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2009.1.5
アメリカの金融危機を受けた深刻な消費不振と急激な円高が、日本経済を直撃しています。自動車、電機、鉄鋼など日本の基幹産業にも影響が顕著となり、減産や人員削減、業績の下方修正が相次ぎ、先行きが懸念されています。
昨年の鹿児島の観光は、大河ドラマ「篤姫」の放映効果や「ねんりんピック」等の開催により、他の地域より比較的好調に推移しました。しかしながら10月ごろから円高等の影響を受けて訪日旅行に大きな影響がでており、冬場の鹿児島の売りであった「ゴルフツアー」は、前年の5分の1程度の集客で激減しています。また、鹿児島と定期便で結ばれているソウル、上海、香港便の搭乗率は軒並みダウンしています。これから消費不況は、国内旅行にも波及するのは必至です。
この状況を我々は看過するわけにはいかず、早急に対策を立てていく必要があります。まず訪日旅行では、海外エージェントへの広告やランド費用の支援、航空会社への運賃の値下げ交渉を行うとともに、県民への海外旅行促進のPRを行うことにより、定期便の利用率アップを図ることが必要と考えています。このまま国際路線の低迷が続けば路線の休止に繋がりかねなく、格段の努力が求められています。また、国内旅行においては「篤姫」に続く歴史物語として「島津斉彬生誕200年」、「磯地区の近代化産業遺産の世界遺産暫定リスト入り」、「肥薩線開業100周年」
等を題材にして、誘客・宣伝を展開していきますが、そのスピードを早めて、次の展開を準備していかねばならないと考えています。旅行エージェントの鹿児島への商品企画は、3月分までは発表されていますが、今後4月以降の商品に活かす素材を提供していきたいと思います。4月25日から肥薩線にSLが走ります。100周年を迎える肥薩線の沿線の魅力を、商品造成に組み込んでいただくセールスを実施していきます。
一方、今までは県外観光客の誘致に主力を注いできましたが、こういう厳しいときには、足元を見つめ、県内の魅力を再発見してPRし、域内観光を進める良い機会と捉えて需要を喚起する施策を推進することも大切です。篤姫効果で顕著に表れたのが、県内の日帰り観光客でした。イベントや祭りの動員を主催者は県外に求める傾向がありますが、県民は意外と県内の観光地や離島、祭りなどに行ってないと感じています。たとえば鹿児島市内の人は、大隅半島に足を運ぶことは少なく、「バラ祭り」、「鹿屋航空隊のメモリアルショー」、「お釈迦祭り」、「流鏑馬」、「弥五郎どん祭り」などイベントや伝統行事を捉えて誘客を強めることが、大切と考えます。
また、鹿児島には「種子・屋久」、「奄美群島」、「甑島」など魅力ある離島が多くありますが、行ったことのある人は少ないのではないかと思います。「よかとこ100選」などを通して紹介された県内の隠れた観光地の魅力を紹介し、県内観光の推進について努力していきたいと思います。
バブル崩壊までは団体旅行が主流でしたが、今では個人旅行が7割を占めています。従来は旅行エージェントに情報を流すことにより大量の集客が可能でしたが、今は情報伝達の多様化により地域の旬の情報をいかに発信するかが重要な課題です。また、価値ある情報が一方通行にならないよう工夫し、検証することも大事です。
今年は「丑年」です。普通牛はゆっくり歩きますが、今年の観光はゆっくり進む余裕はありません。猛牛や闘牛になり闘う牛に変身しなければなりません。九州新幹線の全線開業まで2年余りとなりました。新幹線開業効果を各地域にもたらすためのプラン作成も今年が正念場です。テストマーケティングを実施するなど準備を進めなければなりません。
2009年は厳しい試練のスタートになります。観光は今や総合産業です。観光鹿児島の発展のために、多くの英知を結集し努力していきたいと思います。よろしくお願い致します。
2008年12月22日
本年鹿児島の観光を振り返るとき、大河ドラマ「篤姫」の存在を抜きには
考えられません。年間平均視聴率は、24.5%でありましたが、鹿児島では、ほぼ半数の調査でしたが、20%台は2回記録しただけで残りは30%を上回りました。最終回の視聴率は、43.1%となり地区の最高を記録し、関心の高さを示しました。
ドラマのスタートにあたりNHKの関係者は、幕末ものでしかも主役が女性であり、視聴率を取ることができるか大変不安視する声が高かったとのことでしたが、回を重ねるごとに人気が出てきました。今まで大河ドラマに無関心であった女性層を惹きつけたことが、高視聴率に繋がったと考えられ、特に篤姫の生き方が支持を得たと思います。県民は新しい2人のヒロインとヒーロー(篤姫と小松帯刀)の誕生に、元気付けられたと思います。
