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夏休みはファミリー層対策を

 2009年5月25日
              

まもなく子供達にとって楽しい夏休みがやって来ますが、日本の夏の美しい風景を想い出させる爽やかな歌があります。

「夏がくれば思い出す はるかな尾瀬遠い空 霧のなかにうかびくる やさしい影野の小径 水芭蕉の花が咲いている 夢見て咲いている水のほとり しゃくなげ色にたそがれる はるかな尾瀬遠い空」、中学校の音楽で習う「夏の思い出」(中田喜直作曲)であり、雄大な尾瀬の湿原を歩くハイカーの姿が目に浮かびます。

 

ところで夏休みの旅行のメインは、ファミリー層であり、その夏休みの体験が子供達を大きく成長させることになり、子供の求めるニーズにきちんと応えるべく、施設は今から準備すべきです。大人と子供が一緒になって楽しめる体験を商品化できることが、需要喚起につながると思います。

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  たとえば宿泊機関においては、滞在時間を楽しく過ごすことができ、子供の学習に役立つ企画が求められます。ロビーに昆虫等を展示するなどして興味を惹きつけ、翌日周辺地域でセミやカブトムシを捕獲できる森林や、フナやメダカなど川遊びのできる場所、貝堀りなどができるビーチなどを案内することで、日頃体験することができない自然の姿に触れることができ、感動する機会を提供できると思います。

又、夜は宿泊施設で大人も一緒になり子供向けの映画を、共に鑑賞する場所を提供すれば喜ばれると思います。玄関先での花火大会や朝のラジオ体操なども、思いで作りには欠かせません。


 

今年は世界天文年です。7月22日には、今世紀最大の「皆既日食」が鹿児島の離島では観察でき、本土でも95%〜98%の部分日食が観察できます。子供達に宇宙への興味をいだかせる良い機会であります。また、鹿児島にはきれいな星空を見ることのできるスポットが多くあり、親子での星空観察も有意義な体験になります。

 

十数年前までは地域ぐるみでキャンプに出かけたり、「少年の翼」など集団訓練の場がありましたが、今ではそのような行事も減少し、社会的規律を学ぶこともなくなりつつあります。また、親子のふれあいが少なくなった今、夏休みの体験を通してふれあいの機会を増やすことが大事と思います。ある心理学者が言っていましたが「家族旅行を多く経験している子供は、切れにくい」と言う発言を聞き、親子のふれ合いの大切さを知りました。

 

今年の夏はETC割引があり、乗用車による旅行が飛躍的に伸びることが想定され、その中心はファミリー層です。GW期間中に指摘された駐車場不足対策も、早めに行わなければなりません。一方、夏休みは旅行需要がいちばん伸びる期間です。子供の成長に貢献できる場を提供しながら、個々の施設の発展を図ることも重要と感じます。そのため早めの準備をして、今年の夏は万全の態勢で望みたいものです。

クルーズの魅力とは

 

2009年5月17日

 

 

昨年度マリーンポートかごしまには、過去最高の41隻のクルーズ船が寄港しています。日本でもようやくクルーズ人気が高まり、日本近海だけでなく海外に出かけて、地中海クルーズやカリブ海クルーズを楽しむ人も増えています。


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  ところで中国の三峡下りのクルーズを経験された方が多いと思います。長江の流れに乗り3日間に渡り山々が織りなすパノラマが、乗船客を喜ばせます。その三峡の美しさを多くの詩人が歌っていますが、唐の時代の詩人李白が、残した漢詩を紹介します。高校の国語の教科書にも登場しますので、覚えている方が多いと思います。


 
                               
           早発白帝城     李白 
        朝辞白帝彩雲間    朝に辞す白帝彩雲の間 
        千里江陵一日還    千里の江陵一日にして還る 
        両岸猿声啼不住    両岸の猿声啼いて住まざるに 
        軽舟已過萬重山    軽舟已に過ぐ萬重の山
 
  [
文略]         
           朝早く白帝城を出発する
        朝早く朝日に映える白帝城を出発する。
        千里先の江陵へは
一日の行程である。
        舟が行く両岸の崖からは、悲しい猿の
鳴き声が聞こえ
        旅情をさそう。
        軽やかな私の舟は、幾重にも
重なる山並みを見ながら、
        通り過ぎて行く。
 

 

  白帝城は長江の上流に位置し、川の両岸は延々200キロの峡谷が続き、切り立った崖からは猿の鳴き声が聞こえ、旅人の旅情を誘います。白帝城は「三国志」にも登場しますが、蜀の劉備玄徳が、自分の死後のことについて、部下の諸葛孔明に託した場所としても有名であり、内部にはその様子を紹介している塑像があります。

 

三峡下りは、今年中に下流に完成する三峡ダムのために景観が大きく変わることになります。発電が開始されると、水位が最終的には百メートル上昇することになり、このため有名な古桟道跡が水没し、また三国時代の皇帝である劉備玄徳が死んだ白帝山は「白帝島」に変わってしまいます。


