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2008年7月28日
「観光まごころ県民運動」は、観光客を温かく親切に迎え、良質のサービスを提供することにより、鹿児島を訪れる多くの観光客が、再び訪れたいと思うような観光かごしまづくりを進めるために始められた県民運動です。
その目標は1つには、シンポジウムの開催や、優れたおもてなしをした人を表彰をするなどして、県民のホスピタリティの醸成を図るものです。2つ目は、まごころワッペンの着用を通して、観光従事者等の資質向上を進めるものです。3つ目は、観光地の美化運動の推進や表彰を行うことにより、きれいな観光地づくりを目指すものです。
先日2つの会社のタクシーに乗る機会があり、運転手にこの運動についての会社の取り組みを聞いてみました。A社の運転手は次のように答えました。「1回社長名で運動の主旨を書いた書面を渡され、中身はサービスを良くするようにとのことで、あまり詳しく覚えていない」という返事でした。B社の運転手は「毎日朝礼で、接客のマナーを朗読し、まごころ運動の主旨を徹底している。」との答えでした。2社の会社でも取り組みに大きな差があります。当然運転手さんたちにも、サービスに対する考え方が態度として現れるのは目に見えています。
観光課では、従来の取り組みに加えて「観光まごころ体験だより」を料金受取人払化して、より投稿しやすくします。また、観光客を温かく親切に迎える宣言的内容のステッカーをタクシーに掲示するとともに、旅館・ホテル・観光施設等の観光まごころ体験設置箱を更新することにしています。
この運動は県民1人1人が内容を理解して、実行しなければマナーは向上しません。いま、国内旅行はどの地域も苦戦しています。少子高齢化が急速に進む中で、交流人口を増やし、地域活性化の方策として観光振興を掲げている自治体が90%を超えています。地域間競争は熾烈をきわめており、まさに地域総力戦で取り組まないといけません。ホスピタリティの醸成は「観光立県鹿児島の確立」のためには、当然のことです。
今年秋には「ねんリンピック」が開催され、全国から延べで50万人が参加します。来年には今世紀最大の「皆既日食」が鹿児島で観測され、世界から40万人の人が来ると予想されています。鹿児島を訪れる人々を温かく向かえることで、観光客がその思い出をPRしていただくことが次に繋がります。
旅行の目的は、歴史的遺産や景観のすばらしさ、温泉、名物料理等を堪能することが楽しみのひとつです。しかし旅先から帰ったとき一番こころに残ることは、「旅先で受けた運転手の心遣い」、「宿泊先でのおもてなしの良さ」、「観光地で親切に道を教えてくれた地域住民」です。県全体に「観光まごころ県民運動」が定着することで、観光客を持続的に迎える体制ができると判断します。それぞれの事業所、地域で今以上に取り組まれることを期待します。
2008年7月22日
鹿児島空港から1時間あまり、コバルトブルーの海が一段と美しくなるころ、白い機体は、緑がまぶしい芝生の中の滑走路に、滑るように着陸する。
降り立った奄美空港は、四季の草花が咲き乱れ、いつも観光客を和ませ旅のスタートを歓迎してくれる。それは、地域の人々が定期的に花を植え替えるなどの努力をしており、温かさが随所に感じられる日本一の空港である。
あまみの観光は今では、飛行機が主流になっているけれども、昭和40年代は離島ブームに乗り、全国から多くの若者が島々を訪れた。鹿児島の港を出る1500トンクラスの船のデッキまで毎日人があふれていた。
今また、あまみが注目されている。100歳以上長寿者の比率が全国及び本県の平均に比べて格段に高い地域であり「長寿の島」だからである。
その長寿を支える要因として、「居住環境」「生活習慣」「生きがい・幸福感」などの生活文化と食文化が注目されている。県では14年度から「あまみ長寿・子宝プロジェクト」に取り組んでいる。
その目的は、少子高齢化社会のモデルとなる地域を構築するとともに、あまみ地域の特性を生かした自立を促し、住民による長寿・子宝のまちづくりを群島全域に波及させ、豊かな住民生活の実現をめざしている。
まちづくりの促進にあたっては、核となる人材の輩出、地域おこしグループの拡大、健康づくりの取組の拡大、伝統文化継承活動の浸透などを上げている。
それを実現するには、産業振興が欠かせない。長寿食材の生産の拡大や特産品の開発、長寿食材を提供する飲食店の拡大、ブランド化のための販売促進モデルの作成などが求められている。
また、あまみが「長寿・健康・癒しの島」として、最適地であることを全国に情報発信し、認知度を高める必要がある。また、「地域資源を活用した体験プログラムの作成」による着地型観光の推進や「ヘルスツーリズムの実践」を通してあまみの優位性を高めることが、観光客誘致に繋がると考えている。長寿者の家庭を訪ねて、食を共にしたり語らうことで遠来の観光客は感激する。また、平成16年からは事業の一環として「しまコンシェルジェ育成講座」が展開され100名を越す島の案内人が誕生している。これらの人材を島の観光にどのように活用していくかが問われている。
