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「外国人観光客受入体制の整備を」 〜観光プロデューサーズコラム〜

                     2010年3月1日

 
          鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光 

 鹿児島P1030677_1.jpg県観光連盟では、外国人観光客の受入体制の整備充実を図るため、平成21年度から受入体制づくり推進事業を進めています。当該事業において、先進地における事例調査のほか、県内の観光案内所、宿泊施設、観光施設、ゴルフ場、飲食店、土産品店、空港、駅、港などの交通拠点、その他施設における外国人観光客受入体制の調査をするとともに、必要な助言や提言を行っています。去る2月17日に「外国人観光客受入体制推進講習会」を開催したところ、約150人が参加し、訪日旅行への関心が高まっていることを感じました。 

 最初に、JNTO(日本政府観光局)の宇山浩司海外プロモーション部アジアグループ次長P1030684.jpgに、講演をしていただきました。その中で平成21年の訪日外国人旅行者は、679万人で18.7%減少したというショッキングな報告がありました。全体的に市場規模が減少する中、主要国では中国のみが前年実績を上回りましたが、人員的には韓国、台湾、中国、米国、香港の順ということでした。
 
訪問目的では、全体の半数以上が観光目的であり、その傾向は高まっており、香港、台湾からの旅行者は、70%を超えています。一方、米国や英、独、仏からの旅行者は商用客が5割近くになり、対照的な数字となっています。訪日経験で見ると、韓国、台湾、香港からはリピーターが多いのに比べ、中国からは86%が初訪日であり、今後可能性の高い国であることを示していると思います。  

 鹿児島県の状況をみると、国・地域別宿泊者数は、20年に過去最高の13万1千人を記録しましたが、21年のホテル・旅館64施設の抽出調査結果では、前年比56.5%となっています。要因として景気低迷、新型インフルエンザ、ウォンの下落などがあげられます。人員は韓国、台湾、香港、中国の順で、韓国からの訪日者数が全体の40%強であり、定期便が就航していることや、冬場のゴルフ客が多いことなどがあげられます。 

 昨年鹿児島県DSCF3599.jpg観光連盟には、外国人観光客受入推進員が3名置かれ、その推進員が県内の宿泊施設、観光施設、交通機関について整備状況を調査しました。宿泊施設については、団体客は受け入れるが、個人客受け入れに消極的な施設が3割程度ありました。
 
観光施設については、英語版パンフがあるのは43%で半分にも満たず、他の言語パンフがあるのは10%程度でこれからというのが現状です。交通機関については、時刻表や行き先などが多言語で表示されている機関は少なく、特に車内にある路線図、駅やバス停の表記はばらばらで、外国人にはわかりにくいとの指摘が多くありました。全体として県内の各機関の対応、案内表示等は、外国人が個人旅行をするには、多くの課題があると感じました。

 今後外国人の増加に備えて、HPの充実やピクトグラムを用いての表示などが必要と思いますDSCF3674_1.jpg 今後鹿児島への外国人観光客を増やすために、下記の点に力を入れていきたいと考えています。今後も東アジアからの誘客が中心となりますが、韓国、台湾、香港、中国については、旅行社への現地セールスや招聘事業を強化していきます。定期的に宿泊施設、観光施設、運輸機関、行政などと一緒に現地でのプロモーションを展開し、招聘事業では、鹿児島ならではの天然砂蒸し温泉、武家屋敷、世界自然遺産の屋久島、トレッキングなどプライオリティの高い箇所をPRすることに重点を置きます。鹿児島の食のPRも欠かせません。特に増加が期待できる中国については、個人ビザが解禁となり富裕層対策が重要であり、特にショッピングに対する対応強化が必要です。外国語表記や銀聯カード取扱店を増やすこと、コンシェルジュ機能充実などが急がれます。 

 ところで鹿児島県は、長崎県、大分県、熊本県に比べると、外国人宿泊客は3分の1程度でありますが、行程上時間がかかるため、福岡県に来た外国人を鹿児島まで誘致することが厳しいことが大きな要因です。1年後に全線開業する九州新幹線は、その課題を解決してくれる糸口になると思います。 

 観光庁は観光立国P1010057.jpgに向けて、東アジアからの一層の訪日旅行強化や、制度面の改善、受入体制の整備に取り組んで行く計画を発表しました。観光連盟でも、県や九州観光推進機構、関係機関と連携しながら、クルーズ船やインセンティブツアーなど外国人誘客に引き続き努めていきたいと考えています。これから日本は人口が減少していき、しかも国内市場は成熟しており、国内旅行の大きな伸びは期待できません。
 外国人を誘客することに大きな期待がかかります。
外国人への対応にあたっては、まず相手国の生活文化を理解し、簡単な挨拶を習得することは最低限必要なことです。また、満足度を高めるためには、交通アクセスの整備、案内板の設置、通訳ガイドの養成、ガイドブックの配布などの取組が考えられます。全国的には昨年11月から訪日客が急速に回復しており、1月は10.3%の伸びとなり3カ月連続増加しています。鹿児島でも、韓国からの訪日客が11月以降前年を超えており、回復基調になってきました。外国人が増えることで、地域は明るく元気になります。これからも誘致に努力したいと思います。  

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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