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豊潤の秋 鹿児島の秋/大口・湧水



 水ぬるむ春に田植え、抜いても抜いても生えてくる草に根気強く付き合う、夏。そして台風を気にしながらの早秋。立派に実った稲が頭を垂れるまでへの道程は容易ではない。 美味しい米を求めて、鹿児島県大口市に向かったのはちょうど夏まっさかり。

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 大口、伊佐地方の米の美味しさは、水の美味しさにある。大口市内から北へ10数キロクルマを走らせると奥十曽渓谷(左写真)がある。十曽川に沿って九州自然歩道があり、水が瀬を越える音を聞きながらさらに山へ向かうといくつもの滝を見つけることができる。白蛇の滝、行者の滝、おしどりの滝、冷水の滝と続く。
真夏にもかかわらず、冷たい水。透明度も申し分ない。熊本、宮崎に跨がる標高969mの国見山をはじめ、標高877mの宮ノ尾山などが連なる国見山地に蓄えられた豊富な恵みだ。

さて、右の写真は鹿児島県と宮崎県の一部に見られる、田の神様。“たのかんさぁ”と親しみをこめて呼ばれている。五穀豊穣を願っての田圃の神様は、稲刈りが終わると山を守る神様になるとも伝えられる。県内では、メシゲ(杓文字)と椀を手に持った田の神舞型の“たのかんさぁ”を多く見るが、現存する最も古いものでは、1705年(宝永2年)に建立された仏像型の田の神さまが今も田圃を守っている。
田の神





 “ライス郷井手口”の奥十曽渓流米が作られている田圃にお邪魔した。
大口・伊佐地方で作られる伊佐米は全国区で有名なのだが、鹿児島県内では意外にもあまり知られていない。
見渡す限りの田圃(たんぼ)の一部に、グワグワと賑やかなアイガモがせわしなく走り回っている。ご婦人ふたりは、草を抜いている。取り除くべきは、稲に擬態している稗(ひえ)。
さて、草取りを人間がしているのに、なぜにアイガモが必要なのかと疑問を持たれる方々も多いと思うが、田圃の中には稲の生育にマイナス要素となるものがいくつもある。人間が取り除くことが難しい害虫や雑草をアイガモたちが食べてくれているのだ。またアイガモたちが通ったあとの田圃の土は上手い具合に撹拌されて、土に空気が入り活性化にも役立っているのだ。このアイガモたちが実に可愛い。ご婦人達が、ぴーちゃんと声をかけると皆で一生懸命働く。そして昼休みになって食事に一旦引き上げると、彼等も自分たちの小屋で暫し一休み。豊かな土壌には、蛙が棲み、トンボが舞う。

ライス郷 井出口 鹿児島県大口市山野469 TEL0995-22-7264



湧水町

 湧水町には、環境省が選定した日本名水100選の“丸池湧水”がある。
鹿児島県では3つあるうちのひとつで、1日に2〜3万トンの水がいたるところから湧き出している。特筆すべきはその場所。JR栗野駅のほぼ真裏。これほどまでに交通の便のよい場所にありながらも、美しく整備された景観と、まるでそこに何もないように透き通っている池の水は、地元住民がはるか昔からその水源を大切に守ってきた証拠だ。実際に、栗野町のほとんどの生活用水をこの湧水でまかなっている。
湧水町は霧島連山の西、栗野岳の麓に位置することから伏流水も豊富。特に写真の丸池湧水はこんこんと湧き出ているところが、いつでも見ることができる。

湧水町は幸田の棚田米が有名だが、美味しい果物もたくさん穫れる。
今でも普通に使う“たわわ”という言葉。「かなたの庭に、大きなる柑子の木の、枝もたわわになりたるが…」。吉田兼好の徒然草の一説である。枝がたわむほどの果物が木に生っている。その“たわわ”な情景に、思わず舌なめずりをしたくなるのは鎌倉時代の兼好法師も平成時代の現代人も一緒である。
 湧水町にある荒川重義農園で、思わず舌なめずりしたのはぶどうだ。農園に入る前からぶどうの甘い芳香が漂い、匂いだけでどれほどジューシーなのか分かってニンマリとしてしまう。農園のオーナー、荒川さんと奥様が家族総出で端正こめて作ったぶどうは、およそ10種類。山奥の涼しい敷地に入ると、ちょうど頭の高さに、濃い紫色の大粒のぶどうが零れんばかりに生っている。


 
 「まぁ、どうぞひとつ」と、荒川さんがもぎってくれたぶどうをひとつ口に入れた。汗をかき、のどを乾かしていた身体にじんわりと、ぶどうのジュースとその甘さが広がっていく。皮まで柔らかく、飲み込んでしまいそうだった。8月のお盆過ぎから9月の終わりまで、誰でもぶどう狩りが楽しめる農園だが、他の農園のように“何時間取り放題”ではない。収穫したら収穫した分だけ重さを量って代金を支払う。今年は大体1キロ(2〜4房)で約1200円。
7月の終わりから「いつ収穫できますか?」という電話が殺到するのも無理はない。ちなみに自分で狩らずに、購入することも可能で、全国発送も受け付けている。
農園までの道程、僅か数分だが、足下を見ていると季節の移り変わりが感じられる。取材に伺ったのは、8月の初旬だったが、湧水町の里山は、秋が訪れはじめていた。

荒川重義農園 鹿児島県湧水町木場1580
TEL0995-74-5726 営9:00頃から 休不定休(要問い合わせ)
*人気なのでお早めに。今年は敬老の日前後がピーク。 問い合わせてから行くのがベター。

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温泉郷巡り/さつま町

かごんま温泉郷めぐり

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ぶらりまち歩き
鹿児島・気まぐれ散歩(みんなのツーリズム)

ぶらりまち歩き/鹿児島市でまるごと西郷さん

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