あまみは今、「世界自然遺産」の候補地のひとつにあげられている。世界遺産登録に向けては環境を守る取組みや、住民への啓蒙を地道に続けることも大事である。
あまみは沖縄と違って、手付かずの多くの自然が残っている。観光にとって必要なことは、「地域」と「観光客」と「自然」が共生できることである。その意味であまみは、ポテンシャルの高い地域であると信じてやまない。
参考資料 ―あまみ長寿・子宝プロジェクト推進協議会ー 保健福祉部作成
2008年7月14日
団塊の世代が大量に退職する時代を迎えて、都会から田舎に移住したり、2地域居住を望む人たちが増えてきました。
先日「かごしま移住セミナーin東京」が開催され、参加者に対して基調講演を行う機会に恵まれました。今、都会の人々が田舎での定住を希望する背景には、次のようなニーズが考えられます。
一つにはスローライフ、スローフードに形容されるように、静かな環境のもとで、本物の食の追及、健康の増進などを図りながら第二の活躍の場を求めている人が
増えていることがあげられます。
二つめには、高度成長期に都会に出てきた人たちが、退職の時期を迎え、都会の雑踏をのがれて、かつて育ったふるさとのすばらしさを見直し、Uターンし故郷に住居を移す人が増えていることも大きな要因です。
また、季節や週末だけ帰ってきて田舎暮らしを楽しむ、二地域居住者も少しづつ増加しています。
一方、受け入れ強化を積極的に推進しなければならない自治体の現状もあります。
地方は、少子高齢化による人口の減少、地域の活力の低下、限界集落の増加による地域コミニティの崩壊など多くの課題があります。また、市町村合併により学校の統廃合も進み、旧来の地域の良さが失われたことから、卒業生仲間の交流を増やすことにより活力を取り戻したいという動きもあります。
都会からの移住を増やすために、鹿児島の温暖な気候、第二位の農業県が生み出す多彩な農産物、豊かな海がもたらす魚介類、庶民的な県民性など都会にない魅力を積極的にPRすることが重要です。
また、海外や離島を含めた鹿児島空港の利便性、文化施設の充実、多い医療施設などハード部門の充実の宣伝も欠かせません。
鹿児島に移住するにあたって、土地や住宅の安価な提供、団塊世代の生きがいづくりとして活躍の場を提供することも必要です。
初めて鹿児島に住む人にとって、言葉の壁や地域コミニティへの参加など障害もあります。住民参加活動へのむりな強制や、共生・協働は弾力的に運用すべきと考えます。
これからも鹿児島の魅力ある情報を幅広く発信し、定住、二地域居住を促進しなければなりません。各市町村は、積極的に受け皿づくりに努力することが活性化に繋がると思います。
2008年7月7日
「我が胸の 燃ゆる思いにくらべれば 煙はうすし 桜島山」
この歌は、筑前(現在の福岡県)の勤王志士・平野国臣の作です。自分の思いを、錦江湾に煙をはいて雄大にそびえる桜島と対比させ、その強さを表現しています。
桜島は鹿児島の観光のシンボルであり、城山の展望台に立つと目の前にその雄姿が真っ先に飛び込んできます。
桜島はこれまで、幾多の噴火を繰り返し、大正3年の大爆発の時には流れ出した溶岩流で、大隅半島と陸続きになりました。
桜島は、梅崎春生の同名の小説に取り上げられています。また林芙美子の「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」の文学碑がある古里温泉は、彼女の母が育ったところです。
ところで、桜島について県内の人は、その位置関係はよく解りますが、県外の観光客は鹿児島を訪れてはじめて、鹿児島市から近いことや、しかも時々噴煙を上げる活火山の麓に人々が住んでいることに驚きます。
いま「篤姫」ブームで市内の関連施設は多くの観光客が訪れていますが、定期観光バスの乗車人員をみると、桜島まで足を伸ばす人は多くありません。やはり桜島の魅力が十分にPRされていないのではないかと考えています。対岸の鹿児島市と湾をはさんで、袴腰地区の賑わいをどのように創出し、渡りたくなる地域にするかが課題です。
また、湯平展望台から見る鹿児島市の夜景は一級品です。週末にナイトバスを運行し、その感激を味わってほしいと思います。
桜島には、噴火がもたらす火山灰にもめげず「桜島だいこん」や「世界一小さい桜島ミカン」が育ちます。収穫体験を観光として売り出すのも、観光客を増やす方法です。
「NPO法人桜島ミュージアム」(福島理事長)では、桜島の観光のあり方を中心としたまちづくりに取り組んでおり、成果が期待されています。
噴火活動を続けている山の姿は生きた教材であり、しかも住民が近くで共生しており、観光素材としては、世界に類のないものです。
桜島は天気の良い日は、7回その姿が変わると言われます。鹿児島市民は、借景としてその姿を毎日見ていると、感動を覚えないと思います。もし桜島がなければ、鹿児島市は味気ない街になるかも知れません。桜島のすばらしさを多くの県外客にPRするためにも、1年に数回は対岸に渡り、その魅力を体感してはいかがでしょうか。