トップページかごしま旅情報プロのひとり言

かごしま旅情報

メイン

鹿児島の蕎麦/プロデューサーズコラム

 『旅情報』コラム 2008年3月号

 

 

 鹿児島に暮らし始めて2年半が経った。期待ほど食い物が美味しくないとか、値段は一流、味三流だと公言(いや、追認が正しい)してきた私だがすでに観光連盟のブログをご覧の皆様はご存じのとおり、私が推薦に値すると思う店も積極的に紹介してきたつもりだ。
 つい先日念願かなって志布志にある有名な蕎麦屋さんを訪ねた。今まで二度訪ねたがことごとく売り切れ御免と拒否されてきた。注文はかけ蕎麦に絞った。¥400だし、ベストの選択だったかなと心配していたら出てきた。蒲鉾、天かす、乾燥柚子、緑いっぱいのネギもちゃんとのってる姿に感動。
以前見た蕎麦の番付表では東の横綱となっていた店だ。麺もいいし、量も十分、出汁も絶妙!思わず横綱って叫びたい蕎麦だった。忘れるといけない!ここで出すお茶は渋めだがなかなかいい茶だ。先日この茶でこの店を褒める人物もいた程だ。『本物。鹿児島県』はここにあり。

 

 以前信州の方々、十数名をお連れして私の気に入りの蕎麦屋で食事をした。本場の皆様を鹿児島の蕎麦屋にお連れすることは誤りだとお叱りを受けるかもしれないが正直信州でこれは旨いと唸るような蕎麦を食った事がない。人に聞いた店を訪ねて行っても格式と値段は高いが素朴な旨さを感じなかった。だからこそ彼らに鹿児島の蕎麦を食して欲しかった。
これ本当に鹿児島の蕎麦ですかと問われて嬉しかったが彼らも驚いた様子だった。白い蕎麦の花は10月の志布志によく似合う。旨い蕎麦なら鹿児島という時代も夢じゃない。
 

七輪&ねじりドーナツ/プロデューサーズコラム

 『旅情報』コラム 2008年1月号

 

 

タイ  我が家で無くてはならないモノの一つに七輪がある。
福岡でのマンション住まいも10年を超したがいまだに家の中で魚を焼いたことがない。さすがに朝食では七輪に代わり魚焼器を使うがそれでも必ず外で焼く。
お叱りを受けるかも知れないが私の住む官舎でも季節になれば七輪でサンマを焼いている。外で焼くには理由がある。家の中が煤けて臭いが残るのが嫌というのもその一つだがせめて美味そうな匂いだけでもご近所の皆様にお裾分けしたいという気持ちもある。だいたい私が高校の頃までは隣近所がどんな料理を作っているか、煙と一緒に流れてくる匂いですぐに分かったものだ。どこの家も言葉を交わさずとも今からこんな料理を食うぞって自慢していたような気がする。だから夕飯時に我が家から煙が立たず、匂いもしないと家禄の低さを示しているようで子供心にも嫌だった。

炭にも気を使っている。今の炭は2年前に熊本で仲間と一緒に焼いた炭、つまりマイ炭を使っている。
釜の中に入り込んで長さ70cm位の丸太1本1本を心を込めて並べ立て、煙突を立てて、交代で火の見張りをして焼いた炭だ。実際市販の炭と比べると火持ちが断然違う。マイ炭以外にお気に入りの炭を県外から取り寄せもしている。福岡に2箱、鹿児島に1箱を常備している。

 

七輪は何も家の軒先だけで活躍するモノではない。先週も遠出をしたが七輪を2個も車に乗せて持って行った。早朝家を出て目指す場所に陣取り、先ずは朝食の用意だ。熱々のコーヒーを点て、最近市内で開店した福岡や宮崎にもあるショッピングセンターの中のパン屋が作るねじりドーナツを食べる。このねじりドーナツ、実は15年ほど前シンガポールに住んでいた頃は毎週日曜の朝食に欠かさず食べていた。きっと子供の頃のひもじい思いのはるかかなたにこのパンがあったんだろう。

 話が逸れたが朝食が済めば七輪にヤカンを架ける。シュンシュンと口から湯気を出す様は冬にピッタリだ。七輪の火は火力に優れ、風に強く、火持ちもいいし暖も取れる。昼は飯炊きに始まり、キムチ鍋と続く。弁当もいいが外で食べる鍋はまた格別だ。更にアルミホイルに芋を包んで網の上におけば余熱で焼き芋も簡単だ。こんな便利な七輪2個を抱えてのお遊びは10年前から始まり年間2回ある。 

