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「訪日中国人誘致に向けての取組」 〜プロデューサーズコラム〜

  
  

                         2010年8月16日

               鹿児島県観光プロデユーサー  奈良迫英光   

 観光庁2010081600312512338.jpgによると、2009年の訪日外国人の総数は679万人で前年比18.7%と大幅な減少となりましたが、要因としてリーマンショックによる世界的経済不況、新型インフルエンザ等の影響があげられます。国・地域別で見るとアジア地域(韓国、台湾、中国、香港、タイ、シンガポール)から481万人と全体の70.9%を占めています。中国は、101万人で0.6%の伸びとなりましたが、他の地域は大幅な減少となっています。
 現在中国人の訪問地は、東京、大阪などゴールデンルートが主流ですが、中国経済の発展、航空路線の拡大、訪問地の多様化、個人観光ビザの緩和等を考えると、今後日本各地への誘客が期待できます。  
 7月1日から大幅に緩和された個人観光ビザの対象は、これまでの10倍、1600万世帯に拡大され、新たな巨大市場の登場に関係者は大きな期待を持っています。
日本では国内旅行は成熟しており、また、人口の減少や景気低迷、先行き不安などによって国内消費は縮小すると考えられ、今後大きな伸びが期待できる中国人観光客の誘致が、地域活性化には欠かせません。 

 ところで、鹿児島県を訪れる外国人は、韓国人が最も多く、次いで台湾、香港、中国となっており、nansatsu_2010411740.jpg中国からの誘客が課題となっています。誘客については、定期的に韓国、香港、台湾、中国へのエージェントセールスを展開しています。
 
観光連盟では、外国人観光客に対応するため、昨年度より外国人観光客受入推進員を3名(中国語、韓国語、英語)配置し、受入施設等の状況調査による改善のための助言・多言語化等への取組を強化しています。また、ホームページの充実、通訳案内士試験セミナーや外国人観光客受入体制推進講習会の開催などを行い、県内各地の受入態勢の充実に努めています。今年2月には、外国人観光客の現状と展望、宿泊、観光、販売所等でのわかりやすい外国語表示の方法や接遇等についての講習会を開催し、昨年の倍の150名が参加しました。 

 鹿児島には、現在上海線が週2便、ソウル線が3便ありますが、台湾、香港はチャーター便に頼っているのが実情です。特に台湾については、定期便のある宮崎と連携した誘客が必要です。訪日旅行市場において、中国での最大のシェアは、華東地域(上海市、浙江省、江蘇省)です。7月中旬に中国の深セン、広州地域から誘致のため現地大手旅行社5社を訪問しましたが、各旅行社の日本担当者は、九州へは直行便が1路線(広州〜福岡)しかなく、しかも席数が少なくて料金が高く、ツアーの設定が難しいと語っていまし2010081600265012250.jpgた。広州地域からの九州への誘客は当面厳しいと捉えており、本県から距離的にも近く、定期便のある上海からの誘致を強化すべきと考えます。 

 現在福岡を訪れた外国人の次の訪問先は、長崎、大分、熊本の隣県に集中しており、要因としては、JRや高速道路を利用して2時間程度で行ける利便性にあります。長崎にはハウステンボスが、大分には人気の湯布院があり、熊本は阿蘇など話題に欠きません東アジアの観光客の主流は2泊3日であり、「福岡」+「熊本・阿蘇」+「湯布院・別府」のゴールデンコースに人気があります。幸い、来年3月に鹿児島まで九州新幹線が全線開通し、博多と1時間20分で結ばれます。 

 鹿児島県としては、
?新幹線活用と、従来の中九州に負けない鹿児島独自の旅の提案と移動コストの軽減   ?桜島、砂蒸し温泉、世界自然遺産など小グループや個人のニーズに応えられる他地域にない観光資源を商品化する。
?今後増加する教育旅行に対応した農業・漁業体験などのコンテンツの整備、姉妹校提携、学校交流の相手先の確保
?新設された上海事務所を通して、福岡からの利便性と観光・物産のPRを現地エージェントに積極的に行うとともに、招聘事業を積極的に推進する。新幹線と海外定期便を活用した新たなコース設定が求められます。  

 
中国からの誘致活動は、県としては比較的歴史が浅く、クルーズ客船以外は大きな成果が得られているとは言えません。中国人の観光客は今、東京や大阪など大都会中心です。かつて日本人の旅行も、皇居や東京タワーの見学、お土産をたくさん買うことが普通であり2010081600253012223.jpg、今の中国人の旅行スタイルを見ると、その時代を彷彿させているようです。 
 中国人への観光個人ビザが緩和された今、全土に浸透していくには時間がかかります
が、中国の人口と経済発展を考えると、日本に来る中国人観光客が急激に増加するのはそう遠くないと思います。中国本土に近く観光素材が多い鹿児島は、訪問しやすい環境に恵まれており、特に富裕層に対する温泉療法やPET診断、グルメツアーなどは効果的と思います。
 
また、観光の基本は、「おもてなしの心と人と人との温かいふれあい」です。今後も受入に関して市民への啓蒙を積極的に行い、地域全体で外国人を温かく迎える雰囲気づくりに努めなければなりません。相手国の文化を理解することが、国際化への一歩であり、外国人を増やすことが、地域の活性化につながると信じてやみません。       

              

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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