『旅情報』コラム 2007年1月号
私は田舎が大好きだ。東京に住んだことがある私でも数年ぶりに訪ねるともう別世界に様変わりしている。急速な変化を喜ぶ世代もいるだろうが私には便利すぎる世界は極めて不便だ。こんな世界は疲れる。都会で働く人々は時間に追われ、仕事に追われ、生活に追われる。これを生きてる実感という人もいるだろう。確かに参考になる先輩も多いし地方では1年でやっと経験できることも都会じゃ1ヶ月で経験できる。つまりケーススタディーの豊富さは都会の一つのメリットだろう。同業他社の動きも掴みやすい。現代は情報戦、だから世界の情報が集る都会こそが自分の土俵と思う人も多いだろう。でも年齢を重ねるとこの環境は結構つらい。
田舎は変わらない。そこで生れ育ち、住み続け、都会とは違った豊かな生活実感に目覚めた人達がいる限る変わらない。鹿児島を廻るとそんな田舎が多いのに気付く。 教育旅行の生徒を受け入れている県内各地域の人に聞くと生徒達は一様に当地の食事が美味いと言うらしい。日本でも1,2位を誇る農産物の生産地だけに素材がいいのは当たり前。更にその新鮮な素材を地域の風土の中で活かす智恵や親から受け継ぎ、育てた伝統の味付けも人気の一因なのだろう。市内の有名なお店で食べるより婆ちゃんの作る1品は確実に勝る。鹿児島のこんな、素敵な食生活をおすそ分けしたい、それが農村ツーリズムの始まりだ。