第二の故郷/プロデューサーズコラム

 『旅情報』コラム 2007年11月号

 

 

タイ  出張でタイに4日間滞在した。自分が10年ほど前まで住み、日々苦楽を積み重ねた貴重なフィールドだけに今もってかなりの愛着を感じている国だ。面積だけは日本の1.4倍だがタイには富士山や桜島のような美しい山なんか無い。日本の桜や紅葉なども無い。平均海抜数メートルという平坦きわまりない国に6,200万人が住む国だ。山岳民族を含むこのタイ人の屈託のない微笑みが国の最大の魅力であり、観光資源とさえ言える。

 

タイ駐在中ビルの火災で2,3度逃げたことがある。鎮火すれば社員が戻るのは当たり前だが、タイでは戻らない。やっと携帯が繋がったので日本流に何やってんだと叱ると、今電話で話してるんだと言う。誰と話してるんだと聞くと私だと言う。もはや私の怒りはどこかに行ってしまい、笑いさえ込み上げた。

 ある時タイの東部の街で皆既日食の撮影班用に事前に頭金を払い予約マネージャーのサインを貰ってホテルの確保をした。ところが一ヶ月前になって約束通り氏名の報告をすると予約が無いと言う。かねて確保していたホテル発行の確認書を送るとこれは無効だと言う。怒り心頭で理由を聞くとその予約マネージャーは辞めたんだと。組織より人が優先することを思い知った。 

 こんな珍問答みたいなやり取りを何度も経験すると徐々にこの国の思考パターンが分かる。国の法制度がどうなっているかというより、はるかに人とのパイプが重要な国だ。西側の論理が通じないアナログの世界に居心地の良さを感じ始めるともう抜けられない。自分はアジア人だったと自覚する。

船旅のススメ/プロデューサーズコラム

 『旅情報』コラム 2007年9月号

 

にっぽん丸 このところ毎週のように中国から船で800人のお客様がやってくる。中国の人達も鹿児島まで船でやってくる時代になったんだと感慨深げに港に立っていたら、突然自分は一度も船旅なるものを経験していない事に気が付いた。これはいけないと先日船で東北を旅する機会を得た。横浜から三陸海岸を経てあのまぐろの1本釣りで有名な下北半島突端の大間を廻って秋田に到着、竿燈祭りを見て次に青森のねぶたを見学するというコース。

船は荷物の移動もなく、寝ている合間に移動でき、三度三度の食事、更におやつや夜食もあり、各種講座、落語、プロの音楽もあり、確かに楽だ。日本の船だと立派なお風呂まで付いていて日常の延長線上で旅ができる。だから世界一週も毎回満員盛況なんだろうと納得した。 

一体この世のすべての乗り物の中で船長さんという職業は別格でステイタスが高い。船長主催のカクテルパーティーなんて言われれば有り難くも、本当に彼が払うんだろうかって考えてしまうのはあまりに貧相か。人類史上最初に世に登場した乗り物が船ということで威厳を保ってるんだろう。でも飛行機のパイロットもいれば、電車の運転手さんもいるし、バスやトラックの運ちゃんもいて世界は動いている。エアバス最新型機では何と555名もの人が一度に搭乗できるらしい。でも毎日お世話になるバスの運転手さんは安全運転はもとより、運賃の精算と案内放送、場合によっては洗車までも一人で担当されているんだろうからもっとすごいよなって結論に達した。こういう思考の時間も船旅の効用なんだろう。

お気に入りの店

『旅情報』コラム 2007年7月号  

 

前号で滋賀の会席料理のお店について書いた。では鹿児島ではどうかと問われれば今なら迷わず中央駅近くの洋食屋と言うだろう。ここのシェフは以前私がミクロネシアの島に住んでいた丸5年の間、重なるように2年間、島内の有名なホテルのシェフとして勤務されていた方だ。でも夜の飲み屋も共通しているのに不思議に当時出会った記憶が無い。その後国際的なホテルチェーンでも仕事されたこともあって腕は確かだが値段は安いという、単身赴任者には願っても無い良心的な店だ。 先日も時間が無い中で訪ねると、それならハンバーグだとシェフがメニューを決めてくれた。素材を厳選しているという自信もあって、通常レアな感じで出てくるが焼き加減もお好みで対応可だ。

