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「新しい農業へのチャレンジ」 〜プロデューサーズコラム〜


                 2010年8月30日 

            

          鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光 

 中国産ギョP1020508.jpgウザへの農薬の混入、ラベル張替えによる産地や日付の偽装など食の安全をめぐる報道が目に付きます。かつて問題となったBSEや食の大量廃棄なども、本質的には日本の食料問題に関することがらです。
 
昭和35年には79%あった食料自給率は、平成18年度で40%(カロリーベース)まで落ち、主要先進国では最下位となっています。オーストラリアが237%、アメリカが126%、フランスが122%、ドイツが84%、イギリスが70%であり、いかに日本の自給率が低いかがわかります。
 
また、農産物の輸入額は403億ドルであり、日本の人口は世界の2%に過ぎませんが世界の農産物輸入額の1割を占めており、いかに外国の農産物に頼っているかがわかります。また、日本の農薬使用量は、耕地面積1haの散布量は世界の第2位となっており、有機農業への転換を推進している地域も多くなっています。 

 今まさに2010082923390017852.jpg食の安心・安全が問われており、日本の農業の在り方が問われています。旅行の途中に気軽に立ち寄れる「道の駅」が注目されていますが、道の駅の食材は、生産者の顔が見えることが購買者の心を捉えていると思います。顔写真が掲示されており、産品に作り手の熱意が感じられ一層親近感が高まります。
 
スーパーでは、規格外の食材は販売されず、農家では今までほとんど廃棄処分でしたが、道の駅では出すことができ農家の生産意欲向上にもつながっています。顧客は、最初はツアー等で店の存在を知り、その後日常の顧客になっている場合が多いと聞きます。 

 ところで、団塊の世代の大量退職時代を迎え農業に関心を持つ人が増え、田舎暮らしを希望する人も増えています。貸し農園や果樹などのオーナー制度を導入する地域も増えており、食と農の在り方について見直しの環境が整いつつあると思います。
 
しかし、農業を一から始めるには課題も多く、就農希望者の要望を聞きながら、定着しやす2010082923401917801.jpgい環境を整備することが必要です。簡単な植え付けはやるけれども、日々の管理は農家に委託し、収穫作業は楽しんでするなどレジャー感覚で取り組んでいる人もいます。
 
また、ホテルと連携し宿泊した翌日に午前中だけ農業体験をして農家で昼食をとるなどして、地元産品に触れる機会をつくり、定期購入につなげている地域もあります。 

 今農協の直営店舗である大分県大山農協の「木の花ガルテン」が話題となっています。福岡市に2店舗、大分県内に6店舗営業しており、形態も「農家もてなしバイキング」と農産物直売所の両方を兼ね備えている店舗3軒と、農産物直売所のみに別れています。特umekura-2.jpgに大山町の本店は、近くを流れる川や木々の緑が美しく、景観に配慮し、店舗に観光客が立ち寄りたくなる雰囲気づくりがなされています。また、地域の特産品を加工した調味料や梅製品、ジャム、ジェラードなどを販売しており、地域を感じる品揃えがなされており、通信販売に活かされています。 
 大山農協の取組は、オーガニック(有機無農薬)農業の推進や環境に優しい資材・包装の利用で購買者に配慮し、「こだわり産品」の開発による収益性の向上を図ることで農家の収入を増やし、就農農家を増やすことに取り組んでいます。また、都市と農村との交流事業を進めることで、都市生活者が応援団となり、産品の定期購入者となり持続的な経済効果をもたらしています。
 

 福岡県img3.jpg岡垣町にあり「グラノ24K」が経営する「ぶどうの樹」は、農場の中にレストランを併設し、農園の中で結婚式やパーティを実施するなど多角的経営で話題となっています。自分の農場や近くの農家で収穫された農産物を積極的に取り入れ、パン、ハムソ−セージの製造、レストランでは定期的なメニューの入れ替えに農家の意見を反映させるなどお客様に対する安全・安心だけでなく、また地域全体の繁栄に主眼をおいています。 

 2つの会社に共通していることは、安全・安心の地域の産品にこだわっており、周辺の農家とともに地域全体の繁栄を目指して行く姿勢が明確です。特に「こだわりの商品」など地域ならではの商品開発に力を注いでいます。 

 鹿児島では新たな取組みとして、グリーンツーリズムへの動きが活発となってきました。平成23年度には、県外から1万人を超える学生の農業体験と民泊の予約が入っており農村の振興にもなると思います。新たな農業へのチャレンジとして、農業公園の設置や古民家を活用した農家レストランを始める人も出てきています。農村との都市との交流の機会が活発となり、活力ある地域づくりに寄与することを信じてやみません。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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