 三峡は、嬰塘(くとう)峡、巫(ふ)峡、西陵(せいりょう)峡からなっていますが、見上げるほどの絶壁や山肌は、水位の上昇により大きく変化しており再びクルーズに参加する人は、その変貌に驚くと思います。  

 
  ところでクルーズの良さは荷物の移動がなく、船内では毎日イベントが繰り広げられ、寄港地では観光地巡りと退屈させないスケジュールとなっています。航海中は、昼間は講演会や船上パーティ、プールなどで過ごし、夜はナイトショーやダンスパーティーが開催され、楽しい時間を過ごすことができます。特に夜のイベントでは着衣する服装がカジュアル、フォーマルなどと決められており、事前の準備が必要であり、女性にとっては着替えの楽しみがあります。
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  鹿児島に寄港する外国船は、ほとんど夫婦参加となっています。日本人は急ぎ足の旅行には慣れていますが、船内で長時間滞在する旅行は苦手です。自分の趣味を持ち読書など時間をうまく活用できる人、また他人と気軽に話すことのできる人は、長い船旅に退屈しないと思います。本格的なクルーズ時代を迎え、まず日本近海の短期間のクルーズ船でその良さを味わうことから始めても良いと思います。

 

また、今のクルーズ船はホテル並みの豪華さで、医者も常駐し生活には何不自由ありません。マリンポートにクルーズ船が寄港したときに、外国人と会話したり船内見学等をすれば、必ずや外国クルーズに参加してみたいという願望に駆り立てられると思います。


  皆様もぜひ豪華客船に乗り、のんびりとクルーズの旅を楽しみませんか。

                     参考 yahoo「三峡下り」

有効的な宣伝手法とは

 

2009年5月11日

             

 

各自治体、観光協会、旅館組合などが自分の地域へ観光客を誘致するため、さまざまな形で誘客活動を行っており、中でも新聞、テレビ、パンフ、情報誌などメディアを使った宣伝が多く見られます。又キャラバン隊を組織して、大都市のデパートや地下街で物産展と一緒に観光宣伝を行うケースもあります。最近ではホームページを充実させて、常に最新の情報を掲示することが日常的に行われています。

 

今の旅行者は、旅行先や宿泊施設の決定について何を参考にしているか、日本観光協会が毎年調査しているデータでみると、一番多いのが家族・友人の話で、次いでインターネットの情報、そしてガイドブック、パンフレットの情報と続いています。体験した人の口コミを最も信頼しており、合わせて他の媒体を活用していることが伺えます。インターネットによる情報収集は、ここ5,6年急激に伸びており、家庭での利用が顕著となっています。総務省の調査によると、日本人の75%に当たる約9千万の人がインターネットを利用しており、今後も拡大すると予想しています。利用者の情報発信基地として、自治体や観光協会のホームページが有効な手段となっています。 

 

ところで自治体や観光協会が、地域の宣伝をする手法として、○○ミス、○○大使を帯同し大都市圏の地下街等でパンフレットや名産品を通行人に配るなどしてPRするケースを見かけます。通行人がどっと押し寄せ、たちまちのうちに配布物がなくなることが多くあると思います。担当者はパンフレットが何万部配布できたと喜んでいます。しかしその効果の程はどうでしょうか。近くの地下街のトイレやくず箱に、パンフレットが捨てられていることがよくあります。単に景品もらいに集まる人も多いと感じます。不特定多数への宣伝には十分研究すべきです。せっかく○○ミス等を連れて行くのであれば、マスコミ等を訪問して地域情報をきちんと伝え、番組で取り上げてもらう努力が必要です。単なる訪問は意味を成さないと思います。

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200905111017384681.jpg自治体の観光パンフは地域の情報を網羅するため、豪華でしかも多くのページを用いることがあります。
 しかし利用者にとってはわかりにくい場合が多く、季節ごとの情報や歴史、食、祭りなど簡単なパンフを作ることが、情報を求めている人には伝わりやすいと考えます。
  特に歴史や地域文化を訪ねる人に対しては、カルチャーセンター、文化講座、生きがい大学などの団体に情報を発信することで、効果があると思います。

 

最近では旅行商品企画に反映させるために、エージェントを集めて地域情報を伝達したり、個別の相談会を開催して効果があがっています。特に商品企画支援策については、エージェントは宣伝費用の補填になり有り難い施策です。又商品の企画に当たっては半年先の情報が必要であり、そうであると商品企画に反映させることができ助かります。タイムリーに届けることが肝心です。

 

一方観光客は、遠方から来る人ほど広域に回ります。たとえば首都圏のお客様が南九州を観光する場合は、宮崎空港から入って霧島〜鹿児島〜知覧〜指宿〜鹿児島空港と周遊するコースやその逆パターンが定番となっています。その意味で自治体の宣伝は、広域の観光協議会を組織して活動することで効果があると思います。九州観光推進機構は定期的に大都市圏で、「九州は一つ」の合言葉で広域の宣伝活動を展開しており、一定の効果をあげています。又、定期的に実施することで商品づくりや人脈づくりにも役立っています。