先日海外からの出張者を飲みに連れて行った。連中、翌日仕事済ませて新幹線に乗る前にまた昼に立寄ると予約までして帰った。 決して豪華なインテリアではないが周囲の雰囲気にピッタリはまっているところがいい。また厨房を含め働くスタッフの家族的な雰囲気もいい。一人身の侘しさを感じさせない店だ。家庭料理とは違ったプロの味をご家族でも食されては如何だろうか。敢えて電話番号も書かないし、場所の詳細も書かない。今でも客が多いのにこれ以上増えたら大変だ。食い物にアンテナを張る人なら探してでも行くはずだから。 

尚このお店はそもそも数ヶ月前に某テレビ局の方にご紹介頂いたのがきっかけ。仕事柄とはいえアンテナの張り具合は確かだ。

 

20年サイクルの客  

『旅情報』コラム 2007年5月号 

私の財布は所有者同様小太りです。お札が入っているのではなくお店の領収書で膨らんでいます。数代前の財布も財布としての機能は無くなっても領収書が入ったままですから捨てません。今の財布の中の領収書も種々雑多で、古いものは何と21年前のものが入っています。例えば会席料理なら今までで一番と思った店の領収書を入れ、これを越えるものを食べればその時点で差し替えます。

続きを読む "20年サイクルの客  " »

観光立国推進基本法

『旅情報』コラム 2007年3月号

難しい話をするつもりはありませんが1月1日に観光立国推進基本法なるものが施行されました。これまで43年間続いた観光基本法の全面改訂です。私は何度か目を通しましたが曖昧そうな言葉の中にもキラキラ光るものを感じます。

続きを読む "観光立国推進基本法" »

今田舎が面白い

 土地の方との交流会 『旅情報』コラム 2007年1月号

私は田舎が大好きだ。東京に住んだことがある私でも数年ぶりに訪ねるともう別世界に様変わりしている。急速な変化を喜ぶ世代もいるだろうが私には便利すぎる世界は極めて不便だ。こんな世界は疲れる。都会で働く人々は時間に追われ、仕事に追われ、生活に追われる。これを生きてる実感という人もいるだろう。確かに参考になる先輩も多いし地方では1年でやっと経験できることも都会じゃ1ヶ月で経験できる。つまりケーススタディーの豊富さは都会の一つのメリットだろう。同業他社の動きも掴みやすい。現代は情報戦、だから世界の情報が集る都会こそが自分の土俵と思う人も多いだろう。でも年齢を重ねるとこの環境は結構つらい。

続きを読む "今田舎が面白い" »

余計なひと言

『旅情報』コラム 2006年11月号

先日宮崎に住むオフクロを誘って名の売れた牛肉専門店に入りました。オフクロは今年83歳なので量を抑えたシニアメニュー(65歳以上対象)を注文。私は普通のステーキセットを注文したんです。 しばらくするとテーブルセットの係りが小皿、サラダなどを運んで来たのですが最初の言葉が『シニアメニューはどちら様ですか』ですって。これには参りました。もう切れそう!

 

続きを読む "余計なひと言" »

『青春とは』

『旅情報』コラム 2006年9月号

お気づきの方もおられるでしょうが今号より Kagoshima Travel & Topics のTravelを『Tourism』に変えています。人の動き、お客様の目線の変化に対応しながらこれまであまり取り上げられなかった地域の宝を紹介したいと考えるからです。人数は少なくても自らが関心を持ってその土地を旅先として選び、ありのままを見て、少しでも理解していただければいいと考えます。

 

続きを読む "『青春とは』" »

『おじさん、おばさん』へ

『旅情報』コラム 2006年7月号

この旅情報を所謂おじさん、おばさんがお読みになっていたらごめんなさい。

でも同世代の一人として最近のおじさん、おばさんのマナーの悪さを黙っていることはできません。私は家と畑が福岡にあることもあって月に1回は帰ります。また会議などもあって列車を利用する機会が多いのですが毎回車両の中で大声で携帯電話を利用するのは決まっておじさん、おばさんです。中でも特におばさんが目立ちます。

 

続きを読む "『おじさん、おばさん』へ" »

copyright © 2007 鹿児島県観光連盟. All Righte Reserved