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瀬戸内町の発展を願って

2009年2月16日


  瀬戸内1 瀬戸内町で開かれた「全国に売り込め!瀬戸内町の特産品と観光!」のシンポジウムに参加しました。
瀬戸内町は、鹿児島から南へ約380kmの洋上に浮かぶ奄美大島本島の南部に位置し、大島海峡をはさんで加計呂麻島、請島、与路島の有人三島を含む、総面積239平方キロに及ぶ広大な行政区を有しています。人口は約1万人で、昨年は75人が出生し150人が亡くなるなど減少を続けており、1万人を割り込むのも時間の問題です。

 房町長はこのままでは町は寂れ、どんどん過疎化が進むと捉え、交流人口の増大による町の活性化に取り組んでいます。今回のシンポジウムは、中小企業庁の「平成20年度地域資源∽全国展開プロジェクト調査研究事業」の公募案件であり、町の特産品の販売促進と観光振興が主なテーマでした。

 瀬戸内町は、奄美大島の空の玄関である奄美空港から1時間40分、海の玄関名瀬港から1時間10分かかり、アクセスはけっして恵まれているとはいえません。鹿児島から瀬戸内町の玄関古仁屋港に入る定期船は週5便ありますが、途中に寄港するため入港は10時過ぎとなります。昨年大型クルーズ船が入港できるバースが完成し、今後の大型船誘致に大きな期待がかかります。島の自然と良好な港をセールスポイントに、積極的な働きかけを行いたいものです。

 今後の瀬戸内町の観光振興について考えてみたいと 瀬戸内2 思います。町は四囲を温かい黒潮に恵まれ、海岸線は典型的なリアス式海岸となり、水深の深い入江が水産業に適した場所となっています。その入江を活用したクロマグロの養殖は日本一であり、成長したマグロを冷凍にして出荷していますが、その生態に注目し、東京の六つの大学がその研究に取り組んでいます。ゼミの研究テーマとすることで多くの学生や研究家が来島し、町が活性化することを期待しています。
 マグロにえさをやる体験やマグロの料理メニューを開発するなど、島に来ていることを体感することこそ観光客が求めているものであり、誘客にもつながります。
 また、解体で不要となった内臓を、醤油に利用する研究も行われており、それの実用化ができれば島の特産品として売り出すことが可能になり、経済効果も大きいと思います。

 島の主要農業生産物として、サトウキビがあげられます。そのサトウキビを加工して作られる「黒糖」と「きび酢」が今注目されています。製糖に回される前の黒糖は、100%自然のものであり、甘みが濃くまさに瀬戸内の自然が与えてくれた恵みの一品と思います。
 また絞り汁を四年間発酵して作られるきび酢も、味が良くて稀少価値もあり、東京の一流デパートで注目を浴びている製品です。シンポジウムにパネラーとして参加された奄美長寿研究家の武昭一氏(県議会議員)から、黒糖ときび酢に含まれる成分が健康に大変良いとのデータが示されました。これからメディア等を通してもっとPRすることが、需要拡大につながると思います。

 加計呂麻島の佐知克にある「西田製糖工場」では、サトウキビからの黒糖、きび酢作りが昔からの手作りの製法で行われており、工程を観光客も見学できます。工場の目の前には、美しい海と砂浜が広がっており、ガジュマルの木陰で、できたての黒砂糖をかじりながらお茶を飲むのも旅の至福の時間です。
 
 瀬戸内町の有名人として、「わだつみの木」の空前の大ヒットで一躍島を、そして神秘的な裏声を使った歌唱法で奄美島唄を印象づけた歌姫、元ちとせがいます。彼女は、美しい山と海に囲まれた嘉徳という集落の出身です。
 彼女の出身である島で「島唄ウィーク」と名付けたイベントを1週間程度開催するのも、観光客の滞在につながると思います。島内外から参加者を募り、コンテストや野外ライブを開くことで多くの若者が来島し、また島の知名度も上がると思います。
 
 房町長は、町を変えるためには役場の職員がまず変わらなければならないと、檄をとばしています。職員が早朝に町中のゴミ拾いをしたり、挨拶の励行が定着するなど、町が少しずつ動き出していると語っていました。
 今、地域間競争は、熾烈を極めています。まさに地域総力戦の様相を呈しています。その意味で町長自らが動き、職員をひっぱっているところに展望は明るいと感じました。瀬戸内町が必ずや活性化していくことを信じてやみません。

観光タクシーの利用客を増やすために

2009年2月9日 

    
 鹿児島個人タクシー事業協働組合の研修会に講師として参加しました。研修会の目的は、乗務員のマナーの向上と顧客管理の手法、新幹線全線開業に向けた新しい観光コースの勉強会でした。

砂むし  タクシー利用による観光は、昭和47年頃から53年頃までがピークで、それを支えていたのがハネムーン客でした。南九州がその中心であり大安の翌日は、鹿児島空港にはタクシーが列を成し、観光タクシーが足りないほどでした。また、霧島や指宿のホテルでは全室がハネムーン客という日もありました。

 しかしその後タクシーによる観光は年毎に減り続け、今ではハネムーンの客はほとんど見られなくなりました。タクシー観光が激減した背景には2つの理由があると考えています。1つには利用客の大半を占めていたハネムーン客が、現在では行先が海外にシフトしていることです。2つ目はレンタカーの利用が増えタクシーが敬遠されていることです。レンタカーは、空港だけでなく駅、ホテル、市中にも拠点が増えいつでも利用で 龍馬 き、しかも乗り捨てが自由にでき、利便性があります。

 2年後に九州新幹線が全線開業し、観光客の増加が期待されています。鹿児島中央駅を基点に、観光客が県内各地を巡ることが予想され、また博多から1時間20分となり日帰り観光客が増加すると思います。昭和50年代前後に南九州を訪れたハネムーン客は200万組ほどあり、その世代は定年退職の時期にもなり、思い出旅行として再度南九州を訪れてほしいという期待もあります。一方来年のNHK大河ドラマは「龍馬伝」と決まっています。坂本龍馬とおりょうは、新婚旅行の地として霧島温泉を訪れており、それが日本最初のハネムーンと言われています。坂本龍馬役を演じる福山雅治の人気にあやかり、鹿児島へ新婚客が来ることが期待されます。このような状況を考えてぜひもう一度、ハネムーンの地として売り出していく必要があります。

 タクシー利用による観光客を増やすためには、まず乗務員のマナー向上が上げられます。 挨拶の励行、身だしなみ、ドアの開け閉めなど最低限のマナー徹底と地域の歴史、文化、食など地域情報を知ることも大切です。タクシーという狭い空間の中で、お客様を退屈させないことが求められます。個人タクシー業界では、乗務員のレベルアップ対策として、三つ星運動が進められています。一定のレベルに達したドライバーの車には、三つ星のマークが外に付いています。東京のホテルでは、三つ星のマークが付いた車が、優先的に玄関に横付けできるところもあります。優良運転手の称号である三つ星の個人タクシーの存在を、業界内部だけの価値にとどまらず、ぜひ一般市民にもPRすることで利用頻度を高めることができると思います。
また、個人タクシーのステイタスを上げることが、他のタクシーにも波及し業界の発展にももつながると考えます。

 高齢化社会を迎え今後タクシーの利用価値も変わると考えます。一人暮らしの高齢者が多くなり、病院への送り迎えや、日用品の買出しなど利便性を前面に出し、顔の見える関係づくりが必要になってきました。観光客だけでなく日常生活の中で個人タクシーが支持され、利用増につながることを期待したいと思います。

市民が育てた2大イベント

 2009年1月25日

 北国では大雪注意が出される中、この時期薩摩半島の開聞山麓周辺や池田湖畔は、菜の花が満開となり、黄色い絨毯を敷き詰めたように鮮やかな景観が広がっています。
今年も南薩路に春を告げる「第28回いぶすき菜の花マラソン」が、大会史上最大の1万7千人の参加を得て、また、「第17回いぶすき菜の花マーチ」が、1万2百人の参加者で盛大に開催されました。2つの大会は全国でも指折りのマラソンとウオーキングの大会です。

  この2つの大会が、これほどまでに大きく成長した 菜の花 要因がいくつかあります。2つの大会のスタート時期は違いますが、その成長の軌跡は似通っています。まず大会のスタート時は、県外からの参加者はほとんどなく集客に苦労し、参加人数を確保するため観光関係者やその家族、市の職員を動員したとのことです。大会を重ねるごとにスポンサーの確保やメディアの露出も増え、全国的にその名が知られるようになり参加者が1万人を超え、全国屈指の大会に成長しました。

 2つめは大会の主役は市民であり、推進母体も民間が中心に構成されていることです。イベントを開催するとなると、官に頼りがちになりますが、観光関連業者を中心にホテルの従業員やボランティアの団体が、大会スポンサーの旗や標識を立て、交通整理するなど大会の運営にあたっています。大会1週間前は、ホテルの関係者は自分の職場をかえりみず大会の準備にあたっています。マラソンにおいては、制限時間が過ぎても、最終ランナーが到着するまでゴールあけて待っており参加者は感激するとのことです。

 3つめは沿道での市民のボランティア活動が、大会を支えていることです。特産のサツマイモやキャラメル、お茶などを提供しており、そのおもてなしの心は日本一と参加者から称えられており、そのことが口コミで広がり参加者増につながっています。昨年は大河ドラマ「篤姫」の人気で、今和泉地区にある篤姫の関連施設には、多くの観光客が押し寄せました。近くにある今和泉小学校の子供達の観光客に対する礼儀正しさが話題になりました。やはりこの2つのイベントで示されたおもてなしの心が、子供達にも伝わっていると思います。

白水館  4つめは、各ホテルの協力態勢が確立していることです。日頃から「オーナー会」や女将さんの集まりである「華の会」の結束の堅さには定評のある地域ですが、終了後ホテルの風呂を解放し参加者に疲れを癒してもらっています。参加者の多くがリピーターとなるのもこのような温かいおもてなしがあるからだと思います。

 5つ目は海外からの参加者が増加していることです。特にマラソンは韓国からの参加者の伸びが顕著です。現在インバウンドは、旅行費用が為替レートに大きく影響を受け、観光客が激減しているのが実情です。しかしスポーツ大会となるとその影響は少なく、しかも国際親善にも役立つと考えます。今後とも定期便のある上海、香港の方々にもPRし参加者の増加を図っていくこと重要です。

 今世界的な不況を受けて日本経済も先行き不透明感が浸透し、消費が低迷しており、温泉地もかなりのダメージを受けています。指宿温泉は、観光経済新聞社の人気のある温泉地の、第3位にランクされています。今後も二大イベントで培われたおもてなしの心を前面に出し、「観光いぶすき」をPRして誘客に努めてほしいものです。

産業観光への取組強化を

2009年1月19日
                

   1月12日みなみホールで、「九州・山口の近代化産業遺産群」について理解を深め、今後の世界遺産登録に向けた道筋を探るとともに、地域の機運醸成を図るためのシンポジウムが開催され、国内外の専門家による講演やパネルディスカッションが、行われました。
 
 昨年12月に世界遺産暫定一覧表への追加決定を受 尚古集成館 けたのは、鹿児島県では「旧集成館」、「旧集成館機械工場」、「新波止砲台跡」、「旧鹿児島紡績所技師館」の4カ所です。
 パネラーと出席された4人の方々は、いずれも世界における産業遺産の権威でありますが、薩摩の近代化遺産についてのその価値の高さを認めていらっしゃいました。4つの遺産について、広範囲に及ぶ遺産の特徴や短期間に産業の育成や社会基盤の整備を図り、近代国家への礎を築いた意義を強調していました。しかし近代化事業が世界に果たした役割や一連の歴史ストーリーをもっと検証すべきとの指摘もありました。    
 島津斉彬が磯地域で進めた集成館事業の偉大さを学ぶとともに、今後世界遺産への登録をめざして、地元での盛り上がりをつくっていくことが大切と思います。
 
 ところで最近産業観光が注目を浴びるようになってきました。産業は我々の生活を支えており、身近なところにあります。昨年の11月には、全国商工会議所の観光振興大会が鹿児島で開催され、観光の意義について議論が交わされました。産業を観光素材と捉え、観光客誘致につなげる取組みを強化していく必要があります。県内に目を転じると産業遺産としては、上記の磯地区の近代化遺産を始め、「大口曽木発電所遺構」、「串木野の金山蔵」、などがあります。
 又、昔の伝統を引き継ぎ鹿児島の産業としてしっかりと根付いているのもあります。サツマイモを原料としてできる焼酎は、伝統の技と経験を積んだ「杜氏」の技術者達が受けつぎ製造されており、その工場見学は県内各地ででき、その地域に根ざした味は、観光客に喜ばれます。又、最近の健康志向ブームにのり、鹿児島の黒酢が注目を浴びています。霧島市の福山地区では、江戸時代からの伝統的製法で造られており、米麹・蒸し米・地下水のみを原料に、野天に並ぶ数万の壺で自然発酵する姿は、自然の力と向き合ってきた古の知恵を感じ、観光客が感嘆の声を上げます。
 
大島紬  他にも身近に見学できる場所として、薩摩揚げ、薩摩焼、屋久杉、お茶、菓子、漬物、竹細工の工場など、鹿児島県産の物を使って製品を作っている現場を目のあたりにできます。
 奄美大島特産の本場大島紬は、泥染めの工程から織り子さんの手作業まで身近に観察できますが、その緻密な工程には驚かされます。実際の物づくりに触れることが、商品の確かさを確認でき販売にもつながっていきます。
 
 かつての修学旅行は、必ず鉄鋼や自動車、電機、食品、機械の工場見学などが行程に組み込まれていましたが、今では「USJ」や「TDL」に変わっています。戦後物づくりの技術を大切にし、優秀な製品をつくり輸出していた日本は、生産工場が海外に移り技術大国日本の存在が薄くなりつつあると感じます。もう一度日本の技術を見直したいものです。
今、商工会議所を中心に産業観光の機運が高まっています。150年前に島津斉彬が興した集成館事業はまさに日本の近代化のスタートだったと思います。 
 世界遺産登録への運動と合わせて、産業観光の取組みを強化することで新たな需要を開拓し鹿児島への観光客誘致につなげたいと考えます。
                              参考資料「集成館事業150年」尚古集成館作成
                                  鹿児島の「産業観光」鹿児島商工会議所

