「鹿児島をこよなく愛する、薩摩犬ブリーダー」
主に猟犬として飼われていた薩摩犬。特徴は主人に忠実、やたらに吠えず動作が機敏という、最近のペットブームに疑問を感じている愛犬家にはぜひ会わせたい利口な犬だとものの本に書いてあった。 猟犬の特徴を持つ、と聞いていたので少し怖いイメージなのかと思いつつ、案内してくれたのは、薩摩川内市に住む箱川政己さん。頂いた名刺には、NPO九州エコ・グリーンヘルパーとあり、裏には、「薩摩川内がらっぱ共和国 大統領」「川内川流域連携ネットワーク 副会長」「薩摩川内特産品協会 副会長」…と続いていた。「あの…本職は?」とお尋ねすると「鹿児島好きのただの看板屋です」と仰る。 箱川さんが飼っている薩摩犬は現在2匹。他の種類の犬と交配を重ねてしまったために、純血な薩摩犬の系統はほぼ失われてしまったが、調査の結果、甑島の山中に薩摩犬が残っているとの情報を元に、2匹を捕獲、交配を重ねて、今までに約40匹の薩摩犬を里子に出したと言う。
「ワンっ! ワンっ!」、主人の気配を察したのか、けたたましい犬の鳴き声が聞こえてきた。箱川さんは郊外の山を丸ごと買い取って、そこで薩摩犬を飼っている。本来山犬である薩摩犬を育てるのに絶好の環境だ。2匹の犬の名はタケ(メス)とサクラ(オス)。タケの方が年上で、サクラが年下、姉さん女房なのだという。それにしても、少し狼に似た獰猛な顔つきを想像していたので、タケの愛想のいい顔にメロメロになってしまった。ちぎれんばかりに尻尾を振ってじゃれて来る。サクラはまだ若いのが態度で分かる、どことなく顔も凛々しい。可愛い…。「山の中を散歩しましょうかね」、そういうと箱川さんはタケの首輪を外した、サクラはまだ若いから離さないが、タケは山を自由に走り回ることができる。
そうそう、この山の中にはたくさんの河童がいる、といっても人形だ。川内川流域には河童伝説が現在でもたくさん残っている。そんな自然を残したいんですよね、と語る箱川さんの目の前の斜面を、タケが勢いよく駆け上っていく。「なぜ薩摩犬を復活させようと思ったんですか?」と聞くと、「戌年だからですかね…鹿児島も犬も川内も好きです」。
薩摩犬保存会 鹿児島県薩摩川内市東郷町斧渕260-10996-42-2128
* 薩摩犬を飼いたいという方の里親希望が多数寄せられています。ご希望の方は早めにご連絡を。
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