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「沖永良部島の魅力と観光振興」 〜観光プロデューサーズコラム〜

2010年12月20日
鹿児島県観光プロデューサー 奈良迫 英光

201012191125278133.jpg  沖永良部島は、鹿児島市から南へ552km、北緯27度線の上に浮かぶ周囲55.8km、面積93.8k?の隆起サンゴ礁の島です。人口は、和泊、知名両町合わせて1万4千人あまり。年間平均気温22度という温暖な気候に恵まれ、四季を通じて熱帯、亜熱帯の花が咲き、エラブユリ、スプレーキクなどの栽培が盛んです。最近では春先に収穫されるジャガイモが市場で優位性を保っています。また、東洋一の鍾乳洞・昇龍洞をはじめ200〜300の大鍾乳洞群が見られ「花と鍾乳洞の島」として知られています。奄美群島の中でもハブがいない島であり、農業が主産業となっています。

  2010121923514823116.jpg  私が初めて島を訪れたのが、41年前の大学1年の夏休みでした。クラブ活動の調査で両町に2週間滞在し、島民との交流が思い出に残っています。その後何回となく島を訪れましたが、平坦で開拓された耕地には、いつも四季折々の植物がまばゆい太陽に照らされ、道路は整備され、家々の回りには花が咲き、落ち着いた雰囲気を醸し出している島の魅力にいつも安堵感を感じます。

   島への入込客は、平成20年で海路、空路合わせて82.540人で毎年2.000人程度減少しています。この度、「街おこし指導事業講習会」で講師として知名町中央通り会の方々と懇談する機会がありました。米軍から引き継いだ自衛隊のレーダー基地が大山にある関係で、飲食店は多くありますが、かつての街の賑わいはありません。農業のさらなる発展が見込めない中で、産業として観光の振興に期待を寄せています。やっと動き出した島に、観光客を呼び入れる方策について懇談しました。

 島が抱える課題としては、
・港湾の設備は充実し大型船が就航しているが、船の利用客は減少している。
・航空機は、DH400の導入により時間短縮が図られている。生活路線であり、観光用の運賃は沖縄に行くより割高であり、使いづらい。
・島には就業できる職場が少なく、卒業後島を出て行くため若者が少ない。
・島の魅力が県外だけでなく、県内の人にも知られていない。情報発信の強化が求められていますが、強力なリーダーシップを持った人材が不足している。
  ・沖永良部島は一つという発想で観光振興の重要性が問われている。等があげられます。

     このような不利性を抱えながら島に観光客を呼び込む方策として次のような点が考えられます。

R0012026_1.jpg 運輸機関については
 ・観光客の利便性を確保するため、奄美群島を自由に乗り降りできる周遊キップの導入が必要である。
・船旅は時間がかかるため、定期的に船内での展示会、カルチャースクール、撮影会、音楽の発表会などを行い、船内でゆっくり楽しむための仕掛けが必要。
・第一次離島ブームを創った世代が、退職の時期に入っている。「なつかしの船旅」を提案し、島でのイベントを開催することで再訪を促す。
 島が積極的に取り組むべきことは、
・知名度を高める戦略として、島の自然の魅力を映画、ドラマ、CMの舞台として売り込むため情報発信を強化する。
・ダイビングや洞窟探検など島の魅力を盛り込んだ体験メニューをつくり、私立高校を中心として、教育旅行の新たな魅力として売り込む。
・大学とタイアップして、島でのゼミ講座を開設し、交流人口の定着を図る。
・県本土からの誘客については、教育、PTA,業界団体、スポーツ等の大会、会議を積極的に誘致することが、街に活性化をもたらす。特に女性の大会を誘致する。
・早取りジャガイモなど島の特産品を、菓子やスナック等に加工して出荷するなど新たな産業を誘致し、雇用拡大につなげる。
・大都市圏や鹿児島市内で島の物産展を開催し、地域産品の流通促進を図る。
・温暖な気候と花粉が少ないことをPRし、都市圏居住者に2地域2居住を勧める。
・島一周道路が約42kmで、起伏が少ない道路状況は、マラソン開催には好条件であり、大会スポンサーを確保し、島外者を対象にした大会を開催する魅力がある。また、島民が一体となるイベントになる可能性がある。等があげられます。

201012191133558089.jpg    人口が減少する中で、交流人口を増やすことが街の活性化には不可欠です。居酒屋で働いている若い店員は、育った島が忘れられず戻ってきたと言っています。働く場所があれば、都会から戻って来る人が増えると語ってくれました。

 島の活性化には、農業・水産業・商業・工業など多くの分野の人々が参画できる事業に取り組む必要があり、また、地元で利益が循環することが大切です。離島という不利性を優位に変えるには、「今だけ、ここだけ、あなただけ」の魅力を観光客に提供することが重要であり、加えて地元住民が島を愛し、四季折々の魅力を情報発信し続けることで、認知度が高まり、誘客に結びつきます。誘客については、鹿児島からだけでなく沖縄からのルートも考えられます。島の人々の素朴で厚い人情は、旅人を和ませてくれます。島が一つとなって発展することを祈りながら、機上から手を合わせていました。

          参考資料:沖永良部島観光ガイドブック:沖永良部島観光連盟

プロフィール

古木 圭介プロデューサー
鹿児島県
観光プロデューサー
古木 圭介
(平成29年4月より就任)
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