篤姫放映は、県内至るところに効果をもたらしました。宿泊観光客は、104%(10月までの主要ホテル調査)を超え、篤姫関連施設の入場者やシティビューの乗車人員は2桁の伸びとなり、また特産品の売り上げが伸びるなど、経済波及効果も多くの分野におよびました。
また、観光振興を地域づくりの方策に掲げる自治体が増加したことは、新しい動きとして注目されます。ボランティアガイドの団体は26となり、ガイドさんも700名を超えるまでになりました。特に指宿今和泉地区では、約10万人の観光客を案内しています。今後は、ボランティアガイドさんの出番をどれだけつくっていけるかが重要であり、そのことが組織の維持とスキルアップに繋がると思います。今後の篤姫関連の資料についての常設展示の方針も決定され、観光ルートの定着に努めて生きたいと考えています。
また、今年の大きな話題として「ねんりんピックかごしま」の開催があげられます。全国から選手役員1万5千人と、県民の参加を合わせると50万人が参加した大きなイベントとなりました。大会を支えた多くのボランティアや地域の人々が声援を送り、またおもてなしがすばらしく、参加者の共感を得ました。高齢者の参加ということで大会後の観光のみならず、鹿児島の特産品の売り上げに大きく貢献したとことが特徴としてあげられます。あるホテルでは、売店の売り上げが、1日で1ヶ月分を達成したとのことです。今、日本の高齢者は、比較的預貯金の額が多いというデータがあります。経済効果を考えると、観光客誘致策は、高齢者や女性の層をターゲットにすることが重要と考えます。
今年は比較的好調に推移した鹿児島の観光でしたが、来年にむけてこの流れをどのようにつなげていくかが課題です。篤姫に続く歴史物語として、「島津斉彬生誕200年」、「集成館事業の世界遺産暫定リスト入り」、「肥薩線開業100年」などを題材に、来年の誘客に取り組む方針です。しかしここにきてアメリカの金融危機を受けた深刻な消費不振と急激な円高が大手自動車、鉄鋼、電機業界などを直撃し、減産や人員削減の拡大、業績の下方修正が相次ぎ、日本経済を取り巻く環境は、厳しくなってきています。このことが、国内旅行にも影響が出てきており、1月から3月までの大手旅行社のパック旅行の予約率は、前年同期を10%程度下回っています。決算期を迎える企業は、出張を手控えるなど需要低迷の予想をはらんでいます。また、比較的順調にきたインバウンドがここに来て、激減してきており、特に韓国からの観光客の落ち込みが懸念されます。ウォンの価値が半減しており回復には時間がかかることが想定されます。航空会社への運賃の値下げ交渉、現地ランド業者への支援、参加者へのノベルティの提供を行うなど誘致対策が急務です。
ところで今年は、食品や産地の偽装が社会問題となりました。観光客にとっては、宿泊地の「食」がいちばんの楽しみであり、地域に来たことを実感できるいい機会となります。その意味でも、鹿児島は全国有数の農水産県であり、地域で取れたものを地域で消費する「地産地消」を推進することがイメージアップにつながり、観光客誘致に功を奏すると思います。そして鹿児島県が進める「本物。鹿児島」のブランドの定着にむけて、観光客にも強力にPRする必要があります。
今年県内を回って感じたことは、地域の観光素材が商品とならずに眠っていることです。地元の人はその良さを感じなくても、他県の人から見ればすばらしい商品として捉えることになります。観光商品と売り出すためには、地域をまとめコーディネートする人材の発掘・育成が重要となっています。来年は地域の魅力を再発見し、「地産地奨」の取組みを強化することで、域内観光を重要課題として取り組んでいきたいと思います。
10月に「観光庁」が発足し、観光振興の重要性が認識されるようになりました。観光振興は今地域総力戦の様相を呈してきました。多くの自治体が、観光によるまちづくりを標榜しており、地域が「訪れて良し、住んで良し」と感じられることが、交流人口が増え地域活性化に繋がると思います。来年も観光振興の一翼を担っていきたいと思います。
この度二代目の鹿児島県観光プロデューサーに就任しました、奈良迫です。
今観光は、国民の価値観の多様化により旅行スタイルの変化がみられます。
従来の「物見遊山」の観光から、自分の生活や趣味を重ね合わせ、
地域をゆっくり廻る着地型の観光が注目を浴びています。
各自治体も少子高齢化による地域の活力の低下、社会保障費増大や税収不足を
カバーする策として、交流人口の拡大による観光振興を掲げるところが多くなりました。
10月には「観光庁」が発足し、地域の観光地作りも拍車がかかります。
これからこのコラムで、地域づくりの方法や、各地の話題を取り上げていきたいと考えています。
よろしくお願いいたします。