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「桜島の魅力と情報発信の在り方」〜プロデューサーズコラム〜


                             2010年9月13日

              鹿児島県観光プロデューサー  奈良迫 英光 

 桜島の噴火がtopimg01.jpg783回(9/8現在)となり、今年は1000回を超すのではないかと予想されています。噴火のたびに、鹿児島市内や周辺の街に大量の火山灰が降り、市民はその処理に頭を痛めています。
 
一方、鹿児島を訪れた観光客は、桜島の噴火に遭遇すると、もくもくと上がる噴煙のスケールの大きさに一様に感嘆の声を上げます。特に外国人は身近で見られる光景に、驚いています。
 
桜島への観光PRについて、桜島の噴煙が写っている絵を載せることに否定的な声が聞こえてきます。理由を尋ねると噴煙のシーンは危険であり、観光客の誘致にマイナスになるという答えが返ってきます。
 
改めて、桜島の魅力と情報発信の在り方について、考えてみたいと思います。 

 桜島の現状については・桜島は火山活動による三分類では、Aランクに属する最も活発な活火山である。

・噴火が日常yokatokohaku_sakurajima_w240.jpg茶飯事に起こっているが、厳しい生活環境の中でも約5,800人の住民が桜島には住んでいる。
・島の85%が「霧島屋久国立公園」となっており、限られた農地では「桜島大根」、「桜島小みかん」、「ビワ」などの農産物が収穫されている。
・爆発とメディアで報道されると、古里温泉では宿泊のキャンセルが発生する。観光に支障のないことは、ホームページ等で発信しているが、危険と感じている。
・多くの観光客に驚きと感動を与えているが、PRポスターには意外と桜島の噴煙を写したものが少ない。
・桜島定期観光バスの乗車人員は、市内・桜島コースが13,381人、桜島自然遊覧コースが10,937人であり、鹿児島市を訪れた観光客の総数が902万を超えていることを考えると、わずか2.6%であり意外と観光客は桜島に渡っていない人が多い。(平成20年の統計)   

 桜島には山の魅力だけでなく、湯之平展望所、有村展望所、戦争遺産、叫びの肖像、埋没鳥居、林芙美子や梅崎春生の文学碑など観光名所が多くあるのに、その魅力が意外と県外の人に伝わっていないのではないかと思います。
 
 
今後の桜島の観光振興と情報発信の在り方については、次のように考えています。   
・噴火は現実sakurajima.jpg問題として捉え、桜島を1つのフィールドとして位置づけ、常に厳しい
自然と対峙している島民の暮らしにもっとスポットを当てるべきである。
・桜島には多くの住民が住んでいることの誇りを大切にし、観光客を増やすことで地域に経済的効果をもたらすことが重要である。
・桜島の特産品である「桜島大根」、「桜島小みかん」、「びわ」等の収穫を観光客に体験してもらうことで、厳しい自然と共生している島民の生活、文化に触れることになる。
・「桜島ビジターセンター」、「桜島国際火山砂防センター」は生きた火山を学ぶ教材として教育旅行に活かす。また、避難シェルター、ヘルメット通学など、現在ではきちんとした安全対策が施されていることを前面にPRすべきである。 
・多くのジオガイドの養成を図り、溶岩トレッキングなど新たな魅力発信も必要
・火山灰はやっかいなものから、小さな袋に入れて、身近な地球の贈り物としてプレゼントすることで桜島訪問の印象として残る。
・外国人は桜島が身近な場所にあり、しかも多くの住民が住んでいることに驚きの声を上げる。外国人が気軽に安心して観光できるよう外国語表記の更なる充実が求められる。
・サッカーやソフトボールなど子供のスポーツ大会を開催することで、大人も同行する機会となり、それに合わせた食のイベントなどを開き対岸の魅力発信に努める。
・桜島一周道路の整備や農業の降灰対策も桜島の振興には欠かせない。 

 桜島のPRの20100422_1935727.jpg仕方については、さまざまな方法があります。噴火している現実はきちんと伝えることが大切と感じます。噴煙を上げている姿が本来の桜島であり、そのことがイメージとなり、観光客の呼び水となります。そして来島した観光客を桜島の地産品の購入や、宿泊、休憩につなげることが経済的効果をもたらすと信じます。「NPO法人さくらじまミュージアム」では、「桜島まるごと体験フェア」を今年から始めており、桜島を生きた教材として活用しています。桜島の噴火を負の遺産として捉えるのではなく、プラスに変える取組が必要です。

 「よりみちクルーズ」も始まり、新たな桜島の魅力発信につながると思います。 桜島は今日も噴煙をあげています。九州新幹線全線開業まで6か月、噴煙を上げる生きた桜島をもっとPRし、多くの観光客を呼びたいものです。 

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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