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20年サイクルの客  

『旅情報』コラム 2007年5月号 

私の財布は所有者同様小太りです。お札が入っているのではなくお店の領収書で膨らんでいます。数代前の財布も財布としての機能は無くなっても領収書が入ったままですから捨てません。今の財布の中の領収書も種々雑多で、古いものは何と21年前のものが入っています。例えば会席料理なら今までで一番と思った店の領収書を入れ、これを越えるものを食べればその時点で差し替えます。

20年サイクルの店  先日その21年前の領収書の店に18年ぶりに行きました。つまり3回目の訪問です。場所は滋賀県八日市。私は京都を含めここ以上の和食を食べたことがありません。勿論お値段も京都の名だたるお店同様に立派です。21年前は価格の10倍の満足感を感じ、お金を借りてでも喜んで払おうと思ったものです。今回は価格の5倍の満足感でした。理由は価格自体が21年前と同じなんです。旬の食材、流通、人件費などのコストを考えればやむを得ないでしょう。 

お店を出る際に女将さんにまた20年後に参りますと話したら、もう歳ですからせめて10年後にして下さいと言われました。考えてみれば私自身も20年後はしんどいでしょうね。でもこんな楽しみ方をする人達が増えてくるような気がします。月イチの店もあれば10年~20年単位の店もあっていいんだと思います。皆さん、たまには清水の舞台から飛び降りるようなお食事もいいもんですよ。

 

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