鹿児島県は、源泉数約2800、湧出量毎分200トンという北海道、大分と肩を並べる全国屈指の温泉県。こうした背景には、霧島山・桜島・開聞岳という全国でも活火山を二番目に多くかかえる地域であることが関係しているといえる。それだけに自然湧出の温泉地があり、またその温泉地にもそれぞれ歴史がある。泉質や施設の設備、そして温泉の醸し出す雰囲気も地域ごとに個性があるのも鹿児島の温泉の魅力だ。

 こんな多彩な魅力を持つ鹿児島の温泉を楽しむためには、温泉散歩つまり「泉歩(せんぽ)」をお薦めしたい。これは一つの温泉に入ったら終わり、ではなく、いくつもの温泉を巡ることで、それぞれを比較すると同時に、温泉と温泉を移動する途中のまちなみもついでに楽しんでしまおうという鹿児島らしいゆるやかな遊び方だ。

 泉源が集中している地域では散歩気分で気軽に、また車や公共交通機関を利用して離れた温泉同士をテーマで巡るのもまた面白い。
例えば、珍しい良質で巡ろうとか、今度は歴史やまちなみで選んでみよう、といったことだ。
入浴数や移動距離もこなせばこなすだけ散歩というよりは「フロマラソン」とも言い換えられる少々過酷な遊び方に変わってしまうが、それも受け入れてくれるのが鹿児島だ。

ぜひ「かごしま泉歩」片手に、温泉の楽しみ方を広げてみてはいかがだろうか。
 


 
 
 
探検の会の温泉担当であり、この小冊子「かごしま泉歩」の温泉案内人として温泉を選び、紹介した東川隆太郎。
「温泉に入るだけでなく温泉と人とのつながり、地域とのつながりを意識して泉歩をしてほしいな」と湯ったり強調している。
 
 


 
 
鹿児島は、県内ほとんどの地域に温泉があり、ない地域でも車で30分も走れば温泉にたどり着く。このように温泉がごく身近にある生活を「フローライフ」と呼んでいる。
鹿児島が「フローライフ」を提唱できる県だと思っている根拠のひとつは、まず地名。県内には、湯田、湯泊、湯之尾、湯島、湯之元など、大字・小字含めて「湯」の付くものがたくさんある。これは、古くから温泉が生活に根付いている証。そんな地域を歩くと、いい温泉に出合えることが多い。
また、公衆浴場の多さも重要だ。
 
公衆浴場は、地域の人々がひんぱんに利用することから、建物や料金、そして休憩所の雰囲気などに地域色が現れている。ただお湯に浸かるだけでなく、温泉を出発点として、地域を知り、歴史を知る。これがおすすめしたいフローライフの味わい方だ。
また、これからは「フローフード」の探求していきたいテーマである。温泉にちなんだ「食」のことで、温泉卵や噴気で調理されるふかし芋、温泉地名物のせんべいなどである。温泉をキーワードに鹿児島を再発見や再認識することで、新しい魅力が見えてくる。
また、温泉を基点にした鹿児島ならではのおもてなしを、より多くの人に味わってもらいたいとも思っている。
 
 

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