 

 

 

教育の現場で観光の意義を学ぶ機会を

2009年1月13日
                

 平成20年10月1日に観光庁が発足し、国による本格的な観光の取組みが始まりました。
一方、鹿児島では、昨年のNHK大河ドラマ「篤姫」の放映効果で、全国から多くの観光客が訪れました。ドラマで鹿児島に関する人物や歴史、自然が、毎回紹介されたことが大きな要因です。また、ふるさとを鹿児島に持つ人は、大いに元気づけられたと思います。
 ところで最近、テレビでのクイズ番組が増え、地域に関する問題が出されますが、出演者の解答に首をかしげることが多くあります。日本各地の地名や、位置を知らない人が多く、びっくりします。今こそ地域を知り、地域に誇りを持つことの重要性が問われています。 縄文杉

 観光の意義について鹿児島の教育の現場で取り組んで欲しいことについて述べてみたいと思います。鹿児島は南北600キロに及び、自然や風土は、様々な文化を育んでいます。児童文学者「椋鳩十」は屋久島の自然や動物をテーマにたくさんの名作を残しています。その屋久島は、日本で最初に世界自然遺産に登録されました。また、永田いなか浜はウミガメの産卵地として、ラムサール条約に登録されています。環境の大切さと観光を両立させて理解させる取組みが必要ではないかと思います。

 2点目は、歴史を通して地域を理解することが、郷土愛を育てるのではないかと思います。 鹿児島の西郷隆盛や、大久保利通、小松帯刀などが明治維新を成し遂げ、日本を近代国家へと変えていきました。また、日本の産業・科学の近代化事業を進めた島津家第28代当主斉彬は、いち早く世界に目を向けました。 切子 鹿児島の地でなぜこのようなことが展開できたのか検証し、伝えていく必要があります。地域の歴史を学ぶことが、地域を誇りに思う子供を育てることになると思います。

 3点目は、地域で生産される物を理解させる取組みが必要です。鹿児島には日本一の生産量を誇るものが数多くあります。農産物、水産物などは地域の豊かな自然がもたらした恵みであり、鹿児島の生活を支えています。「食」は地域文化の結晶と考えています。また、伝統工芸品を伝承する大切さを教えることも必要です。

ロケット   4点目は、鹿児島でしか体験できないオンリーワンを知ることで地域への理解が深まります。指宿にある天然砂蒸し温泉やロケット基地は、鹿児島にしかありません。
日本に初めて伝えられたものとして、鉄砲やキリスト教がありますが、日本史にも登場する大きな出来事です。 また、観光にとって景観や古い街並みを保存することは重要なことです。子供たちが、景観等について考える機会を増やすことも大切です。

 最後に、観光にとって最も大切なおもてなしの心を小さい頃から育むことです。篤姫ゆかりの地に今和泉小学校がありますが、そこの子供たちの観光客に対する礼儀正しさが話題になりました。小さい頃からあいさつの習慣を教えることは大切なことであり、そのことがおもてなしの心の醸成につながります。
教育現場で地域の良さを学ぶことで、観光の意義を体得する機会が増えることを期待します。

 

2009年は試練の年ー足元を見直そうー

2009.1.5

 

  アメリカの金融危機を受けた深刻な消費不振と急激な円高が、日本経済を直撃しています。自動車、電機、鉄鋼など日本の基幹産業にも影響が顕著となり、減産や人員削減、業績の下方修正が相次ぎ、先行きが懸念されています。

 昨年の鹿児島の観光は、大河ドラマ「篤姫」の放映効果や「ねんりんピック」等の開催により、他の地域より比較的好調に推移しました。しかしながら10月ごろから円高等の影響を受けて訪日旅行に大きな影響がでており、冬場の鹿児島の売りであった「ゴルフツアー」は、前年の5分の1程度の集客で激減しています。また、鹿児島と定期便で結ばれているソウル、上海、香港便の搭乗率は軒並みダウンしています。これから消費不況は、国内旅行にも波及するのは必至です。

  異人館 この状況を我々は看過するわけにはいかず、早急に対策を立てていく必要があります。まず訪日旅行では、海外エージェントへの広告やランド費用の支援、航空会社への運賃の値下げ交渉を行うとともに、県民への海外旅行促進のPRを行うことにより、定期便の利用率アップを図ることが必要と考えています。このまま国際路線の低迷が続けば路線の休止に繋がりかねなく、格段の努力が求められています。また、国内旅行においては「篤姫」に続く歴史物語として「島津斉彬生誕200年」、「磯地区の近代化産業遺産の世界遺産暫定リスト入り」、「肥薩線開業100周年」 嘉例川 等を題材にして、誘客・宣伝を展開していきますが、そのスピードを早めて、次の展開を準備していかねばならないと考えています。旅行エージェントの鹿児島への商品企画は、3月分までは発表されていますが、今後4月以降の商品に活かす素材を提供していきたいと思います。4月25日から肥薩線にSLが走ります。100周年を迎える肥薩線の沿線の魅力を、商品造成に組み込んでいただくセールスを実施していきます。

弥五郎どん  一方、今までは県外観光客の誘致に主力を注いできましたが、こういう厳しいときには、足元を見つめ、県内の魅力を再発見してPRし、域内観光を進める良い機会と捉えて需要を喚起する施策を推進することも大切です。篤姫効果で顕著に表れたのが、県内の日帰り観光客でした。イベントや祭りの動員を主催者は県外に求める傾向がありますが、県民は意外と県内の観光地や離島、祭りなどに行ってないと感じています。たとえば鹿児島市内の人は、大隅半島に足を運ぶことは少なく、「バラ祭り」、「鹿屋航空隊のメモリアルショー」、「お釈迦祭り」、「流鏑馬」、「弥五郎どん祭り」などイベントや伝統行事を捉えて誘客を強めることが、大切と考えます。  
 また、鹿児島には「種子・屋久」、「奄美群島」、「甑島」など魅力ある離島が多くありますが、行ったことのある人は少ないのではないかと思います。「よかとこ100選」などを通して紹介された県内の隠れた観光地の魅力を紹介し、県内観光の推進について努力していきたいと思います。

 バブル崩壊までは団体旅行が主流でしたが、今では個人旅行が7割を占めています。従来は旅行エージェントに情報を流すことにより大量の集客が可能でしたが、今は情報伝達の多様化により地域の旬の情報をいかに発信するかが重要な課題です。また、価値ある情報が一方通行にならないよう工夫し、検証することも大事です。

今年は「丑年」です。普通牛はゆっくり歩きますが、今年の観光はゆっくり進む余裕はありません。猛牛や闘牛になり闘う牛に変身しなければなりません。九州新幹線の全線開業まで2年余りとなりました。新幹線開業効果を各地域にもたらすためのプラン作成も今年が正念場です。テストマーケティングを実施するなど準備を進めなければなりません。
2009年は厳しい試練のスタートになります。観光は今や総合産業です。観光鹿児島の発展のために、多くの英知を結集し努力していきたいと思います。よろしくお願い致します。

2008年を振り返る ―「地産地奨」の推進を―

 2008年12月22日 
           

  本年鹿児島の観光を振り返るとき、大河ドラマ「篤姫」の存在を抜きには sakurajima 考えられません。年間平均視聴率は、24.5%でありましたが、鹿児島では、ほぼ半数の調査でしたが、20%台は2回記録しただけで残りは30%を上回りました。最終回の視聴率は、43.1%となり地区の最高を記録し、関心の高さを示しました。

  ドラマのスタートにあたりNHKの関係者は、幕末ものでしかも主役が女性であり、視聴率を取ることができるか大変不安視する声が高かったとのことでしたが、回を重ねるごとに人気が出てきました。今まで大河ドラマに無関心であった女性層を惹きつけたことが、高視聴率に繋がったと考えられ、特に篤姫の生き方が支持を得たと思います。県民は新しい2人のヒロインとヒーロー(篤姫と小松帯刀)の誕生に、元気付けられたと思います。

  篤姫放映は、県内至るところに効果をもたらしました。宿泊観光客は、104%(10月までの主要ホテル調査)を超え、篤姫関連施設の入場者やシティビューの乗車人員は2桁の伸びとなり、また特産品の売り上げが伸びるなど、経済波及効果も多くの分野におよびました。
指宿ボランティア  また、観光振興を地域づくりの方策に掲げる自治体が増加したことは、新しい動きとして注目されます。ボランティアガイドの団体は26となり、ガイドさんも700名を超えるまでになりました。特に指宿今和泉地区では、約10万人の観光客を案内しています。今後は、ボランティアガイドさんの出番をどれだけつくっていけるかが重要であり、そのことが組織の維持とスキルアップに繋がると思います。今後の篤姫関連の資料についての常設展示の方針も決定され、観光ルートの定着に努めて生きたいと考えています。

 また、今年の大きな話題として「ねんりんピックかごしま」の開催があげられます。全国から選手役員1万5千人と、県民の参加を合わせると50万人が参加した大きなイベントとなりました。大会を支えた多くのボランティアや地域の人々が声援を送り、またおもてなしがすばらしく、参加者の共感を得ました。高齢者の参加ということで大会後の観光のみならず、鹿児島の特産品の売り上げに大きく貢献したとことが特徴としてあげられます。あるホテルでは、売店の売り上げが、1日で1ヶ月分を達成したとのことです。今、日本の高齢者は、比較的預貯金の額が多いというデータがあります。経済効果を考えると、観光客誘致策は、高齢者や女性の層をターゲットにすることが重要と考えます。

 今年は比較的好調に推移した鹿児島の観光でしたが、来年にむけてこの流れをどのようにつなげていくかが課題です。篤姫に続く歴史物語として、「島津斉彬生誕200年」、「集成館事業の世界遺産暫定リスト入り」、「肥薩線開業100年」などを題材に、来年の誘客に取り組む方針です。しかしここにきてアメリカの金融危機を受けた深刻な消費不振と急激な円高が大手自動車、鉄鋼、電機業界などを直撃し、減産や人員削減の拡大、業績の下方修正が相次ぎ、日本経済を取り巻く環境は、厳しくなってきています。このことが、国内旅行にも影響が出てきており、1月から3月までの大手旅行社のパック旅行の予約率は、前年同期を10%程度下回っています。決算期を迎える企業は、出張を手控えるなど需要低迷の予想をはらんでいます。また、比較的順調にきたインバウンドがここに来て、激減してきており、特に韓国からの観光客の落ち込みが懸念されます。ウォンの価値が半減しており回復には時間がかかることが想定されます。航空会社への運賃の値下げ交渉、現地ランド業者への支援、参加者へのノベルティの提供を行うなど誘致対策が急務です。

 ところで今年は、食品や産地の偽装が社会問題となりました。観光客にとっては、宿泊地の「食」がいちばんの楽しみであり、地域に来たことを実感できるいい機会となります。その意味でも、鹿児島は全国有数の農水産県であり、地域で取れたものを地域で消費する「地産地消」を推進することがイメージアップにつながり、観光客誘致に功を奏すると思います。そして鹿児島県が進める「本物。鹿児島」のブランドの定着にむけて、観光客にも強力にPRする必要があります。

 今年県内を回って感じたことは、地域の観光素材が商品とならずに眠っていることです。地元の人はその良さを感じなくても、他県の人から見ればすばらしい商品として捉えることになります。観光商品と売り出すためには、地域をまとめコーディネートする人材の発掘・育成が重要となっています。来年は地域の魅力を再発見し、「地産地奨」の取組みを強化することで、域内観光を重要課題として取り組んでいきたいと思います。

 10月に「観光庁」が発足し、観光振興の重要性が認識されるようになりました。観光振興は今地域総力戦の様相を呈してきました。多くの自治体が、観光によるまちづくりを標榜しており、地域が「訪れて良し、住んで良し」と感じられることが、交流人口が増え地域活性化に繋がると思います。来年も観光振興の一翼を担っていきたいと思います。

与論島への観光客誘致

                                                                   2008年12月15日
 
 与論島は鹿児島から南へ563km、沖縄本島の北23kmに位置し、周囲23kmの隆起珊瑚礁の島です。島はリーフに囲まれ、海は透明度が25~35mと非常に高く、色とりどりの熱帯魚やサンゴなど、命に満ちあふれています。島の魅力がNHKの「新日本紀行」で取り上げられ、与論島は一気にその名が全国的に知られるようになりました。 与論の海
 昭和51年から観光客が増え、60年まで10万人台を維持していました。その大半は夏場に訪れる、女性を中心とした若者でした。鹿児島を出航する船は、デッキまで人であふれ足の踏み場がないほど混雑していました。観光の目的は、日本で一番美しいといわれる与論の海で海水浴を中心としたマリンスポーツの体験でした。中でも「百合ヶ浜」は、潮流によりつくられた沖合に浮かぶ白い砂浜で、青い海と空に映え、人気のスポットでした。当時の宿泊は民宿が主流で、100軒ほどありどこも隆盛をきわめていました。第一次離島ブームは与論島がつくっていました。

 しかし61年頃から、リゾートホテルのオープンや航空会社の大型キャンペーンにより、観光客の流れは飛行機を使って短時間でいける沖縄に移っていきました。また米軍基地を抱えた沖縄は、国の優遇措置による航空運賃の低廉化や免税の措置が施され、観光客誘致が容易となりました。沖縄から先の宮古島、石垣島の開発と航空路線が整備され、本島と併せて魅力が増したことがあげられます。また、全国各地の空港から沖縄路線が開設され、行きやすくなり、沖縄に比べてアクセスの悪い与論島が、敬遠され観光客が減少する要因になっています。

 この度30年ぶりに与論を訪れる機会がありました。当時は年間の観光客が15万人で平成19年の約3倍の人が訪れていました。その内の8万5千人が6月から9月の夏場に集中しています。昨年の同期間は2万人であり、4分の1程度です。その他の期間は大きな落込みはなく、夏場の誘客が課題です。当時賑わっていた百合ヶ浜は昔のままの姿であり、観光客の来島を待っているかのように波が静かに寄せていました。