 

ところで高速道路が土日と祝祭日が1000円となり、マイカーによる旅行が増えてきました。その影響で観光施設やホテルは、駐車場確保が新たな課題となっています。今年のゴールデンウイークは、入場施設においては駐車場不足のクレームが一番多かったと聞きました。これから2年間は続く制度であり、観光施設では駐車場の場所や周辺の情報を伝えることも大切であり、そのことが観光客の増加につながると思います。

 

今、世界的な経済不況による景気低迷が国内旅行の需要にも影響を与えており、併せて地域間競争はますます激しくなり誘客活動も熾烈を極めています。お客にとって有用であり、しかもエージェントにもメリットがある情報が、商品造成につながりPR効果も出やすいと思います。必要なところに情報をきちんと伝えることが肝要です。

 

一方では地域ぐるみで「おもてなし運動」を定着させ、ホスピタリティの向上を図ることが地域のPR効果を促し、誘客につながると考えます。

有効な宣伝方法とは、費用対効果を検証することです。もう一度自分の地域の宣伝手法を見直してみませんか。

鯉のぼりを観光客誘致にいかす取組

  2009年5月7日

          

 

今年も端午の節句がやってきました。端午というのは、五月の初めの午(うま)の日という意味で、それがいつのまにか日本では五月五日に固定されてしまいました。そよ風に気持ちよさそうにさっそうと泳ぐ鯉のぼりの姿は、日本の春を象徴する代表的な風景です。
  


  端午の節句になぜ鯉のぼりを飾るのでしょうか。日本の家庭で一般的に広まったのは、江戸時代と言われています。家に男児が誕生したと天の神に告げ、「この子を守ってやってください」と守護を願って目印にしたものが鯉のぼりです。地方では三月の女子の節句と並んで、端午の節句を男子のお祝いとして盛大に祝うところが多くあります。「鯉が竜門の滝を登ると竜となって天をかける」という中国の故事がありますが、それは「登竜門」という「男児の成長と出世を願う」言葉に表れています。

 

ところで今日本の家庭では核家族化が進み、三世代同居という生活はほとんど見られなくなり、少子化と相まって鯉のぼりを掲げる家庭も減ってきています。そこで家庭でねむっている鯉のぼりを集めて、宿泊施設が近くにある渓谷沿いに泳がせて、観光客誘致に結びつけている九州の二箇所の観光地をご紹介します。

 

一箇所は、熊本県と大分県の県境に位置する杖立温泉です。杖立温泉の鯉のぼりというと、杖立川の川幅いっぱいに無数の鯉いでおり、その泳ぐ風景は誠に壮観です。ここの鯉のぼりは、不要になった鯉のぼりを活用すべく、全国に呼びかけ集めたものです。四月から五月にかけての二ヶ月間泳がせていますが、鯉のぼりを提供した多くの人が、泳ぐ姿を訪ねて観光にやってくるということで、まさに負の遺産を活用した地域興しと思います。周辺には、黒川温泉や満願寺温泉、日田温泉など多くの温泉地があり、阿蘇地域の滞在型観光の拠点にもなっています。

 

2箇所目は、佐賀市の郊外にあり九州の嵐山といわれる川上峡です。嘉瀬川に架かる官人橋の上下流に約300匹の鯉のぼりが泳いでいます。こどもたちが成長し家庭で飾らなくなった鯉のぼりを寄贈してもらい、多くの方に楽しんでもらおうということで始まり、今回で26回目を迎えます。川上峡は長崎自動車道の佐賀大和インターの近くにあり、また「三瀬ルベール牧場どんぐり村」を通り、福岡市の早良区に抜ける街道入り口にあります。近くには川上峡温泉や、斎藤茂吉や青木繁など文人墨客に愛された古湯温泉がありシーズンを通してお客さんが絶えません。

 

ところで日本の昔の原風景をとどめる地域が少なくなりました。又、正月の凧揚げや駒回し、羽根付きなどの伝統行事もほとんど見られなくなり、子供達に日本の伝統文化を伝える機会も少なくなっています。家庭には、ひな人形や鯉のぼり、兜がお蔵に眠っています。そのような日本文化を伝える品々を、通りに面した場所に展示したり、川の両岸にロープを張り、鯉のぼりを泳がせるなどして、地域の魅力アップを図り人を呼ぶ仕掛けが必要です。

  観光は大きな投資をして、箱物を作るのではなく、今あるものをどのように活用するかです。家庭に眠っている鯉のぼりを地域ぐるみで掲げ、美しい日本の原風景を再現することで、地域活性化の方策になると思います。

             参考資料 情報センター「あしこし九州」

       

  

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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