中種子町の南に位置する立切遺跡から旧石器時代の遺物や遺構が発見されたのは平成9年のことです。火を炊き、焼いた石を使って石蒸し料理をするなどの生活跡が確認されました。これまで旧石器時代の日本人は食料となる獲物を追いながら移り住んでいたというのが定説でしたが、種子島の旧石器人は一定の期間、一定の場所に留まって生活していたようです。この遺跡は約31,000年前、後期旧石器時代の生活跡とされます。斧(おの)状石器、磨石(すりいし)、砥石(といし)など50点ほどの石器も出土しました。この頃は、種子島は離島ではなく、九州本土と陸続きだったのではないかという説もあります。