 今後の観光振興について、南町長と商工観光課の皆様と一緒に議論しました。町長は元観光関連産業に携わった経験があり、観光振興に大変造詣が深い方です。昔の良き時代を熱く語られ、こちらも燃えるものが込み上げてきました。観光客を復活させるためには、まず夏場の誘客をどのように図るかです。全盛期を支えたのは若い女性グループでした。与論の美しい海と砂浜の魅力をいかに情報発信し、商品企画に繋げるかです。 民俗村 メディアを使ったPRや航空会社とタイアップしたキャンペーンが必要と感じました。また、全盛期に訪れた人々は、団塊の世代を迎え、定年退職する頃になりました。当時は鹿児島からの船が主流であり、のんびりとした旅でした。時間的にも余裕のある世代であり、再度島に足を伸ばしてもらうためには、奄美群島を周遊できる船の切符の発売や、航空機の路線を拡大し沖縄との相互観光がしやすい状況を作ることが、観光客を増やすことにつながると思います。都会の人にとって与論島の自然と人情豊かなふれあいは、必ずや琴線にふれる思い出になると思います。

 与論島は今、学生のグリーンツーリズムやブルーツーリズムが人気を博しています。平成2年度は2校でしたが、21年度は18校が来島しています。交通手段は、ほとんどが沖縄経由で、飛行機と船です。沖縄までは大型機が飛んでおりアクセスは問題ありません。今後は滞在メニューを増やしたり、島の長寿の方々や子供たちと生活・文化に触れる交流を増やすなど、島民あげての取組みで、年間を通じての受け皿づくりが必要と感じます。

 滞在中に1組のご夫婦にお話を伺いました。37年前に新婚旅行で来た思い出の地を、再び訪ねる旅とのことでした。道路と家並みは変わったけれども、自然の海と人情の豊かさは当時のままであり、友人に是非勧めたいと語られていました。最近では都会から移り住む人も増えてきています。小説家の森瑤子さんは、与論島をイメージして多くの小説やエッセイを書いていますが、お墓は美しい白浜が望める高台にあります。きっと与論島の魅力に取り付かれた一人だと思います
 短い滞在でしたが、30年前と変わらない与論島の姿に安心しました。美しい自然が残る与論島ですが、しかしこれといった産業がない島にとっては、観光客誘致による経済効果の創出・維持が不可欠と感じました。
 久しぶりに訪れた与論島に思いを込めて短歌を作り、機上の人となりました。

      乙女らの
           騒ぎし夏は幾年ぞ
                      いまも変わらぬ
                               百合の白砂

新しい地域おこし-市比野温泉よさこい祭りとみやんじょ温泉竹ホタル-

 2008年12月8日       
           

  バブル絶頂期に隆盛を極めた温泉地で、いま苦戦を強いられているところが多くあります。関東の「鬼怒川」、「熱海」、北陸の「片山津」、「山代」、関西の「白浜」、「雄琴」、九州では、「嬉野」、「雲仙」などが上げられます。いずれの地域も、全盛期は宴会を伴う団体宿泊が主流でした。しかしバブル崩壊後団体旅行は激減し、個人旅行が多くなると、その対応に不慣れな施設は敬遠され客足が遠のき、次第に温泉地自体が寂れていきました。

 市比野温泉と宮之城温泉(かつては湯田温泉と呼んでいた)もご他聞にもれず、全盛期は男性が中心の宴会型宿泊が多く全国からお客さんが来ていました。しかし時代の変遷とともに旅行スタイルが変化したにもかかわらず、昔の経営スタイルを転換できず長い間苦戦を強いられている地域です。昔の活気を取り戻そうと努力している両温泉地の取組みについて紹介します。

 一つ目は、今年 市比野温泉 で5回目を迎える市比野温泉の「よさこい祭り」です。全国から集まった60チームが2日間にわたり競演し、こどもから92歳までの参加者がさまざまなコスチュームに身を包み、激しいパフォーマンスを披露する楽しい祭りが開催され、観光客も飛び入り参加するなど大会を盛り上げていました。
  昭和4年にはみどりや旅館(現在も営業中)に与謝野鉄幹・晶子夫妻が宿泊しており、そのとき晶子が詠んだ歌の歌碑の除幕式が行われました。市比野温泉は、昔は鹿児島市の奥座敷として賑わっており、由緒ある温泉のひとつです。バブル崩壊後観光客が遠のいた街をもう一度活性化しよういう機運が高まり、商工会、観光協会、薩摩川内市などが中心となって地域活性化協議会を立ち上げ、廃屋の取り壊し、道路のカラー舗装化、河川の整備、スポーツイベントの誘致、宣伝強化などに取り組んでいます。

 そのひとつがよさこい祭りの開催です。祭りも年毎に参加団体が増えており、今後の展開が楽しみです。周辺の「入来武家屋敷」、「倉野磨崖仏」、ラムサール条約に登録されている「いむた池」、「道の駅樋脇遊湯館」など地域の観光素材とグリーンツーリズムを組み合わせたニューツーリズムの定着が今後の誘客の課題です。

 二つ目にさつま町湯田の「みやんじょ温泉竹ホタル」の取組 宮之城竹あかり みです。湯田温泉は、市比野温泉と同様かつては、歓楽を主とする宿泊地として賑わっていました。旅行スタイルの変化や幾度の水害もあり、かつての温泉地としての活力は失われてしまいました。そこで地域の旅館経営者たちが、水害からの復興と川内川のホタル再生を願って始めたのが「竹ホタル」のイベントで、今年で3回目の開催です。
 実行委員会のメンバーは、竹灯りイベントの先進地である大分県の日田温泉や竹田市の実施状況を見学し、そのスケールと美しさに身震いし計画を進めたといいます。おりしも宮之城地域は、鹿児島県で最大の竹の産地です。材料に使う竹は豊富にあり、しかも竹山にとって、古い竹を切ることが山の再生にも繋がることになるとのことです。
 今年は湯田八幡神社から温泉街までの700メートルにわたって、7千本の竹灯篭が並べられ竹の切り口から温かみのあるオレンジ色の光が浮かび上がり、幻想的な光景を目のあたりにした観光客は感激していました。澄み切った夜空には星がきらめき、歩きながら幻想の世界に引き込まれる雰囲気です。点灯は地域の小中学生が協力していますが、その美しさに感嘆の声を上げるとのことで、その感激は地域を離れても、ふるさとを誇りに思うことにつながると信じます。また、地域全体での新しい取組みが、竹ホタルを鹿児島を代表する冬のイベントに育てることになると思います。

 2つのイベントに共通して言えることは、推進組織は民間の方々が中心であることです。地域づくりで「自治体が何もしてくれない」という声を聞きますが、やはり地域づくりは民間のリーダーが引っ張っていくことが重要と思います。行政は「芽だし後押し」に徹すべきと思います。また、子供からお年よりまで多くの方々が関わる《参加型イベント》であることです。そのことが地域活性化の大きな力になり、持続可能な観光地づくりに繋がると考えます。周辺の歴史、生活、文化を取り込み回遊できる魅力ある地域になることが、泊まりたくなる温泉地に蘇ることになると信じます。

『南さつま海道八景』と沿線を訪ねる (2)

2008年12月1日

  「秋目浦の定置網体験」を紹介します。秋目浦は、沖にビロー島(沖秋目島)が浮かぶ小さな湾で、正面岬と呼ばれる岩山が海上に突き出し、その付け根に向かって湾が形成された小さな入江です。秋目漁港から10分程度のところに、定置網は設置されています。  
 体験する人は、ライフジャケットに身を包み、手袋、雨靴など安全対策が十分立てられています。魚場に着くと、船上での個々の配置場所が指示され、漁師の掛け声で網を持ち上げていきます。網が上がるにつれて魚が泳ぐ姿を目の前で見ることができ、自然の海の醍醐味を感じます。網は意外に重く、漁師の苦労を肌で感じます。海面に近づくにつれて、網は魚の重みで一段と重くなります。漁師の方が大きな柄のついた網で、次々に魚をすくいあげていきます。1メートルを超すバショウカジキが4匹かかり、船上で大きく跳ねましたが、大きな槌で頭にとどめをさし処理していきます。網には、カマス、鯛、イカ、ふぐ、あじなど多くの種類の魚が入っています。
 帰りの船上で、獲れたての魚を料理してもらい、刺身の美味しさに感激しました。魚は次々に船のいけすに収容され、港に戻りすぐ翌朝の鹿児島の市場に出す準備が手際よく進められます。体験メニューには、港で取れた魚を料理し昼食として提供することになっており、体験学習の学生たちは磯料理に感激し喜んで食べるそうです。
 家庭の食卓に上る魚について都会の生徒たちに聞くと、水族館以外で泳いでいる魚の姿をほとんど見たことがないということでした。この体験は生徒たちに自然との触れ合いだけでなく、食育を考える良い機会になるのではないかと思います。

 秋目は天平の昔、唐の高僧鑑真大和上が苦難の末、ついに753年、渡日の一歩を記した地として有名で、近くには鑑真資料館があります。また「007は二度死ぬ」のロケ地にもなり、ジェームズボンド役のショーンコネリーと浜美枝が共演し、その記念碑が港の近くに建てられており、観光の途中に立ち寄ることができます。

 次に「笠沙恵比寿」を紹介します。野間岬に「海を学ぶ、海を遊ぶ、海の冒険館」として、オープンした体験型観光施設です。海をテーマとした博物館ですが、宿泊施設を備えており、新鮮な海の幸・山の幸を味わえるレストランとともに、好評を博しています。目の前の海を活用した、くじら・イルカウォッチングやエコツーリズムの体験ができます。くじら・イルカウォッチングは、近くの野間池港から漁船で約1時間のクルージングであり、海鳥の群れと一緒にくじらやイルカが迎えてくれます。また1メートルを超えるバショウカジキの豪快なジャンプに遭遇することがあります。
 エコツーリズムのメニューとしては、体験漁業のクルーズやリアス式海岸を巡るシーカヤックがお勧めです。施設のそばには、女性で初めて単独で無寄港の世界一周を達成した今給黎教子さんのヨットが停泊しています。また、野間岬から見る夕日は、絶景として必見の価値があります。
 「笠沙恵比寿」で宿泊したお客様は、ヨーロッパ風の雰囲気を醸し出し、東シナ海の豊穣な海で取れた魚貝類の新鮮さ、そしてそこで受けたおもてなしに感激し、次回の予約をして帰る人が多いということです。ぜひ皆さんも宿泊されてはいかがですか。

 今回2泊3日で、「南さつま海道八景」を巡りましたが、八景以外にも魅力あるポイントは多くあります。そば作り体験等ができる「いなほ館」、戦争や特攻隊員の関係資料を集め、見学者の涙を誘う「万世特攻平和祈念館」、サッカーやゲートボールなどのスポーツイベントに最適な「加世田運動公園」、鹿児島の郷中教育の原点となったと言われる「いろは歌」を作った、島津日新公を祭る竹田神社などがあります。「いろは歌」の教えは、現在にも通用する言葉が多く、しっかりと学びたいものです。
 
 これからの南さつま地域の観光にとって必要なことは、1点目は、個人型・滞在型観光に対応できるメニュー作りの充実です。2点目は、新幹線開業に備えて、地域間のアクセスをどのように確保していくかです。3点目は、海道沿線の案内板の設置や地域の物産を購入でき、食べることのできる施設の整備です。4点目は、エージェントが商品企画を造成しやすくするため、タイアップできる施設を増やすことが不可欠です。5点目は、宿泊施設の充実した地域と連携し、日帰り客の誘客をいかに図っていくかです。

 「南さつま海道八景」沿線は、手つかずの自然がいっぱい残り、忘れかけていた日本の原風景があります。鹿児島で最後に残された観光ルートと捉えています。今後の発展を期待してやみません。

 温泉地の活性化(2) ―温泉地の再生を何に求めるか―

2008年11月17日

 これからの温泉地の活性化について、「わざわざ泊まりに行く温 霧島温泉 泉地の魅力とは」何なのか、社会的な存在意義を含めて問い直してみたいと思います。

 1つには地域の素材を点検し、地域内にあるものを観光に活かすことが大切と思います。地域に残る伝統的踊り、太鼓、祭り、などを観光客に提供する仕組みづくりや、美しい小川、渓谷、田畑、など自然が残る地域を案内し、なつかしい日本のふるさとを体感させることが必要です。いま物より「癒しや心の豊かさ」を求める層が増えています。

 2つ目には温泉地全体での地産地消への取り組み強化です。いま日本では食の偽装が厳しく問われています。地元の食材を使ったメニューを提供し、安全・安心を追及している温泉地としての評価を高めることが、誘客に繋がります。また、地元の農協や農家などとタイアップし安定的に供給できるシステムをつくり、観光客に提供できれば農家にとって生産意欲が高まり、就農人口が増えて農村振興にも役立つと考えます。

 3つ目は地域全体に経済的効果をもたらすことが大切です。施設での囲い込みをやめて、積極的に観光客が外に出ることを可能にしなければなりません。地域の名産店を紹介したり、グリーンツーリズムが体験できる施設への送迎、文化施設への誘導など地域全体へ波及させ、滞在効果を高めなければなりません。また、連泊を可能にするには、2泊目は夕食をフリーにするなど他の飲食店での利用を促進することが大切です。

 4つ目は従来型のエージェント依存体質から脱却し、自ら情報発信し誘客に努める必要があります。まち歩き、トレッキング、産業観光、エコツーリズムと旅行の形態も変化しています。地域の旬の情報を必要としている層に、タイムリーに伝達していくことが求められています。そのために施設の従業員が自らの地域を知ることが大事であり、定期的に地域独自で社員研修を実施して、自らのまちに誇りを持つことが大切です。

 最後に温泉地活性化のためには、おもてなしの心を地域全体でいかに醸成させるかです。
観光客の旅の一番の思い出は、旅先で受けたおもてなしの心だと思います。それぞれの職場の長が自ら率先してこそ効果があがり、地域全体の評価を高くすることになります。そのことがリピート客に繋がります。サービスとは感動とロマンの提供と考えます。

