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「観光客に県境はない」 〜観光プロデューサーズコラム〜

                 2010年12月13日 

          鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光                             

 九州経済連201012121314131165.jpg合会熊本地域委員会の主催による「九州新幹線全線開業と地域振興」のシンポジウムが熊本市で開催され、パネラーとして参加しました。 久しぶりに降り立った熊本駅は、新幹線と在来線との駅舎の連絡通路の整備、駅前の道路の拡幅工事と信号機の変更など開業準備に余念がないという感じです。3か月先には新大阪と博多から「みずほ」、「さくら」、「つばめ」の3本の列車が運行され、一段と賑やかになることと思います。 

 会議では、誘客やPRの方法、まちづくり等について議論が展開されました。九経連の松尾会長からは、地域の魅力が十分に発信されていないことや、福岡との交流を促進するには人的交流が重要、との指摘がありました。熊本から博多まで30分となり、物流だけでなく人の往来がますます激しくなるという印象を持ちました。 
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観光振興について、熊本県としては横軸の重要性を説いていました。阿蘇から由布院、別府にいたるコースと天草、雲仙、長崎への観光ルートが定着するのではないかと感じています。各地域をつなぐバスの運行が計画されています。福岡が日帰り圏内になるという危機感から、関西方面に誘客の軸足を置いている印象を受けました。今話題のタレントである熊本出身のスザンヌを宣伝部長に起用し、イメージづくりに努めておりかなり浸透していると思います。 
 一方、熊daisyou.jpg本城を中心とした街並み整備にも取り組んでおり、回遊性のある街づくりをめざしている姿勢が伺えました。鹿児島中央駅が九州新幹線の終着駅となることで、観光客が南に下るという危機感から、熊本に途中下車させる様々な取組を展開していると感じています。
 

 鹿児島県の取組としては、南北600キロに及ぶ広いエリアに、いかに開業効果をもたらすか、また開業後も持続的な観光地になることを目指して取り組んでいる「増やす」、「広げる」の施策について紹介しました。また「おもてなし先進県鹿児島」づくりとして、「おもてなしセミナー」や「タクシー乗務員接遇研修」などを実施し、観光客を温かく迎える運動を推進していることなども報告致しました。時間短縮効果を活かし、川内で下車して甑島へ、指宿から種子島、屋久島などへ誘客することが滞在効果をもたらし、鹿児島への乗車率を高めることになります。
 
 隣接す201012121308351064.jpgる地域では、連携した観光客誘致の取組が始まっています。出水市元気再生創出協議会では、NPO法人環不知火プランニングと協力して、農家民泊体験と環境学習のプログラムづくりが進み、教育旅行の実績が上がっています。また出水と水俣・芦北地域が連携し食のイベントやウォーキング大会なども開かれています。今年の秋からは、出水駅から蔵ノ元港までの定期バスの運行も始まり、牛深との連携を図っています。
 

 霧島温泉から1時間の位置にある人吉地域は、国宝に指定された青井阿蘇神社や味噌醤油蔵、焼酎工場など、「まち歩き」しながら滞在型の観光が楽しめます。また、球磨川でのラフティングは、教育旅行で人気を博しています。全線開業で肥薩線沿線の魅力と共に、レトロな列車、古い駅舎は旅人を惹きつけます。あるホテルの経営者は、今後霧島地域からの誘客に力を注ぐと語ってくれました。 

 九州観光推進機構の調査によると、首都圏女性の九州観光に対するイメージは、北海道、沖P1030048_2.jpg縄に比べてかなり劣っています。TVや雑誌での露出が少ないこと等があげられています。南九州の魅力ある観光ルートを定着するためには、県境を越えた連携が必要です。九州観光推進機構や南九州3県の広域観光ルート連絡協議会などと連携した共同キャンペーンの展開が誘客につながります。来年秋に展開されるJR6社の「デスティネーションキャンペーン」は、大きな成果が期待されます。遠方から来る観光客は広域に回り、県境の意識はありません。これからも熊本県と協調しながら誘客に努め、一方では競争して地域を磨くことも必要ではないでしょうか。新幹線開業効果をそれぞれの県が最大限に活かすことが求められています。

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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