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奄美大島/名瀬の歩き方



 飛行機の窓から見える、濃いエメラルドブルーの海が一瞬近くなったかと思うと
音もなく飛行機は小さな空港に降り立った。
「いもりんしょーれ」とは奄美の言葉で「いらっしゃいませ」の意。
空港のあちこちに飾られる南国の花たちに笑みがこぼれる。


 奄美の出身者であれば「名瀬の屋仁川通り」と聞いたら、何を思い出すのだろう。黒糖焼酎か、島唄か、はたまた美人の女将か。その通りは、昼は飲食店や雑貨屋が並ぶ商店街で、夕方になるとあちこちに明かりが灯る飲み屋街になる。 奄美随一の繁華街、名瀬市を歩く。

ホテルで夕食時にいただいた「あおまつ」という刺身の味が “魚は南より北の方が美味しいような気がする”という浅はかなイメージを払拭してくれた。
翌朝、奄美の魚事情を知りたくて、午前中の忙しい時間に、前川鮮魚店さんをたずねた。威勢よく働く皆さんに申し訳ないと思いながらも、ケースに並ぶ魚はどれも珍しく「これは何の魚ですか?」「この貝は?」と質問。
12キロの“クエ”の恐ろしい顔、“トビンニャ”という貝は飛ぶからそんな名前がついたこと、奄美では赤身より白身のほうが高級魚とされること、などなど、目から鱗の連続。







   永田橋市場でお茶していたおばあちゃんに出会った。笑顔が素敵だったので、名前を聞くと、「名前?いらん!」と返されたが、以前はたくさんの店が軒を列ね、賑やかだったそうだが、今は2・3軒が開いている状態。お茶をいただきながら、永田橋市場の今昔を聞かせていただいた。

 名瀬の中心地からクルマで10分のところにある大熊漁港(だいくまぎょこう)には、鯉のぼりならぬ“鰹のぼり”が上がる日がある。鰹が揚がった時の合図だ。その日獲れたばかりの鰹をその場で捌き、刺身にしてくれて販売している。500円で2人〜3人は食べられそうな量。“鰹はたたき”派の人にこそ食べてみて欲しい、新鮮でなければ味わえない美味しさ。

 ダルマ市場通りに、観光バスがとまる八百屋があるらしい!
「@やっちゃば」。島の野菜なら何でも揃う。そこで見つけた「野性の証明」。奄美で作られたトマトだが形が、小さなナスのよう。昨今の甘いだけのトマトとは一味違って、小さな頃に食べた、青臭くぎゅっと旨みのつまったトマトの味がした。
忘れてはならないのが、もはや高級品となってしまった島バナナ。台風に弱いことや栽培の難しさ、供給量が少ないことが、高値の理由だとか。吊るして黄色くなるのを待ち、触って少し柔らかくなってきていたら食べごろ。


 夕方になると、といっても夏の奄美は19時を過ぎてもまだ明るい。飲み屋街に明かりが灯り始めると、仕事帰りの老若男女が集い、宴が始まる。黒糖焼酎に地元の旨いもの、そして島唄。
奄美の島唄が沖縄のそれと違うのは、全て男女の掛け合いで唄が成り立っていること。よって、こちらのテーブルで誰かが歌い始めれば、あちらのテーブルの知らない人が唄に参加してくれたり、店主自らが唄い手だったり。その名の通りの「飲めや唄えや」が繰り広げられる。
写真は「居酒屋 ならびや」。新鮮な刺身、もずくの天ぷら、などの料理は観光客にも好評。地元の人に言わせると「置いてある黒糖焼酎の銘柄の数は名瀬で一番なんじゃないか?」。
また、面倒見のよいオーナーの和田さんを慕って、若い島唄の奏者がよく集まることでも有名だ。ただ、最近よく「時間がないが島唄だけ聞かせて欲しい」と、飛び込んでくる観光客が増えたことで少し迷惑をしている店もあるのだとか。居酒屋さんで聞かせてもらえる島唄は、あくまで宴会の席での楽しい時間だということを忘れてはならない。
 飲んで唄った次の日、名瀬漁港で行われるセリを見学しにいった。朝6時30分。見たことがない魚がたくさん並んでいた。
赤い、青い、大きい…名前を知らないのでそんな表現しかできないが、とにかくどれも美味しそうであることは間違いない。
キョロキョロと挙動不審に、セリを見守っていると、知らないおじさんが隣で説明をしてくれた。「魚に貼り付けてある紙は、1キロ単位の値段。これは1260って書いてあるから掛け算で値段が出るよ、それでその上に書いてあるのは決まった買い手の名前だ。見ていてご覧、多分あの魚は1キロ700円くらい…ほら当たった」。
セリを進めるお兄さんの声を必死に聞くのだが独特で意味を聞き取ることができない。しかもセリと言えば、男性的でワイルドなイメージだが、セリ落とそうとする人たちの半分は高齢の女性だった。





[ 名瀬 立ち寄りスポット ]

@やっちゃば(左)


奄美市名瀬金久町9-2 TEL0997-54-2287
営業時間 9:00〜20:00
http://www.e-amami.com/ 休 なし
前川水産
前川水産(左)
奄美市名瀬港町6-16
[電話]0997-52-1022
http://www.fenyworld.com/maekawa/


宝勢丸組合(右)
鹿児島県名瀬市大熊577-4
[電話]0997-52-1418
かつおのぼりが上がっていたら営業中


宝勢丸組合
奄美庵
奄美庵(左)
奄美市名瀬末広町7-11
[電話]0997-54-1611
http://www.synapse.ne.jp/~amamian/


居酒屋 ならびや(右)
奄美市名瀬金久町11-1
[電話]0997-54-5555
営 18:00〜翌1:00 休月曜


居酒屋 ならびや


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