 いま温泉を活用したまちづくりを標榜する自治体が増加しています。温泉地が昔の賑わいを取り戻すためには、不振の要因を外に求めるのではなく、課題はむしろ自らの地域にあることを認識し、解決していかなければ再生は難しいと思います。日本のすばらしい温泉文化を復活させたいものです。 

温泉地の活性化 (1)―旧来の温泉地はなぜ苦戦をしいられているかー

2008年11月10日

               
 温泉所在地自治体の首長が集結して、温泉を核としたまちづくりを考える「温泉フォーラムin霧島」が10月30日から2日間霧島市で開催されました。全国から市長(代理含)14名と関係者を含めて150名が参加し、活発な意見が出されました。各都市の実践事例が報告され、活性化に向けての課題も浮き彫りにされたのではないかと思います。

原口先生   鹿児島大学生涯学習教育研究センター長の原口泉氏からは、今話題の大河ドラマ「篤姫」を題材にして、小松帯刀や坂本龍馬、西郷隆盛らが温泉を舞台にいかに政治的交渉を重ねたかの興味深い楽しい話が披露されました。
  また谷崎潤一郎、志賀直哉、川端康成など文人、墨客が滞在して小説を書く場所として温泉地をなぜ選んだのか、その魅力を確認すべきとの指摘がありました。温泉地の本来あるべき姿は何なのか、地域素材の点検と検証が必要と感じました。

 商業ジャーナリストの桑原聡子氏からは、繁盛している商業施設のサービス、それをつくりあげる協働作業についての成功事例の話があり、顧客の熱い支持を得るためには、価値ある情報をいかに消費者に伝えるかが鍵であるとの指摘がありました。温泉地の旬の情報を、タイムリーにPRすることで誘客する必要性を痛感しました。

 伊東市の佃市長からは、「健康保養地づくり」の1つとして、大学と連携し温泉とジムを組み合わせた健康づくり「健脳健身教室」の成功事例の発表がありました。また、まちの魅力を市民に知ってもらうため1月10日を「市民感謝の日」と定め、入館料を110円とか、宿泊施設を二人で1泊2食付1万1千円とか、イトー(1・10)になぞらえて利用しやすい価格で提供して多くの市民が親しんで利用し、まちの活性化に役立っている事例も報告されました。市民が自分のまちを誇りに思うことが「住んでよし、訪れてよし」の第一歩になると思います。

 地元霧島市の前田市長からは、大河ドラマ「篤姫」で紹 温泉フォーラム 介された坂本龍馬、おりょうさん夫婦の新婚旅行が日本で最初のものであり、しかもその地が霧島の塩浸温泉であることのPRがありました。また、温泉と森林セラピー、ホースセラピー、タラソセラピー、来年30周年を迎える「霧島国際音楽祭」など多彩な観光素材を組み合わせて、「良い癒しの時間を提供する霧島」の魅力を熱く語られました。「日本の原点・霧島市を、日本一のふるさとに。」を合言葉に日頃から霧島市のPR本部長として全国を飛び回ってらっしゃいます。
 
 霧島市は、国際空港があり、高速道路のインター、JRなどが交差し交通の要衝です。1市6町が合併した霧島市は、観光を切り口に地域の融和を図ることが適切と考えます。ところころで日本の温泉地は、バブル崩壊時までは隆盛を極めていましたが、その後低迷し再生できない大型温泉地が多くあります。

 熱海市長は、低迷の要因を宴会と飲食、花火大会に頼り過ぎ、宿泊客が全盛期の半分に落ち込み、今街づくりに苦労しているとの報告がありました。宿泊者が伸びない要因は、温泉地の魅力喪失と旅行者サイドの志向の変化があげられます。観光形態の多様化、特に団体旅行から個人旅行への趣向が強まり従来の宴会型宿泊が減少し、個人旅行に対応できない大型旅館を中心に苦戦をしいられています。
 また施設の中に、カラオケルームや飲食店など街の機能まで取り込んだため宿泊客が外に出ず、まち自体の活力がなくなり結果として温泉地が寂れることになりました。

 2007年と98年を比較すると、旅館の数で1万3千軒減少している現実があります。温泉地の活性化には、そこの温泉地だけでなく周辺部の観光素材の掘り起こしと、現在観光客が求めている体験観光のメニューづくりが必要になっています。宿泊者が、翌日滞在しても飽きない魅力ある地域になることが重要と考えます。昔の栄光を捨て新しい取り組みが今求められています。
 次回は温泉地の再生について述べます。

観光カリスマ塾に学ぶ

2008年11月4日

 指宿で開催された「観光カリスマ塾」に参加しました。「観光カリスマ」は、次のような経緯で誕生しました。平成14年6月の閣議決定を受けた経済財政諮問会議の下、生活産業創出研究会(座長:島田春雄内閣府特命顧問)が発足し、「観光産業の活性化」および「健康の産業化」等について、今後取り組むべき生活課題についての検討がなされ、その報告書を受けて観光カリスマが提案されました。カリスマ選考委員会は、内閣府、国土交通省、農林水産省の三府省により組織・運営され、平成17年に100人の観光カリスマが認定されるに至りました。

 観光カリスマ選定の趣旨は、次のとおりになっています。(国土交通省のホームページより)
「従来型の個性のない観光地が低迷する中、各観光地の魅力を高めるためには、観光振興を成功に導いた人々のたぐいまれな努力に学ぶことが極めて効果が高い。各地で観光振興に頑張る人を育てていくため『観光カリスマ百選』選定委員会を設立し、その先達となる人々を『観光カリスマ百選』として選定する。」とあります。観光振興にいかに人の存在が大事であるかが解ります。

  カリスマ塾 今回、塾長を努められた観光カリスマの「有村佳子氏」は、現在指宿ロイヤルホテルの会長の要職にあります。九州管内では10人の観光カリスマが認定されていますが、ただ一人の女性です。
 今回のテーマは「鹿児島オンリーワンの観光」と題して、1つは「温泉」と「食」、「運動」を活用し、新たな産業の創造を目的とした実証実験の事例発表がありました。2つ目は、内閣府が本年度公募した地方の元気再生事業に応募され、採択された「長寿の国 かごしま発 『平成版 IT湯治』 」の概要の説明がありました。
 特に今年採択された事業は、地元の食材を生かした低カロリー食、ウォーキング、砂むし入浴等を組み合わせた滞在プログラムを提供するとともに、身体状況計測機器・ICTを活用して滞在者の健康状態を計測し即時的に食事・運動のアドバイスなどをおこなう「平成版 IT湯治」の商品化を進め、健康保養滞在型の観光地づくりを進めるものです。日常の生活をしながら検証するという画期的な提案であり、採択は当然のことと思います。参加者も関心をもって講話を聴いていました。

 最近温泉地の活性化について、長期滞在による健康 砂蒸し温泉 増進基地を標榜する地域が多くなりました。しかし、温泉地が長期滞在に耐えうるだけの魅力が無ければ観光客は集まりません。温泉地周辺の生活文化を取り込んだ魅力発信とともに、そこの温泉地が他の温泉地に無いものがあることが、誘客に繋がると考えます。指宿は他の温泉地には無い「砂むし温泉」があります。その砂むし温泉を活用した「平成版 IT湯治」は他の地域にはない事業と思います。すばらしい成果が生まれ、事業として発展することを期待しています。

 有村氏は「これからの観光地は競争に勝っていくオンリーワンの要素が必要である。鹿児島は本土最南端に位置し、南北600キロにもわたる海がある。活火山や離島もある。こんな恵まれた土地はどこにもない。観光は人を幸せにする産業であり、人の究極の幸せは健康でいながら年をとること。「スパドゥ(温泉=「する~=do」)」はこうしたニーズに応えることができる。しかも指宿のオンリーワンである砂むしをいかした事業で、指宿まで足を運んでもらわなければ体験できない滞在型のプランである。」と語り、我々が協賛することがらがたくさんあります。

 また観光カリスマと呼ばれるためには、たぐいまれな努力が必要と思います。有村氏は、何事においても情熱をもってあたられ、地域に根ざした活動をされ、多様な人材と交流し常に新しい情報をもってらっしゃいます。地元の食材を活用した食のメニューを、観光客に提供する「地産地消」にも積極的に取り組んでいます。今後のますますの活躍を期待するとともに、指宿地区が新たな事業で発展し続けることを祈っています。
       参考資料 「観光カリスマ」国土交通省ホームページより

坊津の魅力

 2008年10月27

  坊津の洛陽 坊津は、梅崎春生が自分の軍隊生活の経験をもとに、小説の舞台として取り上げた場所です。小説「桜島」の冒頭は「7月初、坊津にいた。往昔、遣唐使が船出したところである。その小さな美しい港を見下す峠で、基地隊の基地通信に当たっていた。私は暗号員であった。毎日、崖を滑り降りて魚釣りに行ったり、山に楊梅を取りに行ったり、朝夕峠を通る坊津郵便局の女事務員と仲良くなったり、よそめにはのんびりと日を過した。」で始まり、坊津の港の情景が伝わってきます。

 一方、遺作となった「幻化」では美しい坊津の景観と人々の暮らしを次のように書いています。「道に行き交う人々は、名も知らない者ばかり。頭に荷物を乗せた女が通る。女学生、小学生が通る。長い釣竿をかついだ男が通る。夕方になったので、磯釣りを終わった土地の男だろう。芭蕉、フェニックスが生えている。町を通り抜けると、まただらだら坂となる。高くなるにつれて、風景はいよいよ鮮明に立体化して来る。湾内に小島がいくつか見える。島々のために港の入口がせまい。大きな船は出入りが出来ない。しかし水路の複雑さのために、密貿易には好適の港だったのだろう。五郎は足を止めた。そして道から斜面に降りていく。首を傾けた。」今も変わらない坊津の姿があります。

 先日、「坊津やまびこ会」が主催する「まち歩き」に参加し 坊津 一乗院跡 ました。坊津はかつて、日本三津とうたわれ、古来から仏教文化が伝来して栄え、また中世から続いた交易港として多くの船が出入りしました。まちのあちこちに当時を偲ぶ史跡が残っています。坊泊小学校の近くの高台にある「上人墓地」は四角形の珍しい墓であり、南北朝時代から明治維新までの勅願寺一乗院の歴代住職の墓所となっています。仁王像や石垣が残り当時の栄華を伝えています。また、まち歩きガイドさんの話によると、小学校は現在100名程度ですが、半世紀前は1000人を超える生徒が在学しており、運動会になると町民もこぞって参加し盛大に行われていたということで、坊津の当時の繁栄が偲ばれます。

 真珠のような美しい入江の近くにある「双剣石」は、大小の剣を立てた姿に似ていることから名づけられた言われています。海底は白砂清澄で美しく、安藤広重もここの風景を描いています。近くには太公望を楽しませる豊富な漁礁にめぐまれ、釣り船でにぎわっています。最近特に増えたのが、澄み渡る珊瑚の海でのダイビングを楽しむ人達で、ダイバー向けのお店も充実しています。

 「輝津館」は、中国や琉球の交易の軌跡、一乗院を中心とした坊津の仏教文化や漁に関する民族資料など、坊津の歴史を語るものが展示されています。また、ここから見る坊浦に沈む夕日は、必見に値します。横にある和楽園公園の中には、戦争中通信兵として滞在し、戦後この地を舞台にして小説を書いた梅崎春生の「人生幻花に似たり」の文学碑があります。小説「幻化」を読むと坊津の魅力が一段と深まると思います。

 坊津はまた、酒造メーカーのCMの場所として登場したり、ショーン・コネリー、丹波哲郎、浜美枝が共演した「007は二度死ぬ」のロケ地にもなったことがあり、秋目の鑑真和上上陸記念碑近くの駐車場に「007撮影記念碑」が建立されています。坊津には旅情をかきたてる場所が多く残っています。また、ゆっくりと歩きながらいにしえ人の行き交った石畳や、石垣が残る路地を巡るのも坊津を知る一つの方法と思います。皆さんもぜひ一度訪ねて見てはいかがですか。

最後に坊津の魅力を彷彿させる「坊津旅情」(作詞 寺田鉄五郎)の詞を紹介します。

  1.赤い帆あげた南蛮船の 坊の昔が懐かしや
    おぼろ絵巻の昔の夢を 問えど語らぬ
    なぜに語らぬ雲の野間 夢の坊津よいところ

  4.坊の岬の灯台さえも 涙じめりの灯りをともす
    遠い浮島 硫黄か屋久か 霞む黒島 霞む竹島 波の上
    夢の坊津よいところ

  7.昔栄えし面影とめて 偲ぶ名残の仁王様 入日金色
 一乗院に 秋が逝きます 秋が逝きます さえざえと
    夢の坊津 よいところ
          (全11番)
                     参考資料 「坊津 まち歩きマップ」

さんふらわあの利用促進を

2008年10月20日       
       

  志布志港から大阪南港に就航しているさんふらわああの利用促進を図るためのミッションが実施され、伊藤知事を始め、諏訪鹿児島商工会議所会頭、本田 さんふらわあ 志布志市長、鹿屋市議会副議長や大隅地区の若手経済人など50名を超えるメンバーが参加しました。

 さんふらわあは物産の輸送だけでなく観光客の誘致にとっても重要な航路です。しかし旅客が思うように伸びず、昨年宮崎港への航路変更が取りざたされましたが、鹿児島県側の強い要請で志布志航路は維持されることになりました。知事を団長とするミッションは昨年に続き2回目であり、航路の重要性が再認識される機会となりました。
  航路存続には今後とも、官民一体となった利用促進が必要です。まずさんふらわあについての利便性をもっとPRし、観光客誘致の取組みを強化することが重要です。鹿児島と大阪を13時間あまりで結び、しかも航路は夕方出港し朝方到着というパターンで、時間を有効に使えます。船内には大浴場やレストランを備え、個室の部屋もありファミリー層にも十分対応できます。

  また、旅行会社との商品企画の充実も求められています。かつて南九州はハネムーンのメッカでしたが、そのころ南九州に来た人々は団塊の世代に入り、退職の時期を迎えています。思い出ハネムーンなどの企画提案が功を奏すると考えます。旅行エージェントに対する金銭的支援も発表されており、多くの会社で企画提案がなされることを期待しています。
 鹿児島県サイドでもさんふらわあを利用した修学旅行が増えてきたことは注目されます。本年は地元の志布志高校や甲南高校が利用しましたが、来年は鶴丸高校が利用します。支援制度を積極的に修学旅行に活用してほしいものです。
 
