところで日本の平均寿命は、男性が約80歳、女性が85歳となり世界有数の長寿国となりました。定年後も約20年あります。それぞれが趣味や友人を持ち、家庭以外での楽しみを持ち続けることも大切と思います。またボランティア活動に積極的に参加し、長年の経験を生かし地域のためにつくすことで、生き甲斐づくりにもつながります。好奇心旺盛な方には一人旅をお勧めします。今女性の一人参加のツアーが好評です。
 日本は急激な高齢化社会が進み、年金問題や介護保険などさまざまなひずみがでています。元気でいることがなによりです。女性は元気です。男性の皆さん、がんばろうではありませんか。

市民が育てた2大イベント

 2009年1月25日

 北国では大雪注意が出される中、この時期薩摩半島の開聞山麓周辺や池田湖畔は、菜の花が満開となり、黄色い絨毯を敷き詰めたように鮮やかな景観が広がっています。
今年も南薩路に春を告げる「第28回いぶすき菜の花マラソン」が、大会史上最大の1万7千人の参加を得て、また、「第17回いぶすき菜の花マーチ」が、1万2百人の参加者で盛大に開催されました。2つの大会は全国でも指折りのマラソンとウオーキングの大会です。

  この2つの大会が、これほどまでに大きく成長した 菜の花 要因がいくつかあります。2つの大会のスタート時期は違いますが、その成長の軌跡は似通っています。まず大会のスタート時は、県外からの参加者はほとんどなく集客に苦労し、参加人数を確保するため観光関係者やその家族、市の職員を動員したとのことです。大会を重ねるごとにスポンサーの確保やメディアの露出も増え、全国的にその名が知られるようになり参加者が1万人を超え、全国屈指の大会に成長しました。

 2つめは大会の主役は市民であり、推進母体も民間が中心に構成されていることです。イベントを開催するとなると、官に頼りがちになりますが、観光関連業者を中心にホテルの従業員やボランティアの団体が、大会スポンサーの旗や標識を立て、交通整理するなど大会の運営にあたっています。大会1週間前は、ホテルの関係者は自分の職場をかえりみず大会の準備にあたっています。マラソンにおいては、制限時間が過ぎても、最終ランナーが到着するまでゴールあけて待っており参加者は感激するとのことです。

 3つめは沿道での市民のボランティア活動が、大会を支えていることです。特産のサツマイモやキャラメル、お茶などを提供しており、そのおもてなしの心は日本一と参加者から称えられており、そのことが口コミで広がり参加者増につながっています。昨年は大河ドラマ「篤姫」の人気で、今和泉地区にある篤姫の関連施設には、多くの観光客が押し寄せました。近くにある今和泉小学校の子供達の観光客に対する礼儀正しさが話題になりました。やはりこの2つのイベントで示されたおもてなしの心が、子供達にも伝わっていると思います。

白水館  4つめは、各ホテルの協力態勢が確立していることです。日頃から「オーナー会」や女将さんの集まりである「華の会」の結束の堅さには定評のある地域ですが、終了後ホテルの風呂を解放し参加者に疲れを癒してもらっています。参加者の多くがリピーターとなるのもこのような温かいおもてなしがあるからだと思います。

 5つ目は海外からの参加者が増加していることです。特にマラソンは韓国からの参加者の伸びが顕著です。現在インバウンドは、旅行費用が為替レートに大きく影響を受け、観光客が激減しているのが実情です。しかしスポーツ大会となるとその影響は少なく、しかも国際親善にも役立つと考えます。今後とも定期便のある上海、香港の方々にもPRし参加者の増加を図っていくこと重要です。

 今世界的な不況を受けて日本経済も先行き不透明感が浸透し、消費が低迷しており、温泉地もかなりのダメージを受けています。指宿温泉は、観光経済新聞社の人気のある温泉地の、第3位にランクされています。今後も二大イベントで培われたおもてなしの心を前面に出し、「観光いぶすき」をPRして誘客に努めてほしいものです。

産業観光への取組強化を

2009年1月19日
                

   1月12日みなみホールで、「九州・山口の近代化産業遺産群」について理解を深め、今後の世界遺産登録に向けた道筋を探るとともに、地域の機運醸成を図るためのシンポジウムが開催され、国内外の専門家による講演やパネルディスカッションが、行われました。
 
 昨年12月に世界遺産暫定一覧表への追加決定を受 尚古集成館 けたのは、鹿児島県では「旧集成館」、「旧集成館機械工場」、「新波止砲台跡」、「旧鹿児島紡績所技師館」の4カ所です。
 パネラーと出席された4人の方々は、いずれも世界における産業遺産の権威でありますが、薩摩の近代化遺産についてのその価値の高さを認めていらっしゃいました。4つの遺産について、広範囲に及ぶ遺産の特徴や短期間に産業の育成や社会基盤の整備を図り、近代国家への礎を築いた意義を強調していました。しかし近代化事業が世界に果たした役割や一連の歴史ストーリーをもっと検証すべきとの指摘もありました。    
 島津斉彬が磯地域で進めた集成館事業の偉大さを学ぶとともに、今後世界遺産への登録をめざして、地元での盛り上がりをつくっていくことが大切と思います。
 
 ところで最近産業観光が注目を浴びるようになってきました。産業は我々の生活を支えており、身近なところにあります。昨年の11月には、全国商工会議所の観光振興大会が鹿児島で開催され、観光の意義について議論が交わされました。産業を観光素材と捉え、観光客誘致につなげる取組みを強化していく必要があります。県内に目を転じると産業遺産としては、上記の磯地区の近代化遺産を始め、「大口曽木発電所遺構」、「串木野の金山蔵」、などがあります。
 又、昔の伝統を引き継ぎ鹿児島の産業としてしっかりと根付いているのもあります。サツマイモを原料としてできる焼酎は、伝統の技と経験を積んだ「杜氏」の技術者達が受けつぎ製造されており、その工場見学は県内各地ででき、その地域に根ざした味は、観光客に喜ばれます。又、最近の健康志向ブームにのり、鹿児島の黒酢が注目を浴びています。霧島市の福山地区では、江戸時代からの伝統的製法で造られており、米麹・蒸し米・地下水のみを原料に、野天に並ぶ数万の壺で自然発酵する姿は、自然の力と向き合ってきた古の知恵を感じ、観光客が感嘆の声を上げます。
 
大島紬  他にも身近に見学できる場所として、薩摩揚げ、薩摩焼、屋久杉、お茶、菓子、漬物、竹細工の工場など、鹿児島県産の物を使って製品を作っている現場を目のあたりにできます。
 奄美大島特産の本場大島紬は、泥染めの工程から織り子さんの手作業まで身近に観察できますが、その緻密な工程には驚かされます。実際の物づくりに触れることが、商品の確かさを確認でき販売にもつながっていきます。
 
 かつての修学旅行は、必ず鉄鋼や自動車、電機、食品、機械の工場見学などが行程に組み込まれていましたが、今では「USJ」や「TDL」に変わっています。戦後物づくりの技術を大切にし、優秀な製品をつくり輸出していた日本は、生産工場が海外に移り技術大国日本の存在が薄くなりつつあると感じます。もう一度日本の技術を見直したいものです。
今、商工会議所を中心に産業観光の機運が高まっています。150年前に島津斉彬が興した集成館事業はまさに日本の近代化のスタートだったと思います。 
 世界遺産登録への運動と合わせて、産業観光の取組みを強化することで新たな需要を開拓し鹿児島への観光客誘致につなげたいと考えます。
                              参考資料「集成館事業150年」尚古集成館作成
                                  鹿児島の「産業観光」鹿児島商工会議所