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2008年9月1日
鹿児島大学で開催された「かごしまルネッサンスアカデミー」の受講生の終了課題発表会に出席しました。この事業は、平成18年度から文部科学省より、鹿児島大学が受託した人材育成プログラムです。今回大学より健康管理文化コースで学ぶ2期生の成果の講評を依頼されました。
このコースは、鹿児島の食を中心とした魅力を発信することを通して地域を再生していくことを目的としたコースで、飲食業、観光従事者、退職者や主婦など幅広い年齢層の方が受講しています。
特に興味を持ったのは、チーム名が「かごしまプロジェクトX‘」で、4人の女性が取り組んでいる「おじゃったもんせ薩摩郡山」の発表でした。取組の趣旨は郡山の魅力を広く発信し、多くの人が何度も訪れたくなる地域になり、地域内外の人々との交流を通して、郡山地域が活性化することを目指しています。
チームは、持続可能な観光には「楽しさ」が必要であり、
また異なる感性や価値観を持った人たちでも「良識を共有する」ことでもっと密度の濃いコミュニケーションができ、そのことが持続可能な観光に繋がると考え、この2つのキーワードをもとに体験交流ツアーを実施しました。彼女たちは実施に当たり、自分たちがまず地元の方々となじみになることが重要と考え、昔の民家やお寺の住職を訪ね地域を知ることに努め、また棚田での農業体験に参加し住民との交流をするなど、本番の下地づくりを行っています。このような事前の取組をすることで、本番のツアーがスムーズに展開できたと考えます。
実証による分析・評価は次のようになっています。まず地元住
民は他地域から人々が来ることを歓迎しており、今後も地域活性化のためには自然、農業、歴史を活かした交流が必要と感じています。交流は自分が変わり、地域が変わり、みんなが変わるとしています。
今後リピーターを増やして行くためには、なじみの店でのおいしい食事、催物の実施、なじみの人とのふれあい、温泉の活用などが必要だと分析しています。また、季節に応じた企画やコミュニケーションの時間を取るなどして郡山フアンを増やし、地元の人々との顔の見える交流をすることで輪が広がるとし、人間関係の構築が基本であると提案しています。
信頼関係ができると定期的に訪問者が増え、農産物の購入にもつながり、地域経済に対する貢献も大きくなります。郡山は市内中心部から30分の距離です。旬の情報を伝達することが交流人口の拡大を可能にします。
観光地づくりは、訪れる人と住む人がともに楽しく感じる「訪れて良し、住んで良し」の地域づくりです。人口の高齢化と少子化は、地域の活力を少しづつ失わせています。行政に頼るだけでなく、まず地域の取り組が大事です。また地域資源の活用は、一過性のものではなく継続した循環型の市場の創出が必要です。
地域活性化に取り組む団体が、県内でも多くなってきましたが、女性だけによる取組はまだ少ないと思います。その意味で今回の事業に取り組んでいる篠原さん、小野さん、松元さん、幸福さんの4名グループの一生懸命な活動に拍手を送るとともに、今後の活動に期待したいと思います。