 関西の大学生が冬場の合宿に大隅地区を選ぶことが多くなっており、足としてさんふらわあを利用しています。大隅地区は冬場でも温暖な気候であり、しかも各種のキャンプ施設や宿泊施設の充実も図られてきました。また、学生のキャンプに欠かせないコンビニやコインランドリーが近くにあることなどを明記したパンフなどを作成し、滞在条件に合った地域であることをPRし学生団体の誘客拡大を図るべきです。
 
 一方、大隅地区への観光客誘致のためには、アクセスの整備や観光ルートの設定、タイムリーな情報提供が求められます。鹿児島市内との連絡バスは設定されましたが、大隅地域を回遊するためには、ルートの設定が不可欠です。大隅地区は食の宝庫であり、観光客には魅力的ですが、最近の旅行の流れである個人旅行に対応するためには、タクシーやレンタカーの拠点整備や飲食店、観光施設との連携、旬の情報提供が必要です。

元気印  最近注目をあびているグリーンツーリズムについては、態勢づくりが大事になっています。地域をまとめて受け皿をつくり、豊富な体験メニューをつくり観光客に提供していくためには、コーディネーターの存在が大きな役割を果たします。受入に不安を持つ農家を説得し、グリーンツーリズムの持つメリットを享受できるようにすることが、定着に繋がります。特に学生市場に対するグリーンツーリズムが大隈地域は最適の地と考えます。

 その意味でグリーンツーリズムは地域活性化のキーポイントになると思います。
 2年半後に九州新幹線が全線開業しますが、大隅地域は県内の他の地域にくらべて、新幹線波及効果をもたらすことが厳しいと考えています。もしさんふらわあが廃止されたら大隅地域にとって大きな打撃を受け、そのことは鹿児島の観光にも大きな影響を与えることになることを肝に銘じて、今後の大隅地域の観光客誘致戦略を考えるべきと思います。

鹿児島県観光プロデューサーの提言を発表しました。

 

9月12日、奈良迫鹿児島県観光プロデューサーが提言を発表いたしました。

「九州新幹線全線開業に向けた観光振興方策についての提言」はこちら。

 

「まちの駅」をご存知ですか

2008年10月14日

 鹿児島の西南端に位置する枕崎市は、日本一の「かつおのまち」です。いま枕崎駅から続く市役所通りが、青空美術館として話題を集めています。著名な作家の26基の彫刻作品が数十メートル置きに並んでおり、必見の価値があります。ぜひ出かけて観てください。

 ところで「まちの駅」という存在をご存知ですか。県内には79箇所のさまざまなスタイルの駅が存在し、枕崎市内には9箇所あります。先日その枕崎市で開催された「南薩ブロックの研修会」に参加しました。まちの駅には次のルールが決められています。
 ① 誰でもトイレが利用でき、無料で休憩ができる [休憩機能]
 ② まちの案内人(スタッフ)が地域の情報について丁寧に教えられる [案内機能]
 ③ 地域の人と訪れた人の出会いと交流のサポートができる [交流機能]
 ④ 参加されるみんなが相互ネットワーク化して、一緒に“おもてなし”の地域づくりを目指す [連携機能]

 以上4つの機能が備わっていれば、団体でも個人でも[まちの駅]に参加できます。現代版の[よろず相談所]と[情報ステーション]の位置付けになるのではないかと思います。
 駅のネーミングから、多彩な機能があると判断できます。「手作り菓子の駅」、「陶芸の駅」、「ギャラリーの駅」、「語らいの駅」、「福祉の駅」、「けんこうの駅」、「農・畜産の駅」、「さつま琵琶の駅」、「ふもとパソコンの駅」、「からだにやさしい駅」など一度はぜひ訪れてみたい駅名になっています。

 今後の「まちの駅」のあり方について考えてみました。いま地域で好評を博している店として、「道の駅」があります。採れたての農産物や魚介類、無添加の食品が並び観光客に人気です。大きな駐車場にレストランを備えており大型バスの駐車も可能であり、購買力も高く店によっては10億近い年商を上げているところもあります。しかし「まちの駅」は多くが家族的な小規模のお店が大半であり、大型団体には対応が難しい面があります。しかしマイカーなど個人旅行する人にとっては、良き相談窓口になると思います。

 また、地域コミュニティの場所として存在価値があります。観光客と地域住民の出会いと交流をサポートし、再会の場所としても最適の場所です。駅のあり方としては、奉仕事業だけでは限界があり、経済的効果を生み出すことが駅の活性化に繋がると思います。
 地域の特産品や手作りの小物を置き、販売につなげ収益を生み出すことが大切です。旅人は、地方を訪れたときそこで食べた食材や工芸品に感激します。旅の思い出に記念品を購入するきっかけ作りにもなると思います。

 また、会員同士のネットワークを強化し、地域の魅力を相互に発信することで観光客の回遊の楽しみ方が増えます。旅行者は遠方から来るほど、広域にまわります。地域の人の情報が貴重な「旅情報」です。親切な対応を受ければ、その場所の良さが口コミで広がります。ぜひ各会員がおもてなしの心を醸成し、温かく迎えることを地域ぐるみで育てることが大事です。また地域住民にも認知度を向上させ、利用者が増加すれば地域活性化に繋がると考えます。今後の発展を期待しています。
        参考 「かごしま まちの駅」パンフレットより

「地産地消」の推進

2008年10月6日   

    
  観光の振興には農業を初め、商業、工業、教育関連など多くの分野と連携し、地域総力戦で取り組む必要があります。また、鹿児島は国内第二位の農業県であり、豊富な農産物が県内至るところで作られ、観光により消費拡大が求められています。
  
 いま食に関してはその品質と合わせて、安心・安全が国民の関心の的になっています。
地域の生産物を地域で消化しようとする活動を通して、生産者と消費者を結びつける「地産地消」を推進する機運が高まってきました。観光振興と連携した取組みについて考えてみたいと思います。

  黒豚   観光客は旅行先での「食」への関心度は高く、「旅先で美味しい新鮮なものを食べたい」という欲求は強いものがあります。「食」が観光地づくりに欠かせない理由がここにあります。観光客はまずチェックイン時にお茶のサービスを受けます。鹿児島は全国2位のお茶の生産量を誇り、美味しいものを出すことで第一印象が違います。夕食時にさまざまな食材を活用した料理が出ますが、地元の食材を使ったお品書きや表示があれば、客は喜びます。
 
 また従業員がそれとなく説明を付け加えれば、コミュニケーションが図られ、食事が楽しくなり、宿やエリアのイメージアップにも繋がります。地元産のマーク等の表示で県産の食材、産地をわかりやすくお客様に伝えることができれば購買にも繋がると思います。地元の農産物が地域で消費されることは、地域経済が活性化され農業振興に結びつきます。「地産地消」を中心とした観光地づくりを積極的に進め、メディアにも情報をリリースして地域のイメージアップを図ることも一方では必要な事です。


 国内では「緑提灯」と呼ばれる活動が広がっています。国産の食材を半分以上使って食事を提供している店先に、緑色の提灯を掲げることで日本の食料自給率を向上させようとするボランティア運動です。日本の食料自給率は40%であり、今こそ地場産を消費する運動を広げたいものです。

 今地域に足を運ぶと、「道の駅」や「農家の直売店」が盛況を呈していますが、特に露地栽培での取れたての野菜や農家の人が地元食材で作った無添加の食品が、人気を博しています。生産の履歴や生産者表記で安心して買い物ができることがあげられます。

 曲がった「にんじん」、2つに分かれた「ダイコン」、大きさの違う「きゅうり」などは、市中のデパート、スーパーでは商品価値がありませんが、それらのものは品質としては変わりなく、安価であり家庭で消費する分としては問題ありません。今まで廃棄していたものが市場では受け入れられ、農家にとっても生産意欲を高めることに繋がります。
 農業後継者が少なくなり、高齢者が増え、農業の荒廃が進んでいます。地産地消が拡大することで、農業の振興が進めば農家所得も向上し農業に従事する人も増加することが考えられます。今一度地場産の食材の購買に県民が関心を持ち、販売拡大に貢献していくことが大切です。
            参考資料「広報 いぶすき 10月号」

良好な景観形成の必要性 

  2008年9月28日

          
  海外旅行先で感激することのひとつとして、広告や看板が少なく、落ち着いた雰囲気を醸し出している観光地があることです。スイスやドイツのロマンチック街道、カナダのバンフなど景観に配慮したまちづくりが施されています。
  日本では、景観法が2005年6月に施行されましたが、その対象は多岐にわたっています。基本理念には、《良好な景観は国民共通の資産》であると位置づけられており、地域の自然、歴史、文化等、地域の特性や特色を伸ばす必要性が指摘されています。

  景観を守ることは、観光まちづくりの根本をなすものと考えます。鹿児島市は錦江湾をはさんで、目の前に雄大な桜島がそびえており、その景観は世界に類の無いものです。しかし最近では至るところに高層ビルが建ち、いつのまにかその雄姿が見られないポイントが増えており、高さ制限の必要性を感じることがあります。県内の有名な観光地でも、旗の林立や派手な商品広告にがっかりさせられることがあります。
 まず公共空間や公的施設を持つ地域周辺では、看板の大きさ、字体を統一することが景観を守ることにつながります。

  全国的に景観形成に積極的に取り組んで成功している事例として、「伊勢市」、「川越市」、「彦根市」「北九州市の門司港レトロ地区」、「松本市」などが上げられます。これらの市は、屋外広告物の表示・掲出の制限や無電柱化を行っています。特に松本市は歴史的自然を活かしたまちづくりを促進するため、市街地の建物の高さを制限し松本城等の眺望景観を確保する取組を行っています。地域の特性を活かした取組の結果、大幅に観光客が増加しています。

  県内では、武家屋敷の残る「出水」、「知覧」「入来」 知覧武家屋敷 などは区域を限定して、広告や旗を制限して美しい武家屋敷群を守りたいものです。また、温泉地ではホテルの名称や位置を知らせる看板が林立していますが、まちの入り口にひとつの看板にまとめることで十分と考えます。インターネットの普及やカーナビを装置した車が多くなり目的地の検索は、観光客には容易になっています。「黒川温泉」が実践しています。古い建物や庭園が残る場所では、広告物そのものを規制することで地域としての評価が高まり、観光客が増加することが想定されます。

  今景観を維持していくために、地域の体制やまちづくりをどのようにすすめていくかが問われています。今まで景観の重要性について考える機会や、その背景も希薄であったと思います。これからは小さい頃から景観保護の重要性を、学校教育で教えることが大切です。いまこそ景観が地域の誇りであることを認識し、景観保全に取り組んでいる先進地を視察し、地域の景観形成についてどのように合意形成を進めているか研究する必要があります。  
 美しい景観を、先祖代々まで残していくことが、我々の義務であると考えます。

「地域の担い手」育成の必要性

                                                                                                           2008年9月22日
       
 時代とともに国民の旅行スタイルは大きく変わってきました。かつての観光の形態は、物見遊山的な周遊型の旅行が主 おはら祭り 流であり、宿泊先では豪華な宴会を伴うものが多くありました。しかし最近の旅行は、旅行者のニーズを組み込んだ個人旅行が中心であり、主要な旅行代理店の統計によると、団体旅行と個人旅行の取扱いは、3対7の割合となっています。旅行者の趣向も、訪れる地域の自然・生活文化・住民とのふれあいを求める「交流・体験型旅行」へと旅行スタイルが変化しています。熟年層では、特に自分流の旅行スタイルを求める人が増えてきています。地域は消費者のニーズに合っているかで選ばれる時代です。

 手配の方法も大きく変わってきています。いままでは、旅行会社、駅、宿泊施設の案内所等が多く、選択肢は限られていました。今は行きたい地域の情報については、パンフレット、雑誌、インターネット等多種多様なメディアで、自分のニーズをみたすものが簡単に入手できるようになりました。旅行手段も多様化し、また、目的や対象は広範囲に及び、自分の五感で体験する旅行を求める層にはより詳しい情報が求められています。

 地域においても、体験メニューをプログラム化した「体験型観光」、環境をテーマとした「エコ 妙円寺詣り ツアー」、街中を歩きながら観光する「まちあるき」、歴史的産業遺産を勉強する「ヘリテージツアー」、農業体験を盛り込んだ「グリーンツーリズム」など新たなツーリズムがブームになっています。  地域発の旅行商品づくりが注目されています。そのため、地域の受入れ側もより細かな地域情報の提供、おもてなしの心の醸成、観光客を案内する組織、人材の確保が必要になってきています。住民の創意や工夫を活かした観光まちづくりを推進するには、地域に愛着と誇りをもつ人のアイデアと意見が不可欠です。これが、地域をコーディネートする「担い手」の育成が求められる所以です。

担い手に求められる要件は、
① 地域活動において「活躍している」または「活躍する意欲のある」人材
② 得意分野を持ち、それを人に教えることのできる知識とスキルを有する人材
③ コミュ二ケーション能力に富み、常に好意をもって人に接することのできる人材
などです。得意分野は、学術等の専門知識に限定されるものではなく「ものづくり」、「伝統芸能」等の伝承も十分その対象です。地域住民の活力を活かし、来訪者を「もてなすこころの醸成」が交流人口の拡大を図ることを可能にします。

 観光連盟では、地域の担い手を育てる方策の一環として「かごしま観光人材育成塾」を、11月18日~21日の4日間の日程で開催いたします。九州各地の地域づくりで活躍している11人を講師として、地域素材の発掘、地域間の連携、旅行の商品化、情報の提供、おもてなしの心の醸成、などを学びます。またニュ―ツーリズムのワークショップやフィルドワーク、夜学塾も実施します。地域の活性化の手法を学ぶいい機会であり、参加者同士のネットワークづくりにも役立ちます。県内の多くの地域から参加されることを期待します。    
 参考資料「旅のもてなしプロデューサー」 ぎょうせい    

