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産業観光への取組強化を

2009年1月19日
                

   1月12日みなみホールで、「九州・山口の近代化産業遺産群」について理解を深め、今後の世界遺産登録に向けた道筋を探るとともに、地域の機運醸成を図るためのシンポジウムが開催され、国内外の専門家による講演やパネルディスカッションが、行われました。
 
 昨年12月に世界遺産暫定一覧表への追加決定を受 尚古集成館 けたのは、鹿児島県では「旧集成館」、「旧集成館機械工場」、「新波止砲台跡」、「旧鹿児島紡績所技師館」の4カ所です。
 パネラーと出席された4人の方々は、いずれも世界における産業遺産の権威でありますが、薩摩の近代化遺産についてのその価値の高さを認めていらっしゃいました。4つの遺産について、広範囲に及ぶ遺産の特徴や短期間に産業の育成や社会基盤の整備を図り、近代国家への礎を築いた意義を強調していました。しかし近代化事業が世界に果たした役割や一連の歴史ストーリーをもっと検証すべきとの指摘もありました。    
 島津斉彬が磯地域で進めた集成館事業の偉大さを学ぶとともに、今後世界遺産への登録をめざして、地元での盛り上がりをつくっていくことが大切と思います。
 
 ところで最近産業観光が注目を浴びるようになってきました。産業は我々の生活を支えており、身近なところにあります。昨年の11月には、全国商工会議所の観光振興大会が鹿児島で開催され、観光の意義について議論が交わされました。産業を観光素材と捉え、観光客誘致につなげる取組みを強化していく必要があります。県内に目を転じると産業遺産としては、上記の磯地区の近代化遺産を始め、「大口曽木発電所遺構」、「串木野の金山蔵」、などがあります。
 又、昔の伝統を引き継ぎ鹿児島の産業としてしっかりと根付いているのもあります。サツマイモを原料としてできる焼酎は、伝統の技と経験を積んだ「杜氏」の技術者達が受けつぎ製造されており、その工場見学は県内各地ででき、その地域に根ざした味は、観光客に喜ばれます。又、最近の健康志向ブームにのり、鹿児島の黒酢が注目を浴びています。霧島市の福山地区では、江戸時代からの伝統的製法で造られており、米麹・蒸し米・地下水のみを原料に、野天に並ぶ数万の壺で自然発酵する姿は、自然の力と向き合ってきた古の知恵を感じ、観光客が感嘆の声を上げます。
 
大島紬  他にも身近に見学できる場所として、薩摩揚げ、薩摩焼、屋久杉、お茶、菓子、漬物、竹細工の工場など、鹿児島県産の物を使って製品を作っている現場を目のあたりにできます。
 奄美大島特産の本場大島紬は、泥染めの工程から織り子さんの手作業まで身近に観察できますが、その緻密な工程には驚かされます。実際の物づくりに触れることが、商品の確かさを確認でき販売にもつながっていきます。
 
 かつての修学旅行は、必ず鉄鋼や自動車、電機、食品、機械の工場見学などが行程に組み込まれていましたが、今では「USJ」や「TDL」に変わっています。戦後物づくりの技術を大切にし、優秀な製品をつくり輸出していた日本は、生産工場が海外に移り技術大国日本の存在が薄くなりつつあると感じます。もう一度日本の技術を見直したいものです。
今、商工会議所を中心に産業観光の機運が高まっています。150年前に島津斉彬が興した集成館事業はまさに日本の近代化のスタートだったと思います。 
 世界遺産登録への運動と合わせて、産業観光の取組みを強化することで新たな需要を開拓し鹿児島への観光客誘致につなげたいと考えます。
                              参考資料「集成館事業150年」尚古集成館作成
                                  鹿児島の「産業観光」鹿児島商工会議所