霧島の観光を考える

2008年9月16日

 全国商工会議所が公募した「平成20年度地域資源・全国展開プロジェクトの調査研究事業」で、霧島商工会議所の案件が採択され、その事業を推進する委員会に出席しました。霧島市は1市6町が合併し、県内で2番目の人口を誇る市です。市内には、国際空港と高速道路の5つのインターがあり、また、日豊本線や来年開通100周年を迎える肥薩線が通っており、アクセス的に大変恵まれた地域です。しかし県外の宿泊観光客は100万人前後でここ10年ほとんど増えず、苦戦を強いられています。

 霧島市の観光の現状と課題について検証してみました。 霧島連山 1点目は、霧島の観光の魅力が消費者に浸透していないために、単発型の宿泊地になっていることがあげられます。日本有数の温泉があり、登山、トレッキング、歴史、食と多くの観光素材に恵まれながら情報伝達や連携が不十分であり、観光客に霧島の良さが伝わってないと思います。いまの観光は、滞在や交流を求める人が多くなっています。連泊して地域の良さを体験していただく仕組みを作っていかなければなりません。ホテル間を回遊するバスや、共同してインフォーメーションをするなど観光客の利便性を図りながら、体験を中心とした着地型観光を充実させることが必要です。

 2点目は、伝統芸能や文化イベントをもっといかす取組が必要です。「きりしま九面太鼓」、「夜神楽」などは、週末には既存の施設で必ず観賞できるようにすることが観光客の定着に繋がります。また、「霧島国際音楽祭」は国際的にレベルが高く、知的興奮を伴うイベントであり、もっとPRし、県内はもとより全国からの誘客を図らねばなりません。来年は30周年を迎えます。「霧島国際音楽祭」が開催される町としての誇りとおもてなしの心を醸成するなど、地域あげての取組を強化し、行政サイドの資金的な援助も必要と考えます。

 3点目は、若者を活かしたまちづくりが求められています。市内に2つの大学があり、またソニーや京セラの工場があり、若者が多く住んでいます。若者が自ら企画し、参画するイベントの創出が観光客を呼び込みます。北海道の「よさこいソーラン」はその代表的な祭りです。イベントを興すには、地域単位でグループを作り、そのフィナーレとして本大会を中心部で開催すれば、盛り上がっていくと思います。観光には「よそ者」「若者」「ばか者」の感性が必要です。

 4点目は、来年100周年を迎える肥薩線の活用です。沿線には古い駅舎が残る「横川駅」や「嘉例川駅」があり、レトロ調の雰囲気は鉄道ファンだけでなく観光客を引きつける魅力があります。駅舎に、春には雛人形やこいのぼり、夏には風鈴、秋には鈴虫、冬にはクリスマスツリーや正月人形を飾るなどし、季節感を出すことで沿線の地域に観光客を呼び込むことが可能になると思います。来年は熊本から人吉までSLが走る予定です。地域連携を強化することで、誘客に繋がると思います。

 5点目は、担い手の養成です。霧島市は7市町が合併してできた町であり、しかも観光地も広域になります。今はそれぞれの地域が頑張っています。しかしいずれは市全体が一体となった観光振興が求められてきます。少子高齢化が進む中で、交流人口をいかに増やして地域を活性化するかが問われています。広い視野での観光客の誘致が大事であり、地域全体をコーディネイトする人が求められています。

 いま地域間競争は激化しており、観光は観光関連産業だけでなく、農林水産業、商業、工業、教育関連など多くの分野との連携が必須であり、まちづくりの根幹に位置づけるべき政策と考えます。霧島に課せられた課題は多く、新幹線全線開通までは残された時間は限られています。

「観光庁」の発足と地域再生への取組

       2008年9月8日

  10月に国土交通省の外局として「観光庁」が新設されます。平成15年に当時の小泉総理が国会演説で「観光立国宣言」を発表し、同年の4月官民あげての訪日旅行を推進するため、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」がスタートしました。庁の発足はその延長線にあるもので、ようやく日本も観光立国への体制が整いました。外国では早くから観光の重要性が政策として示されており、日本は遅すぎた感がありますが、省庁再編が進められる中で新設は歓迎すべきことです。

 庁発足よりも一足早く19年1月に「観光立国推進基本法」が施行されましたがその概要は次のとおりです。
1 テーマ型広域観光モデルルートの開発や、地域の人材発掘と活用の推進を図り、 国際競争力の高い魅力ある観光地づくりを行うことです。
2 着地型旅行商品の創出・流通の取組支援や学校での教育の充実を図ることで、観光産業の国際競争力の強化と観光の振興に寄与する人材の育成を目指すものです。  
3 外国人が個人での旅行がしやすい環境整備と、空港での入国のスムーズ化、地方空港からの国際チャーター便の活性化支援を行い、国際観光を推進するものです。
4 有給休暇の取得促進や秋休みの普及による学校休業の多様化と柔軟化を促進し、国民が旅行に出やすい環境整備を推進するものです。
 分野ごとに数値目標をたて、さまざまな施策を展開することで観光振興を図り観光立国の実現を目指すものです。

 平成17年のわが国の国内旅行消費額は、24兆4千億円で、雇用創出効果は229万人と推計されます。この消費額がもたらす生産波及効果は55兆3千億円、雇用創出効果は469万人と推計され(平成19年観光白書)、観光がもたらす経済的効果は多くの分野に及んでいます。 

 観光庁の発足に呼応するかのように本年4月に部への昇格や人員増で観光部門の強化を図ったところが、15の県に及んでいます。それまでにも部の充実を図った県も多く、観光客誘致について、総力戦の様相を呈してきました。しかしここ10年間に国内の宿泊人員は3割減少しており、今後とも地域間競争は熾烈を極めると思います。各地域で誘客キャンペーンや旅行商談会、現地研修とあの手この手の誘致合戦が行われています。 

 しかし新たな需要開拓には地域の取組だけではなく、九州観光推進機構や隣県との広域連携が功を奏すると考えています。キャリアやエージェントの連携も大事になってきます。

   まち歩き またニューツーリズムへの関心の高まりや着地型観光のニーズに応えるため、商品作りやボランティアガイドの組織化が進められています。商品造成やまちあるきガイドの養成と併せて、地域住民と観光客が互いに交流し会える環境づくりが「訪れて良し、住んで良し」の町になると思います。鍵は地域にどれだけ人を呼び込むことができるかが重要なことです。そのためには、地域と観光客との間で商品開発や組織をコーディネートできる「担い手」が必要になってきています。観光は「観光客」と「住民」と「地域の文化・自然」が共生することで経済的効果が生み出され、持続的観光が成り立つものと考えます。観光は総合産業であり、地域全体でまちづくりに取組むことが重要です。
  観光庁の新設が、地域再生に大きく繋がることを期待します。

地域づくりに頑張る女性グループ―かごしまルネッサンスアカデミーから-

2008年9月1日

ルネッサンス1   鹿児島大学で開催された「かごしまルネッサンスアカデミー」の受講生の終了課題発表会に出席しました。この事業は、平成18年度から文部科学省より、鹿児島大学が受託した人材育成プログラムです。今回大学より健康管理文化コースで学ぶ2期生の成果の講評を依頼されました。
 このコースは、鹿児島の食を中心とした魅力を発信することを通して地域を再生していくことを目的としたコースで、飲食業、観光従事者、退職者や主婦など幅広い年齢層の方が受講しています。
 特に興味を持ったのは、チーム名が「かごしまプロジェクトX‘」で、4人の女性が取り組んでいる「おじゃったもんせ薩摩郡山」の発表でした。取組の趣旨は郡山の魅力を広く発信し、多くの人が何度も訪れたくなる地域になり、地域内外の人々との交流を通して、郡山地域が活性化することを目指しています。

 チームは、持続可能な観光には「楽しさ」が必要であり、 ルネッサンス3 また異なる感性や価値観を持った人たちでも「良識を共有する」ことでもっと密度の濃いコミュニケーションができ、そのことが持続可能な観光に繋がると考え、この2つのキーワードをもとに体験交流ツアーを実施しました。彼女たちは実施に当たり、自分たちがまず地元の方々となじみになることが重要と考え、昔の民家やお寺の住職を訪ね地域を知ることに努め、また棚田での農業体験に参加し住民との交流をするなど、本番の下地づくりを行っています。このような事前の取組をすることで、本番のツアーがスムーズに展開できたと考えます。

実証による分析・評価は次のようになっています。まず地元住 ルネッサンス2 民は他地域から人々が来ることを歓迎しており、今後も地域活性化のためには自然、農業、歴史を活かした交流が必要と感じています。交流は自分が変わり、地域が変わり、みんなが変わるとしています。   
 今後リピーターを増やして行くためには、なじみの店でのおいしい食事、催物の実施、なじみの人とのふれあい、温泉の活用などが必要だと分析しています。また、季節に応じた企画やコミュニケーションの時間を取るなどして郡山フアンを増やし、地元の人々との顔の見える交流をすることで輪が広がるとし、人間関係の構築が基本であると提案しています。
  信頼関係ができると定期的に訪問者が増え、農産物の購入にもつながり、地域経済に対する貢献も大きくなります。郡山は市内中心部から30分の距離です。旬の情報を伝達することが交流人口の拡大を可能にします。

 観光地づくりは、訪れる人と住む人がともに楽しく感じる「訪れて良し、住んで良し」の地域づくりです。人口の高齢化と少子化は、地域の活力を少しづつ失わせています。行政に頼るだけでなく、まず地域の取り組が大事です。また地域資源の活用は、一過性のものではなく継続した循環型の市場の創出が必要です。
  地域活性化に取り組む団体が、県内でも多くなってきましたが、女性だけによる取組はまだ少ないと思います。その意味で今回の事業に取り組んでいる篠原さん、小野さん、松元さん、幸福さんの4名グループの一生懸命な活動に拍手を送るとともに、今後の活動に期待したいと思います。

出水の観光を考える

2008年8月25日

  鹿児島の一番北にある出水市で、関係団体による今後の観光振興を検討する「出水の観光を考える会」が開かれ、オブザーバーとして出席しました。渋谷市長も出席され、活発な意見交換がなされました。
  出水の鶴 出水を訪れる観光客は、ここ15年間の推移をみると九州新幹線の部分開業した平成16年度に80万人を超えたものの、75万人前後でほとんど増えていません。出水の最大の観光スポットであるツル観察センターの入館者数は、平成4年度の10万8千人をピークに減り続け、19年度は4万4千人にまで落ち込んでいます。新幹線が開業した年も、ピーク時の半分です。武家屋敷の「竹添・武宮邸」の入館者数は、牛車がスタートした16年度は3万7千人でしたが、昨年は3万人あまりと低迷しています。
 
 新幹線の部分開業で停車駅ができたにもかかわらず、観光客が伸びない理由として次のことがあげられます。ひとつには、世界一の渡来数を誇るツルの見学者に頼りすぎた感があります。ツルは、めでたい事の象徴となる動物であり、一回は訪ねてみたいという衝動にかられます。かつては九州各地から団体のバスツアーなどで、日帰り観光客が多く訪れました。しかしリピーターになるまでには、至りませんでした。
 二つ目は旅行形態の変化があります。バブル期までは団体旅行が主流でしたが、その後マイカーやレンタカーを使った個人旅行への流れが加速され、一度に大量の誘客が難しくなっています。また消費者の求める旅行の趣向も変化しています。従来の物見遊山的観光から、行く先での体験や交流、地域の文化施設の展示品をじっくり見たり、まち歩きを楽しむなど滞在型観光が増えています。出水の観光のあり方が、時代の流れに必ずしも十分に対応できなかった事が要因と考えます。

 九州新幹線の全線開業まで3年を切りました。部分開業後に露見された問題点を検証し、全線開業に備えなければなりません。誘客の範囲も九州から関西以西と広範囲となります。出水最大の売りであるツルについては、見せ方の工夫が必要です。ツルは朝と夕方の雄姿が観光客に印象に残ります。その時間に見せることが宿泊を誘引します。クレインパークやツル監視員のトークを定時 出水の武家屋敷 に実施したり、えさを与えるシーンを観光客に見せることで新たな需要開拓になります。
 
 武家屋敷は規模が大きく、牛車が走るなど知覧をしのぐものがあります。春、秋に野点を開催したり、雛人形を飾り、通りを灯りで照らすなどのイベントで、観光客を誘客することが歴史的遺産の魅力を広く知らしめることになります。
 
 また、グリーンツーリズムが注目されており、いま食の魅力が観光客の誘致には欠かせません。道の駅や物産館に出水の安心・安全のブランドを展示し、観光客が購入することで、流通や販売拡大を図ることができ農業の振興にも繋がります。一方観光客は遠方から来るほど広域にまわるため、地域間の連携が必要です。水俣の「湯の児温泉」や「肥薩おれんじ鉄道」、「薩摩金山蔵」、「曽木の滝」「霧島温泉」などと連携した広域観光ルートをつくることで、出水への観光客誘致を可能にします。

 近年の旅行市場は「旅行の目的化、個人化」が進んでいます。また、観光は観光関連業者の業務と見られていましたが、今は地域全体の魅力を通して他の地域の人と交流し、それによって地域そのものを活性化しようという「観光まちづくり」の時代となっています。今まで開業した長野新幹線、上越新幹線、東北新幹線を見ると、終着駅の手前の駅は開業後苦戦を強いられています。魅力ある地域になることが、新幹線効果を引き寄せます。全線開業まで3年足らず、残された時間は限られています。出水の観光にとって、九州新幹線全線開業とツルが幸運をもたらすことを祈っています。

「観光客の心をつかむ」天文館の文化

2008年8月18日

 8月8日~9日の2日間「第15回天文館まつり」が天文館公園で開催され、子供たちの創作ダンスの発表、カラオケ大会、篤姫コンテスト、神輿の巡回など多種のプログラムがあり、多くの市民で賑わいました。この祭りは、平成5年の大水害で未曾有の被害を受けた天文館の関係者たちが、街の活力を取り戻そうと始めた祭りです。飲食店の経営者、ホステスさん、防犯団体、町内会など多くの人がこの祭りを支えていると感じました。

日本の各地には、そこを代表する歓楽街があります。札幌の「すすきの」、仙台の「国分町」、東京の「歌舞伎町」「銀座」、横浜の「伊勢佐木町」、金沢の「香林坊」、岐阜の「柳ヶ瀬」、大阪の「みなみ」「北新地」、博多の「中洲」、長崎の「思案橋」など歌謡曲の中にもよく出てくる地名です。天文館もその名が全国に知られています。

 旅の魅力は、訪れた地の料理屋で、郷土料理を味わいながら地元の人とのふれあいがあることです。また芋焼酎を片手にホステスさん達としばし語らい、それが鹿児島の文化にふれる機会となり思い出づくりとなります。
 
 6月に天文館の接客マナーの向上に取り組んでいるグループの研修会に、参加する機会がありました。会では、従業員の接遇のアップを図るため鹿児島の歴史、文化、食などを積極的に学ぶ機会を増やしているとのことでした。ホステスさんたちは、研修で真剣にメモを取り、お客様をいかにして満足させようかと努力している姿勢が強く感じられました。

  自らを磨き、お客様を魅了するためには、次のことが求められます。まず、自分の足で歩いて街の魅力を肌で感じ、住む町に誇りを持っていただきたい。中央駅 歴史の道 から偉人誕生地周辺、天文館、照国神社、黎明館、城山、南州神社までの歴史ロードを歩くことで、来店客に自分の言葉で鹿児島の観光の魅力を語ることができ、リピーターにつながります。
  二つ目は、文学作品や絵に親しみ、鹿児島の文化度の高さを知り、お客様にぜひPRしてもらいたい。鹿児島にゆかりのある作家の資料を展示してある「かごしま近代文学館」、吉井淳二や海老原喜之助など郷土が生んだ画家の作品がある「鹿児島市立美術館」、県内の歴史が一目でわかる「黎明館」など魅力ある施設です。展示作品に観光客が知的興奮を感ずることで、滞在時間が増えると思います。
  来店者に焼酎の割り方の極意を教えたり、おつまみに地元の旬の一品を付ければ、お客様が鹿児島の良さを一段と理解してくれるのではないかと思います。鹿児島流の飲み方で懇親が深まり、去りがたい雰囲気に観光客は旅情を感じます。天文館で働く人々は、観光客に鹿児島の魅力を語る伝道者の役割を持っていると考えています。

 3年後に九州新幹線が全線開業し、博多と鹿児島中央間は1時間20分で結ばれます。多くの地域から観光客が訪れることが予想されますが、一方では日帰り観光客が増加し、宿泊客の減少につながるのではと懸念する声もあります。そのためには鹿児島市が宿泊したくなる街としての魅力づけが重要です。観光客の琴線にふれる街とは、知的興奮を伴う街であり、おもてなしの心が醸成された温かい街です。天文館がいつも元気であることが、活気ある鹿児島の経済のシンボルであり、その意味でも「高いステータスを持つ天文館の文化」を作り上げてほしいと思っています。

アジアからの観光客受入態勢づくりを進めよう

2008年8月4日


  町並み 平成19年に鹿児島を訪れた外国人観光客数は129,549人で、前年と比較すると16,908人(15,0%)増加し、県観光統計上最高の数値となりました。国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)」の積極的活用や、民間と一体になって展開した誘致活動等の効果拡大、査証の緩和措置、円安傾向などがプラス効果と分析しています。
 国籍別外国人観光客数は、韓国が58,368人(19,7%増)で、次に台湾が25,703人(13,5%減)、香港が18,185人(106,3%増)、以下米国、中国と続いています。県内の宿泊先としては、鹿児島市内が52,005人、霧島地区が43,857人、指宿地区18,976人であり、3地区で90%を占めています。
 日本全体としても、昨年の訪日外国人は835万人で前年より14%の伸びであり、今後も顕著に推移するものと思われます。

 先日「アジアからの観光客受入態勢づくり」の講習会を100名近い関係者の参加で実施しました。今までどちらかというと、県内の外国人誘致については、限られた人の努力で関係づくりが進められてきたのが実情です。また外国人は、部屋を汚す、夜遅くまで騒ぐ、夕食を宿泊先で取らないなど、デメリットを理由に受入れに消極的な施設が多かったのではないかと思います。

  しかし日本人の国内旅行が伸び悩む中で、外国人特にアジアからの誘客を図ることが必要かつ重要なテーマになってきました。経済成長が著しいアジアからの観光客は、今後有望な市場になることが予想されます。特に中国は13億の人口があり、北京オリンピックに続く2年後の上海万博終了後には、大規模な海外旅行ブームがおきると想定されます。九州・沖縄では上海など中国6都市との定期航空便が週50便あります。中国からの観光客は今後も増える見込みです。

  現在東京の秋葉原や銀座で大量のショッピングをしているの 中華料理 は、中国の富裕層の旅行団です。彼らが使っているのは「銀聯カード」と言うキャッシュカードで、デビットカードと同じ仕組みのものです。このカードが使えると、中国の銀行口座にある預金の範囲でショッピングが可能です。逆にこのカードが使える店がないと、観光客は鹿児島ではショッピングをしないことになります。5月から山形屋が取扱いを始めており、長崎では中央商店街300店舗が導入し中国人誘致に動いています。

 外国人の個人旅行化が進む中で、気軽に観光したりショッピングを可能にするためには、市中での外貨交換や外国語表示を増やすなどの環境整備が必要です。先日の説明会では、財務局や鹿児島銀行の担当者から外貨両替についての現在の状況が説明され、今後受入態勢を整える企業が増えるのではと期待しています。

 観光立国基本法が成立し、10月には「観光庁」が発足して、外国人を2010年には、1000万人にする計画が推進されています。鹿児島県はアジアに近い国であり、是非その一翼を担うことが求められていると思います。

「おもてなしの心」が旅先の評価を決める

2008年7月28日

まごころわっぺん   「観光まごころ県民運動」は、観光客を温かく親切に迎え、良質のサービスを提供することにより、鹿児島を訪れる多くの観光客が、再び訪れたいと思うような観光かごしまづくりを進めるために始められた県民運動です。
 その目標は1つには、シンポジウムの開催や、優れたおもてなしをした人を表彰をするなどして、県民のホスピタリティの醸成を図るものです。2つ目は、まごころワッペンの着用を通して、観光従事者等の資質向上を進めるものです。3つ目は、観光地の美化運動の推進や表彰を行うことにより、きれいな観光地づくりを目指すものです。

  先日2つの会社のタクシーに乗る機会があり、運転手にこの運動についての会社の取り組みを聞いてみました。A社の運転手は次のように答えました。「1回社長名で運動の主旨を書いた書面を渡され、中身はサービスを良くするようにとのことで、あまり詳しく覚えていない」という返事でした。B社の運転手は「毎日朝礼で、接客のマナーを朗読し、まごころ運動の主旨を徹底している。」との答えでした。2社の会社でも取り組みに大きな差があります。当然運転手さんたちにも、サービスに対する考え方が態度として現れるのは目に見えています。

 観光課では、従来の取り組みに加えて「観光まごころ体験だより」を料金受取人払化して、より投稿しやすくします。また、観光客を温かく親切に迎える宣言的内容のステッカーをタクシーに掲示するとともに、旅館・ホテル・観光施設等の観光まごころ体験設置箱を更新することにしています。

 この運動は県民1人1人が内容を理解して、実行しなければマナーは向上しません。いま、国内旅行はどの地域も苦戦しています。少子高齢化が急速に進む中で、交流人口を増やし、地域活性化の方策として観光振興を掲げている自治体が90%を超えています。地域間競争は熾烈をきわめており、まさに地域総力戦で取り組まないといけません。ホスピタリティの醸成は「観光立県鹿児島の確立」のためには、当然のことです。
 
 今年秋には「ねんリンピック」が開催され、全国から延べで50万人が参加します。来年には今世紀最大の「皆既日食」が鹿児島で観測され、世界から40万人の人が来ると予想されています。鹿児島を訪れる人々を温かく向かえることで、観光客がその思い出をPRしていただくことが次に繋がります。
 
 旅行の目的は、歴史的遺産や景観のすばらしさ、温泉、名物料理等を堪能することが楽しみのひとつです。しかし旅先から帰ったとき一番こころに残ることは、「旅先で受けた運転手の心遣い」、「宿泊先でのおもてなしの良さ」、「観光地で親切に道を教えてくれた地域住民」です。県全体に「観光まごころ県民運動」が定着することで、観光客を持続的に迎える体制ができると判断します。それぞれの事業所、地域で今以上に取り組まれることを期待します。

「あまみの長寿」が観光資源に

2008年7月22日
         

  奄美 鹿児島空港から1時間あまり、コバルトブルーの海が一段と美しくなるころ、白い機体は、緑がまぶしい芝生の中の滑走路に、滑るように着陸する。
 降り立った奄美空港は、四季の草花が咲き乱れ、いつも観光客を和ませ旅のスタートを歓迎してくれる。それは、地域の人々が定期的に花を植え替えるなどの努力をしており、温かさが随所に感じられる日本一の空港である。
 あまみの観光は今では、飛行機が主流になっているけれども、昭和40年代は離島ブームに乗り、全国から多くの若者が島々を訪れた。鹿児島の港を出る1500トンクラスの船のデッキまで毎日人があふれていた。

 今また、あまみが注目されている。100歳以上長寿者の比率が全国及び本県の平均に比べて格段に高い地域であり「長寿の島」だからである。
 その長寿を支える要因として、「居住環境」「生活習慣」「生きがい・幸福感」などの生活文化と食文化が注目されている。県では14年度から「あまみ長寿・子宝プロジェクト」に取り組んでいる。
 その目的は、少子高齢化社会のモデルとなる地域を構築するとともに、あまみ地域の特性を生かした自立を促し、住民による長寿・子宝のまちづくりを群島全域に波及させ、豊かな住民生活の実現をめざしている。
 まちづくりの促進にあたっては、核となる人材の輩出、地域おこしグループの拡大、健康づくりの取組の拡大、伝統文化継承活動の浸透などを上げている。

 それを実現するには、産業振興が欠かせない。長寿食材の生産の拡大や特産品の開発、長寿食材を提供する飲食店の拡大、ブランド化のための販売促進モデルの作成などが求められている。
 また、あまみが「長寿・健康・癒しの島」として、最適地であることを全国に情報発信し、認知度を高める必要がある。また、「地域資源を活用した体験プログラムの作成」による着地型観光の推進や「ヘルスツーリズムの実践」を通してあまみの優位性を高めることが、観光客誘致に繋がると考えている。長寿者の家庭を訪ねて、食を共にしたり語らうことで遠来の観光客は感激する。また、平成16年からは事業の一環として「しまコンシェルジェ育成講座」が展開され100名を越す島の案内人が誕生している。これらの人材を島の観光にどのように活用していくかが問われている。

 あまみは今、「世界自然遺産」の候補地のひとつにあげられている。世界遺産登録に向けては環境を守る取組みや、住民への啓蒙を地道に続けることも大事である。
あまみは沖縄と違って、手付かずの多くの自然が残っている。観光にとって必要なことは、「地域」と「観光客」と「自然」が共生できることである。その意味であまみは、ポテンシャルの高い地域であると信じてやまない。
          参考資料 ―あまみ長寿・子宝プロジェクト推進協議会ー 保健福祉部作成

桜島のすばらしさの再認識を

2008年7月7日

「我が胸の 燃ゆる思いにくらべれば 煙はうすし 桜島山」

桜島

  この歌は、筑前(現在の福岡県)の勤王志士・平野国臣の作です。自分の思いを、錦江湾に煙をはいて雄大にそびえる桜島と対比させ、その強さを表現しています。
桜島は鹿児島の観光のシンボルであり、城山の展望台に立つと目の前にその雄姿が真っ先に飛び込んできます。

 桜島はこれまで、幾多の噴火を繰り返し、大正3年の大爆発の時には流れ出した溶岩流で、大隅半島と陸続きになりました。
 桜島は、梅崎春生の同名の小説に取り上げられています。また林芙美子の「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」の文学碑がある古里温泉は、彼女の母が育ったところです。

 ところで、桜島について県内の人は、その位置関係はよく解りますが、県外の観光客は鹿児島を訪れてはじめて、鹿児島市から近いことや、しかも時々噴煙を上げる活火山の麓に人々が住んでいることに驚きます。

 いま「篤姫」ブームで市内の関連施設は多くの観光客が訪れていますが、定期観光バスの乗車人員をみると、桜島まで足を伸ばす人は多くありません。やはり桜島の魅力が十分にPRされていないのではないかと考えています。対岸の鹿児島市と湾をはさんで、袴腰地区の賑わいをどのように創出し、渡りたくなる地域にするかが課題です。
 また、湯平展望台から見る鹿児島市の夜景は一級品です。週末にナイトバスを運行し、その感激を味わってほしいと思います。

 桜島には、噴火がもたらす火山灰にもめげず「桜島だいこん」や「世界一小さい桜島ミカン」が育ちます。収穫体験を観光として売り出すのも、観光客を増やす方法です。

桜島ミュージアム  「NPO法人桜島ミュージアム」(福島理事長)では、桜島の観光のあり方を中心としたまちづくりに取り組んでおり、成果が期待されています。

 噴火活動を続けている山の姿は生きた教材であり、しかも住民が近くで共生しており、観光素材としては、世界に類のないものです。
桜島 2


 桜島は天気の良い日は、7回その姿が変わると言われます。鹿児島市民は、借景としてその姿を毎日見ていると、感動を覚えないと思います。もし桜島がなければ、鹿児島市は味気ない街になるかも知れません。桜島のすばらしさを多くの県外客にPRするためにも、1年に数回は対岸に渡り、その魅力を体感してはいかがでしょうか。

地域ツーリズムの推進について

2008年6月30日

  観光立国推進基本法が成立し、10月1日には「観光庁」が発足します。
  全国各地で今、着地型ツーリズムの振興を柱に、地域活性化の動きが盛んになってきました。
  「ツーリズム」とは、従来の物見遊山的な駆け足旅行と違って、「体験」「交流」を通して、地域の自然や生活文化とふれあいながら、娯楽より自分の趣味・趣向を大事にし、時間的消費に比重を置いた新しい観光のスタイルです。

  鹿児島には「日本の心のふるさと」と感じるところが、たくさん残っています。
  美しい自然景観、温暖な気候に育まれて生み出される豊富な食材、各地に伝承されている祭りや行事、歴史的遺産、そこに住む人のくらし、今その地域の宝を活かして交流人口を増やし、地域を活性化することが求められています。
 ツーリズムには「エコツーリズム」「ヘルスツーリズム」「ヘリテージツーリズム」「グリーンツーリズム」など目的によってさまざまな形態があります。

 先日、南さつま市で開催された「ツーリズムセミナー」に参加しました。南薩地区では今「グリーンツーリズム」が注目をあびています。NPO法人エコリンクの下津代表によると、今年は関東、関西地区から2500名の学生が訪れ、農業体験を通し地域の人と交流を深めるとのことです。安心院で農家民泊を経営され、今回講師として参加された中山ミャコさんは、「グリーンツーリズムの実践を通して、地域がまとまってきた。何もない地域に来てくれるだけで嬉しいのに、宿泊した子供たちが帰るときに涙を流す姿に感動を覚える」と経験談を語られました。

 ツーリズムを実践することによって、地域社会にさまざまな効果がもたらされます。
 まず体験メニューを造成する際に、地域の文化やくらしを深く見つめ直す機会が増えます。住民はいままで気づかなかった地域の良さを発見し、住んでいるまちに誇りをもつようになり、地域住民同士が交流する機会が増え、活力が生まれてきます。
 また、体験する観光客は長時間滞在するため、地域の産品の消費拡大にもつながり、体験した人がそこの地域の良さを感じれば、リピーターにもなります。体験観光には、知恵と経験が必要となるため、高齢者の生きがい作りにもなります。

 2010年から「こども農山漁村交流プロジェクト」がスタートします。全国の小学校5年生が、1週間校外研修を体験することが決まりました。その中で1日は農家民泊体験が必修となるため、その受け皿となる地域が必要になります。条件整備が今関係部署で進められています。県内全域にグリーンツーリズムの受け入れが、可能となれば、交流人口が増え地域力のアップにつながると確信しています。

地域ブランドの流通について

2008年6月23日


  新大隅青年会議所の6月例会に招かれ、「地域ブランドの流通」について、皆様と議論しました。               
 ブランド(BRAND)とは、もともと羊などの家畜に押す「焼印」(BURNED)に由来しており、他人の羊と区別するために使われ、現代では他の類似品との違いを明確にするために使われています。生活者が他との比較において優位性を認める記号であり、かつその記号に象徴される世界観であると定義されています。

ブランドはそれを利用する人たちがその価値を認め、広がりを持つものであり、認証マークやネーミングを作ったからといって、ブランドになるものではありません。
また、地域ブランドとは、地域で作られる産品と地域そのものがお互いの相乗効果で優位性を発揮し、他との差別化が図られたものです。
 九州において黒川温泉や湯布院は、公共空間が創造され、飽きないまちづくりなっており、多くの観光客の支持を得ています。そこで生み出される商品は、地域イメージとの相乗効果でブランド化することが、やりやすくなります。

 そこで大隅地区が選ばれる地域になるためには、地域発の商品やサービスを開発して、他にない独自性や優位性を発信しなければなりません。
 地域産品をブランド化していくため、第一に地域内で商品をどのように流通させるかです。まず足元を固める必要があります。流通経路・販路の開発に「道の駅」や「飲食店」、「ホテル」等など多様なチャネルを使うのも方法です。

 また商品を必要としている層に、情報をどのように伝えるかが肝心です。コアの人にコアの情報を伝えることが販売誘引効果をもたらします。専門誌でPRするのもひとつです。

 今消費を引っ張っているのは女性です。女性を第一に考えたマーケット戦略も必要です。
 女性は常に本物を求めており、納得すれば口コミで評価は伝わります。
 売り方では販売のセミナーを開催し、商品の良さを直接説明し、応援団を確保することが固定客につながります。
 大隅地区の「お茶」「マンゴー」「うなぎ」「ハモ」「ちりめん」は、品質に優れ全国ブランドになりうる産品です。まず地元で愛される商品として育て、さまざまなルートで販路を拡大していくことが、ブランド化につながると考えます。生活者の心の中にフィットすることが、肝心な点です。           
                                                         参考資料 地域ブランドづくり事始 (KNT発行) 

祭りから興す「まちづくり」

2008年6月16日

  いちき串木野市で開催された「いちき串木野元気祭り」に参加しました。
  この祭りは、いちき串木野商工会議所青年部が中心に、地域興しの一環として始めた若者の祭りです。3回目の開催ですが、今年は鹿児島商工会議所青年部の大会と合わせての祭りとなり、県下一円から若者が参加しました。
 前段の青年部総会で「観光まちづくり」について講話する機会があり、多くの青年実業家が熱心に耳を傾けていただき感激しました。

串木野元気まつり  祭には若者だけでなく子ども、お年寄りなど2000名あまりが参加し、さまざまなスタイルのショーや踊りに拍手を送り、提供された地域の食材を使った料理に満足そうでした。いちき串木野市は今「まぐろラーメン」でまち興しを展開しています。「さのさ祭り」に続く祭として「元気祭り」が成長することを期待しています。

 ところで日本国内の祭りには、いろいろな形があります。伝統を引き継ぐ歴史的な祭りとして、「京都時代祭り」や「博多祇園山笠」、「鹿児島神宮初午祭」などがあります。東北4代祭りのように、4県の祭りを一定の期間に集中させ、観光客を呼び込んでいるものもあります。また「よさこいソーラン祭り」や「かごしま春祭大ハンヤ」などは市民参加型祭りです。イベント参加型の祭りが最近増えています。

 イベント参加型祭りが多くなっている背景には、祭りによる地域おこしが主眼になっていることがあげられます。
 祭りの開催について、地元マスコミを通じて前広に告知をして、PRしなければなりません。協賛の企業を求めることも、祭りの価値が高まり運営上役に立ちます。どの地域から誘客するかターゲットを絞ることも重要です。参加者を増やすため、子供、若者特に女性が参加しやすいイベントに配慮すべきです。また、服装に制限を加えず自由なスタイルで参加できるようにすることが、祭りを賑わいのあるものにします。

  経済的効果をもたらすことが、地域のまち興しには重要です。旬の地元食材を使った料理のお店や、地域産物の即売ができるスペースを確保し、物販とPRを強化すべきです。祭りのほとんどがいままでは縁日の型にこだわってきましたが、時代も変化しており消費スタイルも多様になってきています。
地域に愛される祭りになることが、交流人口を増やすためには、欠かせません。
観光は地域総力戦であり、地域を巻き込んだ祭りの開催が、まちづくりに役立つと確信します。

指宿の観光発展を願って

2008年6月9日

  指宿は、観光経済新聞社が毎年行う観光地人気ランキングで、常にトップテンに入る温泉地であります。 天然の砂蒸し温泉や、全国的に有名になったマラソン、ウォーキンク大会の開催による知名度の高さ、また温かいおもてなしが、観光客の支持を得ていると考えられます。

 今年は大河ドラマ「篤姫」効果もあり観光入込客は伸びていますが、来年以降を考えると厳しい状況になると思います。個人旅行が主流になってきた現在、アクセスの整備、地域連携など多くの課題があります。また3年後には九州新幹線が全線開業し、指宿にとって新たな展開が求められています。
 
 博多から鹿児島中央駅までは80分で、市内は日帰り圏内になりますが、指宿までは特急列車の運行が予定されており、2時間程度で結ばれます。指宿が滞在の拠点としての機能を強化することが、観光客誘致に繋がると考えています。
  指宿 砂蒸し
 戦略の1つ目は、砂蒸し温泉を活用し、医療機関とタイアップした予防医学の最適地として指宿のPRをもっとすべきです。今国民の関心事は健康です。温泉保養都市としてのブランド化が必要です。
 2つ目は、指宿駅周辺の再開発です。空き店舗を活用した「道の駅」の設置や、休日の歩行者天国の導入を図り、観光客が待ち時間に滞留する公共空間の整備が必要です。
 3つ目は、JR最南端の駅「西大山駅」を基点に、開聞周辺を観光できるアクセスの整備です。レンタサイクルなどを配置し、ヘルシーランド、フラワーパーク、長崎鼻、開聞山麓、池田湖周辺を回遊できるシステムの確立が求められます。
 4つ目は、対岸の大隅半島や種子島、屋久島との連携です。山川から根占のフェリーを利用し佐多岬、鹿屋バラ園、吾平山上稜などへの見学が魅力的です。また離島へは日帰りも可能であり、新幹線開業時は、周遊切符を導入し、より使いやすい形にすることが、誘客を可能にします。
 5つ目は、食の活用です。指宿地域は温暖で、野菜、魚介類などが豊富であり、またお茶、花卉栽培、焼酎など県内有数の産地です。地産地消をはかり、観光客にも体験などを通して魅力を堪能してもらい、商品流通を促進すべきです。

 観光はいまや地域総力戦の時代です。観光は、運輸業者、宿泊飲食業者だけでなく農林水産関連、工業、商業など多くの分野に波及効果があります。指宿地区はその要素を十分に持ったところです。
 観光客は地域の魅力に引かれて旅に出ます。新幹線開業後は、指宿地区が滞在型観光の中心になることが可能であり、それが実現することを願ってやみません。

教育旅行誘致の重要性

 2008年6月2日

 平成19年度に鹿児島県を訪れた教育旅行の実態がまとまりました。
 それによると、鹿児島を訪れた学校は515校、人数(延宿泊者数)は64,052人であり、校数で25校増えましたが、人員は2、581人減少しています。
 地域別では、神奈川県からの高校が増えて、福岡からの中学校が減少しています。
特徴的なこととして、鹿児島市が伸びており、また体験を他地域で実施し宿泊を市内でという傾向が視られます。

 生徒数の減少に伴い、1学校あたりの参加人員は年々減少傾向にあり、多くの学校に行先として鹿児島を選定してもらえるよう、努力することが大事です。
 教育旅行は景気に左右されず、取り消しが無く、しかも安定的に毎年実施されており地域にとってはありがたい団体であります。シーズンを避けて、閑散期に実施されることが多く、受入れ機関にとってはありがたい団体です。また、1回実施されると3年間は続くことが多く、学校が行先として最適と判断すれば長きに渡って来てもらえるお客様であります。
 また、宿泊施設、運輸機関にとっては年間の稼動が予測でき、安定した経営戦略が立てられます。

 現在行先としては、中学校では関西が、高校では沖縄、北海道が主流となっていますが、最近では行先も分散傾向にあり、九州に来る中学校、高校も増加しています。
 九州観光推進機構のほか、南九州修学旅行誘致受入協議会も修学旅行誘致に力をいれており、誘致活動の結果先日横浜の公立中学校が、初めて鹿児島を訪れるという結果に繋がりました。

 3年後には九州新幹線が全線開通します。新大阪と鹿児島中央を結ぶ直通列車の運行も予定されており、新大阪まで4時間足らずの時間となります。関西・中国地方からは最適の所要時間であり、新たな行先の選択肢の一つとなるためには、鹿児島としての魅力を発信していかなければなりません。
 また、新幹線の連合体輸送を定着させ、学生団体割引運賃を導入することが、教育旅行誘致には欠かせません。JRへの働きかけが重要です。

 最近の教育旅行の実施には、環境学習、体験メニュー、宿泊施設、おもてなし、農家民泊などの充実が欠かせない要素となっています。
 都会の子供たちに取って、「民泊と農業や漁業体験」のニーズが高まりつつあり、南
さつま地区には、来年度2500人の民泊の予約が入っています。「子ども農山漁村体験プロジェクト」が22年からスタートしますが、これから農家民泊の需要がさらに高まることが予想されます。

 先日の教育旅行誘致促進協議会総会で、新幹線開業に合わせて、新たな教育旅行誘致の方針が採択されました。今後鹿児島への教育旅行が、増加することを期待してやみません。

大隅地域に光あれ

2008年5月26日

  「大隅地域振興局」の地域づくりのセミナーに参加する機会を得ました。
  プロデユーサーになって初めての講演でもあり、しかも小生が育った地域であり大変緊張をしました。

 大隅地域は20数年前までは、団体旅行としては欠かせないルートでした。観光客は、大型バスで宮崎から日南海岸をめぐり、都井岬、志布志、鹿屋、佐多岬、山川、指宿と途中のドライブインで食事や買物を楽しみ、大隅半島の沿線の魅力を堪能しました。

 その後バブルが崩壊し、団体旅行が減少し個人旅行に変わってきたことや、宮崎から鹿児島までの高速道路網が整備され、大隅半島はだんだんと観光ルートから取り残されてきました。
 地域の努力不足というより、環境の変化やアクセスの整備によりもたらされた要因が大きいと考えています。
 しかしここにきて、地域のニューツーリズムが注目をあびてきました。
 グリンツーリズム、ブルーツーリズム、エコツーリズム、長期滞在、二地域居住などがその代表です。今田舎のくらしに関心を持つ人々が増えています。
 従来の物見遊山的な観光、温泉での豪遊など金の消費から、個人の趣味や価値観を大切にする時間消費型の観光スタイルに変化してきています。
 グリーンツーリズムは、団塊の世代を中心に関心が高まっており、特に教育旅行にはこれから欠かせない素材です。担い手の育成を図り、地域をまとめる人の存在が大事になってきました。

 大隅地域は食材の宝庫であり、美しい砂浜、渓谷など自然にも恵まれています。
また、「お釈迦祭り」、「弥五郎どん祭り」、「流鏑馬」など鹿児島を代表する祭りがあります。
 最近では「ねじめドラゴンボートフェスティバル」「エアーメモリアルin鹿屋」「鹿屋バラ園」もかなり知られるようになりました。ないものねだりはやめて、現在あるものに磨きをかけて、どの地域から、いつごろ、どの層をターゲットに誘客するか分析し、販促していくことが重要です。インターネットの急激な普及により、情報のよりスピーディさも必要です。

 九州新幹線の全線開業まで3年足らずとなりました。 
地域の魅力に惹かれて旅行者は訪れます。大隅地区のブランド力(地域力)が構築できれば、アクセスの不便を忘れて人は集まると考えています。
 これからも、「大隅地域に光あれ」とエールを送っていきたいと思います。